カテゴリー「■幸せの酒」の記事

2009年6月20日 (土)

本日開店!「ビストロ MARR」

PhotoPhoto_2BISTRO(ビストロ)とは、フランス語でお気軽でカジュアルなレストラン、居酒屋を指す。「ビストロSMAP」ですっかり日本人にも馴染みのあることばとなった分、高級感ある、お洒落なイメージが定着した。美味しい料理も出す酒場といったところだろうか。梅雨時のある週末、お気楽夫婦のご近所に1軒のビストロがオープンした。シェフは10年以上スカッシュでご一緒している友人。その日はオープン記念にスペシャリテ(名物料理)を選りすぐったメニューでご招待頂いた。集まったのは同じスカッシュ仲間の友人夫妻3組。オーナーであるシェフの奥さまと合わせて8人でテーブルを囲んだ。

Photo_3Photo_4 ーブルの上には生ハムメロン、アスパラのフリットなどのアミューズが並ぶ。食前酒(またはウィルキンソン)を飲みながら久しぶりに揃ったメンバー同士、会話が弾む。「これ絶妙〜♪」サクサクのプティ パイが人気。遅れて登場したNYC帰りの友人(妻)が登場したところで乾杯。シャンパンがシュワシュワと幸せな泡を立てる。「ずっとシャンパンが良いですか。他の酒にしますか」と前掛け姿のシェフ。見ればカウンタの上に並ぶ酒の種類も豊富。じゃあ、マティーニを!「良いですねぇ♪ドライにしますか」好きなお酒を好きなタイミングで飲めるのもビストロの真骨頂。う〜ん、美味しい。

Photo_5Photo_6 菜はプチトマトとチーズのサラダ仕立て。少し酸味のあるソースが絶品♪うぅ〜ん、パンと良く合うね。ん?このパニエ美味しいけど、これもオリジナル?「ワッフルメーカーを使って焼き直すんですよ」「へぇ〜っ。やってみよう!」「ワッフルメーカーっていろいろできるんだねぇ」2人の奥さまからは絶賛の声。妻と言えばただパンを食むばかり。自分でやってみようとスタンスは全くないらしい。「だって作ってもらった方が美味しいじゃない♪」と妻。ごもっとも。「そうよねぇ。私もその方が良い」シェフの奥さまもにこにこと同意する。確かに、この料理の味だったらますますごもっとも。

Photo_7 Photo_8 メインの肉料理の後にはタコのパスタ。トマトソースが絶品。「美味しい〜っ♪」「このソース旨いね」「これどうやって作るの?」奥さまたちは相変わらずレシピを聞き出したり、作り方に興味津々。妻はもちろん関心は薄い。「食器もどれもお洒落だよねぇ」「この取り皿はウェッジだよねぇ」「サラダも美味しいね」「しっかし、プロみたいだねぇ」「ドレッシングはレモンが利いてるね」「あ、今日はそれだけ楽して気に入ってる市販のものを使ったんですよ」・・・お気付きの方もいるかもしれない。このビストロのシェフ、通称MARRくんはプロではない。他に仕事を持つれっきとした(?)アマチュア。お招き頂いたのは彼らのご自宅。

Photo_9 Photo_10いうことはドレッシング以外全部作ったってことだよね」「すっごいねぇ!」改めて驚く友人たち。「ウチだったらデパ地下で買って来て並べても料理作った感満載だよね」と妻。威張るポイントがどうかと思う。しかし事実だ。それにしても満足の夕餉。デザートのケーキも手作りだという。シェフはインテリアにこだわり、食器にこだわり、食材にこだわる男。仕事も忙しく、スカッシュもやり、多趣味の彼はいったいいつ寝ているのやら。「2時か3時ぐらいには寝てますよ」うぅむ。エネルギッシュだ。参りました。ビストロ MARRは、そんなシェフの絶品料理で不定期営業中。次回の営業の際も是非!

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2009年6月13日 (土)

ニュージーランド & スカッシュ再び「アオテア・ランギ」

Photo_2型インフルエンンザが南半球にも拡大し、ついにパンデミック(世界的大流行)が宣言された。世界保健機構(WHO)では警戒度を最高のフェーズ6に上げて注意を促した。昨年、スカッシュの世界大会(ワールド・マスターズ)に参加するために訪れた愛すべき国、ニュージーランドのことが心配だ。ということで、スカッシュをするためにニュージーランドを再び訪れた。場所は渋谷区恵比寿。どこがNZだ?疑問を持たれるのはごもっとも。正確な日本語を使って説明しよう。ニュージーランドへの旅で一緒だった仲間たちのホームコート「コナミ スポーツクラブ恵比寿」でスカッシュをした後、ニュージーランド料理の店「アオテア・ランギ」で食事をしようという企画だ。

Photo_3 2008年10月、かなり遅めの夏休みを無理やりとって出かけた羊の国。美味しく、美しく、実に良い国だった。良い旅だった。日本に帰ったらツアーに参加したメンバーで集まろう!と盛り上がった。ところが参加者の半分以上はスカッシュのインストラクター。平日も遅くまで仕事をしており、休日もばらばら。なかなかスケジュールが合わず、結局企画は中止。それから半年以上も経ったある日、企画(一部)復活のきっかけができた。仕事でご一緒のノルウェー系企業の社長(ノルウェー人)から再びスカッシュのお誘いがあった。彼のホームコートは恵比寿。ツアーで一緒だったメンバーとインストラクターが在籍しているクラブだ。さっそく連絡をして、メンバーの女性とコートで合流することになった。

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久しぶりです〜♪」「元気だった?」そんなことばとは裏腹に、久しぶりという感じでもなく互いに挨拶を交わす。成田空港は別にして、日本で会うのは初めて。なのに不思議と違和感がない。1週間以上もツアーで濃厚接触していたためか、スカッシュ・シンドロームという同じ病に冒されているためか。でもNZでは試合三昧の日々。一緒にスカッシュをやってもいないことに気付く。それも不思議。ノルウェー人社長も合流し、お気楽夫婦と4人で交互にコートに入る。ふだん一緒にプレーしない相手とのラリーは新鮮。ニュージランド人社長も嬉しそうだ。「IGAさん、今日はとても楽しかったです。将来もやりましょう!」はいはい。そんな長期的に語らなくてもダイジョ〜ブですよ。また一緒にやりましょう。

Photo_6 カッシュの後は、ニュージランドへ。「アオテア・ランギ」の名物「グリーン・マッスル」に舌鼓。ポットに入ったグリーン・マッスル(ムール貝)を3種類のソースで食べ分ける。マオリハーブの大蒜バターソース、トマトソース、ゴルゴンゾーラ・クリームソース。えぇいっ!と3種類ともオーダー。かりかりのバゲットに良く合う。「どれも美味しいですねぇ♪ニュージランドではグリーンマッスルは食べられませんでしたね」「どの店でも料理が一気に全部出てくるのには驚いたよね」半年前の記憶とスカッシュという共通の話題を肴にニュージランドワインを飲む。旨い酒だ。良い夜だ。よし、もう1軒行こうか♪

近所の友人の同級生の店「ティオ・ダンジョウ」を横目に見ながら、前々職の会社の大先輩が経営するバー「OU」へ。それにしても良い街だよね、恵比寿は。「なんだか妙に恵比寿好きだよね。私以外の女性を大勢連れて来てるもんね」ふふふ、恵比寿には秘密があるのさ。「あ、そう」妻は軽くスルー。「またスカッシュしに来てくださいねぇ♪」あ、気を遣わせてすまんすまん。またぜひお邪魔します。

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2009年6月 7日 (日)

親娘の酒「山ほたる」「せつなとのきずな」高田酒造場

Photo気楽夫婦が通うスポーツクラブの近くに東京農業大学がある。箱根駅伝の常連校で、応援団の“ダイコン踊り”で有名だけれど、もちろんそれだけの大学ではない。地元の自治体や商店街と連携して生ゴミを有機肥料として活用する活動を行っていたり、応用生物化学部などというバイオサイエンスを学べる学部があったりする。そしてその学部の中に、全国でも唯一「醸造」という名前を冠する学科がある。その名も醸造科学科。早い話が“酒”の醸造を学ぶところだ。(もちろん、味噌や醤油、酢なども研究対象)これは凄い。大学で酒造りを学ぶのはどんな学生たちなんだろう。そんな学生の1人とスカッシュコートで知り合った。熊本出身、実家は造り酒屋。九州熊本だけに日本酒ではなく、造っているのは球磨焼酎。

週ニコタマの髙島屋でまた販売やってまぁす。良かったら来てくださぁい♪」大学4年生とは言え小柄で童顔の可愛い女の子。コートの外から彼女のプレーする姿を観ていると中学生ぐらいにしか見えない。けれど、いったん仕事の話になると、父親譲り(らしい)の情熱がことばの端から湧き出て来る。「担当の方に気に入っていただいて、最近は私だけで売場任されてるんです」父親の仕事を手伝い、年に何度か玉川髙島屋の酒売場でスペースをもらって販促している内に、すっかり“東京営業本部長”のような立場になったという。うん、分かった。ちょうど髙島屋に行く予定があるし、日曜日に売場に行ってみるよ。1ダースぐらい買えば良いの?「えぇ!そんなにたくさん?お願いします♪」・・・女の子には甘い私。

Photo_2川髙島屋の地下、酒売場は食品売場の面積の割には広いスペース。その日も九州の地酒(焼酎、泡盛中心)の試飲即売会以外にもワインの試飲即売を展開中。高田さん、来たよぉ♪「ありがとうございます。さっそくいろいろ飲んでみてください」まずは高田酒造場自慢の野生の花から酵母菌を採取して造ったという花酵母シリーズから。うん、旨い。フルーティで上品な米焼酎だ。続いて「山ほたる」という少量限定の酒。自家栽培の山田錦と岩清水を使った吟醸造りの酒。口に含むとふわっとした吟醸香。えっ?焼酎でしょ?日本酒だっけ?という味だ。繊細で優しい味わい。これは美味しいねぇ。まずはこれ買いだね。「ありがとうございます。次はこれを飲んでみてください。ちょっと面白い酒です」

Photo_3 渡された琥珀色の酒をひと口。えっ!なんだこりゃ!ウィスキー?オークの香りだ。「そうなんです。オーク樽とかシェリー樽で貯蔵した酒をブレンドしたものなんです」美味しぃ〜ぞぉ!これは♪「ありがとうございます。担当の方に気に入っていただいて、髙島屋のオリジナルでブレンドしたものなんです」瓶も焼酎らしからぬ、と言うよりウィスキーを意識した瓶と蝋で閉じたキャップ。酒のネーミングといいパッケージといい、お父さんはきっと酒が大好きなんだろうね。「はい。そうなんです。懲り過ぎてしまうところもあるんですけど」なるほど。娘が醸造を学ぶなどと宣言した時には、きっと独りで祝いの酒を飲んだんだろうなぁ。おしっ、これも買った。「ありがとうございます」

うして2本の球磨の美酒がわが家にやって来た。これで愛飲する酒が増えた。「山ほたる」は日本酒代わりに。「せつなとのきずな」はウィスキーのように。どちらも笑みが零れる味だ。「だからって、飲み過ぎでしょ。家で独りで飲んで二日酔いって言うのはちょっとどうかな」と妻。それだけ美味しい酒で、幸せな生活ってことでしょ。「酔っ払いの自己弁護にしか聞こえないけど・・・」うぅむ。

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2009年5月10日 (日)

店を味わう、街を味わう「弁いち」「浜松まつり」

Photo Photo_2ゴールデンウィークの人出予想ランキングが毎年発表される。2009年度の1位は弘前「さくらまつり」と博多「どんたく」の220万人、3位は善光寺で7年に1度行われる「御開帳」の200万人。そしてランキングの常連「浜松まつり」は93万人の予想で8位。浜松まつりは5月3日から5日までの3日間に渡る街を挙げたお祭り。日中は初子の祝いで凧を揚げ、町対抗の凧合戦が行われ、夜は御殿屋台を引き回し、激練りと呼ばれる独特の練りがそれに続く。祭の期間中は中心部の交通が規制され、街に法被姿の人々が溢れ、夜遅くまでラッパの音が流れる。

Photo_3 Photo_4 そんな祭の夜、「おいちょ、おいちょ」という独特のかけ声を聞きながら、お気楽夫婦と妻の両親は幸福のカウンタに座っていた。割烹「弁いち」の調理場に続く4席だけのカウンタ個室だ。街の中心部にあるこの店の前には法被姿の練りの一団がひっきりなしにやって来る。御殿屋台や練りを見物しながら店に入った4人は、祭の高揚感と美味への期待でわくわくしている・・・はずなのだが、感情を表に現すことのない娘と父親はテンションが高くは見えない。美味しいお酒への期待も1人で抱える私だけが浮き足立つようなテンションではしゃいでいる。

Photo_5 135 「いらっしゃいませ」店主の穏やかな挨拶で口福の晩餐が始まる。私だけのガージェリービールと3人のお茶で乾杯すると、前菜がタイミング良く出てくる。蛤の酢味噌和え、ホタルイカの湯引き、コゴミの胡麻和え、たらの芽の天ぷらなど。どれも絶品。たらの芽をひと口齧ると、ふわぁんと香りが鼻腔に広がる。旨いっ!「流通量が限られるんですが、ウチではなるべく天然物の山菜をを使っています」なるほど。栽培ものとの差は、この香しさ。これは日本酒だ。「はい。今日もお任せの3種でよろしいですか」はい、4種のお任せだと妻のドクターストップがかかります。「では、3種でたっぷりと」・・・嬉しいやり取り。

Photo_7 Photo_9 最初の1杯は「十四代龍の落とし子」。口にふくむとフルーティな香りと酒の旨味が幸せを呼んでくる。大切に飲もうと思いながらも、つい進んでしまう酒。前菜も同様。ちびちびと味わい、その度に旨い!を繰り返し、いつの間にかなくなってしまう。次の皿はお刺身。厚く切った春の鯛が口の中でこりこりと、その存在感が嬉しい。鮫肌でおろした生わさびがまた絶妙。これだけでもつまみになる。そんな絶品料理に合わせる2杯目は「朝日山135號」。久保田の萬寿の原酒と言われるレアな酒。旨い。もう何も言うまい。ただ旨い。あ〜旨い。ひたすら旨い。

次の一品はタケノコのオイルサーディン・ソース掛け。え?オイルサーディン?「自家製です」口に入れた瞬間に135號が欲しくなる。タケノコを齧った瞬間にまた飲みたくなる。これは罪な料理だ。罪な酒だ。最後のひと口を飲み干す。3杯目は「宗玄 大吟醸」。新酒鑑評会で金賞を受賞した強者。うはっ♪旨い。はい。参りました。その後の料理を紹介するまでもなく、ここまでで充分。読んでいただいている方にも伝わるだろう。この店は、料理と酒の組合せを絶妙に提示してくれる。酒を選ぶのに迷う必要はない。店主に任せれば良いのだ。蘊蓄を語る必要はない。店主の知識を楽しく聞けば良いのだ。

Photo_10 「ごちそうさまでした。美味しかったです♪」口数の少ない娘と両親も満足の笑みを浮かべ店を出る。店主が店先まで見送ってくれる。つくづく良い店だ。通りに出ると街にはまだ「おいちょ、おいちょ」のかけ声が残り、街のあちこちで法被姿が乾杯をしている。法被姿の親子連れが家路を急ぐ。ほんわかとするのは酔っているせいだけではなさそうだ。つくづく良い街だ。良い店も、そして良い祭も、街の大事な文化。妻が子供に還ってリラックスする街。そんな街をまた訪ねよう。「あなたも楽しそうに酔っぱらって、子供のようになるしね」・・・あ、そうですか。

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2009年5月 2日 (土)

店の味、人の味「用賀 本城」

Photo Photo_2の人の料理を食べるために、お気楽夫婦はその店に通っていた。正確にはその人、店長だった本城さんが全て作っていた訳ではもちろんない。けれど、たん熊北店二子玉川店の味は確かに本城さんの味だった。仕入れた食材、代々受け継いだ店の味、料理人の腕、店の造り、スタッフの接客、いろいろな要素で料理はできている。それらの全てに本城さんの「目」が行き届いていると感じる店だった。妻はその店で食事をすると幸せな気分になると言い、不満に思った料理はひと皿もなかったと微笑み、だからこそ大事な日に訪れたい大切な店だと呟いた。

Photo_6 Photo_7 の本城さんが独立し店を出した。場所は世田谷区用賀。お気楽夫婦が通うスカッシュコートのある街だ。これは友人を誘って早々に行かねば。「たん熊」は京都の割烹料理の老舗。京料理の伝統を活かしつつも、お好み料理をカウンタで出すことで名声を得て、多くの有名人にも愛された店だ。その伝統を受け継ぐ「用賀 本城」。予約はもちろんカウンタ席に決めた。お店は田園都市線用賀駅から用賀神社を目指して5分ほどの場所。駅前の喧噪から少しだけ離れた良い場所。店の前には祝いの花が溢れる。こぢんまりとして居心地の良さそうな店だ。

Photo_8 Photo_9 店おめでとうございます!良いお店ですね。そう挨拶すると、カウンタの中の本城さんが「おおきに。こんなんで、まだばたばたしてまして、今日はお任せでよろしいですか。あとは合間に適当にお好みをお出しします」そう言いながら手を休めることなく周囲に目を配る。聞けばたん熊から応援のスタッフも来ているという。そう言えば見覚えがある若いスタッフが。そしてお祝いの花は店内にもびっしり。蘭の栽培でもしているかのよう。中には各界の著名人、マスコミでお馴染みの名前も。それも本城さんの人柄、人徳。ところで料理はと言えば・・・。

Photo_10 Photo_11 節の食材を活かした優しい味付け、素材本来の味をぐっと引き出し、食べる人を幸せにする繊細な料理はたん熊と同様。茶碗蒸しの上にコノワタが合わせてあったり、若鮎と一緒に鴨のローストが盛りつけてあったり、斬新な組合せの料理が絶妙。そこに庶民的なマグロのモツ煮のような親しみやすいほんわかとする皿が加わる。「美味しいねぇ♪」「やっぱり幸せになる味だぁ♫」妻もお誘いした友人も恍惚の表情。確かにどれも笑みが零れる味だ。清潔感溢れるカウンタ、ゆったりとした椅子の座り心地も抜群。初めて訪れる店なのに、何年も通っている気分。

Photo Photo_2 んな幸せ気分を味わっていると、いつの間にか周囲に客の姿はなし。あらら、最後の客になってしまったか。「どうぞ気にせんと、ゆっくりしてってください」翌日の仕込みをしながら本城さんがようやく落ち着いた様子で話しかけてくれる。それにしても凄い数の花ですね。「ありがたいことです。花の出し入れだけでひと仕事ですわ」そう言いながらも盛況の内に開店を迎えられたことにほっとした様子の本城さん。奥さまの接客も明るく柔らかく、客を和ませる。良い店だ。きっとたん熊の味と、ご夫婦でのもてなしがこの店ならではの味を作っていくのだろう。楽しみだ。

ちそうさまでした。美味しかったです♪そう言って帰ろうとすると、ご夫婦揃ってお見送りしていただいた上に「良かったらおみやげに蘭を持ってってください」「えぇ〜良いんですかぁ♪」「遠慮せんと、どうぞどうぞぉ。関西ではお祝いの花を持って帰ってもらうのが縁起が良いんですよ」そんなやりとりが。きっとお支払いした食事代金よりも高価なものをいただいてしまった。お返しは、また店にお邪魔することで。「もっちろんだよぉ♪通っちゃうよ」妻はすっかりご機嫌。カウンタで食す季節の味、次は初夏の味を楽しみに。またお邪魔します。

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2009年4月19日 (日)

食べ過ぎ注意、飲み過ぎも「はしぐち亭」

PhotoPhoto_2 る週末、ご近所の洋食屋「はしぐち亭」に向かった。お気楽夫婦がこの店で食べる時は、酒を飲むことを前提にメニューを選ぶ。例えばその日はオードブルに選んだ「真アジのカルパッチョ」から始まったように。そんな言い方をすれば、2人が選ぶのは全て前菜のようなもの。お酒と一緒に食べる軽いメニューだけをチョイス。その日も一緒に食事をする約束をしていたご近所の友人夫妻が店に現れる前にオーダーしたのは、「ダイコンサラダ」「サザエとツブ貝のオーブン焼き」など。料理に合わせて選んだのはチリの白ワインをボトルで。辛口のシャルドネ。お安く、お気軽に美味しい。この店で飲むワインとしてはぴったり。まして、お酒を全く飲まない妻と友人夫妻。頼んだワインは私だけが飲むことになる。

Photo_3くなりましたぁ♪」友人夫妻が現れ、ジンジャーエールをオーダー。いつもながら2人とも見た目は酒が強そうなのに残念。妻も同様だけれど。4人で乾杯。オーダーしてあった前菜がタイミング良く出てくる。「わぁっ!このカルパッチョ美味しいね♪」ジンジャーエールにアジのカルパッチョが合うというのは飲んべの私には理解できないけれど、新鮮なアジは確かに美味しい。シャキッとしたワインとも良く合う。「他に何か頼んでね。きっとグラタンとか食べたいんだろうなと思って予想してたんだ」と妻。友人(夫)は大のグラタン好き。この店のメニューには2種類のグラタンがある。迷った末に友人(夫)が選んだのはマカロニグラタン。「意外にもメニューにマカロニグラタンがある店って少ないんですよぉ。でもこれが大好きなんだ」カリカリのきつね色に焼き上げられた熱々のグラタンを頬張る彼は嬉しそう。

Photo_4ラタンとオムライス、どっちかは絶対選ぶだろうなって言ってたんだよね」と妻。すると友人(夫)は「へへへっ。オムライスも頼んじゃった♪」と照れ笑い・・・いつの間に。確かにこの店でオムライスを食べずに帰る訳にはいかない。ご自慢のデミグラスソースをたっぷり使った一番人気のメニュー。トロトロの卵、パラパラのサフランライスにソースが絶妙に絡む。旨っ!「おつぎしまぁす」バイトくんがワインを注いでくれる。お店で「切れちゃったんすよ」などとワカモノことばを使う度に注意し、指導していたけれど、最近は接客も板に付いて来た。その調子で頑張れワカモノ!「ワインもうそんなに飲んじゃったの!でも赤くもなってないし絶好調だね」妻が微笑む。美味しい料理、それもお腹に溜まるものが多いからか。お気楽夫婦だけだったら炭水化物モノをこんなに頼むことはない。満腹満足。

Photo_5 るとそこにシーフードパスタがでんっと登場。「えっ!」と友人(夫)を除く3人が思わずのけぞる。「これも頼んだの?」と友人(妻)があきれ顔で尋ねると友人(夫)が嬉しそうに頷く。「だって美味しそうだったんだもん♪」そこに「たっぷり盛付けときました♪」と橋口さん。洋食屋の面目躍如メニューの3連発をオーダーされた彼も嬉しそう。これは食べない訳にはいかない。「どうぞぉ♪」楽しそうに友人(夫)が取り分けてくれるけれど、正直お腹は満タン。ムール貝でもつまんでワインの友とするかぁ。酸味の利いたソースで味付けられたふっくらしたムール貝を口に運ぶ。うん、でも困ったことに美味しい。不思議なことにまだ食べられそうだ。「うぅ〜ん、美味しいっすねぇ♪」まぁ、友人(夫)のワカモノことばは見逃そう。そんな彼の食欲は未だワカモノ並み。

ちそうさまでしたぁ」「美味しかったです」ワイン、持ち帰って良いですか。さすがに独りでは飲みきれずにグラス1杯分程度がボトルに残っている。それにしても、この店では食べ過ぎに注意しなければ。「飲み過ぎもね」・・・はい。

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2009年3月 7日 (土)

ビバ!エスパーニャ!「アンダルシアの嵐」

PhotoNYC帰りの友人夫妻とスペインに出かけた。最初の訪問先はアンダルシア。地下鉄丸ノ内線/南北線の後楽園駅から徒歩2分。期間限定のスペイン。2004年に逝った天才ダンサー、振付師、そして演出家でもあったアントニオ・ガデスが率いた舞踊団が来日していた。会場は文京シビック大ホール。1,800席余りの大箱。「カルメン」「アンダルシアの嵐」「血の婚礼/フラメンコ組曲」3部作の日替り、全10公演。ガデスがいない「アントニオ・ガデス舞踊団」。入りが心配になるのは前職の頃からの習い。しかし、雪混じりの荒天なのに8割方埋まった客席。ほっとしたながら開演を待つ。幕が上がり、シンプルなステージの上に立つ群衆。フラメンコ独特の手拍子(パルマ)、タップの音が会場を包む。一糸乱れないダンサーたちのステップ。うぁ〜鳥肌。一瞬の内に“ガデス・マジック”の虜になる。

Photo_2 の日の演目「アンダルシアの嵐」は、横暴で好色な地頭に対し、農民たちが鋤や鍬を手に立ち上がるストーリー・・・。スペイン語が分からず、フラメンコに造詣が深い訳でもない2組の夫婦には、チラシに書かれたそんな短い解説しかヒントがない。果たして2時間弱の舞台を楽しめるのだろうか。寝不足の妻は眠ってしまわないだろうか。・・・しかし、すぐにそれは杞憂だったと分かった。ダンサーたちの踊り、つま弾くスパニッシュギターの音色、そして何より舞台全体が醸し出す空気で、難なく登場人物たちに感情移入でき、日本語なしでスペインの田舎の物語が理解できるのだ。そして何よりも心震える群舞。質素なドレスの裾がエロティックに翻る。タップのリズムが会話になる。農民たちの嘆きが、怒りが、喜びがダンスということばになる。パルマのリズムが人々の声になる。囁きになる。

B448002ps3 の訪問先はスペイン名物、バル。向かったのは、ビルの中にある小さな店。文京区のアンダルシアからタクシーで10分程の距離。「ふぅ〜っ!ただものじゃないね。凄い人たちだね」アンコールで幕が上がる度に、舞台の1シーンが再現される演出に驚いたという妻が溜息を付く。「いやぁ〜楽しかったぁ♪」「イギリスにいた頃、2週間ぐらいスペインを旅したんです。夏の暑い時期で、安ホテルのエアコンは壊れかかっていて・・・」NYC帰りの友人夫妻がスペインの思い出を語る。舞台の興奮が残る中、冷たいセルベッサ(ビール)で乾杯。トルティージャ(スペイン風オムレツ)、ハモンセラーノ、カジョス(牛モツの煮込み)、何種ものアヒージョなど小皿のタパスをたっぷりオーダー。「うん、どれも美味しいぃ♪」お気楽で、お手頃な料金で、きっちり美味しいスペイン居酒屋だ。

B448002pm8_bル エスパニョール ラ・ボデガ」というのがお店の名前。(注:撮影忘れのため、写真をぐるなびのサイトから無断借用。お詫びにリンクしておきます)スタッフの気配りも心地良く、なかなか良いお店。友人夫妻はサングリア、私はカヴァ。その後はワイン。お酒も進む。気分はすっかりスペイン。実は、今夏のヴァカンスは、スペイン行こうかと計画してみた。しかし、どう頑張っても実質5日ぐらいしか滞在できないことが分かった。ということであっという間に断念。そこで企画した文京区と千代田区の小さなスペインの旅。「お食事もうすぐラストオーダーですけど、パエリアはぜひ召し上がってみてください♪」う〜む、絶妙のタイミング。お薦め上手。ではシーフードのパエリアお願いします!・・・スペインではきっとこうは行かない。ん、TOKYOで楽しむスペイン。かなり楽しい。良い感じ。

も、スペインにはいつか行ってみたいなぁ♪」と妻。「あぁ、ぜひ行きましょうよ!」と友人(妻)。「良いとこですよ」と友人(夫)。うぅむ。彼らのおかげでお気楽度数が増しているかも。はい、いつかご一緒に。ビバ!エスパーニャ!

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2009年3月 1日 (日)

人を繋ぐ味、人を繋ぐ店「たん熊北店」

Photo_65年以上NYCに駐在し昨秋に帰国したばかりの友人夫妻。2人は金融系の企業に入社後、オクスフォードに留学。その後に日本に帰国。お気楽夫婦はその頃に2人と知り合った。「ところで本城さん、さっき話に出ていた○○さんって、北海道出身じゃないですか」と友人(夫)。「確かそんなこと言うてました」「きっとその彼は僕の小学校時代の同級生だと思います」「あらぁ、そうでっかぁ。今は、半蔵門のホテルで料理長してますわ」ん?それは親父の緑綬褒章のお祝いに行ったお店かも。「え!グランドアークの〈門〉という店だったら良く行ってます」と妻も気付いたようだ。美味しいランチが破格のお値段で食べられる、私も大好きな店だ。「僕が児童会長で、彼が副会長だったんです」。ふぅ〜ん。そんな偶然があるんだねぇ。

Photo_8ころでIGAさん。私、今度店出すんですわぁ」え!たん熊ブランドで?それとも本城ブランドで?「本城ブランドですわ」え!独立ということですか!じゃあ、この店も大変ですね。「そうなんです。困ってるんです」話を聞いていた料理長の保坂さんが零す。「最近、若い者の目標となるような料理人の道みたいなもんが見えなくなって来て、だったら私がやってみようかなと」へぇ〜っそれは凄い。「連れてってくださいよ、って言ってるんですけどね」と半ば本気に聞こえる保坂さんのことばには本城さんは応えない。リスクもある、安定した道ではないことを充分理解しているからこその無言。浜松の「弁いち」のご主人といい、本城さんといい、もちろん私も(レベルは違うが)、ある年齢になった時、自分の仕事を見つめ直す時期が誰にもやって来るのだろう。

Photo_9 うですかぁ。残念だけど、楽しみですね。お店の場所はどちらですか。「用賀なんです。用賀神社のすぐ近くで・・・」あぁ、それは嬉しい。ぜひお伺いします。「今はまだスケルトンの状態で、これから造作なんです。できたらご連絡しますので、ぜひいらしてください」えぇ、もちろん。これは楽しみが増えた。そんな会話をしながらも、甘鯛の菜の花上用蒸しやキビナゴの刺身をいただく。どれも実に丁寧な仕事。繊細で優しい味。「思えば、IGAさんたちが私たちにとって初めて会った“大人”の夫婦だったんですよね。暮らし方のお手本になるような」「そうだねぇ。そう、2人でよくそんな話をしてるんです」と、突然友人夫妻の告白(?)。えぇ〜っ!酔ってるんじゃない?こんなお気楽な2人が?“楽しそう”ということなら、そうかもしれないし、嬉しいことだけれど。

Photo_10の店もきっと2人だけで初めて来たら、違う感じだったかもしれないと思うんだ。食べていてほんとに楽しいもの♪」なるほど。それは嬉しい。私はいつも思うのだ。料理店は無限と言っていい程あり、自分たちが行けるお店は限りがある。料理評論家ではないのだから、せっかく出会った店であれば、まして自分たちの味覚に合った店であればなおさら、☆などに関係なく、特別な店で良いのだと。料理人と親しくなることで料理への評価が甘くなるから嫌だ・・・というような人もいるけれど、私は逆。今日の料理は美味しかったと伝えられ、ちょっと今日はどうかなと(言わないけれど)思いながらも、許してしまう関係の方が好き。美味しい料理は“味”だけで楽しむのではなく、作る人、サービスする人、食事を共にする人と楽しい時間を過ごすもの。

Photo_11 ウンタにはたん熊名物のすっぽんの丸鍋。生姜の香りが鼻腔をくすぐり、絶妙の味のスープが口腔に幸せをもたらす。「○○さん、本城です。ちょっと待ってください」本城さんが自分の携帯電話を友人(夫)に渡す。「え!○○さんに繋がってるんですか?」「あのぉ、○○?僕です。××です。久しぶりぃ・・・」またまたサプライズ。あっという間に30年の時間を超えて会話する2人。同級生の彼の店にも一緒に行ってみなくちゃね。「あ、行く!行きたい!まずは平日にランチで!」と、またノリの良い友人(妻)。了解。こうして人は味で繋がり、舌で結ばれる。そこに「タケノコ握ってみました。どうぞ」と本城さん。昆布締めのヒラメと共にぱくり。「お腹いっぱいだと思っていたのに大丈夫。すっごい美味しいねぇ♪」

っぱり料理は日本だぁ。どれも美味しかったなぁ。楽しかったぁ♪」ダメ押しのデザートを食べながら友人(妻)が呟く。すっかりご機嫌の模様。また友人たちと一緒に来たいと思わせる、人を繋ぐ店。この料理を誰かに食べさせたいと思わせる、人を繋ぐ味。今日も楽しく満足の食事ができた。「この店では一度も何かが不足したことがないなぁ。いつもリラックスして楽しめるんだよねぇ」と妻。そう。自分にフィットした店こそが、その人にとって☆☆☆なのだ。次は、ご近所の友人夫妻も誘って、用賀の本城さんのお店で!

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2009年2月28日 (土)

日本の味、日本人の舌「たん熊の春」

Photo節が変わる度に行きたくなる店がある。立春も過ぎ、日が長くなり始めると春の味がその店で待っている。前回の訪問は10月。冬の味わいは逃してしまった。「たん熊にそろそろ行かないとね♪」妻が独り言のようなメッセージを発する。彼女は決して自分で企画をしない。「行かないとね」というのは、「行こうよ、何か企画してね」という意味。たん熊北店は、お気楽夫婦にとって特別な店。“ハレ”の店。日常的にはお邪魔できないけれど、たまに贅沢に食事をするにはぴったり。航空券で言えば、とても自力では搭乗できないファーストクラスではなく、ちょっと頑張ってアップグレードして搭乗するビジネスクラスの店。普段はエコノミー、それもディスカウントチケットで搭乗している感覚からしたら、店に行くきっかけが必要。

Photo_2 回のきっかけにさせていただいたのは、NYC帰りの友人夫妻。NYCにも美味しいレストラン、美味しい料理はたくさんあるけれど、「日本人にとって、食べ物は日本じゃなきゃダメってことが良く分かった。だって、アメリカ人の“美味しい”は、ストレートな味なんだよね」とのこと。言われてみれば、彼らの求めるものは分かりやすさ。繊細な味や、微妙なニュアンスなどは伝わり難い。薄味の日本料理などは味付けしてないんじゃない?と感じられてしまうこともある。婉曲的な物言いは、それはYESなのか、NOなのかと問われることもある。日本とアメリカの外交やビジネスで誤解が生まれるのは、そんな国民性から、もっと言えば“味の好み”から来ているのかもしれない。5年以上もそんな異国に暮らした彼らをお誘いしたところ、「行きたい!たん熊デビュー!」と良いノリ。実に気持の良い、はっきりとした意思表示。そんなところはアメリカ仕込み。行こう!行こう♪

Photo_3ん熊北店二子玉川店」は店長の本城さんの店。彼の目が店の隅々まで行き届き、彼が核となり繊細な味とおもてなしの良い空間を創っている。味は人、店は人、ということが良く分かる店。予約したのはカウンタの右端。いつもの場所だ。こんにちは♪ご無沙汰してます。「いらっしゃいませ。まいどおおきに。ありがとうございます」本城さんが珍しくカウンタの中で忙しく立ち働いてる。タイミングを計りながら友人夫妻を紹介する。本城さんはパリの日本大使館の料理長だったと彼らに紹介すると「いつ頃ですか。僕らも実はアメリカの前はイギリスにもいたんですよ」赴任していた時期を確認すると、友人夫妻が日本に帰国した頃に本城さんがパリに着任したらしい。それでも共通の大使館関係者の知人がいるようだ。ふぅん。「まずは前菜ご用意しましょか」と本城さん。はい♪お任せします。

Photo_4 ずは突き出し。ビン長マグロと茗荷、トロロの小鉢。たっぷりの山葵と一緒に軽く混ぜる。ワサビと茗荷の香りが爽やかな一品。「美味しいぃ〜っ♪」友人(妻)がすでに涙ぐみそうになっている。それともワサビのせいか。乾杯で飲んだビールがあっという間になくなる。やはり日本酒で行こうか。「うんっ!やっぱりこの料理には日本酒だね。今日は二人とも飲む気満々で電車で来たからね」頼もしいおことば。たん熊オリジナル「熊彦」純米吟醸をオーダー。旨い。続いて登場したのは前菜の盛り合せ。「うっ美しぃ〜♪」友人夫妻が絶賛する。大根の桂剥きで作った雪洞、オーダーしようと思っていた氷魚(鮎の稚魚)も入っている。嬉しい。「こんな繊細さはアメリカ人には通じないんだよねぇ」友人(妻)がしみじみと呟く。酒が進む。あれ。そんなにお酒飲めたっけ・・・。

Photo_5せだぁ。大人になって良かったぁ」友人(妻)が満面の笑みで、いかにも料理を楽しんでいる様子。酒盗と卵黄を泡立てた、なんとも言えない絶妙のふわふわ状のペーストをキュウリに付けてぱくり。あぁ、確かに幸せだ。蛤のぬた和えをひと口。うん、まさしく幸せな味だ。そして山菜の天ぷら。春の味。山菜の苦みと、甘みと、春の香りが口に広がる。「やっぱり日本人で良かった。大人で良かった」友人(妻)の笑みが続く。そうか。こんな店のカウンタで、板さんと会話しながら、落ち着いて食事ができる“大人”にいつの間にかなっていたんだ。彼女のことばで改めてそんな自分たちを自覚する。背伸びをせずに、この空間を楽しむことができる。日本の味を自覚し、日本人の舌を意識することができる。こんな風に齢をとるのも、大人になるのも悪くない。

ころで本城さん・・・」友人(夫)が店長に尋ねる。えっ!まさかっ!そんなことが!

・・・明日に続く。

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2009年2月 1日 (日)

猫背のカレー、マダムなステーキ「自由が丘ランチ事情」

Photoメージ通りだった・・・訳ではない。どうしても食べたくて食べられなかった「猫背」のカレー。自由が丘の路地に佇む小さなカフェ。その店のランチはカレー1本勝負!と潔い。正確には、野菜カレーとキーマカレーの2種類。私が食したのはキーマカレー。さらりと、上品に、でもしっかり辛く、これはこれで美味しい。しかし、あの日私が食べたかったのは、(カフェでも良かったのだけれど)喫茶店のカレー。缶詰を開けて温めただけのような、どろりとした、味の濃い、福神漬けとらっきょうが合うカレー。そんなカレーとはちょっと違う。それにしても、この店の名前が気になる。ハッピーアワーと普通言うところを、“猫背アワー”と無理やり言って、17:30〜19:00はドリンクが全て300円。ちょっと行ってみたい。妙にそそられる。

Photo_2 り際、我慢できずに女性スタッフに聞いてみた。なんで“猫背”なんですか。「さぁ、余り理由なんてないみたいですよ♪」肩すかし。その脱力系も良い。そもそも自由が丘という街は懐が深い。こぢゃれたカフェや、可愛い雑貨の店だけではなく、駅近くの「自由が丘デパート」や「ひかり街」にはディープな雰囲気の店が軒を連ねる。ランチの選択肢も広い。以前勤務した会社の後輩が始めた弁当屋さん「稲毛屋自由が丘Kitchen」「ベジキチ」も人気。昼過ぎには売り切れの弁当もある。ちょっとおしゃれで、チープな感じがしないのに、安い。これは自由が丘で売れるでしょ、という感じ。有機野菜を使っていたり、元々アーティスト向けにロケ弁やケータリングをやっているというのも“くすぐり”どころ。その他にも、コメ屋さんがやっている種類も豊富な“おにぎりや”さん「玉川屋」など、テイクアウトものも豊富。

Photo_3 洒落な中にも、おやぢのエッセンスが入った店もある。カレーカフェ、「ジジ・セラーノ」。内装もとてもこぢゃれた、味も本格的に美味しく、カレーの種類も豊富なカフェ。サイドディッシュとしてヤーコンのサラダ。これも美味しかった。なのに、店頭には「この冬、ホットなカレーでほっとしよ」・・・の幟なのだ。かなり好き。この感じ。しかし、初心者には入り難いかな。夜には止まり木で常連さんがカラオケ歌ってそうな匂いがする入口だし。そして何と言っても、平日のランチタイムは自由が丘マダムたちの世界。子供連れの若いママさんたちは、マクラーレンのベビーカーなどを押しながら「プラチノ自由が丘テラス」などに集結する。広いテラス席は子供が走り回っても大丈夫。冬でもパラソルヒーターと膝掛けで暖かい。

Photo_4ダムランチと言えば、「状元楼 自由が丘店」。11:30の開店前からオバさま達が列をなし、1時過ぎまで満席状態が続く。3種類の1000円ランチを皆でシェアして、のんびりと豪華な内装の店内でお茶を飲む午後は、お手頃でかつ優雅そのもの。何より美味しいし、C/Pは高い。さすがに皆さま良くご存知という感じ。そして、マダムランチの象徴的な店とも言えるのが、「創作鉄板焼き クリス・キャンデラ」。自由が丘には珍しく高層階にあるため眺めが良く、明るく上質で上品な内装。ランチメニューのサイコロステーキは2200円。海老フライやサラダ、スープ、食後のデザート、ドリンク付き。お得ではあるし、美味しいし、眺めも良く気分も良い。けれど、良いお値段。早い時間だったので客のいない上階を見学させていただくと、全席予約済み。私が座ったカウンタ席よりさらに素晴らしい眺望。ふぅ〜。オバさまたちはこんな店に来ていらっしゃるのね。「・・・って、結局あなたも全部の店に行ってる訳でしょ。良い生活だなぁ・・・」と妻。自由が丘ランチ、まだまだ探訪の余地あり。

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2009年1月17日 (土)

酔人綺譚「カレンダーの謎、振袖の夢」

Photo_2 る寒い日の朝、トイレに入ってすぐに異変に気が付いた。まだ1月の半ば、正月気分も抜けきっていないというのに、目の前だけが2月になっていた。壁に貼られた全日空のカレンダー。1月の富士山が、なぜか2月の知床半島に。「昨日寝るまでは1月のままだったんだよ」と、妻の証言。確かに、洗面所の同じカレンダーは、1月の富士山のままだ。わが家だけがタイムスリップした訳でもなさそうだ。「夜中に起きて破いたのかなぁ・・・」妻は、“誰が”とは言わなかったが、明らかに非難めいた口調で、私に向かって呟く。そう言えば、記憶の端っこの方に“ある音”が残っていた。その、びりびりという音を聞いた気がするのは、トイレの中だったのか。「なぜまだ1月のままなんだ」と怒ったように呟いたのは誰だったのか。

Photo_3日、スカッシュのスクールメンバーと一緒に酒をたっぷり飲んだのは覚えていた。プロコーチや日本上位ランカーなども参加したスカッシュ男女混合団体戦の帰り。途中から合流したコーチと一緒に、沖縄料理屋で泡盛を飲んだことも。店でひと眠りしてしまい、目覚めて飲み直そうとしたら、もう一滴も受け付けない程、満タンだったことも。うぅ〜ん、その後はどうしたんだったか。あっ、もしかしてこれは“部分記憶喪失”と呼ばれる症状ではないか。「じゃあ先に出るよ!」妻は記憶喪失に罹った私を、無情にも置き去りにして出社してしまった。それにしても頭が痛い。喉が異常に渇く。これも記憶喪失の症状のひとつか。あぁ、辛い。このまま記憶が戻ってこなかったらどうしようか。失った記憶はどんなものなのか・・・。

Photo_4ぁ〜、IGAIGA(私のこと)この前は楽しかったねぇ♪」数日後、団体戦の後に一緒に飲んだ友人(♀)にスポーツクラブで声を掛けられた。「あの日はみんなすごい飲んでたよね。私も翌日まで気持悪くて・・・」確かに。「帰りの電車の中で、振袖姿の成人式の女の子に、きれいですね、きれいですねぇって何度も言ってたよ。すいません、この人酔っ払いでって謝っておいたけどね」え!それも失われた記憶のひとつ。思わず、私はジローラモだったのか!と自分に突っ込む。「なんか、可愛いくて、とても良い娘でさ、ありがとうございますって言って笑ってたけどね」断片的に振袖の鮮やかな柄と色合いが蘇る。あぁ、あれは夢じゃなかったのか。けれど、顔は全く浮かんでこない。別の意味で残念。

う言えば、店で寝ながら拍手してたしね」え、私が?まさか。まるで酔っ払い丸出しじゃないか。「電車の中でも拍手してたよ」2人の会話に妻も入って来た。複数の証言がある以上、事実なのだろう。なるほど。右手が使えないため選手としてはほとんど参加できず“監督”として臨んだ団体戦。妻をはじめとした選手たちのプレーに拍手し、酔って眠った夢の中でもグッショット!とか言いながら拍手し続けていたのだろう。我ながら良いヤツ。その時、私の記憶が蘇った。トイレに座り、几帳面にも画鋲を外して、1月のカレンダーを破り、2月のカレンダーを眺めながらにんまりしたのは紛れもない私だ。現実と夢の端境で、夢の中の出来事とは思わず、現実の行動を無意識に起こしてしまう。思わず笑ってしまう出来事。

これだから酔っ払いはやめられない。すると「ただの酔っ払いでいられるのも、私が連れて帰るからでしょ」と妻。まぁ、おっしゃる通りです。

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2009年1月10日 (土)

極める仕事、収める商売「割烹 弁いち」

Photo2008年も押し迫ったある日、楽しみにしていたスカッシュ仲間との忘年会を欠席し、お気楽夫婦は浜松へ向かった。年内最後のレッスンを終え、仲間たちと年末のご挨拶。スポーツクラブからそのまま新横浜に向かうという慌ただしいスケジュール。それと言うのも、その日はある店の年内最終営業日。どうしても年内にもう一度その店に行きたかった。浜松に住む妻の両親と一緒に、その店の料理を味わいたかった。妻の生まれ故郷で過ごすことが恒例となった年末年始。以前から気になっていた「割烹 弁いち」を初めて訪れて味わった昨春の、あの喜びの味を再び!なかなか伺うことができない東京に住む身としては、少ないチャンスを活かしたい。そんな意気込みだ。

Photo_4 松に到着した新幹線から降り、迎えに来ていた両親と共にまっすぐ店に向かう。予約したのは店を入ってすぐの場所にある、個室風のカウンタ席。親子4人にお誂え向きの、4席だけの居心地の良いこぢんまりとしたスペース。脚の具合が良くない義母のために椅子席を選んだということもあるが、厨房が近いこともあり、お店のご主人とコミュニケーションもしやすい絶好の場所でもある。新幹線の車内でビールを既に飲み適度に酔った私は準備万端。さっそくご主人お薦めの日本酒をお願いする。この店の楽しみは料理とお酒(特に日本酒)の絶妙な組合せ。絶品の料理を作り、酒や食材に関しても研究熱心なご主人に、この皿にはこの酒と選んでいただける。不味かろうはずもない。

Photo_3 の日も、全て肴になるために生まれて来たとしか思えない前菜、珍味盛り合せをいただきつつ、一杯目は「山形正宗」。キレの良い酒だ。酒の肴も実に美味しい・・・おっ!旨い♪これはカラスミですか。ご主人に尋ねると自家製のカラスミだという。正直に言えば、今まで食べたカラスミは、値段の割にはそれほど美味しいものとは感じられなかった。が、このカラスミは明らかに違う。ほんの少し齧っただけで上品な香りが口中に広がり、生臭さがまったくなく、味が濃いのではなく、旨味が濃い。旨ぁ〜いっ♪「ありがとうございます。良いモノを仕入れると驚くようなお値段です」さり気なくご主人はおっしゃるけれど、嫌みにならない。良いモノだということに納得するしかない味。「これも食べてぇ」美味しいを連発する私に、義母が自分の皿からカラスミを勧めてくれる。酒がさらに進む。

Photo_4 の後も、「十四代」、「究極の花垣」などの逸品を薦めていただく。どれも実に旨い。そして、どれも絶品の料理がご主人と共にやって来る。どうしてもこちらに伺いたく予定を変更して来店したこと、春以来2度目の訪問であることを告げる。「それは、ありがとうございます。前のご来店の際にネットでお書き頂きましたか。確か、快楽主義・・・」あぁ、良くお分かりですね。実は両親も気に入ったようで、今年のお節は弁いちさんにお願いしたんですよ。「ありがとうございます。今ちょうどお節の仕込みの真っ最中なんです。先程お召し上がりいただいたカラスミも入っています」おぉ〜っ♪それは正月の楽しみが増えた。「良かったねぇ」妻が嬉しそうに微笑む。なんだか大好きなものを買い与えられて喜ぶ子供(私)を皆が温かく見守る風景になっている。カラスミを食べた私は、そんなに嬉しそうに見えたのか・・・。

して〆は、私の「最後の晩餐」のメニューとして決めている大好物の穴子、そのお茶漬けだ。幸せの味。最後まで丁寧な仕事。厳選された食材。旬の食材の味を最大限に引き出す技。弁いちの料理は、ダイナミックさを表に出さず、奇を衒わず、極めてきた結果が独りよがりな方向には向かわない。斬新な組合せでも(良い意味で)安定した味になっている。未完成の味は皿には乗ってこない。決してハズレのない味。だからこそ、普段は口数の少ない妻の両親が弁いちの味を積極的に誉め、お節に弁いちを選んだのだろう。食事を終え、ご主人に店先までお見送りいただき帰路に付く。一年の締めくくりとして、実に満足の味、満足の時間だった。

ころで、ご主人は自店サイトの「板前日記」で、含蓄のある端正な文章を書いている。そこで「発展的に店をスリムにし、仕事の内容を充実させる」あるいは「商売は縮小、仕事は追求が今後の理想」とも書いているのを見つけた。なるほど。自ら書かれているように、“店を大きくせず、多店舗展開もせず、料理のクォリティを高める”仕事をしてきた職人が目指す方向として、とても理解できる。私の仕事も経済性を優先するのではなく、専門性、地域や社会への貢献を優先するという方向に舵を切った。そんな時期にこの店に出会えたのも何かのご縁。ご主人の仕事と味がどのように変化するのか、訪れるたびに楽しみにしたい。「次は連休かなぁ♪浜松まつりの間は営業しているかなぁ・・・」故郷の両親の元に帰ると、すっかり子供になる妻が嬉しそうに呟いた。

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2008年12月23日 (火)

料理はレジャー「夫婦でキッチン」

Photoる日、お気楽夫婦宅のキッチンで500g入りの米が発見された。仏事のお返しでいただいた小袋。賞味期限は2005年。ということで、炊飯器は存在するが、少なくとも3年以上使用していないことが発覚。共働きの2人は、ほぼ毎晩外食であるのに加え、デパ地下などで総菜を買って自宅で夕食を取る時もパン食がほとんど。ご飯を食べるのは、せいぜいがレトルトカレーを食べる際の「サトウのごはん」程度。炊きたてのご飯を自宅で食べる機会は余りない。と、ここまでの記載ではブログを読んでいただいている方々に料理下手と思われても仕方ない。しかし、何でも楽しむことをモットーとするお気楽夫婦、やる時はやるのだった。

Photo_2る週末、ご近所の友人夫妻と、ご近所のショコラティエンヌ:ミキちゃん夫妻をお招きし、自宅での忘年会を企画。パリのメゾン・ド・ショコラでの話を聞くのも楽しみ。何日か前からメニューを検討し、前日に食材を買出し。朝から2人でキッチンに立ち、料理の仕込みを開始。選んだメニューは、ラタトゥイユ、ブイヤベース、牛肉のたたき、トマトのマリネ、など。久しぶりに料理を始めてみると、これが実に面白い。妻もにんじんの面取りに集中しながら「なんか楽しいねぇ♫」などとのたまう。2人の役割も明確。下ごしらえや調理の段取り、指示は妻。実際の調理や味付け、盛付けは私。休日のお気楽パーティ料理。レジャー気分で取り組む。

Photo_4 人夫妻たちを迎え、さっそく乾杯。料理の味はどうだろう。「どれもすごく美味しいですねぇ♪」「盛付けが美しい〜!」「牛肉のたたきも作ったの?美味しいね」あ、それは肉屋で買って来た。でも、お褒めに預かり光栄。プロのシェフに手料理を出す素人の暴挙もご愛嬌。仕事のため遅れて到着したご近所の友人(夫)のために、メイン料理のブイヤベースを皆の目の前で調理。素人料理の醍醐味はライブ感。たっぷりの海鮮素材がサフラン色に染まっていく。「うん、このブイヤベース旨ぁいっ。たっぷりのムール貝が良いですね」ストレートに誉めていただくと素直に嬉しい。おみやげのワインやナパスブレッドのパンと良く合う。

Photo_3

っかり満腹になった後は、お待ちかね別腹スィート。ミキちゃんがケーキを作って来てくれた。実はプロのショコラティエンヌにデザートをお願いしていた贅沢な私。その結果は大正解。スパイシーな紅茶をベースにした大人のチョコレートケーキ。「これ皆で飲みましょう♫」さらにミキちゃんが持参してきたのは「大紅袍」という中国でもめったに本物は手に入らないという幻のウーロン茶。「何煎めでも美味しいんですけど、3煎めぐらいからの味は最高ですよ」絶品ケーキと一緒に幻のお茶をいただく。「美味しいっ」「すごく良い香りだねぇ」お湯を注ぐ度に味と香りが微妙に変わり、その度ごとに新しい美味に出会える不思議なお茶だ。

Photo うして3組の夫婦が集まった忘年会は、しっかり満足の贅沢ディナーになった。たまにはこうしてオウチごはん、オウチパーティも悪くない。時間を気にせず、ご近所同士でのんびり過ごす夜。時間がありさえすれば自宅で料理を作るというスタイルも実践可能。世界的な大不況のこの冬、遠出をせずに“巣ごもり”する家族が多いらしいが、それもまた良し。ポジティブに自宅での食事を楽しむことは悪くない。「まぁ、引退したらそれも良いかもね」妻は相変わらずのスタンス。日常的な料理はレジャーにはならない。夫婦でキッチンに立ち、自宅で日々の料理を楽しむのはまだまだ先。「引退するだけだったら、すぐでも良いけどね」・・・うぅむ。

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2008年12月 7日 (日)

水のある風景、川のある街「リバーサイドタウン、盛岡紀行」

Photo_14 Photo_15Photo_24 30歳の誕生日を、出張先のその街で迎えた。厳寒の2月。地元の取引先の女性たちに連れて行ってもらった1軒目で、三陸産の海産物を肴にたらふく美味しい酒を飲み、2軒目のバーではママさん(ただし男性)の歌をたっぷり聴かされた。カウンタだけの小さな店。店の照明を落として、自分にだけ(スポットライトのように)ダウンライトを当てて歌う『リバーサイドホテル』。思わず聞き惚れる歌唱力。負けじと歌ったのは何の歌だったのか。店を出て、酔っぱらいながら川沿いの道を、カチンと寒い街を彷徨った。あぁ、こうして自分は「30歳」というとんでもない年齢になってしまったんだと、しっかりと、それでも半ば夢のように記憶に刻んだ。可能性は無限ではないと気付き始めていた頃の、遠い遠い記憶。

Photo_16 Photo_17 んな記憶を再現するために(という訳ではないが)、ある秋の週末、妻と共に盛岡に向かった。迎えてくれたのは、その遠い日の案内人の1人だった友人。彼女の出演する東京公演を妻と一緒に観たり、3人で食事をしたりと、細いけれど長い縁が続いていた。「予定通りの店で良いですか」事前に何通かメールのやり取りをしたこともあって、前回会った時からの時間はさほど気にならない。街の小さな居酒屋のカウンタで、鉄板で焼いた絶品の牡蛎、地のキノコの天ぷらなど、地元の味を堪能する。地元の文化事業団に勤務する友人とは、もっぱら芝居談義。改めて共通の知人を発見したり、懐かしい人の消息を聞いたり。酒が進み、酔いも進む。良い酒だ。旨い酒だ。

い街だよね」2軒目のバー(ママではなく、お洒落なマスターのいる)を出ると妻が言った。「でも、もう帰るよ。かなり酔っぱらってるでしょ」こんな時は、一滴も飲まない冷静な妻に従うに限る。友人と再会を誓い、夜の街で別れる。

Photo_18 Photo_19 Photo_23 朝、友人の勧めもあり、前から訪ねてみたかった「神子田の朝市」に向かう。お目当ては「ひっつみ」。早朝の空気で冷えきった身体を暖め、妻の笑顔を呼ぶ優しい味。冬でも毎日(月曜休)開催されている奇跡的な朝市。決して観光客向けではなく、地元の生産者が地元の住民に向けて農産物などを販売している、この街の貴重な財産。貴重と言えば、盛岡は街のあちこちに古い建物が残され、景観に溶け込んでいる。民家の軒先に飾ってあるオブジェも、古い商店街の歩道を整備した際に設置された宮沢賢治の像も、不来方の街に馴染んでいる。ぶらぶらと建物を眺めながら散策するには実に良い大きさの街だ。中津川沿いの道を歩く。産卵し終えて傷だらけの鮭が懸命に泳いでいるのが見える。冷たい風が心地良い。銀杏の金色を敷き詰めた小径を経て、不来方の城に向かう。

Photo_20 Photo_21 Photo_22 来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心・・・だったかな。盛岡城址公園に石川啄木の歌碑があるというと、妻が不思議な顔をする。「啄木って函館でカニと戯れてた人じゃなかったの」妻は歴代のアメリカ大統領の名前や、ニール・サイモンの戯曲を知っていても、日本の文学者に興味はない。うん、確かに。函館で蟹とね・・・。歌碑を眺める振りをしつつ、こっそり間違えていなかったかと確認する私。よしっ!正解。次は冷麺だ。元祖平壌冷麺を名乗る「食道園」を訪ねる。ここも友人に勧められた店。文句のない王道の味。きっちり美味しい。食後は宮沢賢治の「注文の多い料理店」を出版したことで知られる光原社の珈琲館でお茶。これまた盛岡観光の王道。北上川沿いにあるこの店の中庭の白壁には宮沢賢治の詩。鳥の声に空を見上げると、北に向かう白鳥の群れ。不思議な時間が流れる空間だ。

い街だったね。また来たいって思わせる魅力があるね」水のある風景、川のある街はなぜか心地良い。ボストン、NYC、博多。いずれも妻のお気に入り。そして、古い顔を残しつつ、新しいものを取り込み、街の色として溶け込ませる。そんな街。妻に気に入ってもらえる確信があり、連れてきたかった街。またきっと来ようぜ!『リバーサイドホテル』を歌ったママも健在らしい。怖いもの見たさで次はぜひ!「えぇ〜っ。それはいらない」ま、そうだろうけど。

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2008年12月 6日 (土)

良い夫婦×3=「お祝いの風景」

Photo_3 Photo_5家に嫁いだ弟(正確には農家に種苗などを販売するお店を経営する家に婿養子に行った末弟)が、家と店舗を建て替えた。お客さまに夜も明けない時間から起こされ続けながら(農家の爺婆は朝が尋常ではなく早い)懸命に商いをした結果。これは是非ともお祝いをしなければ。という訳で東京駅から北に向かう新幹線に乗り、弟の住む街に向かった。新幹線とは言っても、正式に新幹線と言えるのは雪を被った吾妻連峰を望む福島まで。そこから先は、踏切のある在来線を通る特急列車。急勾配をのんびり走る峠の風景はすっかり雪景色。シャキーン♪シャリン♬紅葉前線も訪れていない都内からの観光客が、車窓の風景に盛んに携帯カメラのシャッターを押す。季節のメリハリのある日本の風景、日本の気候を実感する時間。

Photo Photo_7 まで迎えに来てくれた施主(末弟)の車で新居に向かう。かつて苗床が並ぶビニールハウスの建っていた場所に、白亜の邸宅が威風堂々と建っている。我家のベッドルームぐらいの大きさの玄関を入ると、蔵王連峰を望む明るく広いリンビングルーム。キッチンから続く暖房付きバスルームもビッグサイズ。圧巻は老夫婦の寝室のすぐ隣に設置した引戸式トイレ。これまた巨大。子像でも用が足せるぐらいの大きさ。さらに、全ての廊下は車椅子でも楽に通れる幅を確保。もちろん廊下にも階段にも手摺を設置。全室の壁と床には温かい空気が流れる暖房設備。いずれも年老いた義妹の両親のための設備。そして、寒冷地であるが故、もしもの場合のリスクを考えた配慮。

Photo_8 Photo_9寄りばかりの家になってしまうからね」義妹が小さく呟いた。子供のいない弟夫婦。新居では老いた両親と4人暮らし。今は両親のための設備でも、遠くない将来には自分たちにも必要になる。家の周囲には種苗用の畑やビニールハウス。店は住居の目の前。職住接近の、定年のない仕事とは言え、定休日も(事実上)ないたいへんな仕事。そんな家族には「家」という器の存在は大きい。「明るくて、暖かくて、良い家ができて、ありがたいよ」と笑う義妹の母。「元気でこうやって仕事ができるのが一番だ。そして帰ってくれば旨い酒がある」義妹の父が嬉しそうに語る。挨拶もそこそこに老夫妻は家の隣の畑仕事に出かけて行く。働くことが、働けることが老夫婦にとって何より幸福。そんな両親を見守りながら共に暮らせることが、若夫婦にとって何より安心。

Photo_10 Photo_11 んな弟家族のお祝いにと持参したのが「真寿泉」という富山の銘酒。行きつけの居酒屋「なかむらや」の店主に相談したところ、それならと代わりに仕入れてくれた逸品。めでたい名前と、お祝いに相応しい馥郁たる酒。くきっとした歯触りが堪らない食用菊、赤ネギなど地の野菜がたっぷり入った「芋の子汁」など、珍しくも美味しい弟の手料理に舌鼓を打ちながら昼酒。贈り先の家長たちが飲む前に、味見をしてしまう私は不届き者。しかし、幸せそうな弟の家族を眺めながら飲む酒はしみじみ旨い。遅れて到着した長弟夫婦も合流。兄弟夫婦が揃った。当日は11月22日。兄弟夫婦のそれぞれの組合せが、それぞれ良い夫婦なのだろうと顔を見回す。「なんだか不思議な光景だなぁ」1人娘の妻が呟く。母の死や、お互いの年齢、いろんなことを経て、自然に集えるようになった3組の夫婦。短い滞在時間ながら、温かく、嬉しい祝いの席だった。

・・・「さぁ、次の街へ行くよ!」こんな時の妻の行動は機敏だ。

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2008年11月15日 (土)

帰国祝いパーティの夜「萬来軒とBAR808」

Photo Photo_2 NYCに住んでいた友人夫妻が帰ってきた。駐在生活5年余り。その間、2人が一時帰国したり、日本から何人かがNYCを訪ねたりしたけれど、いつもの仲間が全員集まるのは久しぶり。ある週末の夕方、お気楽夫婦の住む街の駅の改札で待ち合わせ。ご近所に住む友人(夫)と一緒に2人を待つ。余りに久しぶり過ぎて、楽しみでもあり、照れてしまうような、ちょっとくすぐったい気持を抱えながら。ホームからの階段を降りる2人の姿が見える。お互いに満面の笑顔が零れる。「久しぶり〜っ♪」「ほんとだねぇ♪」そう言いながら改札を出る2人をハグで迎える。気が付くと改札の周囲の視線が集まっている。「気にしない!だってアメリカ人だもんっ」帰国間もない友人(妻)が開き直る。うん、気にすることはない。NYCを訪ねたお気楽夫婦をJFKで待っていてくれた友人夫妻。その時のハグのお返し。ほんとに帰ってきたんだねぇ。

Photo_3 Photo_4 国祝いパーティ1軒めは、ご近所の友人宅でティータイム。数年間、直接伝えられなかったお互いの近況を語り合う。数年の時間が一瞬の内に縮まる。取り留めもない話に笑いが起る。突っ込み、突っ込まれる組合せは、彼らがNYCに行く前と一緒。ボケ具合も、突っ込みのスピードも衰えていない。スカッシュ仲間専用の伝言板をサイトを友人が作ってくれた。そこに書き込まれたお互いの小さなエピソード。私の拙いブログの記事。毎年NYCから送られて来たメトロポリタン美術館の卓上カレンダー。お気楽夫婦宅でパーティをやった時に、国際電話で参加してもらったこともあった。NYCを訪れた際には美味しいお米や梅干しを買って行った。・・・そんな、実にいろいろな事柄で仲間は繋がっていた。日本とNYC、10万㎞の距離を軽々と飛び越えて。・・・ほんとに帰って来たんだねぇ。

Photo_6 Photo_7んっとに楽しみにしてたんだぁ♪」NYCの友人を迎えるには、この店。私が30年近く通い詰める萬来軒。皆で毎年秋には上海がにを食べるために集まる店でもある。「IGAさんのブログを読みながら、あぁ食べたいって思っていたんだ」3組の夫婦に加えて、1組のカップルと唯一独り者の友人(♂)が合流。「あぁっ!おばちゃん久しぶりです」お土産を渡す友人夫妻。「お帰りなさい、長かったねぇ」「おじちゃんの料理食べたかったんだ」いつものメンバーと、いつものメニュー。いつものおじちゃんの味。サイマキ海老の紹興酒漬、海鮮春巻、四川水餃子・・・そして蒸し上海がに、麻婆豆腐。「やっぱり美味しいねっ♪NYCにはなかったんだ、この味。いつでも食べに来られると思うと、とっても嬉しい♪」NYCになかったのは、きっと皆でわいわいと食べる、この味だ。

Photo_8Photo_9の店「BAR808」では美味しいワインが待っていた。お気楽夫婦の羊の国土産、そしてNYC土産(人気のトレーダー・ジョー)の、いずれも絶品のシャルドネとソーヴィニョン・ブラン。おつまみは、チーズとイチジクジャム、博多通りもん、モンサンクレールのマドレーヌなどヴァラエティ豊かで節操もなく。9人の仲間のそれぞれの個性のように。語って、笑って、飲んで、また笑って。そして楽しく、嬉しい時間は瞬く間に過ぎて行く。そろそろお開きの時間だ。本来は終夜営業の予定だったBAR808。けれどNYC帰りの友人夫妻には可愛い愛犬が待っている。でも大丈夫。10時間以上も掛けずに、また皆で集まれる。また皆で美味しい酒が飲める。欠けたピースが元のように収まった。

日、ご近所の友人夫妻と一緒の夕食。「それにしても、Mちゃん(NYCから帰って来た友人(妻))、なんだか強くなったねぇ。なんか、しっかりと軸ができた感じ」と妻。NYC駐在5年余り、NYCで揉まれてたくましくなったのか。「え?そう?」何のことという感じのご近所の友人(妻)。「うん、僕もそう思った」同意するご近所の友人(夫)。「えぇ〜っ!私だけ?!何それぇ?」と友人(妻)。・・・相変わらずの関係ではある。友が(ニューヨーカーのままで)帰って来て、ますます楽しみが増えたお気楽夫婦である。

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2008年11月 9日 (日)

ショップカードを受け取りに「ニュージーランドの手」

Photo_3Photo_4Photo_5ライストチャーチの空港に降り立った時、澄み切った青空がお気楽夫婦を迎えてくれた。調べてみると、確かにNZは大気に含まれる塵が少なく、鮮烈とも言える空の青さはそのためだという。そんなNZ滞在中のある日、試合が終わった後、旧カンタベリー大学の校舎を利用したクライストチャーチ・アートセンターを訪ねた。タクシーを降りて建物に入ろうとした瞬間、ふと見上げると見事な夕焼け。思わず息を飲んだ。そして中庭にはその空に続く階段。センスの良い空間デザイン。いずれも澄んだ空の色にぴったりな風景だった。

PhotoPhoto_2Photo_6 ころで、ニュージランドを訪れて驚いたのは料理とワインの美味しさ。街の風景はイギリスに近いのだけれど、料理やワインはイギリスとは大違い。カジュアルなお店に入って、お手軽価格のワインを飲んでも、決して外れなかった。特に白ワインの美味しさは、期待した水準以上。事前予習のために訪れた都内のNZ料理「アオテア・リンギ」の店長に教えてもらったお店「Saggio di vino(サギオ・ディ・ヴィノ)」のワインも素晴らしかった。盛り付けやサービスもいずれも合格。お気取り系のパリのお店よりも、よほどリラックスして楽しめる。但し、どの店もオードブルも、メインも、サラダも一気に出て来るのはいかがなものか・・・。

Photo_7 Photo_8 Photo_9 カッシュの観戦、参戦に明け暮れたNZ滞在ではあったが、試合の合間に訪れたクライストチャーチの街の風景も印象的だった。街の中心に清冽なエイヴォン川が流れ、その周辺に広大なハグレイ公園の緑が広がる。165ヘクタールもある公園の中には、ラグビー場、クリケット競技場、ゴルフコース、テニスコートなどが複数(それもかなりの数が)あり、市民の憩いの場となっている。街の街路樹もきちんと管理されており、緑の保全にはかなりの予算を使っているはず。落葉の処理に困り樹を切ってしまうことの多い東京に住む身としては、実に羨ましい限りだ。

Photo_10Photo_12 Photo_11本帰国前にツアーメンバーと一時別れ、2人で訪ねたオークランドも気持の良い街だった。若い頃にヨットやディンギーの経験のあるお気楽夫婦が真っ先に訪ねたのが街の中心にあるアメリカズ・カップ・ヴィレッジ。2000年にアメリカズ・カップがオークランドで開催された際に再開発したベイエリア。巨大なクルーザーが係留されるマリーナ近くにこぢゃれたマンションが建ち、その1階にはシーフードレストランなどが軒を連ねる。青い空と白いセイルが似合う、爽やかな街並。「良いなぁ。住むんだったらここが良いね」その中の1軒のレストランでシーフードを食べながら妻が呟く。そうだね。今度は長期滞在で来てみたいね。帰り際に妻はコレクションしているショップカードの在処をスタッフに尋ねる。「あぁ、ごめんね。今切らしてるんだ。また来てよ、準備しておくから。ところで今日はオークランドの初日かい」残念ながら、最終日なんだ。「あぁ、そうか。だったらまたニュージーランドに来た時に寄ってもらえば良いさ。楽しみにしてるよ♪」

フリカの手」ということばがある。一度アフリカを訪れ、その魅力に触れ、アフリカの手に包まれると、人はまたその地を訪れたくなるという。日本帰国の朝、オークランド空港に降り立ち、ヨットのセイルを模したターミナルを眺めた時、お気楽夫婦ははっきりと自覚した。あぁ、ニュージーランドの手にすっかり包み込まれてしまったと。

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2008年11月 3日 (月)

キーゥイはフレンドリーな体育会系?「NZ人気質」

Photo_7 ールド・マスターズ・スカッシュの試合会場で突然話しかけられる。「グッダイ!君は日本人かい?だったら○○さんを知っているかい」さぁ・・・知らないですけど。「あぁ、そうか。残念だ。彼と対戦するんだけど、試合前に話をしたかったのに」・・・なるほど。敵を知るというよりは、わざわざ9,000㎞を飛んできたスカッシュ仲間と友好を深めたいという雰囲気。「ところで、君の相手は?」対戦表を示すと、「おぉ、彼はキーゥイだね。良い試合を!」と会話が続く。ニュージーランドの人々は自らをキーゥイと呼ぶ。キーゥイとは羽が退化して飛べなくなった鳥、ニュージーランド固有種「キーウィ・バード」のこと。その呼称にはネガティブな響きはなく、むしろ親しみを込めて呼ばれている。マオリと呼ばれるニュージランドの先住民にキーゥイに関する寓話がある。森の王からの要請で、地上の虫たちによって病んだ森林を守る鳥としてキーゥイが地上に降りたという。自利よりも他利、相手を思いやる気持の象徴。

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ールド・マスターズの会場にはそんなホスピタリティの心が溢れていた。OVER35や40のトップクラスの試合はともかく、OVER55、OVER60ともなると、試合よりも親睦優先。試合が終わると勝った選手が「Would you like some drink?」と負けた選手に飲み物をごちそうする。そしてもちろん自分の分も買ってきて「Cheers!」とビール瓶で乾杯。だから、あちこちの会場でビールやワインを片手に審判する選手たちの姿が見られる。妻が試合を終え、対戦相手のキーゥイのおばちゃんと記念品を交換。(女性の場合は飲み物ではなくプレゼントが多いようだ)記念写真を撮り合い、握手。「ニュージーランドは楽しんでる?試合は楽しんでる?」と聞かれる。「えぇ楽しんでますよ♪良い街ですね」と答えると、「それは良かったわ」と実に嬉しそうに再度握手を求めてくる。

Photo_5ぢゃれたワインバーでスタッフに写真を撮っても良いかと尋ねると、「私が撮りましょうか?」。暗い店内でフラッシュがたかれる。周りの客も温かく見てくれている。「縦位置でもう一枚撮る?」実にカジュアルでフレンドリー。あるワインショップでも「ニュージーランドを楽しんでいるかい?」ええ、毎日美味しいワインをたっぷり飲んでますと答えると、「それは良い」と何種類も試飲をさせてくれ、NZのワインの美味しさを丁寧に説明してくれた。(つい2本も購入してしまった)そして、そんな会話は「良い旅を!」と締めくくられる。

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ーバーを眺めるレストランではスタッフが気さくに話しかけてくる。「どこから来たの?日本?だったら東京かい?東京には人がたっぷり住んでるんだね。この海鮮プレートは大きいって?僕はそうは思わないけど。でも、とても美味しいよ」早口のキーゥイ・イングリッシュでたたみかける。(実際このムール貝、手長海老、ホタテ、イカなどをたっぷり乗せたリングイネは、一皿でお気楽夫婦2人が食べるのに充分な量だったけれど)いずれもその口調は柔らかい。そして何よりも人種に対する偏見が少ない(ように感じる)。マオリ語やマオリ語に由来する固有名詞が街に溢れ、観光客の視線で見る限り、ヨーロッパ系の人種とマオリ、アジア系の人々が自然に融合してもいる。

Photo_8 して気付けばNZの街にはスポーツウェア姿、バックパッカー姿の人々が実に多い。通学の子供たちだけではなく、通勤姿の大人(女性も)が本格的なサイクルウェア、ヘルメット、アイウェアで街を颯爽と走っている。だから、会場間を移動する日本選手団のスポーツウェア姿は違和感なく街に溶け込む。そうなのだ。この国はスポーツが身近にある。国民的な人気のラグビーのニュージーランド代表チーム「オール・ブラックス」に代表される「観るスポーツ」だけではなく、ラグビー、テニス、スカッシュ、ヨットなど地域に密着したクラブ育成のプログラムがある。そして何よりスポーツを愛する、自然を愛するキーゥイ気質はそのライフスタイルに現れている。フォーマルよりカジュアル。ファッショナブルよりスポーティ。人懐っこく、フレンドリーなキーゥイは体育会系。ワールド・マスターズ・スカッシュのホスト国として、実にぴったりのお国柄だった。

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2008年10月27日 (月)

ガーデンシティ&シティ・オブ・セイルズ「速報!ニュージーランド紀行」

PhotoPhoto_2 の国から帰ってきた。とは言っても一匹の羊も見ることもなく、南島、北島の2つの街で1週間余りを過ごした。そして、夢の中で羊を一匹も数えることもなく、痛めた右腕で毎日スカッシュをして、毎夕たっぷりのワインを飲んで、毎晩ぐっすりと眠った。・・・と言うことで、すっかり時差ぼけが抜けないまま、早朝に速報版の記事をアップしているという訳だ。訪れたのは、ガーデンシティと言われるクライストチャーチ、シティ・オブ・セイルズと呼ばれるオークランド。どちらも良い街だった。人々の生活が実に豊かだった。そう、この旅は“豊かさ”について考えさせられた旅だった。

Photo_4ライストチャーチでは6カ所のスカッシュコートがあるクラブを巡った。いずれもコート数は3面から8面。テニスコートやラグビー場を併設し、コートを臨むメンバーのサロンではビールやワインを楽しみながら観戦できるスペースがある。わずか35万人規模(品川区程度)の都市に、こんな施設がたっぷりある。生垣に囲まれた家は芝に覆われ、あらゆる街路には並木が続いている。文字取りのガーデンシティだ。オークランドではアメリカズ・カップの会場にもなったハーバーを見て回った。巨大なクルーザーが街の中心部に何艘も停泊している風景に度肝を抜かれた。そして繋留代も安く、人口あたりの船舶保有率は世界で最も高いらしい。ワイテマタ湾のいたるところにハーバーがあり、ものすごい数のマストの林が対岸からでも見て取れる。まさしく、シティ・オブ・セイルズ。

Photo_3ュージランドの春は8時ぐらいにようやく夕闇が訪れる。まだ明るい5時を回ったあたりで男たちがスタンディング・バーで酒を酌み交わし、ラグビー中継に歓声をあげている。リタイアした悠々自適の男たちだけではなく、ブラックスーツを着ている仕事帰りの男たちも。その手にはビールやワインのグラス。ニュージーランドでの一人当たりビールの年間平均消費量は日本の54リットルに対して90リットル。ワインは生産量、輸出量、消費量とも増加傾向。ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネなどの白ワインが絶品。気軽なスクリュー・キャップのお手頃なワインが手に入る。残業もなく、明るい夕方には家路に着き、スポーツをしたり、酒を飲んだり。ビールの消費量も高い訳だ。・・・そんな街を訪ねた記事の詳細は来週以降に。美味しかったニュージランド料理や、ワインのご紹介や、もちろん参加したスカッシュの大会「ワールド・マスターズ」についても。

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2008年10月26日 (日)

エコな街、LOHASの街「自由が丘女神まつり」

Photo_2 年の冬からずっと妻は忙しかった。勤務先の企業は緊急事態が続いていた。土日に出勤することはあっても、平日に休むことはできず、有給休暇や夏休みはおろか、振替休日を取ることさえままならなかった。羊の国、ニュージーランドに出かけるのは、妻の慰労を兼ねた時期外れの夏休みであり、振替休日の消化でもある。妻が平日に休むのは1年ぶり。そう聞いてあらためて驚いた。転職直前に前職の企業での有給休暇を何日か取得し、転職後すぐに有給休暇をまとめて取ってしまおうという私とは大違い。妻こそが我が家の大黒柱。(我が家はマンションだからそんなものはないけれど)とは言え、妻も私も日本の企業に所属する身で、この時期に1週間も休むにはかなりの勇気が必要だ。

Photo_3 みの直前はさすがに慌ただしかった。3連休の内、2日間は出勤。それもクライアントである自由が丘商店街関連企業も関わるイベントの立ち会いと視察。まぁ、お気楽と言えばお気楽であるが。そのイベントとは、36回目を迎える「自由が丘 女神まつり」。12の商店街がひとつの商店街振興組合としてまとまった、加盟店数1,080店を超える日本最大の商店街の一大イベントだ。自由が丘のその昔の地名は「東京府荏原郡碑衾大字衾(ふすま)」。かつての街の有力者であった地主たちが協力し、自由学園に敷地を提供し、区画整理を行い、自由が丘と街の名を変えた頃には現在の街の基盤ができあがっていたという。その頃から自由の気風に溢れ、若手にも活躍の場を与えるリベラルな土地柄だ。

Photo のイベントでも同様に商店街の若手が活躍。「自由が丘森林化計画」と銘打ち、エコに関するトークショーや「古本を森に帰そう」などのイベント、PASMOで決済をすると緑化資金としてポイントが寄付されるなどのエコ企画が満載。そんな企画の裏側で、微力ながらお手伝いしていたのが私という訳だ。自由が丘の街を歩いていても挨拶する相手が増えた。とは言え、スタッフに「奥さまと一緒にビールでも飲みながら、気楽においでください」と言われたことばにそのまま甘え、やはり休日出勤だった妻と夕方には合流し、南口の緑道沿いのカフェでのんびり。道を行く人たちや、犬たち、ベンチで酒盛りをする人たちを飽かず眺めていた。

Photo_2んか落ち着くねぇ♪ずっと変わらずに、やっぱり良い街だわ」そう言う妻は学生時代に三軒茶屋に住み、青山に通い、買物はもっぱら自由が丘という生活だったらしい。緑道のベンチで酒を酌み交わす人々の手にあるのはワイングラス。テーブルの下に転がっている空き瓶はシャンパン。オサレ。う〜ん、街行く女性も子供からおばあちゃんまでキレイでお洒落な人が多い。「あら、男性もなかなかだよ。お洒落なおじいちゃんも多いね♪」と妻。彼らが経済的に豊かだからということもあるけれど、この街で生活を楽しむ、この街を愛する人たちが多いことが私の現在の仕事に繋がっているのは事実。LOHASというのは「Lifstyles Of Health And Sustainability(健康で持続可能な社会を志向するライフスタイル」の略語だけど、ここにあるのは「Libertyhill-styles Of Happiness And Sustainability(幸福で持続可能な自由が丘スタイル)」。そんな街に、少しでも役立つ仕事ができれば。

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2008年10月18日 (土)

お祝いの花、お礼のメール「メモリアル・バースディ」

Photo_2ぇ、IGAIGAぁ、何かプレゼント用意してるの?」妻の誕生日の数日前。いつものスポーツクラブのスカッシュコートで、ご近所の高級住宅街に住む友人Kちゃんから尋ねられた。妻からは、皆と一緒に「たん熊」に行くだけで充分、プレゼントは何もいらない、と言われていた。だから小さなブーケでも買おうかと思っていた。「じゃぁさぁ、私がプレザーブド・フラワー作るよ!」おぉ、それは良いねぇ。ありがとう!じゃあ、みんなで一緒のプレゼントにしようか。スカッシュ仲間“ハニカミ/クィーンズ”の2人にメールを送る。さっそく2人から返信。「良い提案ですねぇ。よろしくです♪」「もちろん大賛成!」この辺りのノリは、女子高生並み。さっそく彼女に返信内容を伝え、制作をお願いすることにする。

しっ、分かった。じゃあ材料費だけで良いよ。私のイメージするEちゃん(お気楽妻)の感じで創ってみるよ。楽しみぃ♪」彼女はフラワー・アレンジメント教室の先生。お気楽夫婦の結婚パーティでも素敵なブーケを創ってプレゼントしてくれた。その作品は優雅で上品。贈る相手に合わせたイメージで創られる花はいつもとびきりに素敵だ。友人の結婚式にはいつもフラワー・アレンジメントの依頼付きで招待されるという大変な役割。材料費だけではとても割に合わない。でも喜ぶ友人たちの顔を見る彼女の顔もとても幸福そうでもある。家族で海外旅行に出かける度に、いつもスーツケースひとつ分もあるのではないかと思うほどのおみやげを皆に買って来る彼女。きっと、彼女は大好きなのだ。人が、友人たちが、喜んでくれるのが。そして何より、彼女は誉め上手で誉められ上手。良いねぇ♪と誉めると、実に素直に「良いでしょう♪」と応えてくれる。

Photo_3 の日のプレザーブド・フラワーの出来も素晴らしかった。誕生日おめでとう!と、テーブルの上に差し出された紫のバラ。「うわぁ、きれいだねぇ」「すっごぉい!Eちゃんに合ってるぅ」「どうもありがとう♪素敵ぃ」誉められたKちゃんは、照れながらも「良いでしょう♪Eちゃんのイメージなんだ」と胸を張る。レッスン仲間の1人からも可愛いギフトボックスを受け取る。自由が丘のモンブランのクッキー詰め合わせ。昔ながらの堅実に美味しい妻の好みのタイプ。もうひとりのレッスン仲間からはペニンシュラのチョコレート。これまた妻のストライクゾーンど真ん中。人生の秋に実った友人たちは、年齢を重ねてから出会っただけに価値観も近い。

日。そんな楽しい誕生日を過ごした妻が、皆にお礼のメールを送った。「昨晩は遅くまでありがとうございました。記憶に残る楽しい誕生日になりまし た・・・」そんなメールにさっそく皆が返信。さすが今時のアラフォーだ。「こちらこそぉ。楽しかったし、美味しかったねぇ・・・」「素敵なお店&ロケーションで、楽しいメンバーと一緒にEちゃんのお祝いができて最高でし た!」「昨夜はたいへん美味し く楽しい一時でした。夜景も食事も何もかも感動的!」なんだか80年代的な大げさな表現のメールが飛び交う。そこもまたアラフォー。改めて実感すれば、いずれも長くお付き合いしたい貴重な仲間たち。人生の中で、こんなに印象的な誕生日を迎えることは、そう多くはない。つくづく幸せだね。楽しい誕生日でした。「・・・ところでニュージランドでもよろしくね!」友人の1人のメールはそう続いた。そう、いよいよ人間よりも羊の多い国、ニュージーランドに出発だ。

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2008年10月13日 (月)

実りの秋、祝いの秋「たん熊北店玉川店」

Photoつの間にかしっかり秋だ。夏に食欲が落ちる訳でもなく、冬には冬で鍋がやっぱり美味しいとか、年中食べることが楽しみなお気楽夫婦。それでも実りの秋、食欲の秋。爽やかな気候が2人の食欲をますます刺激する。秋を味わう、つまり旬の味覚を満喫すると言えば「たん熊北店二子玉川店」。この店で過ぎ行く夏を味わった際に、スカッシュ仲間を連れてこなきゃ♪と意気込んだ2人。ちょうど10月は妻の誕生月。妻の何度目かの誕生日のお祝いを兼ねて“ハニカミ・クィーンズ”のメンバーを招集した。と言うことで、ある週末の夜、妻を含めた4人の美しい(・・・と書けとのご要望でした)女性たちと、目にも舌にも幸せな時間を過ごした。

ん熊北店」を訪れることこれまでに数回、その度にカウンタに座り、店長の本城さんや板さんと会話しながら美味を味わうのが常だった。しかし今回は5人。さすがにカウンタという訳にはいかない。そこで前回の訪問の際に、しっかりと店内を下見をさせていただいた。個室はいずれも大きなガラス窓がある。国分寺崖線の緑と、都心に続く夜景が美しい。掘りごたつの和室も捨てがたかったが、椅子席の半個室のスペースを予約。天井も高く開放的で、カウンタ席とはまた異なる趣き。お祝いの当日、さっそく現れたメンバーの1人が感嘆の声を上げる。「うわぁ、きれいだねぇ。素敵♪素敵♪」妻のリアクションの薄さに慣れた身には、妙に新鮮で嬉しい。この席を選んだ甲斐がある。

Photo_2ずはお祝いということで、スパークリングワインのロゼで乾杯。いくつかは忘れ、おめでとう!シュワシュワのピンクの泡が優しく喉を潤す。うまうま。よしっ、美味しい季節の味を迎える準備は万端だ。さっそく「スモークサーモンのヒエルロン酸和え」「南瓜饅頭の菊花餡かけ」「胡麻豆腐の蒸し海胆のせ」など、何皿かの前菜をオーダー。「うわぁ、きれい」「すっごい美味しいねぇ」この店の料理はやはり食べる人を幸せにする。そして続いて「秋の前菜の盛り合せ」。盛り付けも美しく、一品一品の味がきちんと主張し、それぞれに美味しい。そこに本城さんが登場。「今日はほんまありがとうございます。お料理はいかがですか」の挨拶に「とっても美味しいですぅ♪」の大合唱。ふふふ、お誘いしたお気楽夫婦もちょっと嬉しい。一緒に記念撮影に入ってもらった本城さんもご満悦。

Photo生日のお祝いということで、こちらをご用意しました」おっ、鯛の器に入ったお赤飯か。あれ?違う。「茶碗蒸しの上に炊いた餅米、そしてフォアグラを載せて、餡をかけてあります」おぉ〜スペシャル!「うわっ!これ何!すっごい美味しい♬」「きゃぁ!ほんと。フォアグラが美味しい♪」「この味付け上品だねぇ」いつも以上の本城マジック!「なぁんか、とってもいい店だねぇ。私も気に入っちゃった」「いつも2人でこんな店に来てるなんて、良いね、羨ましいっ」「今度はダンナにも食べさせたいなぁ」メンバーもすっかり満足のご様子。良かった良かった。なんか、良い誕生日になったねぇ。妻にそう囁くと、「うん、ありがとう。こんな誕生日も良いね」2人だけでカウンタで味わうのとはまた違った幸せな味。妻の人生も折り返し。人生の秋に実った素敵な友人たちと過ごす楽しい夜だった。

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2008年10月 5日 (日)

スカッシュと酒の関係「アフタースカッシュ」

Photoュージーランドへ。いつの間にか、そんなことになってしまった。右腕で、絶好調でも、日本の水準でも、オープントーナメントで勝つことは難しいのに、いきなり世界大会。実に大胆だ。言い換えれば、無謀だ。でも、だからこそ楽しもう。そんな開き直った気持になった。とは言え、鍼治療の効果が出てはきたものの、右腕はまだ以前のようには使えない。利き手ではない左手でのインチキスカッシュは、奇跡的に上達してきたけれど、初心者としては上手という程度。とても世界各国から集まる選手たちに勝てるとは思えない。いや、勝てないまでも対戦相手に失礼のないプレーができる水準までには持って行きたい。よしっ!ちょっと頑張ってみるか。ミキちゃんのように、世界に羽ばたいてみるか!(ちょっと大げさ)

して、ある週末、ニュージーランドにも同行するコーチと共に、高原リゾートでのスカッシュ合宿に参加した。2日間で4コマのレッスンと、2時間の交流試合が予定されている。お気楽夫婦が1ヶ月かけてやる練習を2日間でやるぐらいの内容だ。参加メンバーは、東京近郊の複数のスポーツクラブから集まったスカッシュフリークが20人弱。インチキサウスポーの私は中級、右手で参加する妻は中上級のクラスに振り分けられた。初めて会う方々とは言え、共通言語はスカッシュ。お互いのプレーを見ていれば、その人のキャラクターも想像できる。強気のプレーをするけれど、優しい気持の人かな。言い訳が多いこの人はプライドが高いのかな。右手が使えないことで、普段の自分より目線を下げて他人のプレーを見ることができる。右手だったら難なく取れるボールが、左手ではとんでもなく難しいボールに変わる。だからこそ気付くこともある。

Photo_2 宿初日の練習を終え、同じ施設内にある温泉に浸かり、その後はお楽しみの宴会。帰らなくても済む、という安心感と開放感が底なしの“飲み”を誘う、ある意味大人げない宴会になることが多い。そして、この合宿でそれを改めて実感することになる。コーチ陣を含め20人を超える宴会。時間制限があるようなないような飲み放題。中には食事の後に自主練習をするためにお酒を控える人がいるけれど、ほとんどは半ば宴会目的で合宿に参加するエンジョイ・スカッシュ・プレーヤー。かくいう私もそうだけど、この記事の前半ではちょっと頑張ってみるか!と決意したはず。その辺りが酒飲みの弱さ、だらしなさ。飲んでしまった。たっぷりと。当初から2次会を想定しているコーチが用意させた大量のビール、メンバーが持ち込んだワイン、日本酒、おつまみと共に部屋飲みに突入。あぁ、世界が遠くなる。

カッシュコートの中の姿を見て、その人のキャラクターが分かる、などと嘯いていた私はまだ青いな!と痛感。人は多面的であり、スカッシュで解放される人もいれば、酒で解放される人もいる。かくいう私もスカッシュで(酒でも)ストレスを解消しているのは事実。しかし、それは解放され過ぎ。コートでの姿から豹変し、反則技を繰り出す女性が出現。スカッシュにいろんなプレースタイルがあるように、酔い方もそれぞれ。犠牲になった若手男性コーチには気の毒だったけれど、これも接客業の通過儀礼のようなもの。冥福を祈りつつ、翌日のレッスンに臨む。しかし、強烈な二日酔い。それでもなんとか倒れずに頑張り、最終レッスンを終える。「いやぁ、IGAさんの左は良い感じになってきましたね」そうだね、右手も多少は使えるようになってきたし、後は試合の前日にいかに飲みを抑えるか、だね。「分かっているのに、酔っぱらいって、おバカだよねぇ。また繰り返すんだよねぇ」と妻。・・・確かに。温泉に浸かって、また昼食時にビールを飲んだ私は、学習できない酔っぱらい。世界は、遥かに遠い。

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2008年9月28日 (日)

お気楽夫婦は南を目指す?「アオテア・ランギ」

Photoボストン、ウチナー、ニュージーランド。お気楽夫婦が老後に住みたいと思っている街。しかし、改めてこうして並べてみると、この組み合せは、変だ。博多とボストンは2人で訪れた上で具体的に“住む”ということをイメージしているのに対し、ウチナー(沖縄)は対象エリアが広く、街というには漠然とし過ぎ。ましてやニュージランドは、街ではなく国だし。そして致命的なことに、2人ともまだ訪れたことがない。それなのに、なぜニュージーランドなのか。南半球のちょうど北海道と本州のような形をした国。住民よりも羊の数が多い国。ヨットとスカッシュが盛んな旧イギリス連邦。オールブラックス。ジュール・ベルヌ作『二年間の休暇』で15人の少年を乗せたヨットが漂流する前に停泊していたのはニュージーランドのどこかの街の港だった。・・・その程度の情報。

Photo_4 比寿に美味しいニュージーランド料理の店があると聞いた。中でもお薦めはムール貝だという。ムール貝には目のない私としては、行かねばなるまい。ということで、ある週末、スカッシュ仲間と一緒に出かけた。店の名前は「アオテア・ランギ」。マオリ(ニュージーランドの先住民)のことばで、ニュージーランドの大空という意味らしい。全部で20席余りの小さな店。入口横のテラスには4人がけのテーブル席が2つ。秋風が爽やかなこの季節はテラス席でしょう、ということで皆でテーブルを囲む。まずはニュージーランドのビール、スタイン・ラガー。スカッシュの後では、こんな小さな瓶は蒸発してしまうように喉に吸い込まれる。ぷは。いくつかのオードブルの後に、待望のムール貝をオーダー。4種類あるソースのうち、にんにく香草バターソース、アメリケーヌソースの2種類を選ぶ。

Photo_3 つことしばし。ムール貝が入った寸胴がどかんと登場。日本のものと違い、深緑色の“グリーン・マッスル”と呼ばれる小振りの貝。「おぉ〜っ!美味しそう♪」「良い香り♫」「うわっ!旨っ♬」にんにくと香草の香り、貝の旨味が解け合ったソースが素晴らしい。「フランスパンに合うねぇ」ひとつ食べた後は、貝殻でソースをすくい、くぷっと飲む。く〜っつ。たまらん。この店自慢のニュージーランド産ワイン、ソーヴィニヨンブランのとある銘柄(忘れた)をオーナーがグラスに注いでくれる。くぴっとひとくち。爽やかな香りが鼻孔に抜けて行く。「うわ〜っ、美味しい!」飲んべのスカッシュコーチが目を丸くする。「なぜ白ワインなのに、こんな口の広いグラスなんだろうと思っていたんですよ」広口のグラスで冷えた白ワインを含むと確かに香りの抜けが良い。最高のマリアージュ。ニュージーランドのグリーン・マッスルとソーヴィニヨンブラン、素晴らしい組み合せだ。

Photo_4 らに「NZ産 子羊骨付きロース炭火焼」が登場。「これには、美味しい赤ワインだ♪」既に何種類かの白ワインを飲み比べしていた(飲めない妻を除いた)メンバーは、迷わず赤ワインをオーダー。「うん、この赤(これも銘柄は忘れた)も美味しい〜っ!」NZワインに惚れ込んだオーナーが開いたこの店のニュージーランドワインを飲みにくるだけでも、訪れる価値がある。「私、羊大好きなんだ♪」ジンジャーエールを飲みながら妻もご満悦。他にもマオリの香草で味付けされた牡蛎やサーモンなどのシーフードも旨い。ふ〜む、良いね。ニュージーランド。南半球の季節は、春。「気候的にもいい時期ですよね」オーナーが現地のワインの美味しい店やワイナリーを教えてくれた。(あくまで酔っぱらっていなかった妻からの伝聞)よぉっし、皆で行ってみるか!ニュージーランド!

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2008年8月 9日 (土)

クラブ・フロアの愉しみ「ザ・リッツ・カールトン東京」③

Photo_19・リッツ・カールトン東京のクラブ・フロアを選んだのは、眺望以外に、もうひとつ理由がある。それは、クラブ・ラウンジのサービス。例えば、チェック・イン前からアフタヌーン・ティのサービスを受けられ、ウェルカム・ドリンクとしてキリッと冷えたビールを1杯。ゆったりソファに座り、軽いつまみを食べながらチェック・インの手続きをすることができる。具体的には・・・、その日の私は、休日なのに会社に顔を出し、昼食も取らずにバタバタとホテルに向かった。真夏の昼下がり、たっぷり汗をかいた身体にビールの旨さが沁みこみ、冷たいおしぼりに息を吹き返す。お腹が空いていたことを思い出し、こぢゃれたオードブルをいただく。うん、こりゃ美味しい。あら、食器は全てウェッジ・ウッドの<ターコイズ>。もう、その日の私のためにあるようなサービス。そして、ゆったりとした気持で部屋を選ぶ。ふぅ。実に優雅な時間である。

Photo_13Photo_22れてやって来た妻と一緒にあらためてアフタヌーン・ティをいただく。部屋を案内してくれた女性スタッフが「こんにちは♪」と微笑んでくれる。妻はオーソドックスにスコーンと紅茶。私は再び、ビール♪なんたって、堂々たる休日。くぅ~っ、明るい陽射しの中で飲むビールの旨さよ。妻もようやく落ち着いたらしく、嬉々としてスィートを選んでいる。おっ、それは確かに美味しそうだ。「うん、美味しいよ♪食べる?」ここで食べ過ぎてはいけない。夕方からの軽食サービスにも来たいし、何よりその後に友人と一緒の夕食が待っているのだ。「大丈~夫!まだ時間はたっぷりあるし、これからプールで腹ごなしさ!」余裕の妻。

Photo_20Photo_21ールでひと泳ぎした後、部屋でシャワーを浴び、暮れなずむ東京タワーを眺めた後は再びクラブ・ラウンジへ。女性スタッフともすっかり顔なじみ。「こんばんは。プールはいかがでしたか」「すっかりリラックスしちゃいました♪」おぉ~っ、私を待っていたシャンパンたち。飲んであげるよ、待ってなさい。チーズとオリーブをつまみながら夕暮れの風景を楽しむ。ラウンジに客の姿も増えてきた。スタッフと談笑している客も多い。リッツのサービスは柔らかく、フレンドリー。好感が持てる。開業してしばらくの間は余り良い評判を聞かなかったため、宿泊する順番を換え、先にペニンシュラに泊まったことが功を奏したかも。作戦成功。いずれにしても心地良いホテルだ。「シャンパンお代わりいかがですか」あ♪いただきます。

Photo_25朝、ラウンジで朝食をしっかり食べて再びプールへ。「ぎりぎりまでのんびりジャグジー&プールという予定にしよう!」妻はすっかりこのホテルがお気に入りらしい。チェック・アウトの正午過ぎにクラブ・ラウンジに向かうとさすがに大勢のゲストで席が埋まっていた。急ぐ旅ではなし、のんびりお茶を飲みながら手続き。そうだ、もう外でランチなんて言わないで、ここで食べちゃおうか。「ん~、良いね。実は、美味しそうなサンドウィッチがあったんだ♪」だんだんゲストが消えていくラウンジでゆったりと昼食。結果的に、かなりお得に利用してるよね。「うんっ、このサンドウィッチ美味しいし♫」満足そうに妻が頷く。この夏、南の島のリゾートには行けそうもないけれど、その代わりに、濃縮されたアーバン・リゾートを味わえた。たまにはこんな夏も良いね。「ん~、でも秋には・・・」・・・まだ含みを残す。

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2008年6月30日 (月)

電車は個室宴会場?「スカッシュの愉しみ」

Photo都宮と言えば、餃子。有名処だけでも、観光客に人気の「宇都宮みんみん」や、地元で人気の「正嗣」など、枚挙に暇がない。今回の遠征で選んだ店は「青源みそしる亭」。名前でお分かりのように、餃子を味噌汁風のスープでいただく変わったメニューの専門店。とは言え、もちろんゲテモノ系ではなく、味噌製造の専門店が出した餃子の店。20人も入れば満席の店内に、昼飯抜きの男が4人、試合に負けたストレスで食い気が勝る女性が4人、そして監督が1人の計9人で乱入。「生ビール5つ、焼餃子、青源特製焼餃子、はね付き餃子、葱味噌焼餃子を全部2人前、青源水餃子、辛みそ水餃子を3人前づつ!」男性5人のテーブルでは、コーチの山ちゃんがデカい声でオーダー。それ誰が食べるの?

Photo_8っぱい頼んでもらったから、これサービスです♪」店の女の子が追加の焼餃子を運んでくる。もう食えませんって。女性チームも同様に全種類を制覇したらしい。この店は、全てのメニューが絶品とは言えないけれど、味のヴァリエーションが多くて嬉しい。でも良く食ったねぇ。「え?まだ行けますよ!生ビールもう1杯行きますか?」って、山ちゃん、もうそれ3杯目だし、それにまだ入店してから30分も経ってないし。「分かりました。じゃあ、後は電車の中に取っておきましょう♪」・・・そうなのだ。前回の宇都宮-新宿間を敢えて時間の掛かる湘南新宿ラインのグリーン車を占有し、たっぷり飲んで帰ったのが余程楽しかったらしく、今回の宇都宮遠征も帰りの車中飲みを楽しみにしていたのだ。「いやぁ、楽しかったっすよね。今回も帰りは湘南新宿ラインにしましょうねっ!」はいはい。

Photo_9階建てのグリーン車に、一部1階建て車両がある。席数は12。前回は10人、今回は9人でその車両を占拠。宇都宮駅ビルの中にある成城石井でたっぷりの酒とおつまみを買い込んで乗り込む。チームイガイガの準優勝をお祝いして、シャンパン(実は安いスパークリングワイン)を進呈するよ。「ありがとうございまぁす♪」前回は1本だけ買ったカヴァがあっという間になくなった。ということで今回は2本。じゃぁ、準優勝をお祝いして乾杯!「かんぱぁ~いっ!」これはまるで個室の宴会場。敢えて新幹線を選ばずに、湘南新宿ラインでのんびり飲んで帰るという作戦。今回も絶好調!「隣の車両に他のチームが乗ってますよ。誘って来ましょう!」まるで学生のノリ。あ、来たよ。彼女たちもノリが良い。「こんな感じ好きです!飲みましょう!」いぇ~っ!って、結局たっぷり飲んでいる私。

Photo_10れにしても思うのだ。良い大人が、仕事を離れた場所で、かと言ってプライベートを全てさらけ出す訳でもなく、なのにたっぷりと心許して酒が飲める仲間たちがいる幸せを。スポーツの仲間であることが特別なのではなく、我々のクラブが特別なのではなく、今ここにいるメンバーであるからできるバカ宴会。きっとスカッシュというスポーツの持つ魅力が、こんなアホ共を集めてくれたのだ。いやぁ、今日も飲んだねぇ。「楽しそうだね、でも確かに楽しかったよね♪」へろへろに酔った私を家まで連れて帰ってきた妻が安堵の呟き。ん?メールだ。「愛するメンバーへ。今日は本当にお疲れ様でした。僕自身愉しく、ありがたく思うイベントでした・・・」コーチの山ちゃんから。そうなのだ、何よりもこの最も愛すべきコーチ、スカッシュを愛する男がいる限り、スカッシュを続けるだろうメンバーたち。「あれ?今日はちょっと日記っぽいよ!」むむ、確かにちょっとしみじみ系オヤジだった。

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2008年6月24日 (火)

大人になって、負けるということ「スカッシュ団体戦」

Photoカッシュ団体戦横浜北会場、試合当日。チーム「あらっふぉー」は順調に勝ち進む。団体戦は3人1チームで、それぞれが15、30、45ポイントまでを争うリレー戦。1人目はどちらかが15ポイントを取るまで。2人目からは前のメンバーのポイントを引き継ぎ、2人目は30ポイント、3人目は45ポイントを取るまでの争い。誰をどの順番で出すかは、監督(私)の采配次第。チームの勝敗が(多少は)左右される。その日は監督の作戦が見事に的中。Hちゃんと妻がポイントを大きく先行し、アンカーのMちゃんが余裕を持って逃げ切る。このチームの勝利の法則。予選リーグの全試合に勝ち、決勝トーナメント進出。お揃いのショッキングブルーのスコートが頼もしい。「う~っ!優勝したぁいっ!こんなチャンスめったにないし!」普段は穏やかな役員秘書、Hちゃんのテンションも珍しく高い。

Photo_3勝トーナメントも順調に勝ち進み、最終戦の決勝を迎える。相手チームは同じ用賀のレッスン仲間。共に全勝で勝ち上がってきた強豪同士。お互いの手の内を知り尽くしているだけにやり難い。接戦が続くことが予想される。まずは先鋒のHちゃんが先行し、圧倒的なリード。次鋒の妻が追いつかれそうになりながらも、かろうじてリードを保つ。そして3番手、Mちゃん。相手はかつてオープントーナメントに参戦していたK。手強い相手。この組合せが明暗を分けた。慎重になり、自分のペースがつかめないMちゃんに対し、落ち着いた試合運びのK。いつの間にか逆転。あ~っ。負けちゃった。どちらのチームも監督として応援していた私としては、両チームの活躍に満足しながらも、複雑な気分。朝からずっと拍手をし続け、大きな声で声援を送った私の掌は真っ赤で喉は痛い。ふぅ。

Photo_4彰式も終わり、全員にこやかに、それでも勝者たちは満足の、敗者たちは悔しさの表情を、ほんのりと滲ませながらの記念撮影。同じクラブのメンバー同士、優勝チームへの副賞のボールを仲良く皆で分け、記念のポーズ。ふぅ。決勝は見応えがあり、とても良い試合だったけれど、それだけに(正直に言えば)妻のチームに勝たせたかった。決勝に進んだ両チームのコーチ、山ちゃんの手配で祝勝会の会場へ向かう。会場はひとつ隣の駅だとのこと。う~ん、電車に乗るまで我慢できなぁいっ!近くのコンビニでビール買って飲もうぜ!「そうしようっ!」メンバーのノリは抜群。優勝、準優勝おめでとう!缶ビールで乾杯!美味しいっ♪旨めぇ!コンビニの前で歓声が上がる。

して祝勝会もその勢いで大酒飲み。酔って、笑って、泣いてるやつも。「今日は、皆良かったっすよ♪皆はボクの自慢です!」コーチの山ちゃんは実に嬉しそう。「スカッシュは私の永遠の友だから、ずっと続けるんだ」役員秘書Hちゃんの発言にびっくり。情熱を表に出さないタイプに見えるのに、秘めた思いがあったのかぁ。それにしても、大人になって、勝敗がはっきりするスポーツに接することは嬉しく、楽しい。次は勝てるかもしれないという、再チャレンジが可能なのがスポーツ。負けても、その悔しさを次の試合のエネルギーにして頑張れる。負けっ放しにならないように、次は勝てるように。そして私はと言えば・・・。「ねぇ、大丈夫?今、拍手してたけど、何だったの?」隣の妻が私の身体を突く。ん?気がつけば、そこは深夜の電車の中。夢かぁ・・・。ウチのチームの誰かが良いプレーをして、グッショット!って叫んで、拍手していた私。次は優勝だ!

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2008年6月15日 (日)

焼酎たっぷり、酔ってにんまり「嘉多蔵」

Photo_4気楽ながら几帳面なA型の妻は、毎晩のように2人で外食する店のカードを蒐集するのが趣味。と言うかデータとして残しておきたい性分。貯めたカードは名刺ファイルに地域別に整理してある。その数、1,000店以上。カードを集めたということは、それだけの店に食べに行ったということでもあり、何度も通う店もあったり、カードのない店もあるから、お気楽夫婦の外食の回数たるや・・・。そして、あの店何て名前だっけ?という妻への質問に、ほぼ彼女の記憶力で回答してもらえるのだが、さすがに覚えていない場合は、このファイルを検索することになる。謂わば妻とこのファイルが、記憶力皆無の私の飲食店データベースにもなっている。

Photo_5気楽夫婦が2人で訪ね、味や雰囲気を気に入り、その後大勢でわいわいと飲む店として重宝する店がある。新宿の「ナビィとかまど」「路地」、赤坂の「まるしげ夢葉家」、恵比寿の「五楓」、銀座の「由庵」、下北沢の「都夏」などなど。<秘密にしておきたい隠れ家ダイニング>などというコピーが、グルメ系雑誌に良くあるけれど、それらの店は正反対。<皆で行きたいわいわいダイニング>。市ヶ谷の「嘉多蔵(かたくら)」も、そんな店のひとつ。ある週末、会社の仲間と数人で出掛けることになった。メンバーは“のんべ隊員”が、気楽に、仕事の話し抜きに、楽しく飲める、などの基準で誘った面々。春先に“おやじ飲みの会”と称して(女性は2人いるが)開催。毎月やりましょう!と盛り上がりながらスケジュールが合わず、ようやく2回目が行われたという顛末。

Photo_7の店のお薦めポイントは、酒。まずは八海山 泉ビール。銘酒で有名な八海山の水源にもなっている魚野川と同じ水を使用した、柔らかな香りと優しい味のヴァイツェンで乾杯。遅れて店にやって来たDanchu世代の同僚にも、何を選んだか教えず、無理やりお薦め。「あぁ、美味しい。ヴァイツェンみたいな味ですね♪」さすが!その通り。ヴァイツェンですから。自分で蕎麦を打ち、ピザを生地から作って焼き上げるDanchuオヤジ。薀蓄も聞かせてください。「なんか、今日もとっても楽しいですねぇ♪」やはり同じぐらいの世代の同僚女性も楽しそう。「えっ!隊長と同じ世代にしないでくださいっ!」まぁ、気にしないで。ある程度の年齢を過ぎたら、数年の違いは誤差だから。

Photo_8在働いている会社は(なんて言うと帰属意識がないように聞こえるが)官僚的で、デカイ会社のメリットもデメリットも抱えているけれど、社員一人ひとりの根っこは、こんな風に決して悪くはない。これはこれで楽しいじゃないか。皆良いヤツ。自分をさらけ出さずに距離を置くことを意識してきたことをちょっと反省する。誰も楽しく仕事をするに越したことはなく、仕事をするならポジティブにやった方が良いに決まってる。でも、だったら、もっと楽しくやろうよ!皆、今日はそれぞれ楽しそうだよ!なぁんて腹の底で思いながら身体の芯から酔っ払う。何杯めかの<黒千代香(くろじょか)>の焼酎にまったりと酔う。美味しいつまみににんまり。さぁ、たっぷり酔ったし、そろそろ帰ろうか。「はぁ~い♪」全員元気。ここで解散!じゃぁね!・・・あれ?一緒に歩いていた同僚女性が外堀通りを走って消えた。あ、戻ってきた。え?そしてまた走り去るの?どうした?え?えっ?良い酔いっぷりだ。思わずにんまりするような、そんな飲み会。良いねぇ♪またやろうぜっ!

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2008年5月25日 (日)

たまには自宅で夕食を!「ナパスブレッド」

Photo_5宅で食事を取ることがほとんどないお気楽夫婦。子供がいないことも、2人共外で働いていることも、その理由(というか言い訳)にはなる。しかし、ホントの理由は、ただ外食が好きなのだ。居ながらにして世界中の料理を(一定の水準以上の味で)気軽に食べられる幸福。東京という街に住む最大のメリット。ということで2人は(経済的に許される範囲で)平日は毎日のように待ち合わせをして一緒に食事をして帰宅。休日はのんびりお気に入りの店で食事。結果的に、毎日の朝食と休日の昼食だけが自宅で食事をするチャンス。自分の食べたいものをたっぷり食べるために、この貴重な自宅での食事がある。

こしばらく職種的な季節変動要素と会社の事情(苦笑)によって忙しい妻。待ち合わせをするどの店でも、私が文庫本を読みながら妻を待つことになる。たぶん忙しい妻と、暇な夫の構図、と見えているに違いない。まぁ、事実ですけれど。自宅マンションの1階にあるバーでも、「今日は奥さま遅いですねぇ」という挨拶から「今日は残念ですね、奥さまいらっしゃれなかったですね」に変った。やれやれ。ある週末、急な会議が入り妻は出勤。私はと言えば、独りスーパーに買物に行き、夕飯の献立を考える。とは言っても、何か料理をする訳ではなく、買ってきた惣菜を並べるだけ。ということもあり、わが家のガスレンジは築12年を経過したのにぴかぴか。友人が遊びに来ると、よく「使ってないみたい!」と言われるが、その通り。ほぼ使ってませんから。

Photo_6の日のメニューは、妻の大好きなローストビーフとスモークドサーモン。(ん?考えてみたら宴会料理みたいだ)最寄のスーパーで2種類のローストビーフ(グレービーソースのものと、カルパッチョ風の野菜付きのもの)とサーモン、ラディッシュ、クレソンなどを購入。そして妻が何より好きな「ナパスブレッド」のバゲットだ。あ、店に行くとバゲットがない。残念。今日はバゲットないんで・・・と言い終わらない内に職人さんが焼きたてのバゲットを店頭に持って来た。ラッキー。おっ!今日は休日限定のバゲット・トラディショネルもある。レギュラータイプのバゲットよりも両端が尖っていて、先端恐怖症の私にとってはちょっと脅威。でも美味しそう。買いっ!ぽかぽかのバゲットを抱え、幸せな気分で帰宅。

ぉ~凄ぉいっ!今日は私の好きなものばっかりだぁ♪」へとへとの顔で帰ってきた妻の顔が輝く。「相変わらず盛付が美しいよねぇ」そうなのだ。めったに料理をしないけれど、友人たちが訪ねてくる際に作る料理は夫婦合作。そして盛付は私の役割。(この場合は買ってきたものを)いかに美味しそうに盛り付けるかが私の料理?のポイント。「うん、美味しい。ナパのバゲットは相変わらず旨いね♪」ハード系のパンが好きな妻はご満悦。その日は私の好きな<カヴァ>も漏れなく付いている。シャンパンと違ってお手頃価格のスペインのスパークリングワイン。フルボトルで買って、飲み残しはブルーベリージャムを作るために使用。うぅ~ん、美味しい。シュワシュワの泡を喉越しに楽しみながら、お気楽夫婦の休日の夜が更けていく。「ん、今日は酔っ払っても良いよ。私はこれから持ち帰った仕事やっちゃうから」頑張れ!大黒柱。いつでも私は専業主夫になるよ!「それはダメ!私も早く引退したいんだから!」・・・しゃあない、暫くは2人で頑張るか。

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2008年5月18日 (日)

酔顔は・・・「アルカイック・スマイル?」

Photo_2インに関する自らの知識のなさを店のスタッフに補っていただき、味の記憶は妻にお任せの私。特に赤ワインに関しては知識も記憶もお手上げ。赤ワインに関して敷居が高くなってしまうのは、飲み頃の難しさ。空気に触れさせてどれぐらい置いた方が美味しいとか(困ったことに、確かに驚くほど時間によって違うのだ!)さっぱり分からない。そしてダメ押しは、その香りや味、色の表現。例えば・・・色調はレンガ色がかった濃いガーネット色。香りはブルベリージャム、バラのドライフラワー、紅茶、なめし革の香りが上品に調和する。味わいも豊かなボリューム感をアタックに感じ、酸味が柔らかく、タンニンもきめ細やかに溶け込んでいる。余韻も長くバランスが良い。・・・なんのこっちゃ!

Photo_8は言え、最後の1杯は赤ワインかなぁ。お肉をがっつりと食べたいし。「この酔払いは、赤ワインを飲みたいのか、お肉を食べたいのか・・・」妻が傍らで呟いた。うん、その組合せを楽しみたいんだね、きっと。ということで「牛フィレ肉の炙り焼きと温野菜、ハーブサラダ仕立て」をオーダー。ソムリエの星野さんが薦めてくれた「シルクウッド キャブ・シラー・レッド デュエット 2004」と合わせる。ん~、んまい♪どちらも実に旨い。「もしかして、もう酔ってきて雰囲気で美味しいって思ってるでしょう?」まぁ、そうとも言える。だけど、誰と、どこで、何を飲んで、食べても美味しい訳ではないし。楽しく飲んで、美味しく食べれば、それで幸せじゃないっすか。幸せだよぉ、私は。「やっぱり、こいつ酔ってる・・・」

Photo_3杯全部美味しかった。お料理も(唐辛子マーク付きを避けたことでパンチには欠けたが)美味しかった。タイ料理とワインの組合せは、「アリ」ですよね。「そうなんです。もっとそんなお店があっても良いと思うんですけどね。シンハーだけじゃなくって、・・・シンハーも美味しいんですけど」はい、私も1杯目はシンハーでしたし。ところで、このグラスの下に付いているタグ、これが今回の記事が無事に書けた理由。たん熊北店なども同様のサービスをしているが、グラスごとにお酒の種類が記入してあり、持ち帰ることができる。取材ではないから食事をしながらメモをするのも無粋だし、ボトルで頼んでいないからラベルをいただく訳にはいかないし。それにさすがの外部記憶装置(妻)も、そこまで正確に記憶できない。

Photo_4Photo_7~酔った酔った。ん~っ、私も店に置いてあるこの仏像のような、きっとこんな顔。もしかしてアルカイック・スマイル(archaic smile)って、酔っ払った時の顔なんじゃない?酔っぱらった顔は人生を達観していて、機嫌が良いとか、愉快だとかという水準を超えた表情だよね。「早い話が、何も考えずに酔いに身を委ねているってことだよね」そう!そう!それって無我の境地?「ちょっと違うとは思うけどね、でも確かに君は幸せそうだねぇ♪」ふふふ、それだけは自信あるよ♪こうやって美味しく食べ、飲んでいること自体が現実を超越する(現実から逃避する?)ことだからねぇ。美食家でも、料理評論家でもない、ただのお気楽夫婦だから、気分良く飲んで、食べて、幸福な時間が過ごせるんだから・・・zzzzz

っ、ちょっと寝ちゃいましたけど、本当にごちそうさまでした。楽しかったでぇす。またお邪魔しまぁす。「ほらっ!タクシー乗るよ!誰にお礼言ってんの!」

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2008年5月17日 (土)

ワインの知識、味の記憶「外部記憶装置」

Photo城学園の隠れた名店、「ラーン・チン・チン・タイ」のメニューには赤い小さな唐辛子マークが付いている。マークの付いていないものから、最多で3唐辛子まで。前回訪問の際に1唐辛子と2唐辛子の料理を食べ、代謝の良い私はシャワーを浴びた状態になった。辛いものが大好きな妻が選んでしまうと、またバスタオルが必要になってしまう。機先を制してマークなし料理をオーダー。「空芯菜の炒め物」をお願いします。「あぁ~、申し訳ありません。今日入荷したんですが、全てのテーブルでオーダーいただきまして品切れになってしまいました。代わりに美味しいグリーンアスパラもございますが」うぅむ、残念!でもアスパラガスも旬だし、それお願いします。で、ワインは・・・。

Photo_2は、こちらはいかがですか。ピノ・ノワールで有名なカレラがシャルドネも造っているんです」おぉ、シャルドネは好き。それください♪調子に乗ってきた2杯目は、南国のフルーツのフレーバーが爽やかな1杯、「カレラ シャルドネ マウント・ハーラン ル・プティ 2006」うん、美味しいっ!これで空芯菜が食べられなかった分もリカバー。そのワインと合わせる季節野菜の炒め物は、ブロッコリー、カリフラワー、フクロタケ、ベビーコーン、春キャベツなど、しゃきしゃきの新鮮野菜がたっぷりの一皿。爽やかな飲み口のワインにぴったり。ん?料理にワインを合わせているのか、ワインに料理を合わせているのか分からなくなってきた。ま、良いか。

Photo_3いて「豚肉のハーブソーセージ揚げ」をオーダー。かりかりの衣の下にはちょっとトロトロしたソーセージの不思議な感触。うぅむ、旨い。そして、3杯目のワインは・・・。「コナンドラムはいかがでしょう?シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨンなどがブレンドされている珍しいワインです」へぇ、それをお願いします。飲んでみると、全体には華やかな香りの中にいろんな香りが混ざっている。これまた美味しい辛口ワイン。美味しいですねぇ。「ありがとうございます。コナンドラムという名前は“なぞなぞ”という意味なんです。何の品種を使ってるかを当てて!ということなんでしょうか」なるほど。私には絶対に分からない。「特に、もう3杯目だしね、明日になったらきっと覚えていないし」と妻。(代わりに妻が覚えていてくれる:まるで外部記憶装置を同伴しているみたいに)

Photo_4インに関する知識は、覚えはじめようとしたらきりがない。私が意識するのはせいぜいブドウの品種と産地。それ以外に必要なデータは、製造者、畑、生産された年など、とても素人が中途半端に覚えようとしても到底追いつかない。だとしたら、その店にあるワインを予算に合わせて店のスタッフにお薦めいただくのが一番と割り切っている。というより、その方が楽しい。DBは自分で持つ必要はない。自分の好みさえ分かっていれば、それを告げ、後はどんなワインが出てくるかを楽しみに待つだけ。しかし、お酒の飲めない妻と2人の食事ではボトルだと持て余すし、頑張って飲んでも1本が限界。いろんな味を楽しみたい私としてはグラスで何杯も楽しめるのは、嬉しいしありがたいサービス。「だからと言って4杯は飲みすぎだと思うんだよねぇ」ふふふ、最後の1杯を残し、しつこく明日に続く。

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2008年5月11日 (日)

タイ料理にワイン?「ラーン・チン・チン・タイ」

Photo中経過と結果のどちらを求めるか、という問題は難しい。企業における社員の行動評価と実績評価のようなものでもあり、長く苦しい山道を辿り上り詰めたからこそ山頂で感じる達成感のように表裏一体でもあり、分離できないものとも言える。「フット・アドバンス」での足裏マッサージはどちらなのだろう。身体が捩れてしまう程の痛みに耐えることで得られる解放感と満足感。しかし、この場合は結果があれば良い。痛みを伴う経過は不要。きつぅ~く揉まれている間の会話を私も楽しんでもいるが、その会話も激痛に途絶えがち。痛みに悶える私を揉む店長の山本さんの方がより楽しそう。「この痛気持良いのが良いんじゃない♪」妻の発言は異星人のことば。私には理解不能。(あ、山本さんが出演された『メレンゲの気持』観るの忘れてしまいまいした。残念!)

Photo_2みに耐え、冷たい汗を流した後に訪れる店がある。フットアドバンスのすぐお隣。「RAAN JING JING THAI(ラーン・チン・チン・タイ)」成城学園前の商店街をわずかに外れた小田急線沿いの小さなお店。入口のガラスドアを開けると象のレリーフがお出迎え。ガラス越しにはシェフが忙しそうに立ち働く厨房が見える。1階は4人掛けのテーブルがひとつと、小さなテラス席。急な階段を登った2階はこぢゃれたタイのインテリアに囲まれたサロン風の店内。日本に数あるタイ料理のレストランの内装は失礼ながらチープなものが多く、落ち着かない店も多い。しかしこの店の空間デザインはしっとりと落ち着く良い味。抑え気味の照明も効果的。

Photo_3の日は予約ナシで訪問。幸運にも1階席の大きなテーブルに椅子がふたつだけ(相席ながら)空いていた。最初の1杯はシンハー。くぅ~っ、旨い♪妻の仕事の関係で、この夏は南の島のリゾートに行くのは難しそうだけど、このビールを飲むと行きたくなるなぁ。まずは冷たいオードブルの盛り合わせをオーダー。この料理に合うワインは・・・。「カリフォルニアワインのプロモーションをやっているんですが、いかがですか?」女性ソムリエの星野さんが薦めてくれるままに4種類のグラスワインを組み合わせていただくことにする。ワインも、焼酎も、泡盛も、日本酒も、テキーラも、シングルモルトウィスキーも、私は覚えるより聞け!が信条。特にワインはお任せが一番。

Photo_4の店の“ウリ”は、タイ人シェフが作る本格的なタイ料理と、ワインとのマリアージュ。お薦めいただく組合せに身も舌も委ねよう。星野さんがまず最初に選んでくれたのは「75 Napa Valley 2006」200ヶ所以上のワイナリーがあるというナパ・ヴァレーからの1本。ラベルには75年に起きた出来事が記載されている。「出張でナパ・ヴァレーに行かせていただいたんですけど、昼からず~っとワインを飲み続けて、幸せでしたけれど辛かったです」お聞きする限り、全く辛そうではない。この仕事が好きで、何よりワインが好きで仕方がないという雰囲気が彼女から漂う。酒好きの客としてもお話を伺うだけで嬉しくなってしまう。もちろんワインもOK!きりっとした飲み口は、オードブルの味を引き立たせる。文句なく旨い。・・・あ、ところでまだ1杯目なので来週に続きます。

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2008年5月 4日 (日)

のんびりカフェ・まったりバー「ぶらぶら南青山」

Photoるい時間から飲む酒は美味しい。酒本来の味に加え、あぁ自分は今、背徳的な行為をしているんだ、という思いが酒の旨みをいや増す。だからこそ楽しみにしていた。四季のミュージカルの終演時間は4時。食事の前に軽く飲み始める時間としては最高のタイミング。暮れかかる街の風景を眺めながら、のんびりシャンパンを啜りたい。妻の代わりに同行してもらった後輩を誘う。飲みに行くぞ!「はい。私、お酒飲めませんけど」そうだっ!忘れてた。妻も同様だけど、彼女も一見いける口と思われるらしく、皆で飲みにいく度に驚かれる。でも、そんなことで怯む私ではない。(早い話、自分だけでも飲めれば幸せである)

分はオープンエア、外気を感じるテラスがある店。う~ん、どこにしようか。連休だし、東京観光名所的なエリアは避けた方が無難。妻が途中から合流し易い青山近辺にしようか。最初に浮かんだのは「アニヴェルセル・カフェ」だけど、混んでるんだろうなぁ。ベビー・シャンパンをそのまま飲むのも良いけど、やはりグラスで飲みたいし。じゃあ、ちょっと外してラ・プラースにある「リマプル」に行ってみよう。ん?店の前の中庭にはスーツに襷掛けのワカモノたち。あっ、二次会の仕込みか?(貸切でした)ま、天気も良いし散歩気分で店探し。「ヨックモック本店」(店内を覗いてみたら、相変わらずの待ち行列)を横目に見ながら根津美術館方面へ。「フィガロ」という店に4席だけのテラス席を発見。その内2席では麗しきブロンド女性がワインを飲んでいる。ここにしよっ!さっそくシャンパンをオーダー。ちびちびと飲みながら通りを眺める。春の風が心地良い。

Photo_2持良いですねぇ♪こんな日に走ったら気持良さそう。最近、友人たちと一緒に毎朝皇居の周りを出勤前に走ってるんですよ」そう言えば彼女、私の誕生祝いに集まった際にも、そんなことを言っていた。どうりで、顔が少し引き締まったよねぇ。「そう、ペニンシュラで久しぶりに会った時に、IGAさんから太ったって言われたんですよ。だから頑張って走ってるんです(怒)」相変わらずデリカシーのない私。でも、私に言われたぐらいでモチベーションは上がらないはず。嘘でしょ。「はい、嘘です(笑)雨の日でも6時過ぎになると、今日も走るよ!ってメールが来るんです」そうだよなぁ、人は弱く、独りじゃなかなか継続できない。このブログも「あれ?まだ書かないの?」と妻が軽くプレッシャーをかけるから続いているようなもの。そして習慣になったら、書くことも走ることも苦痛から快感に変わる。

ぁて、じゃあ本格的に飲みに行こうか。「・・・だから私飲めないですけどね」今日のテーマは外気を感じる店ということで、竹林を眺める店「Suginoko」を訪ねると、またもや休日にも関らずスーツ姿の群れ。え?また?二次会で貸切。結婚式日和の良き日だ。仕方ない、テーマ変更。青山通りを横切り、まったり和み系のバー「月の兎」に向かう。黄昏時の南青山をぶらぶら。この街にはまだ渋谷や歌舞伎町のような派手な看板が押し寄せていない分、通りを歩いても落ち着ける。良い街だ。学生時代、この辺りでバイトしたり、飲み歩いたり、ふらふらしてたなぁ。その頃は、ちょっと背伸びをしながら歩いていた。オヤヂになった現在、ようやく余裕を持ってこの街と付き合える気がする。早い時間のためか空いている店内。奥まった穴倉のような席でまったりと飲み始めると妻からメール。「まもなく合流します!」休日のこんな時間までお疲れさま!<月の兎の白ゴマプリン>でも食べて、疲れを癒してくれたまえ♪

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2008年4月 5日 (土)

お楽しみはこれからだ「割烹 弁いち」

Photoぇ~っ!2人とも浜松行っちゃうの?淋しいっ!」そう言われることが増えた。でも、残念ながらまだ移住することはできない。なにしろ、住宅ローン返済を最優先してきたため、蓄えがほとんどないお気楽夫婦。妻の両親が住む浜松では「働かないよ!」と宣言している妻の方針を尊重すれば、働かなくても充分生活できる資産が必要ということになる。ということで、ご心配をお掛けしている皆さま、ご安心ください。まだ当分移住はできません。しかし、浜松の味、殊に遠州灘の海の幸は“食いしん坊”を惹きつける魅力を持っている。椀ものに続いて出てきたお造り、<弁いち>さん、さすがです。生シラス食べたかったんです。なぜそれをご存知だったんでしょう?ぴかぴかと銀色に輝くシラス、旨し。

Photo_3んな感涙ものの味を楽しんでいると、2杯目の酒が店主と共にやってきた。「良いお酒です。<純米大吟醸 山廃 田酒>です。先日、青森にお住まいのお客さまがいらした際に、なぜこの酒がここにあるんだ!って驚かれてました」数量限定の貴重な、そして気品ある一杯。「あ、美味しい。飲み口が良いね。これ好き♪」お酒を飲めないが、舌は私よりずっと確かな妻の感想。うぅ~む、デリケートな刺身の味を引き立たせる良い香り。やっぱり日本酒も良いなぁ。次第にご機嫌な酔払いになっていく私を、(文字通り)醒めた目で見守る妻。ふふふ、まだ次の一杯が待っている。ご機嫌だけど、酔っ払ってはいないよ。

Photo_4かし、酔払いの食いしん坊を待っていたのは美味しい酒だけではなかった。先ほど美味しくいただいた刺身の、頭。見事な大きさの鯛のお頭を、香ばしく焼いて酒蒸しにした一品。これが、“ほっぺが落ちそう”な旨さ。魚を上手に食べるのが苦手な母娘のために、義父と夫がせっせ、せっせと骨を除き、身を取り、食べさせる。「うぁ、ほんとに美味しいねぇ。鯛の出汁が出てるね♪」コクのある、それでもさっぱりとした、箸も酒も進む美味しさ。鯛って魚はほんとに偉い。自分の身を美味しくするために、自らこんな素晴らしい出汁を提供してくれるなんて。それにしても、そんな鯛の身を食べるだけの母娘は実に幸せそう。

Photo_7して、3杯目。<開運 斗瓶取り大吟醸生  波瀬正吉>。これは、私などには畏れ多くて、という名品。首に限定の番号付き。それも、私のために目の前で封を切っていただいた。うっ、うっ、旨ぁ~~~いっ!これも静岡の酒。杜氏の名前が酒の名前かと思うぐらいの、自信溢れるラベル。上品で、微かに甘く、きりりと旨い。これは素晴らしい。「喜んでいただけて良かったです」ご店主の佇まいは、物腰柔らかで、品があり、説明も押し付けがましくなく、とても好ましい。「この後はデザートをお出しします」しばらくして洋菓子と見紛うような<トマトの寒天寄せ>が登場。ちょっと酸味の利いた上品なお味。旨い。

Photo_9ぁ、今宵の食事もお終いになるのか。いつまでも食べていたい、飲んでいたい。そんな名残惜しい気分。しっかし、どの料理も酒も美味しかった。こんな良い店が妻の故郷にあることが嬉しい。食の文化は、街の文化の根幹。侮れず浜松。よしっ、この街に住んだら、この店に通うぞ!季節ごとの美味しい料理と日本酒をいただくぞ!「浜松に住んで、新幹線通勤するって手もあるよ」悪魔のささやきのような妻のひと言。そうか、浜松の駅前に住めば都内まで90分。通えなくもない。「毎日ふたりで旅行気分かもよ」なるほど、そんな選択肢もある。それはそれで楽しいかもね。う~む。(・・・本気で悩むお気楽男だった)

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2008年3月30日 (日)

浜松、待望の一軒「割烹 弁いち」

Photo_3前から気になっている店があった。浜松にある<割烹 弁いち>。歯科医だった妻の祖父が、いつも接待に利用していたという老舗。創業は大正13年と言うから、90年近い歴史を持つ店ということ。
以前、ご近所の友人夫妻と一緒に<浜松まつり>を見学に訪れた際に、仕出しの料理をいただいた。美味しかったけれど、この店の真髄は酒。料理に合う酒を見繕ってもらって飲む、これは店にお邪魔しないと不可能。ということで、ある春の週末の夜、妻の両親と4人で出かけた。「昔、この辺は乾物屋さんとか古くからの店が多かったよねぇ」親子の会話も弾む、彼らにとってもちょっと楽しみな、余所行きの店。小ぢんまりとした玄関に、季節の花が艶やかに迎えてくれる。

Photo_8階のお座敷に上がり、まずはビールで乾杯!と言っても4人の中で飲むのは私だけ。さっそく店のオススメ生ビール<ガージェリー エステラ>を最初の一杯に選ぶ。このビール、ベルギービールのように専用のグラスがあるばかりか、<ガージェリー・リュトン>という杯の原型の角笛を模した、テーブルに置けないグラス。もちろん専用の受け台があって、その凹みの部分にグラスの底を差し込むと綺麗に収まる仕掛け。ふ~む、味も華やかで美味しい。そして最初の一皿、前菜の味のバリエーションに驚く。そして、これがどれも絶品なのだ。

Photo_11ずは、蕗の薹の天ぷらを塩で食す。これは予想通りに美味しい春の味。そして、山独活。大人の味。これにつける味噌が素晴らしい。麹と茄子など複雑かつ絶妙な味のバランス。うんめぇっ♪そしてこれだけでも食べに行きたい<ハマグリとのヌタ>。これがもう、ん~ん、今すぐにでも食べたいっ!これに合うお酒は・・・。そんな時に、この店に用意されているのは店主が料理に合わせて選んでくれる日本酒3種、4種。これは嬉しい。3種類でお願いして、追加して4種にしても良いですか?「あぁ、結構ですよ」と出てきた最初の1杯は、地元静岡の酒、「正雪にごり酒」。

Photo岡にもなかなか美味しいお酒があるんですよ」店主自らが一升瓶を抱え、ラベルを示しながら酒の説明をしてくれる。「由比の神沢川酒造さんの限定の品です。活性の生酒で、ちょっと炭酸が感じられます」口の中にぷちぷちの柔らかな泡、フレッシュな飲み口。う、うんめぇ~♪料理のうんめぇ~と合わせ、ダブルで美味しい。幸せだ。確かに料理と良く合う。「最近飲むのは焼酎が多くて、日本酒飲まなくなったもんねぇ」妻が告げ口。うん、確かにお店で勧められて飲む日本酒は美味しいね。家で一升瓶を買うと、もちろん飲みきれないし、保存も大変だしね。「あぁ、ぜひ日本酒に戻ってらしてください」はい、こんな飲み方だったらぜひ。そして、美味しい日本料理と日本酒の幸せな組合せは、来週に続く。

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2008年3月 2日 (日)

芝居BAR、読書CAFE「Aサインバーと○秘カフェ」

Photo_9居に行く度に立ち寄るバーがある。店の名前は<Aサインバー>。場所は劇場の集まるシモキタの一角。その店に足が向くのは、お気楽夫婦の観る芝居の会場は下北沢が大半であることが大きな要因。それに加え、最近は新規開拓よりも馴染みの店で安心して飲んだり食べたりしたいという傾向が強い。さらには、渋谷や新宿の喧騒よりも小さな街でのんびりしたいという理由から。オヤヂからワカモノまで、来店客に人気だった開店以来の女性店長が辞め、ワカモノが店長になった。前の女性店長の下でカウンタに入りだした頃からなかなか気が利く男の子だった。土曜の終演が早い芝居を観終わってすぐ、店に向かうとまだ誰も客がいない。チャンス!写真撮っても良いかな?「あ、どうぞ。良いですよ」演奏中のジャケットを壁に掛けながら店長が答える。ビリー・ジョエル「素顔のままで」が流れてくる。「お好きでしたよね、この曲も」ふふ、良いやつ。

の店は懐かしい曲が流れるカウンタだけの(奥に4人掛けのボックス席がひとつ)バー。カウンタには泡盛の甕が、棚には焼酎と泡盛の瓶がずらりと並ぶ、飲んべにとっては眺めているだけで嬉しくなる泡盛&焼酎バー。店名の<Aサイン>というのは、沖縄が米軍統治下にあった時代に米兵相手に営業を許された飲食店向けの許可証のこと。「今日もお芝居の帰りですか」そう、久しぶりに。最近チケットなかなか取れなくってね。「まずはオリオンからですか」うん。それと、うっちん茶(妻用)ひとつ。・・・そんなやり取りで飲み始め、<ミミガー>をつまむ。2杯目で度数が低めの泡盛をすすり、<海ぶどう>を食す。3杯目はオススメの泡盛を楽しみ<カリカリポーク>に舌鼓。そして最後は度数強めの1杯でシメる。その頃にはすっかり良い(酔い)心地。芝居の余韻と相まって良い気分。「さぁ、電車で帰るよ!」という妻の声に促され、駅に向かう。但し、5杯目まで行ってしまった日は、その指令は撤回され、茶沢通りに向かいタクシーを拾うことになる。

Photo_11みかけの本があり、帰宅する電車の中で読み終えず、どうしても読みきってしまいたい時に、立ち寄るカフェがある。そんなシチュエーションが、ありそうもないようで、これがしばしばある。そんな時に向かうのがこの店。自宅に最も近い場所。店の名前は明かせない。ベルギーを中心としたビールのラインナップが充実。トラピストビールとして有名な<シメイ>もホワイト、レッド、ブルーと揃っている。ベルギービールは銘柄毎に専用のグラスがある。シメイの場合は飲み口に銀色の縁が入り、がっしりした聖杯タイプのグラス。ヒューガルデンは重量感のあるタンブラー。それぞれの持ち味を最大限に引き出す役割がある(らしい)。仄暗い照明の下、山場を迎えた物語を楽しみ、ちびちびとビールを啜る。

たそんな暗いとこで読んでたら目が悪くなるよって、もうなってるか」遅れてやって来た妻が席に付く頃には、2杯目のビールを飲みながら“文庫のためのあとがき”を読んでいれば、まぁまぁのタイミング。妻に断りながら読了まで突き進む。読み終わってしまい時間を持て余しても、中途半端に読み残しが多くてもいけない。この場所に以前あった店は、お気楽夫婦のお気に入りの寿司と沖縄料理の店だった。ランチには今までの人生で最も美味しい<秋刀魚の開き>を食べさせてくれる貴重な店だった。ご主人が体調を壊し店をたたんだ後に、ワカモノが経営する現在の店に変わった。その店の奥にある小さな窪みのような4人掛けのテーブル席。そこが私のお気に入り。妻を待ちながら、ビールを飲みながら、本を読みながら、過ごす時間と場所が。

たち、最近だんだん店を絞ってローテーションしてるよね」そうなのだ。手持ちのカード(店)はそこそこの数があるけれど、絶対的なお気に入りの店は貴重。「絞ってもたくさん(行きつけの)店があるから、行きたい店の順番がなかなか回ってこないというのが課題だね」・・・やっぱり、このお気楽夫婦に、蓄財はできそうもない。

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2007年12月23日 (日)

自宅で寿司や?ディナーショー?「メリークリスマ寿司!2」

Photo_4え?出前じゃなく、板さんを呼んで寿司パーティ?ホストは都内屈指の高級住宅街に居を構える友人夫婦。ちょっとテレながらカウンタに座る。ん~、んまい。端から順に全部握ってください・・・昨年初めて経験した友人夫妻のホームパーティでのできごと。2度めの今回は板さんにポーズを依頼。なかなか凛々しく様になっているお2人。

Photo_5ネタは旬の鰤をはじめ、ウニ、イクラ、中トロなど新鮮で豊富。交代で4人掛けのカウンタに座り、握りたての寿司を頬張る。中にはリビングルームのソファに座ったままで「8時ごろに出前お願いします」などとのたまうヤツもいる。大きなテーブルの上にはバラエティに富んだ手作り料理の数々。盛り付ける皿にも凝った豪華な演出。

Photo_6「IGAちゃん、一緒にシャンパン抜いてぇ!」友人(夫)の声に、OK!と答える。並んだグラスに美酒を注ぐ。シュワシュワの泡が美しい。こいつらに(自分も含め)飲ませたらずっとシャンパン飲み続けるよ。「飲めるもんなら飲んでも良いよ。24本ぐらいあるから」こんなセリフも嫌味にならない得なヤツ。外資系企業で仕事をしながらとんでもなく難しい資格を取った。海外出張も多いのにチェロの練習も欠かさず、オーケストラのコンサートマスターとして公演も度々行う。マルチな才能で奥様にも優しい凄いヤツ。

Photo_7羨ましいというレベルを大きく超えている暮らしぶりなのに、友人宅でのホームパーティはとても落ち着く。リラックスして酒が飲める。そしていつものお楽しみ、親娘共演に加え、その夜は娘の友人と一緒にピアノとヴァイオリン、チェロの三重奏。賑やかだった場が静まり、3人の演奏に聴き入る。素晴らしい3つの才能。うっとりする演奏に飲みすぎたメンバーが思わず船を漕ぐ。「ブラボー!」の声に応えアンコール演奏。ふ~っと一同溜息。そこで可愛いイチゴのデザート登場。絶妙。そこでおみやげに持参した<雪だるま>ショコラを披露。「可愛いぃ~っ」なかなか好評。優しく美味しい地元の味。

Photo_8友人(妻)の司会で始まった手作りビンゴゲーム。紙に9つのマスを作り、それぞれに(この日は)山手線の駅名を書く。主催者の友人(夫)が告げる駅名を塗りつぶす。3つ並んだらビンゴっ!これがなかなか楽しい上に賞品が豪華。賞品を入れる袋もエル○ス。それでも嫌味にならない夫婦。気取らずフランクで、温かくそつないホスピタリティ。気を遣わせないようにと設定された会費は、たっぷり飲んだシャンパン代にもならないだろう。「今日も楽しかったね♪S(娘)ちゃんの卒業演奏会にも行ってみたいねぇ」妻が呟く。そうだね、行ってみようか。初めて会った時に小学生だった彼女が来春は音大生。長いお付き合いになった彼女の晴れ舞台を観に。

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2007年12月 2日 (日)

ウチナー好きさぁ♪「東京うりずん」

Photo<パパヤーちゃんぷる>と聞いてすぐに「あぁ、美味しいよね」と答えた方は沖縄検定初級合格。<ミヌダル>は何か知ってるかと尋ねられ「東京のウチナー(沖縄)料理屋のメニューには余りないけど、これもまた美味いさぁ♪」と答えた方、同じく中級合格。どちらも素朴ながら美味しい沖縄の料理。<パパヤーちゃんぷる>は青いパパイヤの炒め物。切干ダイコンのような歯ざわりでダシを吸って旨みが浸みこんだパパヤーが実に旨い。<ミヌダル>は豚肉にすった黒ゴマをまぶし蒸し上げた料理。「これ食べ物?」という見てくれながら淡白で美味しい一品。2人はお店のメニューにあったら迷わずオーダー。お薦め。

お気楽夫婦はウチナー料理が大好き。健康的で元気になる材料と料理法。<すぬい><クーブーいりちー><ラフティ><てびち><そーき><すーちか><じーまみとうふ><ドゥル天>などなど。(人によっては何?だろうが)いずれも定番メニューながら店によって微妙に味付けが違うのがまた楽しい。多いときは週に2、3回ウチナー料理を食べてしまうこともある。新宿の「ナビィとかまど」、下高井戸の「ナンクルナイサ」、下北沢の「Aサインバー」「ちゃんぷる~」「サザンウィンドゥ」などが行きつけ。その他にも銀座、渋谷、自由が丘、高円寺、吉祥寺、三軒茶屋などの2人が訪れるだろうほとんどの街で沖縄料理の店をチェック済み。突然どこで食べたくなっても大丈夫。

Photo_2そんな2人に待望の店が沖縄からやって来た。新丸ビルに開店した<古酒と琉球料理 東京うりずん>がその店。この店名のキャッチが嬉しい。食中酒として、てーげー(大体)の料理の味を邪魔しない泡盛。その熟成されたくーすー(古酒)が味わえる店。残念ながら初めて訪れたのは休日のランチ。飲んだのはオリオンの生を一杯だけ。しかし、そのランチメニューが嬉しい。パパヤーちゃんぷるは実に多くの食材を丁寧に刻み、絶妙に味が浸みこむ程度に炒めてある実に“良い仕事”。文句なしに旨い。<ウチナーすばランチ>は<ふーちばじゅうしー(よもぎの炊き込みご飯)>付き。ふーちばの香りが食欲をそそる。これまた旨い。「これは良いねぇ。かなり美味しいよ♪」妻も絶賛。

Photo_42人ともすっかりご機嫌の昼下がり。何気なく店頭に置いてあったフリーペーパーを手に取る。ウチナーのゆるゆる感、てーげー感が満載の表紙。中には読み応えのある記事も。本来の古酒は何十年、何百年と掛けて熟成させたものだったが、沖縄地上戦でその歴史は一からの出直しを余儀なくされたとある。沖縄地方で限定されて飲まれてきたこの酒が、日本中にファンを拡げながら、戦後新たな歴史を作ってきたことで“新”古酒と言われるものも出来てくるに違いない。楽しみ。それにこの店は、嬉しいことに朝の4時まで営業。帰りの終電どころかタクシーを気にせず飲めるということか。思わずにんまり。「だからと言って飲み過ぎちゃだめだからね!」あれ?今度は夜に来るって、口に出して言った?

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2007年9月30日 (日)

宇都宮と言えば・・・「餃子と酒と、スカッシュと」

P1050812仙台と言えば「牛タン」、名古屋なら「手羽先」、博多は「モツ鍋」などという名物は人によって微妙に違うだろうが、宇都宮と言えば・・・「餃子」と、100人に聞いたら100人までが答えるほど有名になった。スカッシュ・プレーヤーにとって、各地で開かれるトーナメントに参加し、地元の名物を味わうことが楽しみになっている。それぞれのトーナメントは(裏では)通称で呼ばれている。東北オープンを「牛タンオープン」、南九州オープンは「宮崎地鶏オープン」、そして宇都宮オープンはもちろん「餃子オープン」!

そんな餃子の街、宇都宮に遠征した。名目はスカッシュ合宿&交流会。お気楽夫婦が通っているスポーツクラブのメンバー10数人で宇都宮のスポーツクラブで練習会を行い、翌日に地元クラブのメンバーと交流試合を行うという趣向。人によっては、初日の夜の「帰る心配をせずに心置きなく飲める宴会」を目的に参加しているメンバーも多い。もちろん私もその1人。しかし、普段は帰る心配をして抑えて飲んでいるのか?という突込みには返すことばもない。というより、いつも心配してません!と元気に答えるしかない。そして、そんな酔払い軍団を引率するのは、我らがコーチであり、元日本代表、現日本代表コーチのYAMAちゃん。彼が最も宴会を楽しみにしているとも言える。

P1050794とは言え、レッスンあり試合ありの充実した2日間。ちゃんと練習もやりました!と(私のブログの読者だというYAMAちゃんの奥さまのためにも)証拠写真も掲載。モデルは私が目指す還暦越えプレーヤーのIさん。いつもとは違うメンバー同士での練習も新鮮。初日のレッスンを終え、宿泊先のホテルにチェックイン。いくつかトラブルもあったものの、多くは語らず初日の“夜の交流会”へ。そこでもいくつか事件はあったものの、これまた多くは語らず。ホテルについては、主催者だったYAMAちゃんはたいへんだったと思うが、客観的には笑って「不思議な経験したなぁ」と思えるもの。宴会の小さな事件もいつものような酔払いエピソード。たっぷり楽しく飲んだし、今後繰り返し語られる良いネタになることだろう。

そんなメンバーが最後まで本領を発揮したのは、帰りの電車。駅ビルの餃子屋「宇都宮みんみん」でたっぷり並んで、たっぷり餃子を食べた後。店の向かいにある「成城石井」で、お酒やつまみを買込むメンバーたち。並んでいる間に相談した結果、帰りの電車を新幹線ではなく、湘南新宿ライナーのグリーン車に変更。車内でたっ ぷり飲んで帰ろうという算段。ビール、シャンパン、酎ハイなどの飲み物や、ポテチ、枝豆、チーズ、などバラエティに富んだつまみを持ち込む。乗車時間は2時間余り。12人定員の1階席を10人で占拠し、足りなくなったアルコールは車内販売のお姉さんに(もちろん有料で)給油支援してもらう。途中の駅から知らずに乗り込んだおばちゃんが、空いている2人席に座ったのもつかの間、宴席の気配を察知して僅か1分で退散。ご迷惑をお掛けしました。それにしても楽しい宴会の日々でした。あれ?やっぱり酒呑み合宿?

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2007年6月10日 (日)

奇妙な食事会「ティオ・ダンジョウ」

Photo_178不思議なメンバーの、不思議な会だった。私の会社の後輩だった女の子から、妻に食事のお誘いがあり、ついでに私も参加することになり、それがいつの間にか友が友を呼び、結果的には9人での食事会となった。その店にはもう一度行ってみたかった。正確には、1階のバルしか行ってはいないし。大勢の方が、いろんなタパスが食べられるだろうし。そう思って予約した。しかしそれは奇妙な食事会だった。・・・当日、妻と待ち合わせ、慌しく会場の<ティオ・ダンジョウ>に向かった。5分ぐらいの遅刻か。申し訳ない。店に入ると、ん?誰もいない。狭い店の唯一大きなテーブルだけが淋しそうにお気楽夫婦を待っていた。

気を取り直しテーブルの中央に陣取り、ドリンクをオーダー。2人で乾杯。料理も頼んじまえ!そこに、心細げな表情で若い女性が現れる。もちろん初対面。しかしそこは年の功、互いに紹介しあって話を始める。続いて男女2人が登場。これで5人。でも、まだ誰も(連れ以外は)お互いに知り合いはいない。またもや初めましての乾杯。話をしている内に、共通の知人がいたり、ご近所だったりということが分かる。それも妙な縁。頼んだ料理が出揃った頃、首謀者の2人が現れる。こらっ!「すいませぇ~ん。きっとIGAさんに叱られると思って店に電話したんですけどぉ」まぁ、キャラ を知っているだけに、本気では怒れないけど。しかし、その後も彼女らはマイペース。メンバー全員が揃っても仕切らない。それぞれが勝手に話し、勝手に盛り 上がる。ま、良いか。これはこれで楽しいし。

Photo_179料理はきちんと美味しい。<ハモン・イベリコ>、<マッシュルームのアヒーリョ>、<カジョス>、<イカのフリット>など、定番メニューをひと通り。どれも素朴ながら本場そのものの(行ったことないけど)スペイン料理。しみじみ旨い。翌日は人間ドックで・・・と酒は控えようとしていたメンバーの男性に「前日の9時までは大丈夫なのよ♪」と先輩の説得力のない発言。それを自ら信じようとして飲み続ける後輩。「あまりお酒飲めないんです」という女性メンバーのために、<カヴァ>をボトルでオーダー。気が付いたら3本空いていた。〆はお約束の<パエリア>で。これもきっぱりと美味しい。人間ドックの彼も食べてる気がするけど、見なかったことにする。それにしても、何を頼んでも、お酒や料理よりも、話に夢中な首謀者たち。微笑ましいぐらいに元気。

「・・・なんだか不思議な飲み会だったね」妻が呟いた。妻と元同僚の3人で2次会。同じビルにある御馴染みのバーでまったり。きっかけは、首謀者から仕事絡みの話を聞かせて欲しいと言われ、企画された会。それはそれできちんと話をしたらしい。ネットワークを拡げるのは悪くない。こんな偶然に出会ったのも何かの縁。必然があれば残るものは残るし、継続したいネットワークは残せば良い。そんなメンバーがあの中にいるのかもしれない。不思議だけれど楽しい気分。「続けたくても続けられない関係もありますしね」元同僚が意味深に呟いた。全くだ。3人がそれぞれ、去年の今頃を思い出し頷いた。また4人で一緒に飲めるパートナーが現れると良いね。

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2007年6月 9日 (土)

まったり大人の空間で「おふろ」

Photo_174自宅なのに、“それ”が残っていると借家のような中途半端な気分。実際、“それ”を借りているのだけれど。そして、ようやく“それ”が消えた。消えたと言っても自然に消える訳はなく、ほとんど貯金などせずに、繰り上げて返済した結果。そうしてようやく自分のモノになった住まい。司法書士に任せず、自分で法務局へ出向き、抵当権抹消の手続きを行った。公務員の鑑のような老練な窓口担当者のアドバイスを受けながら、煩雑ないくつもの書類を記入し、ようやく終了。ふぇ~っ疲れた。そんな、ふ~っとした気分の夜、二人でのんびり<おふろ>に行った。

Photo_175お気楽夫婦の住む私鉄沿線の、とある駅近く。ちょっと路地を入り、小ざっぱりとした木製の階段を降りる。番台はなく、タオルも必要ない。男女が一緒に入れる<おふろ>。小さな店全体が見渡せるカウンタの隅に二人でちんまり座る。最初の一杯は、クリーミーな泡が美しい生ビール。おめでとう!と乾杯。柔らかなビールの泡と、適温に冷えたビールの苦味とが絶妙に混じりながら喉を通過する。喉でも味覚を感じることができるのではないかと思うぐらい。旨ぁ~い♪薄い飲み口の繊細なグラスに良く合う、ぐきゅぐきゅと飲み干すのではなく、味わうビール。

Photo_176最初の一品。<5種のトマトのサラダ>。“塩トマト”をはじめとしたブランド・トマトが白い皿の上に映える。それぞれ個性的な甘みと酸味。トマトの素材そのものを愉しむ。そして2杯目はグラスワイン。爽やかな白。この店はお酒の種類も豊富。数万円のワインも潤沢にある。こんなカジュアルな店で誰が頼むんだろうねと話をしていると、・・・い た。話が聞こえた訳でもないだろうが、ちょっと離れたカウンタに座っていた福々しいご夫妻が、薦められた2万円台のボトルを気軽にご注文。栓を開けようと したスタッフがコルクをぐすぐすにしてしまっても平然としている。「家でボクもやっちゃたよ。その時はコーヒー用のフィルタで濾して飲んだよ」などとス タッフに話しかけながら。ここは、そんな店。

Photo_177この日の絶品モノは<イベリコ豚のロースト>。カリカリ&ジューシー。「うわ~っ!美味しいねぇ♪この脂だったら美味しさが分かる」と妻。実は、私は豚の脂が大好き。ようやく分かってくれたかと涙する私。<水茄子と茗荷のサラダ><蕪とアサリの蒸しもの>など、他の料理もお酒も賞賛の水準。(お値段も大人価格)スタッフの接し方も心地良い。身体がぽかぽか温かくなり、すっかり肩の力が抜ける。飲んで食べて温浴効果を味わう店。ほ~っ、良い<おふろ>だ♪と、目を細め、美味しかったねぇと目を見交わす。「でも、温かいのは酔っ払ってるからだと思うよ」それを言っちゃぁ・・・。

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2007年5月13日 (日)

スペインで繋がる「ティオ・ダンジョウ・バル」

Photo_156バルセロナに行きたい!と発作的に思い、航空券の予約までして、結局仕事が入って行けなかった17年前の冬。オリンピックが開催された1992年前までに行っておきたかった街だった。そして機会を逸し、訪れるチャンスがないまま時間が流れた。しかし、日本に居ながらにして美味しいスペイン料理を味わえる店がある。博多の達人たちと訪れた<ロス・ピンチョス>や、老舗<エル・フラメンコ>、吉祥寺<ドスガドス>、ご近所の名店<ポカポカ>などなど。なかでも最近増えてきたのが、スペインの雰囲気を気軽に味わえるバル。串刺しのおつまみ“ピンチョス”や小皿に惣菜を取り分けた“タパス”などが楽しめる。

Photo_157ある週末、“姪”夫婦と一緒に、そんな店の1軒に出かけた。恵比寿にある<ティオ・ダンジョウ>。実はこの店、ご近所の友人(夫)の高校時代の同級生、檀上さんの店。前から友人に薦められていた店。連休前に予約をしようとしたところ既に満席。週末は3週間ぐらい前にいっぱいになるらしい。そこで、1軒目は沖縄居酒屋で軽く流し、2軒目の店としてチョイス。と言うのも<ティオ・ダンジョウ>の1階に<ティオ・ダンジョウ・バル>を新たにオープンしたというニュース。立ち飲み、立ち食いの本格的バルスタイル。こりゃあ行かねば!

Photo_158店の前まで行くと、ドアの外まで客が溢れている。(ん?このビルは?)スタッフに尋ねると奥が空いているとのこと。ラッキー♪カウンタの上のショーケースに美味しそうな食材。壁にお薦めメニュー。混雑する店内をするするっと泳ぐようにスタッフが動き回り、てきぱきとオーダーを聞いて行く。活気に満ちた良い店だ。さっそくスペインワインで乾杯。お約束の<ハモン・イベリコ><トルティージャ>、<ヒコイワシのマリネ>、そして<チョリソ>。これが、どれもうま旨っ!「美味しいっ♪」酔払い始めた姪の眼も輝く。すっかり気分はスペイン。

何杯めかのワインがカヴァになり、すっかり酔い気持になった頃、オーナーの友人から紹介されて来たと店のスタッフに話すと、檀上さんが挨拶に来てくれた。美味しい料理に感謝し、いくつか短い会話を交わす。そして同じビルの階上にあるバー<OU>のことを尋ねると、ご存知とのこと。実は姪夫婦のその日の目的のもうひとつは、会社を辞めた後にバーのオーナーとなった前の会社の元役員へのご挨拶。偶然とは言え、同じビルのお店とはびっくり。姪夫婦たちと再訪を誓う。その時、背後でばたんっという音。振り返るとすぐ後ろで女性が倒れている。「大丈夫ですか?」周囲のざわめきが大きくなる。しばらしくて立ち上がりスタッフに店外に案内されていく。貧血らしい。私が倒れたときもあんな感じだったかと妻に尋ねると「もっとひどかった」とあっさり。くわばらくわばら。

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2007年4月15日 (日)

酔払いの行動学「背中の向う傷」

Photo_118都内ではサクラの季節がほぼ終わった。この時期に旅に出ると物理的距離以上の距離を感じることがある。僅かな移動時間しかない地域間で桜の開花時期が大きく異なるのだ。新聞やTVのニュースで“桜前線”ということばを聞き慣れてはいても、実際にその前線をまたいで移動する際に実感する各地方毎の季節の違い、春の“訪ズレ”。この場所で咲き始めているソメイヨシノが、なぜここで固い蕾のままなのか、不思議に思うこともある。逆に共通しているのは唯一、桜好きの日本人の誰もがその開花を待ちわびていることだ。

Photo_119“待ちわびる”理由はいくつか人によって違うだろうが、この季節はちょうど年度の終わりで、始まり。<サクラ>は、新たな季節と去り行く季節の文字通り“節目”に咲く花。人が去り、新たにやってきて、出会い、分かれる季節。そこに桜の狂おしく美しい風景が重なれば、もう飲むしかないでしょう♪という人が多くなるのは道理。歓送迎会という名目の飲む場も多くなり、“酔払い”も多くなる。これも冬が終わり、春の到来を告げるサクラが、人の心をフワフワと軽くするからかもしれない。

Photo_120長い長い前置きだった訳ではない。その日は確かに“歓送迎会”だったし、サクラも咲いていた。楽しい酒だった。2時間30分の飲み放題にした幹事の目論見通りに、私も含め皆飲んだ。二次会での新鮮な顔合わせで、つい飲みすぎた。でも、その後、電車に乗って帰ろうとしたところを拉致され、新宿3丁目のバーで意識不明になるまで飲もうとは思わなかった。「飲み足りないですねぇ」と誘った“隊員”も記憶はなかったらしいが。そして、いつも通りに運転手さんに本能で告げたのであろう自宅までの道筋。「甲州街道行って、環8過ぎたら旧道に・・・」そこで力尽きたのかもしれない。運転手さんが言った「お客さん、旧道入りましたよ」の声で起こされ、「あ、降ります」と、降りたのはひとつ手前の駅近く。そこから2km近く、明け方前の道をとぼとぼ歩く。

ようやく辿り着いた自宅。冷えた身体を温めようと風呂に入る。歯を磨く。ただし、これも記憶にはない。本能による行動。そして、悲劇はバスルームを出てすぐに起きた。凄い音がして、臀部に鈍痛、背中に鋭い痛み。目の前に天井が見えた。自分のこととも、何が起きたかも分からなかった。妻が飛んでくる。ベッドルームまで介護老人のように案内される。ベッドに横たわると、シーツに点々と血痕。少し落ち着いて背中を鏡に映すと、左肩から腰の右にかけて刀傷のような赤く太い痣、腰に大きな打撲の痕。青紫色が痛々しい。「玄関が狭くて良かったよね、広かったら頭打って死んじゃったかもよ」妙に冷静に妻がのたまう。背中の傷は武士の恥。逃げて切られた証拠。しかし、私は向かっていった。そして、不覚にも撃沈。あぁ、酔払いの日々は続く。

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2007年3月25日 (日)

博多の達人再び「悦楽おでん」

Photo_105マイクル・クライトンの「ジュラシック・パーク」以降、恐竜の生態に興味を持ち、ティラノサウルス・レックスを“T・レックス”と呼ぶ子供たちが増えたことは、マーク・ボラン好きのオヤヂとしてかなり嬉しい。「Children of the revolution」「20th century boy」など、グラマラスなメロディーが次々に浮かぶ。「Star man」がヒットしたデビッド・ボウイーと共に“グラム・ロック”と呼ばれたジャンルで世界中を席捲した70年代・・・。いかん、いかん。遠い目になってしまった。

Photo_106そんなことを思い出したきっかけは、福岡出張で突然空いてしまった時間に出かけた<いのちのたび博物館>の展示。JRスペースワールド駅前にある自然史と歴史の博物館。地球が誕生してから、生物が生まれ、恐竜の時代を経て、人類が誕生し“ひと”の歴史が始まる・・・という“命”の旅を追う展示が興味深い。中生代の展示コーナーにはセイスモサウルスやT・Rexの骨格標本がどかんと並び、白亜紀ゾーンではコンピュータ制御の恐竜たちがリアルに動く、巨大なジオラマが大迫力。短時間の鑑賞に心残りながら仕事に戻る。

Photo_1072日間で8件の訪問という慌しい日程を終え、最後の“会合”へ。“博多の達人たち”との会合は、もちろんお酒付き、美味しいもの付き。達人が今回選んでくれたテーマは<おでん>。悦子さんという若い店主が1人で切り盛りする<小料理 悦>は西中洲の路地裏の小さな店。今年の1月に開店したばかりながら、週末には予約が必要な人気店。達人のかつての同僚が編集する地元情報誌に掲載されてしまうことを聞きつけ、雑誌発売前に行こう!と訪れた店だという。

ひとつひとつのおでんのタネが実に繊細。煮崩れずほこほこに柔らかく美しいダイコン。王道。牛スジは柚子胡椒でいただく。これが、実に上品で繊細な味付け。旨い。そして、粗挽胡椒などの香辛料が練りこまれた“つくね”が飛び上がる程、旨いっ。驚きの味。幸せな味。そう声を掛けると、「ありがとうございます。東京には美味しい店が多かけん、勉強に行きたかと思って・・・」と謙虚なお答え。いやいや、これ程の味をこの値段で出せるのは素晴らしい。逆に東京の店に見習って欲しい。さすが達人、外さない。それにしても、いつもながらに、味は人。料理人、一緒に飲み食べる連れで味は変わる。今回もF大のT教授がご一緒。二人の達人との席は、会話を味わい、酒と料理を心から堪能できる。その日も店の名前そのもの“悦楽”に満ちた博多の夜だった。

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2007年3月17日 (土)

生還、そして「風邪ダイエット」

相変わらずのことではある。酔っ払ってお風呂で熟睡。妻が強硬手段に出た。私がまだ入っているバスタブのお湯を抜いてしまった。寒くなった私は仕方なく半覚醒状態でパジャマを着て、髪も乾かさずベッドにばったり。翌朝、見事に喉が痛い。風邪だ。

・・・これ以上書き進めることができない。朦朧。ごほっごほ。では、またいつか。

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そして、その“いつか”は、1週間も待たなければいけなかった。

Photo_99こいつを食べたいばかりに、ちょいとばかり無理をして、風邪を抉らせてしまったことも否めない。ある日、いつものご近所の四川料理の店。「IGAさんたち、フカヒレ食べない?“生”のフカヒレ仕入れたんだけど、あんまり高く出せないから、普通にメニューに載せて知らない人に出したくないんだよねぇ」と、相変わらずのおばちゃん。「食べる!食べる♪友だち連れて来る!」ということで、設定した<お肌ツルツルフカヒレを食す会>。その1回目が、風邪引きの初日。用賀のスカッシュ&酒呑み仲間と計6人。本来味のないフカヒレを美味しく食べるためには<フカヒレの姿煮>の場合、“上湯(しゃんたん)”の味が勝負の分かれ目となる。そして、さすがにウチの台所、旨いっ♪軽い味付けのスープは、一息で飲んでしまいたいほど。フカヒレの歯ざわりがこりこりと、舌先までも刺激する。生(乾燥)から戻すまで10日間。待った甲斐があった。

Photo_100そして、メンバーがメンバーだけに、たっぷり飲んだ。甕出しの紹興酒を、軽く1升4合!飲めない妻を除いて、5人で。ふぅ。翌日のスカッシュのレッスンは、さすがに欠席。安静。なのに、月曜日、病状悪化。病院に行って、薬をもらう。食欲もなく、全身に倦怠感がのしかかり、三人ぐらい背負っている気分。薬を飲むために、アフタースカッシュ仲間に妻がいただいてきた伊藤久右衛門<宇治抹茶フィナンシェ>をひとつ、口に入れる。うっ旨い。しっとりとした生地から芳しい抹茶の香りと、上品な甘さの小豆が・・・。謝謝。この一口だけがランチ。晩ごはんは、うどん1杯。火曜日、何とか会社に行こうと起き上がり、フルーツの缶詰を口にし、薬を飲んだ。・・・すると、脚が思うように動かない。眩暈が。あれっ?おかしい、こりゃ<タミフル>じゃないだろうな?ここは8階だし、飛び降りるな!俺っ!小一時間もソファに蹲る。出社は無理と判断し、1日ベッドに。

さすがに水曜の午後から出社はしたものの、倦怠感、咳、喉の痛みは完全に取れず、食欲もない。こんな摂取カロリーで、人間の身体も維持できるものなんだ、ぐらいの食事。大好きな脂身や揚げ物は見るのも嫌ぐらいの気分。小さなフルーツケーキと牛乳プリンだけというランチ。まるでダイエット中のOLのような。体重もダウン。3.5kg減量。お酒を飲まない日も6日間続いた。アル中じゃなかったんだと、安心もした。・・・散々な一週間は、そんな風に過ぎていった。

この記事の《予告編》を読んだ友人たちは、口を揃えた。「IGAさん、またやっちゃいましたね。さすが!E(妻)さん♪」おい、おいっ!“鬼嫁”ではなく、“さすが”なのかい?

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2007年2月12日 (月)

食い改めたまえ「桂花(けいふぁ)」

Photo_78その店は、足裏マッサージの帰りに立ち寄るのがいつものパターン。記憶中枢に残る美味しかった料理を思い出し、たっぷり涎を溜めつつ店に向かう。すっかり豪華になった駅ビルを横目に見ながら、哀愁漂う古びたビルの階段を上る。そして、店の前で「うっ!満席だぁ」・・・そう、人気のこの店、「桂花」は週末にはなかなかすんなり入れない。なのに近所の気軽な店だから、つい甘えて予約せずに向かい、入れずに近所の店で食事をすることになる。無念。

Photo_79しかし、さすがに学習したお気楽夫婦。平日のある日、予約をして店に向かった。自らの誕生日に、無理やり部下を誘い、お祝いをしてもらうという暴挙。パワハラ食事会?(前の会社の部下だから違うか)中華は大勢の方が楽しいという言い訳をしながら。ところが、予約したのに、その日の店内はがらがら。そのおかげで料理を薦めていただいたり、普段は忙しそうなマスターにもいろいろと話が伺えた。「平日は割りと暇なんですよぉ」と、彼は至って鷹揚。

Photo_80<蒸地鶏とマンゴー、キウイのサラダ><鯛とフカヒレ・・・><水餃子>などをオーダー。優しい味付けがしみじみ旨い。この店は薬膳料理も看板メニュー。身体にも優しい。「これはイタリアンの店で美味しかったから、アイディアいただいたんですよ」と、中華というジャンルに拘らず、自由な発想で“美味”を追求する姿勢が嬉しい。「“パクリ”ってやつですね」「そうなんです、はっはっは」と、これまた大らかなお答え。「最後に麺はいかがですか?」来店する人のほとんどがオーダーするという<酸辛湯麺>を薦められる。もちろんいただきます♪

Photo_82「食べましたねぇ」「薬膳だから、いくら食べても太らない・・・なぁんてことありませんよねぇ」そんなものは、ない。でも、もう少し飲んで行くかぁということで、街へ繰り出す4人。民夫さん縁のワインバーはお休み。代わりに<ペニーレイン>というバーへ。これがまた良いお店。堂々とした体躯のマスターをはじめ、スタッフ全員が思わず振り返ってしまうような“美声(低音)”の持ち主。酒の品揃えも、店名通りにビートルズのジャケットを飾る店内の雰囲気も、好み。ついうっかり、たっぷり飲んでしまう。それにしても最近(に限らず)、食べ過ぎ飲み過ぎ。悔い改めず、食い改まる日々。良いのか?

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2007年2月 4日 (日)

大人食い「中華三昧」

Photo_70 週末、また中華を食べに行った。1泊2日。朝一番で香港に飛び、湾仔(ワンチャイ)で晩ごはんを食べ、翌朝に中環(セントラル)で<痩肉ピータン粥>を食べ、空港で飲茶して、午後の便に飛び乗った。強行スケジュールにも程がある・・・すいません!嘘ついてました。でも、いつかそんな贅沢旅行をやってみたい。そう言えば、学生の頃憧れていた年上の女性が、「上司から美味しい鰻を食べようって言われて、良いよって言ったら三島まで日帰りで連れて行かれちゃった・・・」的な話をするのを、苦々しく、しかし羨望の気持を含み、自分には訪れるかどうか分からない遠い未来の話として聞いた覚えがある。・・・ふぅ。

Photo_66現実に訪れたのは、こんな観覧車のある街。毎年恒例の“誕生日プレゼント”ご近所ホテル宿泊。今年は中華を食べることをコンセプトに、久しぶりの<パン パシフィック ホテル横浜>。渋谷から乗り換えなしに<みなとみらい駅>まで特急で30分。駅からはエスカレータを乗り継いで数分。圧倒的に便利になったし、<横浜ワールドポーターズ>や<赤レンガ倉庫>など、周辺の観光スポットも充実。脇屋シェフの<トゥーランドット>にも後ろ髪を引かれながらも、目的の中華街へ。電車で二駅。こりゃぁ楽ちん。

Photo_71まずは中華街大通り、焼物が有名な<金陵酒家>で生ビールに<皮付焼豚><ローストダック><八宝菜>。焼豚の皮がカリカリで美味しいが、残念ながらちょっと冷たい。焼き置きを切っただけ。うぅ~ん、ここで満腹になるのはどうかなぁと顔に出た妻の表情を見て取った私は、思わず閃いた。次に小籠包を食べたいんだったら、<状元楼>に行かない?何軒か“はしご”しようぜっ!「行くっ♪」迷わず移動。二軒目では<豆鼓北蟹(タラバ蟹の黒豆ソース炒め><上海小籠包><ピータン>と紹興酒。お洒落な高級店で“うまうま中華”。ふんだんに使われたタラバの身が贅沢。味付けもお上品。旨し。

Photo_68Mango次は何食べたい?「麺とデザート♪」裏通りを散歩しながら四川料理の名店<景徳鎮>へ。閉店直前に店に飛び込み<坦々麺>と<マンゴープリン>そして<桂花陳酒>をオーダー。しかし、もともと小食の二人、さすがにペースは落ちる。そして、マンゴープリンのスプーンが妙に気になる。・・・それにしても、それぞれの店にとって二人は(たぶん)嫌な客。オーダーは少ないし、さっさと食べて帰ってしまう。不味かったのか?と思われても仕方がない。でも、食べ歩く二人にとっては実に楽しかった。そうか、こんな食べ方もあったかという、新たな発見。前菜はこの店、メインはここ、麺はあの店、そしてデザートは・・・。そうか、これが“大人買い”ならぬ“大人食い”かぁ。確かに若い頃にはできなかっただろうなぁ。経済的な理由ではなく、気持の面で。

でも、これで図に乗ったお気楽夫婦。次回は懲りずに最初からそんな計画で。

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2007年2月 3日 (土)

贅沢な焚き火「薪ストーブの夜」

Photo_59寒い冬の夜。じっと炎を眺めていると、不思議と心が安らぐ。椎名誠率いる<怪しい探検隊>が浜辺での焚き火を愛する集団(今や焚き火をするには最寄の消防署に届出が必要らしい)であることも、ジョージ秋山作「浮波雲」の主人公の趣味が焚き火であることも、なんとなく分かる気がする。炎を前に、座り込む。にこにこしてしまう。ストーブの中で薪がはぜる。炎の明かりも、遠赤外線の暖かさも、柔らかく、まろやか。

Photo_61確かに、酔ってはいる。でも、ぼぉ~っとしてしまうのは、決して酔っているからだけではない。顔が紅くなっていることを自覚はしている。しかし、頬がポカポカとしているのは、薪が私の顔を温めているからだけではない。そして、気持が穏やかなのは、このストーブのせいだけではない。心地良い場所で、心地良く酔い、ゆったりとした気分になっているから。それに、ゲストで登場したチャンプ石渡の順調な術後の経過が嬉しかったこともある。いずれにしても、良い酒だ。

一年ぶりにお邪魔したKさん宅でのホームパーティは、相変わらず居心地が良く、まったりと時間が過ぎて行く。ホスト役ではないから、自分が余計に気を使わずに済むからかもしれない。参加メンバーを和ませるKさんご夫妻のホスピタリティのおかげかもしれない。普段は余り一緒に過ごすことのないメンバーの中に、こそっと紛れて参加しているからかもしれない。どんな理由でも良いけれど、この場所ののんびり感が気に入っている。悠々自適の晩年を迎えたKさんご夫妻。お二人でジムに通い、お子さんたちと食事に出かけ、友人を招いてホームパーティ。経済的な意味だけではなく、そんな時間が過ごせる“実りの時間”がお気楽夫婦にもやって来ることを楽しみにしたい。

Photo_62相変わらずマイコーチのJrも元気だ。人見知りせず、男の子らしい腕白さも、礼儀正しさも、わがままも、良いバランスで交じり合った“良い子”だ。人の子供は成長が早い。一年ぶりに会うのだから当然だけど。Kさん自慢のポルシェに乗ったJrの目が輝く。お母さんの指示か、お父さんの酔い具合を確かめて絶妙なタイミングで「帰ろうよ」と声を掛ける。コーチ一家が帰った後は、まったりと大人の時間。大声で話すこともなく、皆ちんまりと語り、飲んでいる。

再びストーブの前でまどろむ。ふふふ、良い気持。あぁ、そうか、これは届出が必要のない、贅沢な焚き火でもあったのかぁ。「あれ!眠くなってない?帰るよ!」穏やかなまどろみを単なる眠気と勘ぐった妻が私をつつく。・・・まぁ、これも幸せか。

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2007年1月14日 (日)

一富士、煮ハマ、三お節?「帰省とアル中の風景」

Photo_41その秀麗な山裾から拡がる美しい姿を眺めていると、神々しさを感じ清々しい気分になる。西に向かう<ひかり号>が新富士駅を通過するあたり。妻の実家に帰る際の楽しみのひとつは、新幹線の車窓から望むこの風景だ。日本人なら、富士山が見えると思わずちょっと得した気分になるはず。まして、こんな間近に見えると、何か良いことがありそうな気がしてくる。それも年末年始のきれいな空気の下、仕事納めも、大掃除も終えて、だら~っとした気分で眺めることができる悦び。幸せ。

Photo_43だら~っとできるまでには、いくつかのステップが必要。まずは東京駅の大丸の地下、<ほっぺタウン>に向かう。出張族にはお馴染みの、駅弁が豊富なデパ地下。妻と一緒に弁当を選び、缶ビールとワインなどをウキウキと買込み、高揚した気分を一緒に抱えてホームに向かう。その日、妻が選んだ弁当は、<蝦夷前 知床鮨>の穴子と煮ハマ。私が選んだのは、日本橋大増<冬の幸 折詰>。新幹線の小さなテーブルに、そんな“ごちそう”を並べ、二人でにんまり。ピクニック気分で頬張る。ビールをゴキュゴキュと飲み干す。幸せ。

Photo_45年末年始を妻の実家で過ごすのは、何よりも一人っ子である妻と、普段は二人きりで過ごす妻の両親を思ってのことではある。が、この新幹線での駅弁&ビールがもたらす“小福”のためであることも否めない。何を隠そう、私は座席に付いた途端ビールが飲みたくなるという“新幹線症候群”に罹っているのだ。一般的には、軽度ながら“アル中”とも呼ばれる、ちょっと楽しい病気。そんな自分の症状を自覚しながら酒を楽しむ。“酔い”と付き合う。幸せ。

そして、実家のある駅に到着すると、まず全く酒の飲めない親子と共に過ごす正月のために、自分の飲む量を想定し、日本酒の5合瓶を購入。年末に温泉旅館に一泊するとの予定で、ビールは控えめに購入。焼酎は妻の実家にボトルでキープしてある。そして毎年注文する店をあちこち変える心配りと共に、用意してくれている“お節”。今年は地元老舗ホテル「ヴィラくれたけ」の和洋折衷のお重。旨そうっ。これをつまみながら朝からダラダラ酒を飲む。アル中の醍醐味。幸せ。

ん、今日の記事、ふと気づいたら、“一富士、煮ハマ、三お節”?こいつぁ春から縁起が良いぜっ!お後がよろしいようで・・・。

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2006年12月17日 (日)

達人たちと博多を喰らう「クリスマスの風景Ⅱ」

Photo_21旨い酒、旨い料理、そして何より楽しい時間を、“博多の達人たち”とご一緒させていただいた。“博多の達人(♂)”は、福大の教授。“達人(♀)”の推薦で、あるセミナーのパネル・ディスカッションのコーディネータを務めていただいた。達人(♀)も含めたパネリストの皆さんの絶妙の語りと、的を得た指摘、達人(♂)のバランスの良い“振り”がスムースな流れを作り、実に良いトーク・イベントになった。しかし、イベント当日は、お二人とも忙しく、打上げは欠席。残念。

お二人は、ぜひ仕事を離れてお会いしたい!と、思わせる魅力的な人たち。このままでは惜しい。達人たちとのオフ・トークを実現したい!という私のお誘いに応えていただいた。聞けば、お二人は毎日のように一緒に飲みに行っているという“飲み仲間”。達人(♀)に、店のチョイスをお願いしたところ、「今回は私の行きたい店にしたけん。普段やったら、一週間前には予約せんと・・・」という人気店「Los Pinchos」を予約していただいた。月に一度フラメンコライヴをやっていたり、スペインダンスのレッスンも開催する、本格的な“レストランテ・デ・エスパーニャ”。楽しみ。

Photo_22店の場所は中心から外れた裏通り。調べていった地図通りに、店に辿り着く直前、“野性の勘”が反応する店を発見。その名も「チョコレートショップ」という直球ネーミング。“博多のチョコの始まりどころ”というキャッチの老舗人気店。<博多の石畳>というケーキが挑戦的に旨そう。魅惑的なケーキやチョコが美しくディスプレーされている。さすが、博多は奥が深い。こんな場所に、こんな魅力的な店が。スタッフの対応も◎。福岡空港でも購入できるらしい。チェキ!お二人へのお礼に、ちょっと早いクリスマス・ラッピングのクッキーを購入。

店に到着すると既に満員。予想以上の人気店。再会を祝してセルベッサで乾杯。旨い。そして、<イワシのエスカベッチェ>などのタパスが絶品。オリーブオイルの香ばしさが、食材で変わる。<マッシュルームの土鍋焼き><牡蠣の土鍋焼き>を小皿で食べ比べ。あぢあぢと頬張る牡蠣のジューシーなこと。「今日はちょっと贅沢して、4千円台のワイン」と可愛くおっしゃる達人(♀)が選んだワインと良く合う。達人(♂)の柔らかな語り口の辛口トークが面白い。こりゃあいかん。ワインが旨い。パエジャも絶品。楽しい~♪・・・常連の達人(♀)に、スタッフを紹介いただく。歌舞伎顔なのに爽やかイケ面の<欣ちゃん>。こりゃあこん店、いろんな意味で人気があるやろなぁ。今度はぜひ、お気楽妻を連れてこんと、いかんばいっ!良い店、楽しい時間で、すっかり酔っとぉと。達人のお二人に感謝。(そして、相変わらずのインチキ博多弁を反省)

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2006年12月 3日 (日)

酔払い度「ワイン≧焼酎?」

P1030118こいつの評価は分かれる。ワイン好きの友人たちは、「ケッ!」って感じで飲もうともしない。アロマだとか、ボディだとか、云々かんぬん言って。でも私は、年に一度、“季節のお約束”として飲みたい派。味はともかく、きりっと冷やし、ガブ飲みというスタイルが好き。室温で飲むとか、開栓して空気に馴染むまで何時間待つとか、銘柄によって違う飲み方を求められても困惑するだけ。赤ワインに関する興味も知識も薄い。白ワインも、ぶどうの種類で好みを選ぶ程度。

毎年騒がれる「ヌーヴォー解禁」の翌日、そのワイン好き(正確には酒好き)の友人たちと飲み会を開催した。飲みの趣旨はもちろん、ヴォジョレーを飲むこと、ではない。お気楽夫婦の行きつけのバー「Aサインバー」の店長が年内で辞めるという話を聞き、挨拶を兼ねて訪問というのが目的。20時開店のバーの前に、姉妹店の「ちゃんぷる~」へ。何も沖縄料理をはしごしなくてもと言われる方も多かろうが、そこは沖縄料理好き、泡盛好きの友人“酔払い1号(♀)”も賛同してくれて決行。乾杯の後は、酔払い1号のいつものおまじない、<ウコン>の錠剤をオリオンビールで流し込む。いつもは帰りの遅いメンバー“酔払い3号(♂)”は、外出の予定を調整し早々に待ち合わせ場所にやってきた。楽しく“飲む”ことに、真剣な酔払いたち。だから好きだよ、こいつらとの飲みは。

Dvc_2<なーべらーちゃんぷる>、<島らっきょう>など、沖縄料理好きのメンバーにとってはいつもの料理を楽しむ。ところが、その日のメンバーには、ほぼ沖縄料理初体験の“酔払い2号(♀)”がいた。その上、彼女が飲むのは、ビールにワイン。焼酎や泡盛は苦手。さらに、親知らずを抜いたとかで、しばらくお酒を飲んでいなかったため、久しぶりに飲むと言うビールを「美味しぃねっ!楽しいぃ~!」と、ぐいぐい飲み、「これ、美味し~っ♪」と<かりかりポーク>を頬張る。彼女は沖縄に行ったことも、アジアのリゾートを訪れたこともない。伊豆あたりに行くような気軽さでハワイに飛び、箱根あたりに行くような頻度でパリを訪れる。

Aサインバーへ向かう頃には、酔払い2号すっかり完成(できあがり)。なのに、焼酎&泡盛バーでワインをオーダー。アメリカ系航空会社の機内サービスで出てきそうなミニボトル。「止めておけばぁ?」なぜか“安ワイン”で酔っ払う彼女の体質を知る友人たちが止めに入る。しかし、「だいじょぉぶ!」と、お構いナシで、3本飲み干す。ありゃりゃ、良いのか?・・・予想通り、その後のカラオケで、ソファに横たわり、トイレに通う2号。そんな彼女を横目に絶好調の私と酔払い1号。「六甲おろし」一曲だけ歌って寝てしまった酔払い3号を黙殺し、歌い、飲みまくる。挙句は、「ぢゃあ、IGA家に泊まってくぅ~♪」という1号と一緒に、自宅の冷凍庫のズブロッカで乾杯!彼女が飲むかもしれないと冷やしてあったヴォジョレーはそのままに封印。今日は酔払い1号と徹底的に強い酒だぜっ!そして、お風呂上りに今度は焼酎のロックで乾杯!その時、既に3時!「楽しい酒だねぇ」「旨いなぁ♪」・・・それにしても、飲まずに楽しそうな、お気楽妻って、いったい?

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2006年10月29日 (日)

酔い夫婦「姪の花嫁姿」

P1020954_2可愛い姪が嫁に行った。このブログを読んでいただいている方はご存知の通り、血の繋がらない“姪”。齢の離れた飲み友達。去年のクリスマスに紹介された新郎と、4人で一緒に食事に行き、その後も何度かご一緒させていただいた。そんなある日、「お式の日取り決まりました。よろしくお願いします♪スピーチも!」てなメールが届いた。そうだった。軽いノリでスピーチを頼まれ、軽いノリで「良いよぉ!」と、答えていた。そう、その時もお互いに酔っ払っていた。

それにしても最近は、披露宴、入籍、同居、ハネムーンなどはカップルによって順不同。(他人のことは言えないぐらい、お気楽夫婦の順番は奇想天外だけれど、それは内緒)彼らの場合も、①同居②入籍③ハネムーン④結婚式・披露宴。一緒に住んで初めて分かるお互いの細部、生活スタイル。よし、大丈夫だ、籍を入れようか。で、落ち着いたし、旅行行こうか。うん、成田なんとかもなかったし、披露しても良いかな・・・なんて会話があったかどうかは聞いていないが、確かに合理的な順番。

P1020960そして、披露宴当日。受付を済ませ、席次表を見ると、お気楽夫婦の席は新郎新婦の前。あり?こんな席で良いのか?そして席に付くと会場の司会の方が寄って来る。「今日の“主賓”ご挨拶、よろしくおねがいいたします。順番は新郎の主賓挨拶の次で・・・」うげっ?“主賓”じゃあなく、(年齢の離れた)友人代表ぢゃあないのか?妻もひと言一緒にお願いしますと言われていたし。う~む、困った。話す内容は極めて軽いノリで行こうと思っていたのに。とは言え、アドリブで全て変える訳にもいかない。

「ま、良いんじゃないの。そのままで」妻はにっこりと泰然とした構え。そだね。披露宴もこぢんまりとしており、主賓席の円卓でも初対面にも関らず和気藹々。控え室での新郎新婦もリラックスしてたしなぁ。良いかぁ。で、原稿は・・・。

・・・日本人は、よく「目は口ほどにモノを言う」とか「目を見れば判る」「以心伝心」というように、
ことばがなくても伝わるコミュニケーションを大事にしますが、私は、「判っているじゃないか」と
何も言わないのではなく、自分の想いをことばで伝えることが大事だと思っています。
 
相手への感謝の気持を「ありがとう」はもちろん、愛しい気持は「愛しい」と伝えたいということ。
「好きだ」とか「愛している」とか、判っていてもことばにしてメッセージを渡せる関係でいられると、
より良い関係でいられるのではないかと思います。
 
私は妻に口数が多すぎるとも言われておりまして、その効果のほどは不明ですが、
我々二人も今日のお二人に負けない幸せな関係でいたいと思っています。
どうぞ、これからも、末永くお幸せなお二人でいてください。

IGAと違って口数が少ない、妻の○○です。今日はおめでとうございます。
私たちの結婚記念日は、お二人と2日違いです。おととい、二人でお祝いの乾杯をしました。
せっかく日も近いことでもありますから、来年からは、ぜひ4人で一緒にお祝いしましょう!
今後ともお付き合い、よろしくお願いいたします」


それにしても、披露宴での新郎新婦は、実に良い飲みっぷり。挨拶の方々のエピソードは“お酒”に関るものばかり。ダメ押しは、お二人の父親は偶然にも同じ洋酒メーカーにお勤めとか。「DNAというか、血なんだねぇ」と妻も感心しきり。そこに、新郎のお父様が挨拶にいらっしゃる。「4人でと言わず、今度は私もご一緒に是非!」・・・参りました。
 
 

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2006年10月 9日 (月)

景山さんを連れて「ウー・マイナー」

P1_11その駅に降り立つと、ふと思うことがある。もう新しい作品が読めないんだなぁ、と。つくづく残念。ただ、その長躯で飄々とした雰囲気のまま、通りの角からすっと現れそうな“存在感”が、この街にまだ残っている気がする。直接お会いしたことはない。しかし、TVの画像からはみ出しそうな、彼の文庫の紹介文にある“長身にして多才な人”を絵に描いたような、その姿が今でも目に浮かぶ。純粋で、照れ屋で、優しく、正義感溢れるエネルギッシュな人。景山民夫さん、1998年没。享年50歳。

台風が秋雨前線を刺激し、日中一杯続いた暴風雨が止まないまま、成城の街も夜になった。新しくできた駅ビルは、まだこのお屋敷町の街並に似合わない。強風のためか、雨が吹き込むコンコース。傘をささなければいけない吹き抜けのエスカレータ。ちょっと苦笑い。その街に住むスカッシュ仲間の友人と、開店したての駅ビルの中華レストランで一緒に食事をし、家に帰ろう店を出ると、タクシー待ちの長蛇の列。「もうちょっと飲んで行く?」と彼女。「あの店?」望むところだ。

この街には、規模の割には飲食店が少ない。それも夜遅くまで営業している店は皆無に等しい。そんな街の中で、ワイン・バー<ウー・マイナー>は貴重な店だ。ただし、この店は、いつ行っても「CLOSED」の札が掛かっている。“一見さんお断り”と、やんわり(はっきり?)主張している、ある意味“嫌な店”。その日も「やってるかなぁ。マスターわがままだから、この雨じゃやってないかもねぇ・・・」と友人が心配しながら店内を覗く。「あ、やってる!こんばんは~」とドアを開ける。先客は常連の女性一人。カウンタだけの小さな店は、我々3人が加われば、もうほぼ満員状態。居心地の良い隠れ家。

マスターは、彼女の結婚20周年記念ホームパーティでも(もちろんこの店でも)お会いした地元の酒屋さん。客と話し込み、友人のように(友人なのだけど)客に接する。その夜も、話題は娘の話、パリに出張中の友人(夫)の話、そしてこの店の常連だったという景山さんの話。「大ファンだったんですよ」「ウチの店も何度か作品の中に出てきたらしいよ。何ていう本だったか忘れちゃったけど」「ほとんど持ってるよね、彼の本」「彼はいつもその席に座ってたんだよね」マスターが私の隣の空いているスツールを指す。ガタッガタとドアが鳴り、カウベルの音。「あれ?彼来たんじゃない」「民ちゃん、たまに店に来るよ」「えぇっ!会いたい!ちょっと誤解された最期は残念なんですよねぇ」・・・景山さんのエピソードをいくつも聞きながら、嵐の夜が更けて行く。「そろそろ帰るね。景山さん、連れて帰って良い?」ガタッガタ。ドアが鳴る。一緒に帰って、もう少し語りましょうか・・・。

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2006年10月 8日 (日)

私をスタジアムへ連れてって!「J初観戦」

P1_8お恥ずかしい話をしなければいけない。前職での仕事の性格上、観戦した事がないというのは、たぶん致命的。決して嫌いな訳ではなく、興味がなかった訳でもない。“きっかけ”がつかめなかっただけ。企画、提案などでチームやリーグの方々と打合せをした経験は数多く、スタジアム自体に足を運んだことは度々。<豊田スタジアム>にも、<ヤマハスタジアム>にも、<味の素スタジアム>にも。しかし、一度もJリーグの公式試合の“生”観戦をしたことがなかったのだ。

なのに、妙なきっかけでJ初観戦することになった。地元の商店街で買物をして集めたポイントを、Jリーグ観戦チケットに交換。地味~なきっかけ。人生、そんなもんである。会場は<味の素スタジアム>。理由はご近所だったから。対戦カードはホームのFC東京と、アルビレックス新潟。理由はスケジュールが合ったから。・・・やっぱり、積極的な興味はないんだろうなぁ。そして、なぜか新潟出身の前職の友人が合流することになった。彼は筋金入りのアルビレックス・ファンらしい。なのに、ホームのスタンドで一緒に観戦してくれるという。感謝。一緒にビールを飲みたいだけかもしれないけれど。

P1_9とは言え、実は、私の目的も一緒。野球もサッカーも、観戦しながら飲むビールが目的。最寄り駅で待ち合わせ、スタジアム到着早々にさっそくビールをGET!最近、野球はドーム球場が多くて、爽やかな空の下、美味しいビールを飲む快感が薄れている。しかし、このスタジアムは爽快。加えてその日は10月だというのに、暑いぐらいの陽射し。そして、巨大スタジアムの独特の解放感。ビールが一段と旨い。「なんだか、ワクワクするねぇ」お酒を飲まない妻も、キックオフ前のザワザワとした雰囲気に包まれ、興奮気味。独特の応援や歓声、“お約束”(チームグッズのタオルを前に掲げる儀式)などに慣れないお気楽夫婦は、ちょっとドキドキ。

P1_10そしてドキドキを増幅させるのが、ホームの<FC東京>を圧倒する、アウェイの<アルビレックス新潟>のサポーター。やたら元気で、楽しそうなのだ。♪アル~ビレックス、チャチャチャチャチャ、アル~ビレックス♪思わずFC東京サイドに座っていながらリズムを取ってしまう3人。そして、試合が始まると、そんな声援に後押しされたように、得点を重ねるアルビレックス。エジミウソンの速いパス回しがスッと気持ち良く決まる。「良いパスだねぇ~」隣の新潟県人も嬉しそう。唯一のFC東京のゴールの瞬間、「あぁ~」と思わず溜息を付き、焦って周囲を見回す。そうか、これだったんだ。贔屓のチームや、選手がいることが観戦のエネルギー。高校野球のように、故郷のチームを応援する楽しみ。“おらがチーム”を持つことは、悪くない。「今度、新潟まで一緒に行きますか?」と友人。・・・うぅ~ん、ほんとに行ってしまいそうだぁ。

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2006年10月 7日 (土)

中華でお祝い「14回目のハピィ・バァスデー」

P1_7新宿のデパートがたいへんなことになっている。都営13号線の開通を睨んで、トップの伊勢丹や、追い上げる高島屋などが一斉に改装に入っている。買物する店を(混んでいる)伊勢丹から(空いている)高島屋に乗り換えたお気楽夫婦は、デパ地下を全面改装するという高島屋に期待している。食料品だけは伊勢丹に敵わなかったからなぁ・・・。楽しみ。

ところが、その余波が思わぬところにやってきた。爽やかな気候、食欲の秋、どうしても美味しい寿司を食べたくなった食いしん坊夫婦。妻の誕生日も近いこともあって「うぁ~いっ!じゃあ、誕生日は<鮨源>!」という約束になっていた。前日にいざ予約!ところが電話が通じない。あれ?家に帰ってHPを確認すると、改装のためレストランフロア全面改装!困った。気分はすっかり<鮨源>だったのに。では気持を切り替えて、何を食べようか。秋と言えば・・・“上海蟹”♪これだぁ!中華の名店<中国飯店>系列<富麗花>で、絶品の上海蟹を食べた記憶が蘇る。さっそく六本木の中国飯店に電話。予約もOK。

P1_6会社帰りに六本木の街をのんびり歩き、店に向かう。遅れ気味の妻からはタクシーで向かったとのメール。ほぼ同時に店に到着。あぁ♪上海蟹、これを食べなくては、秋がやってこぉない♪思わず上海郊外の街、周荘に古来から伝わる“上海蟹の唄”を口ずさむ。(そんな唄はない)オーダーしたのは<清抄蟹粉(蟹味噌炒め花巻添)><蟹小籠(蟹味噌入り小籠包)>。やはり“蒸し蟹”も美味しいけど、蟹味噌のねっとり濃厚な味を楽しみたい。「くぅ~っ!美味しいねぇ♪」小籠包好きの妻の笑みが零れる。蓮華ですくった小籠包に千切生姜を載せて、小さく齧り、スープをちゅっと吸う。香り豊かな蟹味噌の味がたまらん!そして、熱々を一気に頬張る。旨いっ!

P1_5続いて、<蟹味噌炒め>。「幸せになる味だねぇ・・・」細い蟹足を自分で剥いて食べるのも良いけど、手を汚さず、たっぷりの身と味噌が満喫できる。濃厚な味噌が舌に、喉に、鼻腔に絡み付く。中国飯店自慢の紹興酒とも合う合う。美味しいマリアージュを堪能する、二人で一緒に迎える14回目の妻の誕生日。形に残るものを贈るのではなく、こうして記憶に残るお祝いをしてきた。「夜景でも観に行こうか?」「良いねぇ」そうして、渋谷のお気に入りバー「ベロビスト」に向かう浪費家夫婦。窓際の席でのんびり新宿のスカイ・クレーパーを眺める。泡の出る透明なお酒で、改めてお祝いの乾杯。「しっかし、これで私にブランド志向の物欲があったら、たいへんだよねぇ」・・・全くである。

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2006年9月17日 (日)

がつんっ!と一杯「南蛮居酒屋89」

Photo_1これだっ!これにやられたっ!<レモンハート>という愛らしい名前のラム。アルコール度数75.5°。カリカリにしたクラッシュアイスの中で輝く黄金色の美酒。旨い。丁寧に砕いた氷はグラスの中の液体を決して水っぽくしない。そして、だからこそグラスに付く美しいミストが生まれる。不規則な形のクラッシュアイスが、燃えるような液体を滑らかに口に運ぶために“良い仕事”をする。柔らかに口に拡がる。良い店だねぇ、連れて来てくれた弟を誉めた。確かに良い店だった。藤沢周平縁の城下町。来年で開店40年というSHOTBAR<南蛮居酒屋89>。良い酒だった。・・・それに騙された。

最初に飲んだのは、<ギネス>。ママさんがまた良い仕事をする。氷をグラスに入れ、良い感じに冷えた頃合いを見て、氷を捨て、優しく“深く濃く黒い液体”を注ぐ。独特の苦味が喉を潤す。飛行機の中で美味しい“空弁”を食べてはきた。<寿司岩>の“穴子寿司”。ほっこりとした柔らかな穴子が贅沢に盛られている。ほほぉ、旨そうじゃん!と適量を箸で摘むと、ご飯の下にまた穴子。ひゃ~穴子が二重になってるぅ!うみゃ~っ!ビールに合うぜっ!と、食べた後は、何も口に入れずに飲み続けたのが間違いだった。

二杯目はお馴染みアイラのシングルモルト<ラガブリン>。相変わらず旨い。三杯目はテキーラ。ジューシーなライムが酒の味を引き立てる。そして四杯目に<レモンハート>。美味しかった。すっきりと。が、しかぁ~し。そこで帰れば良かったものを、調子に乗った弟と、行きつけのカラオケスナックに乱入した。濃い目のバーボンを数杯。混んでる店で数曲。・・・その後、ホテルに戻ってお風呂に入り、ベッドに入ったところまでは正常。が、夜中に突然目が覚め、蛙になった。グェッグェッグェッ。

Photo_2うひゃぁ~。翌日も、ホテルのサウナに入ればクラクラ。お昼に実家で出された“芋煮”を食べようとしても、箸でつつくだけ。ほんの少し食べたおにぎりが胃の中で燃える。ひゃぁ~、こんな二日酔いは初めてかもしれない。事情を知る妻だけが、こっそり私のお椀を代わりに食べてくれる。感謝。そして、帰路に新潟駅で買い求めた<朱鷺弁当>が、一日ぶりのまともな食事。あぁ、きちんと食べられる事の幸せよ。何と美味しかったことか。朱鷺の箸入れが何とも可愛いかったことか。しかし、そんなことで挫ける私ではない。越後湯沢のリゾートホテル<NASPA>のプールでひと泳ぎした後は<越後ビール>が旨い。<越後ワイン>が旨い。「全く懲りないよねぇ、あんなに苦しそうだったのに」はい、“喉元過ぎれば”なんとか・・・それが私の特長です。

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2006年8月13日 (日)

美味の記憶「まんさくの花」

P102_1・・・記憶がない。覚えているのは、友人たちを見送り、部屋に戻ったところまで。翌朝、目が覚め、失われた記憶を妻に補填してもらう。妻の言述を信じるならば、普通に妻と会話し、風呂に入り、髪を洗い、濡れた身体を拭き、下着をはいたところまでは、自分の意思(本能?)で行動していたらしい。その後、パジャマを着ることができず、ベッドに倒れこんだところを妻に発見され、無理やりパジャマを着せられ、眠りに付いた・・・ということになる。いつもと全く一緒。疑う余地はない。二日酔いだ。頭が痛い。

その日は、友人たち3人と四川料理を食べながら、ビールを6本。甕だし紹興酒を3合。妻は烏龍茶を1本。その後、BAR808に移動し、日本酒を飲む。その日の趣旨の一つは、この酒を飲むことだった。姪夫妻から届いた“まんさくの花”。酒好きの二人が選んで贈ってくれた酒をちびちび飲んで、味が変わってしまうのはもったいない。だったら二人を招いて一緒に飲んでしまおう!という作戦。美味しいお酒は、大勢で飲めばより美味しい。もう一組の招待客は年下の友人と婚約。新婚の姪夫妻と同席したら、結婚のきっかけも掴めるかもしれない。そんなアイディア。が、婚約者は所用で欠席。友人から事前にメールが届いた。「一人でも参加します。たっぷり飲んで良いですか?」

・・・彼の希望は叶った。最初は“まんさくの花”。小さな壜に入れ替え、きりっと冷やした辛口の酒は、さらさらとした口当たり。しっかりした味。ほんのり酸味。暑い夏にぴったりの酒だ。「へぇ、美味しいっ」「これ、飲んじゃうねぇ」そんな会話通りに、良いペースで空になる。次に、飲みかけだった“ボンベイ・サファイア”。「私、これ大好き。夏はジンも美味しいですよねぇ」姪も楽しそうに飲んでいる。それにしても誰も酔う気配がない。「あなたも今日は珍しく真っ赤にならないねぇ」妻が不思議そうに私を眺める。スコールのような雨で気温が下がった爽やかな夜のせいだ。良い感じ。

次は“スコーピオン”。冷凍庫でキンキンに冷やしてあるテキーラ。とろりとした透明な液体を小さなショットグラスに注ぐ。何度か目の乾杯。「それにしても彼女が来られなくて残念だったねぇ」「次はお祝いで乾杯したいよなぁ」「次回は必ず連れてきます!」姪の夫君とすっかり仲良くなった友人が笑顔で答える。のんべ仲間の輪が広がる。蠍の透明な壜もすっかり空になった頃、お開きになった。楽しく美味しい酒だった。

「しっかし、毎回覚えてないっていうのが不思議だよね」二日酔いの朝、妻が呟く。「普通に会話してるんだよ。同じ話は何度も繰り返すけど」自分でも不思議。しかし、美味しい酒の記憶は残っているから問題なし!ところで、歯は磨いて寝た?あ、そう。

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2006年8月 6日 (日)

チャペルで生ビール「山の上ホテル」

Photo暑い。やったら暑い。雑誌の特集は「涼しい麺」やら、「旨いビール」ばかり。ふんっ!月並みな特集なんかに、乗せられ・・・ましょう!夏と言えばビール、ビールと言えばビアガーデンでしょう!という訳で(私の裏ブログ)ランチ探検隊のメンバーと“ビアガーデンでおやぢ飲みだぜっ”をコンセプトに、ある場所に出かけた。(しかし、私のブログ記事は、冒頭では“ある場所”とか“ある店”とか書き出すくせに、タイトルに答えが既に記載されているという矛盾を持っている)

“ビアガーデン”という響きには、ビルの屋上、うら寂しい提燈の列、くだまくサラリーマン、美味しくないつまみ、などというネガティブ・ワードが付き纏う。早い話、余り“オサレ”ではないイメージ。そんな印象のせいか、ランチ隊の一員、猫姫隊員もビアガーデンに足を踏み入れたことがないという。そんな彼女が「私が探します!」と宣言。情報収集能力抜群の、秋葉オタク出身の不思議な雰囲気の女性。「ここはどうでしょう?チャペルで夏限定のビアガーデンやってます」ほほう、シュールじゃないの。場所はと言えば、名門「山の上ホテル」。隊員たちも「行きたい!」の大合唱。決定!

アテネフランセという語学スクールが駿河台にある。そこに、6年間通っていた。大学はフランス語で受験した。大学卒業よりも、アテネフランセ高等科終了の方が嬉しかった。10代後半の、最も多感な年代を御茶ノ水で過ごした。山の上ホテルも、甘酸っぱい思い出と共に、その6年間の記憶の中に登場する。・・・なのに、ひゃあ!十字架の上に飾りつけ?チャペルのベンチに座ってビール飲んで良いの?ここって、ヴァージンロードってこと?すっげぇ!その上、おつまみが美味しい。メニューにないチーズの盛り合わせをお願いしたら、ホテルのバーから出前が届いた。嬉しい。(写真は猫姫隊員提供)

「料理も美味しいですよねぇ、ここ。実は私、ここで結婚式挙げたんですよぅ」猫姫の声が1オクターブ高くなり始めた。酔いが回って来た証拠だ。それにしても、自分の挙式会場で飲む生ビールって・・・。「美味しいですよっ」そうでしょうとも。うわっ、いつの間にかワイン4本目。のんべ隊員の舌も一段と滑らかになっている。おにぎり隊員の彼<あっくん>のお披露目を兼ねた今日の会。爽やかな今時の好青年。おにぎり隊員も幸せそうだ。あ、猫姫がくらくらしてきた。危険だ。あれっ?一番早く店にやってきた客だったのに、いつの間にか最後の客にもなっている。「楽しいですねぇ」誰が言うともなく、ふらふらと二軒目に向かう。暑い夏、ランチ隊の活動は休止。夜限定の「のんべ隊」に名称変更。

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2006年7月22日 (土)

美味礼讃(鮑の肝と鱧編)「たん熊北店」

060716_7再訪した<たん熊>で、夏の味を堪能するお気楽夫婦。最初の一皿<水貝>の残りというよりは、こちらがメイン?という一品をいただく。鮑の肝の和え物。口に含んだ後に微かに山椒の香りが残る。「うわぁ~っ、美味しい!抱えて連れて帰りたい!」と、飲めないのに、“のんべの舌”を持つ妻。確かに旨い。お酒が進む。その日、生ビールの後にいただいたのは、“お薦めワインのお試しセット”。3種類の白ワインを少しづつ。いずれも美味しい辛口のセレクション。満足。

それにしても、このカウンタの席は楽しい。オープンキッチンはエンタテインメント。神出鬼没の本城さんは、仕込中の弟子を指導していたかと思えば、フロアでサービスしながらお客様に話しかけ、常連のお客様を見送り、カウンタの中で鱧の骨切りをしていたりする。「あんまりようせんと、指切ってしまうんです」と言いながら、包丁捌きは鮮やか。ごりっごりっ、という小気味良い音と共に、寸止めされた鱧に美しい花を咲かせていく。そして、いつの間にか目の前に小皿が届けられる。うわぁっ、またいただけるらしい。雲丹を鱧で巻いて、かりっと揚げた一品。「美味しいぃ・・・幸せぇ。ありがとうございます」今日は口数が多い妻。「鱧の端ですから」と、照れる本城さん。

060716_8「そろそろ召し上がりますか」と、頃合いをみて声を掛けられる。<鱧のしゃぶしゃぶ>のお出まし。韓国産とは言え立派な松茸と、美しい姿の鱧、湯葉が盛り付けられた皿、小鍋がセットされる。既に熱々のスープが入っている。「まずは松茸を入れてお待ちください」スープに松茸の仄かな香りが加わる。そして、鱧。スープの中でふわっと満開に花咲く白い身。熱々を頬張る。くぅわぁ、旨い。滲みるねぇ。今や全国区となった京野菜、水菜もしゃきしゃき美味しい歯触り。

「スープを少し残しておいていただければ、煮麺でも、雑炊でもお作りします」先日の“丸鍋”は雑炊だったので、煮麺で。竹墨入りの素麺、これがまた旨い。「この店はやっぱり凄いねぇ。味だけじゃないんだよね。ひたすら牛蒡の八幡巻を仕込んでる彼、目が真剣だよね」<季節のデザート盛り合わせ>を味わいながら妻。そうなのだ。頑張れ!未来の巨匠たち!という感じの若手も、ちょっと余裕が出来た中堅も、実に小気味良い仕事っぷり。味に深みや奥行き、活きの良さを加えている。それでいて、人をもてなし、和ませる、実に良い店。「またご贔屓に、お待ちしてます」・・・もちろんですとも。普段はリアクションの少ない妻が、これほど絶賛する店も珍しい。また是非お邪魔しますともっ!

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2006年7月17日 (月)

美味再訪(水貝と天然鮎編)「たん熊北店」

0607161あまりの美味に再訪を誓った店があった。翌週、予約の電話をすると、あいにく満席とのこと。残念。しばらく気になりながら、数週間。ある週末に予約の電話を入れる。窓際の二人用席か、カウンタの右端をお願いすると、「窓際は既にご予約が入ってますので、カウンタ手前でお取りします」・・・そう。前回お伺いした時に案内された席。“満足の記憶”が蘇る。<たん熊北店(きたみせ)二子玉川店>店長の本城さんは、我々を覚えてくれているだろうか。

スカッシュのレッスンの後、乾いた喉とぺこぺこのお腹を抱えて、開店早々の店に入る。今回はネット検索で“ドリンククーポン”持参。「かしこまりました。ありがとうございます」さっそく本城さんが丁寧に対応してくれる。前も同じ席でいろいろ教えていただいたことを伝えると、「もしかして、この店のこと、書いてくれはりましたか」え?えっ?瞬間、意味が分からず。聞けば、ネットで検索して私のブログの記事を読んでくれた様子。「ありがとうございます。今回も良かったら書かせてもらいます」「お手柔らかに」・・・びっくり。<たん熊>で検索して私の記事が出ることも、店長がネットで検索していることも、素人(私)が書き散らした記事を覚えていてくれたことも。そして、そんな“プロ”の姿勢に。

060716_1今回は、“夏の味”を食べたくて、この店にやって来た。お薦めのメニューには、京都の夏と言えば、という食材が揃っている。「鮎でしたら、京都保津川産の天然鮎が入っとります」・・・鮎好きの二人は即決!「この季節でしたら、鱧のお料理もいろいろとございます」<鱧と湯葉のしゃぶしゃぶ>をお願いする。うぅ~ん、楽しみ。まずは、鮑の<水貝>。夏の逸品。器を氷で冷やし、その氷を捨てた後に新たに素材を盛り付ける。涼やかで、目にも美しく、美味しい。こりこりとした鮑をちょっと酸味の利いたタレで味わう。旨し。「後ほど肝は別にお出しします」お~っ、なるほど。それも楽しみ。

そして、待望の“鮎”が蓋付きの大皿で登場。蓋を取ると、二匹のたおやかな鮎。美しい。ふぁ~っと、茶葉の香りが拡がる。「焼きの最後に、お茶の葉で燻すんです」八寸に盛り付け直す。「保津川は水が冷たいんで、身がしまってます」笑顔の本城さんが説明してくれる。小ぶりで細身の鮎を、頭からがぶり。うま~~~いっ!この香り、味、何?凄い!妻と目を見交わす。「これは、かなり美味しいねぇ」おぉ、珍しく積極的な反応、なかなかよろしい。それにしても旨い。鮎と茶葉の香りと、身と骨と皮と腹の苦味の絶妙なハーモニー。素晴らしい。これが“鮎”なんだ。まいった。(“鱧と鮑の肝”の後編に続く)

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2006年7月16日 (日)

芝居の前に、芝居の後も「ドゥ マゴ パリ」

060706_1Bunkamuraのチケットが取れない。NODA MAP、蜷川演出作品など、人気公演が多く、観たいと思う芝居のチケットがなかなか手に入らない。まぁ、仕方ない。チケットが売れるのは良いことだねと、達観する日々。芝居に行く回数が最近減ったのも、これが原因。しかし、Bunkamuraに勤める友人にお願いする訳にも行かない。ところが久しぶりにチケットがGETできた。楽しみ。週末の朝、いつもよりも早めに家事を片付け、渋谷へ向かった。芝居の方はと言えば・・・。

Bunkamuraを訪れる際の楽しみはもう一つ。レストラン「Les Deux Magots PARIS(ドゥ マゴ パリ)」。吹き抜けのテラス席、テラスを眺める店内もパリの雰囲気そのまま。カリカリのバゲットにハムを挟んだだけの、<サンドウィッシュ・オウ・ジャンボン>も。夏の暑い日、冷えたビールを飲みながら、明るいテラス席を眺め、バゲットを齧る。これが、実に旨い。調子に乗って、スパークリング・ワインをグラスでいただく。芝居の前は、これぐらいでセーブ。(数年前からドゥ マゴの1階を<ワインサロン ドゥ マゴ パリ>として夕方から営業。これがまた、ワインに合った料理も用意してあり、芝居の帰りに嬉しい店)

Dscミレニアム・イヤーを迎えようという年末。お気楽夫婦は、寒いパリでクリスマスを過ごした。一度は泊まってみたかった<リッツ・パリ>は、2泊でチェックアウト。3日目からはセーヌ左岸の<ルテーシア>に宿を移し、サンジェルマン・デ・プレ界隈をぶらついた。朝食は決まって近くのカフェ。バゲットやクロワッサンを食べ歩いた。その中に<Les Deux Magots>もあった。店の名前は“二つの中国人形”。パリの店内には、その人形が飾ってある。店のロゴも“マゴ”入り。ランボー、ピカソ、ヘミングウェーなどに愛された老舗カフェの象徴。パリも渋谷の店も、ちょっと不思議なオリエンタルな空気が心地良い。

ある日、妻とマゴで待ち合わせ。バゲットとビールで楽しんでいると、入口で偶然会ったというBunkamuraに勤めている友人が、妻と一緒にマゴに現れた。「いやぁ~、忙しくて今日はお昼も食べていないんですよ」あ、じゃあ、これどう?妻のオーダーしたクロックマダムをおすそ分け。「明日からパレルモに出張なんです」相変わらずの強行日程らしい。美味しいシチリア料理を食べる余裕はあるのか?「帰ってきたら、上海のYさんと一緒に食事でもしましょう」Yさんは、お互い別々に知り合った友人。まだ同じ席で会ったことがない不思議な関係。久しぶりに、そして一緒に会えるのは、とても楽しみ。

ところで、芝居は・・・。

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2006年7月 1日 (土)

祝!20周年「奥様は酔女」

Dsc00023ある年、友人夫妻が土地を購入した。都内でも屈指の高級住宅地。駅からも近く、閑静な住宅が並ぶ一角。友人(妻)と一緒に飲んでタクシーで帰ると、ちょっと寄り道をしては、更地だった敷地を眺めたり、建設途中の建物を見学したりが続いた。そして日韓ワールドカップの年、無事に竣工。中庭で飲むビールが美味しい、素敵な家ができあがった。それから4年。彼らの結婚20年を祝うパーティが自宅で催された。

訪問すると、友人夫妻が揃って迎えてくれた。「良いでしょう、このドレス!」と言って、嫌味にならないキャラクターの友人(妻)。娘が買ったアナスイのドレスを平気で着こなす。彼女は、ヴァンクリーフ&アペルの腕時計やアクセサリーを身に着けていても、スノッブにならず、カジュアルな装いに見える。完全な“キャラ勝ち”。これは後年得られるものではなく、もって生まれたものとしか思えない。誉め上手で、誉められ上手。素敵な奥様。そして、お酒好き。今まで何度、酔った彼女を、妻と一緒に家まで送って帰ったことか。

P1010969パーティは、20名ほどのこぢんまりとした集まり。リビングでは<イタリアのマンマの味>を得意とする料理教室の先生が作ったアンティパストが並ぶ。ダイニングでは、彼らが行きつけの寿司屋の板さんが握る、カウンタだけの小さな寿司屋が開店。全員揃ったところで、マグナムボトルのモエが振舞われる。くぅーっ!冷え冷えで美味しい。ん、シャンパンと寿司って、合うねぇ♪しっかり旨い。あ、板さん、左から順番に全部のネタ握ってね。え?もう既に2周目?失礼。

楽しみにしていた父娘の演奏が始まる。娘のヴァイオリン。父のチェロ。家の中に散っていた参加メンバーが集まってくる。軽やかな弦楽器の旋律がリビングから家中に流れる。“生音”の心地良さに包まれる。仮装パーティの趣向が二人の頭上に残っているのに気にならない。娘もいつの間にか高校生。難しい年頃。心配も多いらしい。でも、客の前で仲良く演奏できる父娘って、そうはいない。出会った頃から変わらない“良い家族”。「そぅお?良かったぁ・・・」そう言いながら、友人(妻)のとびきりの笑顔。これっ♪この笑顔が皆を、この家族を明るく包んでいるんだなぁ。

「それにしても<酔女>って、タイトル何?もしかして、“良い女”と“酔い女”とか、かけてる?」・・・妻には「旅サラダ」で司会をする神田正輝の“味”は、まだ分からない。

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2006年6月11日 (日)

職住(超)接近!「コミュニティの中へ」

P1010885昨年の秋、入社(転職)してすぐに担当したのは、自分が20年以上住んでいる街の商店街へのシステム導入案件。ここは、全国的にも注目されている元気な商店街。理事長は世田谷区、東京都、全国の商店街組合のトップ、中小企業4団体のトップでもある有名な方。何度も社内での検討を重ね、何度も提案・調整を行い受注が決定した。受注規模の大きさもさることながら、全国の商店街への影響が大きい、意義のある仕事。新サービスのコンセプトは、新聞やテレビで何度も報道された。商店街の買物だけでなく、地域のボランティア活動などでポイントが付く、<コミュニティカード>の導入。

その新サービスがようやく先日スタートした。それまで、何度も何度も事務所へ足を運び、いろいろな課題やトラブルを解決し、社内・社外を調整し、ようやく。街を元気にしたいという一所懸命な人たちと一緒に仕事ができた喜び。その人たちに応え、サポートしてきた社内のチーム。良い仕事だった。良いプロジェクトだった。サービス開始記念イベントが終わり、昼食抜きで仕事をし続けたスタッフを招いて、BAR808で乾杯。ほんとうに一緒に良い仕事ができた仲間に感謝。“心地良い疲れと、嬉しさ、ほっとした気持のカクテル”を飲んで、酔った。それ自体はいつものことだけど、旨い酒だった。

人はいろんなものに属している。いろんな場所に存在する。家族だったり、企業だったり、マンションの管理組合だったり、友人のグループだったり。そして私は、この仕事を通じて、“地域(コミュニティ)”に属し始めている。妻と共に暮らし、仲間と集い、そして仕事をする場としての地域に。街を歩いていて、以前は行きつけの“飲み屋”のご主人としか挨拶をしなかった生活。それが、今では街のあちこちで、商店主の人たちと挨拶を交わす(ちょっと不便な)生活になりつつある。酔っ払って、いつ誰と会うか分からない。

商店街の事務所へは、徒歩1分。“超”が付く職住接近。商店街の新年会にもご招待いただいた。その席上で、新加盟の店主の紹介をしたときに幹部の方が言ったことばが印象に残る。「一緒に活動するだけでなく、一緒にこの街を愛してください。好きになってください」・・・街のインフラとしての商店街から住民が離れ、空洞化が叫ばれ、法の改正が行われた。しかし、最初の一歩はこれ。自分の住む街を愛すること、大事にしようと思うこと。私も仕事を通じて、この街がますます好きになっている。「ポイント貯めるから、買物する店を変えなきゃね」妻も、妻なりに協力してくれる。感謝。

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2006年6月 4日 (日)

いつもの酒、いつもの肴「なかむらや」