カテゴリー「フォト・エッセイ」の記事

2009年6月28日 (日)

お引っ越し「IGA“快楽主義宣言”」

Photo 引っ越しました。新しい住所はhttp://iga-iga.com/iga-iga.com/です。新しいマンションの名前は「IGA“快楽主義宣言”」は変わらず、「週末更新 お気楽夫婦のお気楽生活ブログ」という長い看板が掛っています。内容は基本的には変わりません。ブックマークしてくださっている方は変更をお願いします。お蕎麦は画像だけで申し訳ありませんが、せいぜい眺めてみてください。ちなみに、72時間の間に順次切り替わって行く予定なので、前のUrlで見える人と、その内に見える人がいるかと思います。ご面倒かけますが、しばらくお待ちください。

基本的にはこのブログはアーカイブとして残す予定ですが、更新はしません。ちなみに、快楽ランチ探検隊、快楽写真集(こう書くとちょっとエロっぽい)などは消滅する予定です。ご注意ください。

申し訳ありませんが、リンク切れで見られなくなる記事、写真がでてきます。新しいサイトには過去の全ての記事を移行しています。そちらでご覧下さい。

4年余りの長い間、こちらの住所ではたいへんお世話になりました。新しい住所でも引き続きよろしくご愛顧の程、よろしくお願いいたします。

なお、引っ越し先の「IGA-IGA.com」という新しい街には、他にもたくさんの建物があります。そちらも併せてご利用ください。

「IGA-IGA.com」は下記の住所です。

http://iga-iga.com/iga-iga.com/

そちらでまたお会いしましょう!

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2009年6月27日 (土)

新サイトOPEN!「IGA-IGA.com」

1 想から3年、制作開始から1年余り。ようやく明日、新しいサイト「IGA-IGA.com」がスタートする。今まではブログの記事をカテゴリ別に書き散らして来た。ホテル、レストランなどのテーマ毎に検索できなくはないものの、自分の思い通りにはならない。かと言って、自分でHtmlを書き込む程の知識や時間がある訳でもない。昨春、独学でHPエディターなどを駆使してデザインしようと思ってトライしてみたものの、今ひとつピンと来ない。そんな時、仕事でご一緒だったワカモノたちが近くにいた。相談してみた。彼らの事務所に伺うと、ずらっと最新のマックが並んでいた。かつてのマックユーザの心が動いた。まずはマックを買うところから始めてみた。カタチから入るのは大事だ。そして昨夏。待望のマックがわが家にやって来た。

2 いて、自分が何をしたいのか説明した。彼らは私のブログの読者でもあったから「あぁ、IGAさん、それは面白いですねぇ。手伝いましょう!」と言ってもらえた。WEBデザイナーとプログラマーの最強コンビだ。まず実現の手段から検討した。今の私が仕事をしながらHtmlを書き込めるようになるまでに成長するとは思えない。現在利用しているココログには表現に限界がある。でも、ブログの記事を書くようにお気軽に更新したい。・・・ゼータクな話である。「じゃあ、WordPressというソフトを使って、オリジナルのデザインを作りましょう」ん?それは何だ?自分で何かをしなきゃいけないのか。「大丈夫です。2人でサポートします」こうしてマックの講習会を兼ねた「IGA-IGA.com構築プロジェクト」が始まった。

3 索性を最優先したいという私の希望は叶った。3人で話し合った結果、サイト、ブログ、カテゴリに階層を持たせることで解決した。「IGA-IGA.com」の下には従来の「快楽主義宣言」をはじめ、「お気に入りホテルカタログ」「食いしん坊夫婦のリピートレストラン」「お気楽シアターメモ」などのブログを配した。例えば「お気に入りホテルカタログ」の中には、海外、国内と大きくカテゴリを分け、さらにリゾート、パリ、ロンドンなどの都市別のカテゴリを設定した。そして、それぞれのホテル紹介の記事の下には、これまで書いた「快楽主義宣言」の記事へのリンクを付けた。つまり、客観的なデータを中心にホテルを紹介し、快楽主義宣言で個人的なコメントを読んでもらうという仕組み。

4 心の「快楽主義宣言」は、ほぼ今まで通り。ココログではできたことが一部できないけれど、検索性は以前のものより改善されたはず。全部の記事からWord検索もかんたんにできるようにした。カテゴリ別の記事の数も記載し、バックナンバーもスタートした2005年5月まで一覧掲載した。これはちょっと長く見難いけれど記事にリンクし易い。早い話が、自分たちが使いやすい便利なサイトになった。書き手側の利便性は増した。かなり嬉しい。読者不在?まぁ、個人のサイトなのでお許しを。とは言え、今まで以上に多くの方に読み、使っていただけたらもちろん嬉しい。感想、ご意見があったらお気軽にどうぞ。自分では改訂できない部分が多いので、アドバイザ2人が忙しい仕事の合間に作業することになる。なので実現までに時間がかかるだろうが。

いうことで、いよいよ明日、「IGA-IGA.com」スタート。打てば響く、超技巧のプログラマーN嶋くん、趣味の世界が近くとても気に入ったデザインを創ってくれたK藤くん、そしてうるさい読者としてアドバイスしてくれた妻に感謝。そして、このブログを読んでいただいている奇特な皆さま、今後ともよろしくお願いいたします。

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2009年6月21日 (日)

本日も開店!「トラットリア IGA by DEAN & DELUCA」

Photo_3Photo_2TRATTORIA(トラットリア)とは、イタリア語でカジュアルなレストラン、大衆食堂ぐらいのカテゴリ。リストランテの場合、アンティパストから始まって、プリモ・ピアット(最初の皿)からセコンド・ピアットと延々と続き、ドルチェで締めるコースになり、とても小食のお気楽夫婦では食べきれない。アンティパスト2品とメイン1品、それにサラダをオーダーしてシェアするぐらいがちょうど良い。すると必然的にトラットリアぐらいが量的にもぴったり。とあるマンションの中にあるBARが、最近トラットリアになったという噂を聞き、さっそく出かけてみた。

Photo_4 Photo_5 ニューは日によって大きく変わるらしい。その日のメニューはサラダが中心。魚介とオレンジのマリネ、オレンジ風味のニンジンサラダからスタート。ボイルしたムール貝、イイダコ、海老、などがたっぷり入ったサラダはオレンジとぴったり。あっさり味の爽やかな一品。白ワインに合う。続いて妻が選んだのはトマトのサラダとオリーブたっぷりのパン。大粒のオリーブがなかなか美味しい。「プレッツェルも食べて良い?」妻はハード系のパンが大好物。こうして選んだメニューを並べてみるとその日はイタリアンというよりNYCスタイルのメニュー。

Photo_6 インはチキンのタイ風ロースト。うぅっ、んまいっ!かなり美味しいね。「そりゃそうだよ、DEAN & DELUCAだよ」と妻。お気付きの方は既にイライラしていたかもしれない。そう、このトラットリアの正体は、お気楽夫婦の自宅でテイクアウトのデリを並べるだけのインチキ料理店。とは言っても料理自体は当然本格的。チキンのローストは温め直しでもジューシーで充分美味しい。エスニック系のスパイスが利いた味付けが食欲をそそる。合わせたインゲンと木の実のサラダも香ばしく旨うま。大きなクルミやアーモンドなどの数種類の木の実がこれでもかと入っている。これまた白ワインにぴったり。

理はイベントだなんて言ってるようじゃ、ウチではMARRくんのように1から料理作るのは無理だね」それはそうだ。でも大丈夫。ウチには専属シェフはいないけれど、世界各国の名シェフが付いている。選り取りみどりだ。その料理を美味しそうに盛りつけるのなら任せてくれ!「そうか、中華料理に“点心師”とか専門の料理人がいるように、ウチには専属“盛付け師”がいるわけだ」まぁ、そういうことだね。自慢するポイントが今日も違うが、和食だろうが、中華だろうが、イタリアンでも、沖縄料理でも、美味しそうに盛りつけて並べる“盛付け師”のいるトラットリア、本日もなんとか営業中。

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2009年6月20日 (土)

本日開店!「ビストロ MARR」

PhotoPhoto_2BISTRO(ビストロ)とは、フランス語でお気軽でカジュアルなレストラン、居酒屋を指す。「ビストロSMAP」ですっかり日本人にも馴染みのあることばとなった分、高級感ある、お洒落なイメージが定着した。美味しい料理も出す酒場といったところだろうか。梅雨時のある週末、お気楽夫婦のご近所に1軒のビストロがオープンした。シェフは10年以上スカッシュでご一緒している友人。その日はオープン記念にスペシャリテ(名物料理)を選りすぐったメニューでご招待頂いた。集まったのは同じスカッシュ仲間の友人夫妻3組。オーナーであるシェフの奥さまと合わせて8人でテーブルを囲んだ。

Photo_3Photo_4 ーブルの上には生ハムメロン、アスパラのフリットなどのアミューズが並ぶ。食前酒(またはウィルキンソン)を飲みながら久しぶりに揃ったメンバー同士、会話が弾む。「これ絶妙〜♪」サクサクのプティ パイが人気。遅れて登場したNYC帰りの友人(妻)が登場したところで乾杯。シャンパンがシュワシュワと幸せな泡を立てる。「ずっとシャンパンが良いですか。他の酒にしますか」と前掛け姿のシェフ。見ればカウンタの上に並ぶ酒の種類も豊富。じゃあ、マティーニを!「良いですねぇ♪ドライにしますか」好きなお酒を好きなタイミングで飲めるのもビストロの真骨頂。う〜ん、美味しい。

Photo_5Photo_6 菜はプチトマトとチーズのサラダ仕立て。少し酸味のあるソースが絶品♪うぅ〜ん、パンと良く合うね。ん?このパニエ美味しいけど、これもオリジナル?「ワッフルメーカーを使って焼き直すんですよ」「へぇ〜っ。やってみよう!」「ワッフルメーカーっていろいろできるんだねぇ」2人の奥さまからは絶賛の声。妻と言えばただパンを食むばかり。自分でやってみようとスタンスは全くないらしい。「だって作ってもらった方が美味しいじゃない♪」と妻。ごもっとも。「そうよねぇ。私もその方が良い」シェフの奥さまもにこにこと同意する。確かに、この料理の味だったらますますごもっとも。

Photo_7 Photo_8 メインの肉料理の後にはタコのパスタ。トマトソースが絶品。「美味しい〜っ♪」「このソース旨いね」「これどうやって作るの?」奥さまたちは相変わらずレシピを聞き出したり、作り方に興味津々。妻はもちろん関心は薄い。「食器もどれもお洒落だよねぇ」「この取り皿はウェッジだよねぇ」「サラダも美味しいね」「しっかし、プロみたいだねぇ」「ドレッシングはレモンが利いてるね」「あ、今日はそれだけ楽して気に入ってる市販のものを使ったんですよ」・・・お気付きの方もいるかもしれない。このビストロのシェフ、通称MARRくんはプロではない。他に仕事を持つれっきとした(?)アマチュア。お招き頂いたのは彼らのご自宅。

Photo_9 Photo_10いうことはドレッシング以外全部作ったってことだよね」「すっごいねぇ!」改めて驚く友人たち。「ウチだったらデパ地下で買って来て並べても料理作った感満載だよね」と妻。威張るポイントがどうかと思う。しかし事実だ。それにしても満足の夕餉。デザートのケーキも手作りだという。シェフはインテリアにこだわり、食器にこだわり、食材にこだわる男。仕事も忙しく、スカッシュもやり、多趣味の彼はいったいいつ寝ているのやら。「2時か3時ぐらいには寝てますよ」うぅむ。エネルギッシュだ。参りました。ビストロ MARRは、そんなシェフの絶品料理で不定期営業中。次回の営業の際も是非!

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2009年6月14日 (日)

ショートブレッドはお好き?「パインクッキー」

Photo Photo_2末のある日、スカッシュコートサイドで妻の歓声が上がった。「わぁ〜いっ!嬉しい。これ美味しいんだよね」と妻が珍しくはしゃいでいる。ハワイ土産としてパインクッキーをいただいたらしい。新型インフルエンザが世界的規模で蔓延する中、帰国後しばらくは外出を控えていたというスカッシュ仲間が、かなりの時間差で持ってきてくれたもの。パイナップル型やハート型のクッキーにチョコレートのディップを付けたもの。サクサクとした歯応え。確かになかなか美味しい。ところで、このパイナップルクッキー、「クッキー」と言っても正確にはショートブレッドのようだ。なるほど、それだったら日持ちもする。ショートブレッドはスコットランドの伝統的なお菓子。卵やミルクは使わずに砂糖、バター、小麦粉だけで焼いたもの。

Photo_3 う言えば妻は大のショートブレッド好き。イギリスに行った際、ショーウィンドウに並ぶ「ウォーカーズ」の赤い箱の山に目を輝かせていた。日本に輸入品として入って来ると必然的に価格は高くなり、アイテムも限られる。妻がウォーカーズの中でも最も好きなのがチョコレート・ショートブレッド。ショートブレッドをチョコレートでディップしたもの。確かにチョコレートチップが入ってるものは日本でも見かけるが、ディップタイプの全身チョコレート・ショートブレッドはほとんど見かけない。何年か前、成城石井本店で発見した際の妻の喜び方は半端なものではなかった。もちろん大量に、買い占めるように購入したことは言うまでもない。

Photo_4 こまで書いて気が付いた。妻が残業食としてよく食べている「カロリーメイト」もショートブレッドかもしれない。あのバー状の、穴がぽつぽつと空いている見てくれはショートブレッドそのもの。調べてみると、確かに製造元の大塚製薬のサイトでも「ヒントとなったのはイギリス・スコットランド地方のお菓子、ショートブレッド」と明記している。なるほど。妻のショートブレッド好きは一貫しているという訳だ。私もかつては登山の際の非常食用に購入したり、元気に深夜まで残業していた頃には良く食べてはいたが、妻ほどには積極的に好きというものではない。あなたはほんとにショートブレッドが好きなんだねぇ。

Photo_5 めてそう尋ねると「水分含有量が少ないものが好きなんだ♪」との答え。そうか、彼女が好きなものは他にも「カンパン」がある。(すっごく珍しいやつ)どちらも水分含有量が少なく、普通は飲み物と一緒でなければ食べ難い。なのに妻は「私は平気だもんねぇ」とカリカリと噛み砕く。ん?確か妻は防災グッズの中にカロリーメイトを入れていた。日持ちもするし、栄養バランスも良いから、なるほどと思ってはいたが、水分がなければカロリーメイトが食べられない私にとっては辛い。「だいじょ〜ぶ!いざとなったら水なんかなくっても食べられるさ!」とは言え、震災時に助かる可能性が高いのは・・・。

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2009年6月13日 (土)

ニュージーランド & スカッシュ再び「アオテア・ランギ」

Photo_2型インフルエンンザが南半球にも拡大し、ついにパンデミック(世界的大流行)が宣言された。世界保健機構(WHO)では警戒度を最高のフェーズ6に上げて注意を促した。昨年、スカッシュの世界大会(ワールド・マスターズ)に参加するために訪れた愛すべき国、ニュージーランドのことが心配だ。ということで、スカッシュをするためにニュージーランドを再び訪れた。場所は渋谷区恵比寿。どこがNZだ?疑問を持たれるのはごもっとも。正確な日本語を使って説明しよう。ニュージーランドへの旅で一緒だった仲間たちのホームコート「コナミ スポーツクラブ恵比寿」でスカッシュをした後、ニュージーランド料理の店「アオテア・ランギ」で食事をしようという企画だ。

Photo_3 2008年10月、かなり遅めの夏休みを無理やりとって出かけた羊の国。美味しく、美しく、実に良い国だった。良い旅だった。日本に帰ったらツアーに参加したメンバーで集まろう!と盛り上がった。ところが参加者の半分以上はスカッシュのインストラクター。平日も遅くまで仕事をしており、休日もばらばら。なかなかスケジュールが合わず、結局企画は中止。それから半年以上も経ったある日、企画(一部)復活のきっかけができた。仕事でご一緒のノルウェー系企業の社長(ノルウェー人)から再びスカッシュのお誘いがあった。彼のホームコートは恵比寿。ツアーで一緒だったメンバーとインストラクターが在籍しているクラブだ。さっそく連絡をして、メンバーの女性とコートで合流することになった。

Photo_5

久しぶりです〜♪」「元気だった?」そんなことばとは裏腹に、久しぶりという感じでもなく互いに挨拶を交わす。成田空港は別にして、日本で会うのは初めて。なのに不思議と違和感がない。1週間以上もツアーで濃厚接触していたためか、スカッシュ・シンドロームという同じ病に冒されているためか。でもNZでは試合三昧の日々。一緒にスカッシュをやってもいないことに気付く。それも不思議。ノルウェー人社長も合流し、お気楽夫婦と4人で交互にコートに入る。ふだん一緒にプレーしない相手とのラリーは新鮮。ニュージランド人社長も嬉しそうだ。「IGAさん、今日はとても楽しかったです。将来もやりましょう!」はいはい。そんな長期的に語らなくてもダイジョ〜ブですよ。また一緒にやりましょう。

Photo_6 カッシュの後は、ニュージランドへ。「アオテア・ランギ」の名物「グリーン・マッスル」に舌鼓。ポットに入ったグリーン・マッスル(ムール貝)を3種類のソースで食べ分ける。マオリハーブの大蒜バターソース、トマトソース、ゴルゴンゾーラ・クリームソース。えぇいっ!と3種類ともオーダー。かりかりのバゲットに良く合う。「どれも美味しいですねぇ♪ニュージランドではグリーンマッスルは食べられませんでしたね」「どの店でも料理が一気に全部出てくるのには驚いたよね」半年前の記憶とスカッシュという共通の話題を肴にニュージランドワインを飲む。旨い酒だ。良い夜だ。よし、もう1軒行こうか♪

近所の友人の同級生の店「ティオ・ダンジョウ」を横目に見ながら、前々職の会社の大先輩が経営するバー「OU」へ。それにしても良い街だよね、恵比寿は。「なんだか妙に恵比寿好きだよね。私以外の女性を大勢連れて来てるもんね」ふふふ、恵比寿には秘密があるのさ。「あ、そう」妻は軽くスルー。「またスカッシュしに来てくださいねぇ♪」あ、気を遣わせてすまんすまん。またぜひお邪魔します。

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2009年6月 7日 (日)

親娘の酒「山ほたる」「せつなとのきずな」高田酒造場

Photo気楽夫婦が通うスポーツクラブの近くに東京農業大学がある。箱根駅伝の常連校で、応援団の“ダイコン踊り”で有名だけれど、もちろんそれだけの大学ではない。地元の自治体や商店街と連携して生ゴミを有機肥料として活用する活動を行っていたり、応用生物化学部などというバイオサイエンスを学べる学部があったりする。そしてその学部の中に、全国でも唯一「醸造」という名前を冠する学科がある。その名も醸造科学科。早い話が“酒”の醸造を学ぶところだ。(もちろん、味噌や醤油、酢なども研究対象)これは凄い。大学で酒造りを学ぶのはどんな学生たちなんだろう。そんな学生の1人とスカッシュコートで知り合った。熊本出身、実家は造り酒屋。九州熊本だけに日本酒ではなく、造っているのは球磨焼酎。

週ニコタマの髙島屋でまた販売やってまぁす。良かったら来てくださぁい♪」大学4年生とは言え小柄で童顔の可愛い女の子。コートの外から彼女のプレーする姿を観ていると中学生ぐらいにしか見えない。けれど、いったん仕事の話になると、父親譲り(らしい)の情熱がことばの端から湧き出て来る。「担当の方に気に入っていただいて、最近は私だけで売場任されてるんです」父親の仕事を手伝い、年に何度か玉川髙島屋の酒売場でスペースをもらって販促している内に、すっかり“東京営業本部長”のような立場になったという。うん、分かった。ちょうど髙島屋に行く予定があるし、日曜日に売場に行ってみるよ。1ダースぐらい買えば良いの?「えぇ!そんなにたくさん?お願いします♪」・・・女の子には甘い私。

Photo_2川髙島屋の地下、酒売場は食品売場の面積の割には広いスペース。その日も九州の地酒(焼酎、泡盛中心)の試飲即売会以外にもワインの試飲即売を展開中。高田さん、来たよぉ♪「ありがとうございます。さっそくいろいろ飲んでみてください」まずは高田酒造場自慢の野生の花から酵母菌を採取して造ったという花酵母シリーズから。うん、旨い。フルーティで上品な米焼酎だ。続いて「山ほたる」という少量限定の酒。自家栽培の山田錦と岩清水を使った吟醸造りの酒。口に含むとふわっとした吟醸香。えっ?焼酎でしょ?日本酒だっけ?という味だ。繊細で優しい味わい。これは美味しいねぇ。まずはこれ買いだね。「ありがとうございます。次はこれを飲んでみてください。ちょっと面白い酒です」

Photo_3 渡された琥珀色の酒をひと口。えっ!なんだこりゃ!ウィスキー?オークの香りだ。「そうなんです。オーク樽とかシェリー樽で貯蔵した酒をブレンドしたものなんです」美味しぃ〜ぞぉ!これは♪「ありがとうございます。担当の方に気に入っていただいて、髙島屋のオリジナルでブレンドしたものなんです」瓶も焼酎らしからぬ、と言うよりウィスキーを意識した瓶と蝋で閉じたキャップ。酒のネーミングといいパッケージといい、お父さんはきっと酒が大好きなんだろうね。「はい。そうなんです。懲り過ぎてしまうところもあるんですけど」なるほど。娘が醸造を学ぶなどと宣言した時には、きっと独りで祝いの酒を飲んだんだろうなぁ。おしっ、これも買った。「ありがとうございます」

うして2本の球磨の美酒がわが家にやって来た。これで愛飲する酒が増えた。「山ほたる」は日本酒代わりに。「せつなとのきずな」はウィスキーのように。どちらも笑みが零れる味だ。「だからって、飲み過ぎでしょ。家で独りで飲んで二日酔いって言うのはちょっとどうかな」と妻。それだけ美味しい酒で、幸せな生活ってことでしょ。「酔っ払いの自己弁護にしか聞こえないけど・・・」うぅむ。

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2009年6月 6日 (土)

ヴァチカンの記憶(ネタばれ注意)「天使と悪魔」

Photo_2 20世紀が終わろうとしていた。2000年12月31日、お気楽夫婦はローマにいた。そして、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロⅡ世の法話を聴いていた。そう、2人は経験なカトリック・・・ではない。年末からパリ、ニースと旅した最終目的地がローマ。21世紀の始まりを迎えるに相応しい場所はどこだろうかと考え、ヴァチカンを選んだのだ。ところが、前日から体調不良で寝込んでしまった私。食欲はなく、きちんとした食事は取れない。ホテルのベッドに入ったまま妻が買ってくるフルーツを食べる。それだけが唯一の栄養源。20世紀最後の日をうとうととベッドで過ごし、21世紀のはじまりをベッドの上で迎えた。ヴァチカンに行くことも叶わなかった。妻はベッドの隣で本を読み、読み終えるとテレビを視ていた・・・らしい。そこでずっと流れていた放送が教皇の姿と、サン・ピエトロ広場に集まった群衆の映像だった・・・らしい。(なにしろ私はずっと夢の中だった)

Photo_3 2009年6月。10年近く経って、ようやくそのヴァチカンにきちんと対面することができた。ひとつはダン・ブラウンの小説『天使と悪魔』というミステリで。そしてもうひとつはトム・ハンクス演じるハーヴァード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授が活躍する映画『天使と悪魔』の映像で。ところで、映画では『ダ・ヴィンチ・コード』の続編と喧伝されいるけれど、続編では決してない。『天使と悪魔』がシリーズ第1作。主人公は同じでも物語に連続性はない。『ダ・ヴィンチ・コード』がレオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された謎を追うストーリーであったのに対し、『天使と悪魔』はカトリック教会の総本山、ヴァチカンの歴史と秘密を紐解く物語。ガリレオ・ガリレイとヴァチカン、そして現代まで続く科学と宗教の対立がキーワード。わずか1日の内に起きたできごととは思えないほど、濃密でスピード感溢れる展開。一気に読んでしまう面白さ。

Photo_4 して映画と小説ではかなり内容が違う。映画のエンディングロールでも、Based upon 「Angels & Deamons」 DAN BROWN と記されていた。小説での主要登場人物の1人は映画では全く登場しないし、セルン研究所でのヴィットリアの専門分野も違うし、ある重要な登場人物との関係も違う。ラングドンもラストのあるシーンに絡まない。そして何よりも暗号の解き方が小説と映画ではかなり違う。さらには映画では時間の関係で暗号の解読が速い。おいっ!速すぎないか!と突っ込みを入れたくなる。小説は文庫本で上中下3巻からなる長編だし、映画は154分の長尺とは言え詳細まで忠実に再現できない。だから映画は楽しめないかというと、そんなことは全くない。小説とは違う楽しみ方がある。

Photo_5 画『ダ・ヴィンチ・コード』がパリとロンドンの観光名所をカメラで辿ったように、『天使と悪魔』はローマとヴァチカンを巡る。体調のせいで観て回れなかったローマの名所旧跡を、ヴァチカンのサン・ピエトロ広場を、システィナ礼拝堂を観ることができた。それどころか、実際にヴァチカンを訪ねても観られなかった裏の顔をたっぷり観させてもらった。「そうかぁ、こんなとこだったんだぁ」映画を観終わった妻がナチュラルな嫌みをちょっと含んだ発言。えぇ、すいません。私のせいです。本来の体調だったら、あぁっ!ほらほら、あそこだぁ、行ったよね!という感想なのだろう。(妻はそんな大げさなリアクションは取らないけれど)でも、モノは考えようだ。次にイタリアを訪れた際に、きっと新鮮に語り合うのだ。あぁ、ここだ。小説では死んでしまった4人目の教皇候補者が映画ではラングドンに助けられた噴水は・・・などと。(いくつかネタばれ失礼♪)

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2009年5月31日 (日)

自由が丘ランチ、青山ごはん「パリセヴェイユ」「大かまど飯 寅福」

Photo 気楽転職をしてはや1年弱。青山にある小さなオフィスに通い、自由が丘にあるクライアントを訪ねる日々が続いている。どちらの街でもランチの店を探すには事欠かない。というよりは、訪ねたい店が多過ぎて(自分の中で)順番待ち。行きたい店リストを(頭の中で)作成し、その日の気分で食事をする店を決めている。独りで行動することが多くなったこともおひとり様ランチの頻度を上げている要因。これが実にお気楽。現在密かにリニューアルを進めているホームページのコンテンツにも、青山&自由が丘ランチ情報を掲載できないだろうかと企んでいる。ちなみに、リニューアルは6月末の予定。今までの書き貯めるブログだけではなく、店やホテルのデータを加え、検索しやすいようにコンテンツを揃え始めている。お楽しみに。ということで、今日はその予告編。

Photo_2んなある日の自由が丘。天気も良く、爽やかな昼下がり。ちょっと遅めの時間なら、昼時は混雑する人気店が狙い目。リストの中から選んだのは「Patisserie Paris Seveille(パティスリー パリ セヴェイユ)」。スイーツの街でも特に人気のこの店はカフェが併設され、選んだパンを席に座って食べることができる。それも単にお皿に乗せてくれるだけではなく、温めて食べやすい大きさにカットしてくれる。その日選んだパンは、表面にかけたチーズが溶け出すところをカリカリと焼いた「リュスティック フロマージュ」と「パン オ レザン」。温め直したことでチーズが香ばしく美味しくなる。焼きたてとまではいかないけれど、新鮮な食べ方。おススメ。しかし、パンはそれぞれ200円とお手頃ながら、アイスティは630円とC/Pは決して良くない。お洒落で清潔感溢れる店内。カップルで、女性同士で長居するにはぴったりの店。

Photo_3Photo_4 たある日、和食が食べたい!と思い立ち、向かったのは「食菜酒彩 てつたろう」。駅から少し離れた場所にあるこの店。木の扉を開けると大きく長いテーブル。調理場との間にはなぜか巨大な水槽に小さな熱帯魚が泳ぐ。奥にはやはり大きなテーブルのあるお座敷。間口が狭く奥行きが深い京都の町家風の佇まい。落とし気味の照明と相まってまったりと落ち着く空間。お昼前でも自由が丘マダムが連れ立ってやって来る人気の店。多くの飲食店のランチは夜の来店を誘うためのアピール。とすると、この店のメニューは正解。あ、夜も来てみたいと思わせるラインナップが揃っている。

Photo_5 Photo_6 たまたある日の夜、ランチの下見に飲みに出かけた店があった。ふつ〜の順番とは逆。その名も「大かまど飯 寅福」青山本店。店に入るとすぐに大きな石窯。その上に三升炊きの釜が2つ並ぶ。普段のお気楽夫婦は夕食のほとんどは酒の肴のみ。炭水化物なし。しかし、この店で炊きたてご飯を食べない訳にはいかない。まぁ、そのために来たことでもあるし。オーダーしたのはピリ辛こんにゃく、豚のせいろ蒸し、キャベツの浅漬け、蓮根海老真丈、サバの文化干し、そして“大かまどごはん”。ふっくらと炊きあがったごはんとサバ、浅漬けの組合せはグッチョイス!ぴかぴかのご飯が実に美味しい。これはランチにも通わねば。

んだか楽しそうだね」ようやく仕事で忙殺される季節が去り、落ち着いて来た妻。「自由が丘でも青山でも、美味しいもの食べに行くよ♪」よしっ!望むところだ。消費は経済活性化の基本。財政の安定化よりもバラマキ型の消費だ・・・って、どこかの国の政策のようで、やや不安なお気楽夫婦に明日はあるのか?

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2009年5月30日 (土)

料理はレジャー♪「サイボクハム」でハム料理づくし

Photo Photo_2る日、お気楽夫婦の元に大きな箱が届いた。送り主はスカッシュ仲間で酔っ払い仲間。昨春に結婚した新婚奥さまで、今春に出産した新米マザー。出産のお祝いに贈ったスワロフスキーの小さな置物のお返しだ。新婚夫婦に誕生したベビーは4,000g弱。でかい。出産した病院の今期最高記録らしい。そのご夫婦から送られてきたのは、地元埼玉産「サイボクハム」の詰め合わせ。保存料や着色料を使っていないというスモークベーコン、ソーセージがたっぷり。これまた重い。ん?ところで、保存料を使っていないということは賞味期限が短いということか。パンフレットを読むとソーセージ類は10日、ベーコンは14日間。これはたいへん。せっかくの美味しそうな頂き物。食べ切るための綿密な食事計画を立てないと!

Photo_3 ムの詰め合わせをいただいたのが日曜日。その日の夕方はソーセージをシンプルにボイル。粒マスタードをたっぷり付けて薄い皮にかぶりつく。皮がぱきっと破れて口の中にジューシーな肉汁が広がる。うん、旨い。豚肉の甘さがビールに良く合う。かなりの数を2人で食べたにも関わらず食べきれない。翌週はソーセージのポトフ。春キャベツと一緒に柔らかく煮込む。これも絶品。バゲットと良く合う。普段は料理などしないお気楽夫婦。料理もレジャー。美味しく楽しい。こうして2週に渡るソーセージ強化週間も終了。さて、来週はショルダーベーコン週間だ。どんな料理にしようか。こんな時には作ったことのない料理でも大丈夫。イマジネーションが広がる。外食で鍛えた料理勘が冴える。

Photo_4Photo_5ずは一品目。 やや薄目に切ったベーコンをカリカリ一歩手前まで焼く。そしてマフィンをトースト。これはカリカリに。マフィンの上に粒マスタードベースのソースを塗り、ベーコンを乗せ、その上にトマトとクレソン。目にも美味しそうな「ベーコントマトマフィン」の完成だ。週末のランチにぴったりのお手軽料理ができた。「へぇ〜、美味しいね♪」うん、これは確かにかなり美味しいぞ。「明日のランチもこれで良いよ」オッケー!・・・そう、料理を作ったり盛りつけたりするのは私の役目。妻は「マフィンはフォークでざくざく割った方が美味しいんだよ」などと料理の基本的な知識を活かし私にアドバイス。そして料理には手を出さず美味しく食べるだけ。

Photo_6 していよいよ最終日。最後の一品は残ったベーコンを総動員し、またまたポトフ。大きな角切りにしたベーコンを野菜と一緒に煮込む。ほっこりとしたジャガイモやニンジン、トマトがベーコンのダシと塩分だけで良い味に仕上がった。「う〜っ、これも美味しい♪」脂がしつこくなく、むしろあっさりした肉の仕上がりはベーコンというよりはハム。ふぅ〜っ、美味しかった。最後まで美味しく食べ切った。こうして3週に渡り、週末の夕食3回、ランチ2回の計5食もウチメシだったのはお気楽夫婦にとって記録的なこと。たまにはこんなこともある。「楽しかったねぇ。なんだか料理を作るのって、すっかりレジャーのようなイベントだよね」確かに“お題”さえあれば対応は可能。やるときゃやるぜ、お気楽夫婦。これで料理でございますと言うにはお恥ずかしい次第ではあるけれど。「良いの、良〜の。誰に言う訳じゃないんだから」と妻。・・・しっかりブログに書いてますけど。

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2009年5月24日 (日)

ふつ〜に食す贅沢「鼎泰豊(ディンタイフォン)」「グラマシーニューヨーク」

Photo1996年、新宿髙島屋開店。そこに世界的に有名なレストランが海外初出店。同じ年、お気楽夫婦が台北を訪れた頃、その店はまだ知る人ぞ知るという名店だった。それでも、台北の本店には連日世界中から集まる人々で満席が続いていた。もちろん新宿髙島屋店も連日長蛇の列。お気楽夫婦は何度かチャレンジしたが、その待ち時間の長さに食べるのを諦めた。小籠包で有名なその店の名前は鼎泰豊(ディンタイフォン)。台北に行かなければ味わえない逸品が日本にいながらに味わえる。圧倒的に人気の店だった。何度目かの訪問で、長い待ち時間に耐えようやく食べた小籠包。レンゲに小ぶりの小籠包を乗せ、端をちょっと齧り熱々のスープをちゅっと吸う。あとは一気にぱくり。ふぅむ。待った時間が期待を増幅させ、空腹が食欲を刺激したせいもあり、確かに美味しかった。

Photo_2 の後、横浜髙島屋、JR名古屋髙島屋、熊本鶴屋百貨店、カレッタ汐留などに続々と店舗ができた。今や全国で10店舗。出店したお店の大半が髙島屋の中にあることでお気付きの方もあろうけれど、実は髙島屋100%出資のRTコーポレーションという日本法人が店舗を運営。ちなみに香港スィーツの名店「糖朝」の日本での展開を行っているのもこの会社。(青山の1号店がオープンした直後は連日大盛況で強気の接客をしていた)つまり、海外ブランドのライセンスを獲得して日本で多店舗展開するというビジネスモデル。オリジナルのレシピは伝わっても、オリジナルの味が多店舗展開によって維持できるとは限らない。

Photo_3 る週末、スカッシュのレッスンの帰りにお気楽夫婦は玉川髙島屋に立ち寄った。1時間のハードなレッスンで大量の汗を流した2人は一刻も我慢できない空腹を抱えていた。ということで、買物に来たはずなのにまっすぐレストランフロアに向かう。夕食の時間にはまだ早く、どの店も空いている。どこでも選び放題。「久しぶりに鼎泰豊なんかどう?」と妻。うん、良いねぇ。ビールにぴったり。他の店に比べると混んではいるものの、待つことなく席に付くことが出来た。ピータン、小籠包、エビシューマイなどをオーダー。小籠包もあちこちの店で食べ慣れたせいか、初めての感動もなく、ふつーに美味しい。

Photo_4先できちんと皮に餡を包んでるところを見せてるし、冷凍じゃないだけ立派なものだよね」誉めているのかどうか微妙な発言の妻。しかし、この店は全国に小籠包という料理を広めたという功績がある。日本各地の中華料理店で当たり前のメニューになったし、新宿店の成功後、「南翔饅頭店」「京鼎樓(ジンディンロウ」など上海や台北の小籠包の名店が日本に進出した。(経営はやはりSoho'sなどの日本法人)「でも私たちって、チェーン店化すると行かなくなるんだよねぇ、これが」妻の言う通り、人気が出て、店が増え、いつの間にかチェーン店のようになり、そこに行かなければ味わえない料理ではなくなると、途端に足が遠のく2人。KIWAグループなどがその典型。

Photo_5もフツーに美味しかったね♪」有り難みは薄れたけれど、確かに一定水準はキープ。並ぶ程ではないけれど、たまに食べたくなる味。「あっ!グラマシー空いてるよ。スイーツでも買って帰る?」買物を終え、預けた荷物を受け取りに行く途中。閉店時間が近いこともありグラマシー・ニューヨークに並んでいる客はほとんどなし。チャンスとばかりクレープシュゼットとフルーツゼリーをお買い上げ。いつもは大混雑の人気店が並ばずに買える小福。自宅に戻り(かなり時間は開いたけれど)食後のデザート。「ふぅ〜ん、やっぱり美味しいんだねぇ」さすがに行列の店。C/Pは決して良くはないけれど、やはり水準以上の味だ。

ばないんだったら食べても良いや、って感じかなぁ」不遜なことばを吐く妻。ふつ〜に食す美味。考えたら贅沢極まりないのかもしれない。「でも、広げ過ぎて失敗するとブランドのダメージ大きいよね」確かに海外(に限らないけれど)ブランド展開の失敗例は多い。イブ・サン・ローランや、ピエール・カルダンなどは日用雑貨までそのロゴが付きまくり、高級感は全くない。ブランドイメージをキープしつつ、適正な価格で多くの人に買ってもらう・・・。確かに難しい戦略が要求される。「でも、スタバとかまだ大丈夫だよ」なるほど。鼎泰豊がスターバックスのように多店舗展開するかどうかは別として、成功事例はある。頑張れ!鼎泰豊!

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2009年5月23日 (土)

冷めてオイシイ「崎陽軒のシウマイ弁当」

Photo 、お気楽妻が忙しくなる季節がやってきた。基本的には外食がお気楽夫婦の夕食スタイル。けれどこの季節はカロリーメイトなどで夕食を済ますことが多くなる妻。となるとオヤジ1人で食事をしなければならない事態になる。最近「男の独りメシ」など、定食屋、洋食屋などのガイド本も多く出されてはいる。独りで食事をすることのできる顔馴染みの店も何軒かはある。店のマスターと会話をしながら温かい食事をすることもできる。しかし、抗い難い誘惑に負け、どうしても買ってしまい、冷たいままで、会話もなく、家で独り食べてしまう弁当がある。創業から100年。横浜名物 崎陽軒「シウマイ弁当」が、それだ。

Photo_3 谷東横のれん街。食品売場の賑わいを外れた、東急百貨店の社員通用口の隣にその売場はある。多くの人が行き交うハチ公口と宮益口を結ぶ通路と並行して、ひっそりとした通路がある。台車を押す東急の従業員の他は、人通りが極端に少なく歩きやすい穴場ルートだ。そこは私の通勤コース。日々その店の前を通りながら誘惑と戦っている。シウマイ弁当の誘惑。ここで買ってしまったら歯止めがかからない。たまに食べるからこその味。我慢、我慢。そんな葛藤の日々。そして、春。誘惑の箱を開ける日がやって来た。「今日も遅いです。食べていてください」妻からのメール。まだ店が開いている時間に帰れそうだ。決行の日は今日だ♪いそいそと売場に向かいシウマイ弁当をお買い上げ。思わず頬が緩む。

Photo_4 っそく家に戻り、シウマイ弁当の夕食。ワクワクしながらしっとり湿った包装紙を開く。経木にこびりついたごはん粒を丁寧にこそぎ、本格的に食べ始める前の助走を始める。そしてカラシと醤油をシウマイの上に回しかける。ふふふ。いよいよだ。ところで、自分の文章を訂正しなければならない。「冷たいままで」などとネガティブな書き方をしてしまったけれど、シウマイ弁当は間違っても温めてはいけない。冷たいままが美味しいのだ。冷めたごはん、冷めたシウマイが美味しいのだ。(ちなみに、シューマイではなく、シウマイ。これも間違えてはいけない)最初に俵型のごはんを崩し、ひと口。うん、良い炊き具合。固さも良い感じ。そしてついにシウマイだ。決して見た目は豪華ではない。小さく貧弱と言っても良い。しかし、ひと口食べると、あぁ〜!これだ。ホタテの香りとひき肉の甘さが口に広がる。旨い。ごはんに戻る。うん、美味しい。たまらん。絶妙なバランス。

Photo_5 して忘れていけないのは名脇役たちの存在だ。甘辛く煮込んだタケノコ。シャキカシと実に旨い。その量の多さも嬉しい。あ、こりゃビールだ。そしてきっちりとした味付けのマグロの照り焼き。小さくほぐして口に運ぶ。ふふっ、旨い。ごはん、ごはん。そして切り昆布で箸休め。一緒に付いてきたお隣のショウガの細切りと混じってしまうのが、また旨い。幸せだぁ。さらには、卵焼き、かまぼこ、鶏のから揚げも相変わらず良いバランスだ。シウマイ、ごはん、タケノコ、その他の脇役たちの順番に悩みながら食べ進む。あぁ〜残りが少なくなってしまった。淋しい。デザートとして取ってあったアンズを食べる。ほの甘さが口に弁当のお終いを告げる。そして、経木の弁当箱の隅に残るゴハンツブを丁寧に取り、食べる。最後の一粒を食べ終え、箸を置く。美味しく食べた満足感と、食べ終わってしまった淋しさが一緒にやって来る。ふぅ。

Photo_6だいまぁ!今日は独りで何食べたのぉ?」深夜、お気楽妻が帰って来る。へへ。シウマイ弁当♪「ふぅ〜ん」興味なさそうに答える妻。駅弁はかなり好きなのに。「シューマイを冷たいまま食べるっていうのが、どうもね」今度ぜひ食べてみなさいよ。冷たいままが美味しいんだよ。で、ちなみにシウマイだけどね。「うぅ〜ん、私は食べなくても良いや」うぅ〜ん、残念。食の嗜好はほぼ同じだけれど、たまにはこんなズレもあるお気楽夫婦。崎陽軒のアイドル、シウマイの醤油入れのひょうちゃんも淋しそう。「崎陽軒だったら嘉宮に行った方が良いかな」まぁ、それはそれで美味しいけれどね。よしっ分かった!シウマイ弁当は、男の独りメシのアイテムとして大事にしていこう!明日からまたあの誘惑と戦おう!「なんか、力入ってるけど、いつでも食べたい時に食べたら?」・・・ま、そだね。

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2009年5月17日 (日)

夜のお菓子、真夜中のお菓子、朝の・・・「うなぎパイ」

Photo本各地に定番お菓子のお土産がある。帯広だったら「マルセイバターサンド」、仙台に行けば「萩の月」、長野「栗鹿の子」、名古屋「青柳ういろう」、松山「一六タルト」、福岡「博多通りもん」、そして浜松土産の定番と言えば、誰もが「うなぎパイ」を挙げるだろう。妻の両親が住む浜松から東京へ戻る際、浜松の新幹線改札口を通る人の約65%の人(数字はあくまで感覚)が製造元の春華堂の紙袋を抱えている。販売開始は昭和36年だという。けれど、ここまで一般的な土産になったのは昭和の終わり頃からだろうか。有名なキャッチフレーズ「夜のお菓子」が独り歩きし、精力増強の都市伝説が生まれ、土産をやり取りする際に艶笑ネタの会話が交わされることになった。それからさらにパワーアップ。健康ブームに乗り、うなぎに含まれるビタミンAの効力もあり、今や健全なイメージの堂々たる定番だ。

Vsopころで、うなぎパイには他にも姉妹商品がある。例えば「真夜中のお菓子」というキャッチフレーズの「うなぎパイV.S.O.P.」だ。これが私のお気に入り。形状はうなぎパイとほぼ一緒。そこに名前の由来となるブランデーとマカアダミアナッツが加わる。すると、ブランデーの香りとナッツの香ばしさが相まって、実に良い“おつまみ”になるのだ。高級感溢れる包装も真夜中のお菓子と呼ぶに相応しい風格さえ漂う。隠し味にガーリックが入ったうなぎパイはビールにも合うけれど、V.S.O.P.は焼酎にもぴったり。甘いものでもおつまみにOKという方にはお薦め。

Photo_3つまみと言えば、昼のお菓子「しらすパイ」も捨てがたい。この4月に発売の新商品。お砂糖をまぶした甘口と、ワサビが利いた辛口。そしてどちらも確かにシラスの味がする。おつまみにするには断然ブルーのパッケージの辛口。以前は「エビ汐(しお)パイ」というお菓子が「昼のお菓子」を冠するという商品ラインナップだったものが、2008年3月に全国的なバター不足(あぁ、そんなこともありましたね)で販売中止。エビ汐パイに代わって登場したのがシラスパイという訳だ。エビ汐パイも甘口と辛口があったことから、後継としては実に真っ当。

Photo_4Photo_5 ナギにしても、シラスにしても、浜名湖や遠州灘で獲れる浜松の名物。他にも天然とらふぐ、ひらめ、ドウマン(かに)などが有名。そして、商売上手の春華堂が目に付けた食材はすっぽん。うなぎに代わり浜松近辺で養殖されている高級食材を使ったクッキー。名付けて「朝のお菓子 すっぽんの郷」。疲れの取れない朝に、ということらしい。やっぱりちょっと艶笑系。ちなみに、このお菓子は詰め合わせでしか買えない。その詰め合わせの名前は「お菓子のフルタイム」。朝のお菓子「すっぽんの郷」、昼のお菓子「しらすパイ」、夜のお菓子「うなぎパイ」、そして真夜中のお菓子「うなぎパイV.S.O.P.」が一箱に。うぅ〜ん、やるなぁ春華堂。

っぱりスタンダードなうなぎパイが一番だね。あと、本店に行くと割れたうなぎパイのお得なセットがあるのさ♪」と妻。そうなのだ。このうなぎパイ、観光客の定番土産であるばかりではなく、地元の(あるいは浜松出身の)人々に愛されるお菓子になっているのが強み。だからこそ、故郷のお土産として手にするのは春華堂の紙袋、という風景になる。浜松の定番土産「うなぎパイ」侮れません。

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2009年5月16日 (土)

あ、私は内視鏡のダブルで!「恐るべき人間ドック」

Photoえば、歯科治療で長い時間口を開けているのが辛い。歯冠の型を取るために、ゼリー状のブツを乗せたトレイをくわえただけでもうダメ。オエッとエヅイてしまう。咽頭神経過敏症。だから、経口(口から入れる)内視鏡での消化器検査などというのは自殺行為に等しい。想像もしたくない。「ぜんぜん平気だったよ♪」数年前に経口内視鏡検査を経験した妻はこともなげに言う。私には無理。涼しい顔をして検査を受ける妻とは違う。ところが、そんな私に朗報が届いた。検査の負担を軽くするための経鼻(鼻から入れる)内視鏡という技術が発達し、導入する病院が増えているというのだ。さっそく調査開始。ふむふむ。健保組合指定の検査センターにもいくつか実施している病院がある。せっかくだから、その中でも最新の設備であろうと当たりを付け、東京ミッドタウン・メディカルセンターの人間ドックを予約。

付に向かうエントランスもゴージャス。高級感溢れる内装。このセンターは「プレミアム人間ドック」と称して同じ建物の中にあるリッツ・カールトン東京に宿泊して検査をするコースもある。お値段は1泊2日のスタンダードコースで357,000円。2泊3日のバイオフィジカル250ダイヤモンドコースはなんと2,205,000円!すごい!もちろん私はプレミアム(・・・ではない)一般コースで受診。豪華なロッカールームで検査用のパジャマ風ウェアに着替える。センターの待合室には環状にソファが並び、周囲に診察ルームがある合理的なレイアウト。血圧、眼圧、血液検査と一般的な検診が続く。プライバシーを配慮するため受付番号で呼ばれ、それぞれの診察室に入る。自分の番号が呼ばれる度にどきどき。そして、いよいよ上部消化器内視鏡検査!

視鏡検査は初めてですか」はい。胃は初めてです。どきどきです。「経口に比べたらずいぶん楽になったと思いますよ」ちょっと安心。「まず鼻に麻酔をします。つんとします」事前処置が始まり、ベッドに横になる。「リラックスしてくださいね。では始めます」いよいよだ。ん、モニターを視る余裕もある。「喉を通るときにちょっと苦しいです。でも唾を飲み込まないでください」え!それは無理だろぉ!既に唾が溜まる。「飲まずに口から出してティッシュで拭いてください」うはぁ、厳しい。「はい、一番大変なところは過ぎました。食道からじっくり診て行きます」おぉ、美しいピンク色。「胃の入口です」うん、きれいだ。「あぁ、ここ小さな腫瘍がありますね。でも良性です、大丈夫です」え!本当に?保証してくれるんですか!(そんな声は出ない)「はい、戻っていきます」うぐぐ。苦しい。冷や汗だらだら。唾はたっぷり出まくり。もうダメだぁ。「はい、終了です。ずいぶん上手に受けていただきましたよ」あ、そうですか♪涎を拭きながらでも、誉められるとちょっと嬉しい。全検査終了。とても感じの良い検診センターだ。また来年もここに来ようか。

Photo_2 ころが私にはもうひとつ乗り越えるべき難関があった。大腸の内視鏡検査。10年ほど前に2度に渡り7つものポリープを摘出した経験を持つ私。4、5年毎に大腸の検査を別メニューで行うことを自らに義務づけている。入院、通院、検査とすっかりお馴染みの病院の個室に籠る。大腸の内視鏡検査は事前処置の方がたいへん。2ℓ以上はあろうかと思える下剤を2〜3時間で飲み、腸内を洗浄する。出し切れない場合は最終手段であるお仕置きとも言える「浣腸」が待っているため、必死で飲む。飲む。・・・もう飲めない。「いかがですかぁ。濁らなくなりましたかぁ」インタホンから看護婦さんの明るい声。救われる。はぁい。「では診に行きますので流さないでください」ちょっと照れる。「大丈夫ですね」合格。いよいよ検診だ。ベッドに横たわり、自らを鞭打ち、さぁどうにでもしてくれ!という気持にする。そのとき顔なじみの婦長さんが処置をする看護婦さんに耳打ち。注射を打たれる・・・・・・・。

い、終わりましたよぉ。問題ないです」え!寝てましたか。そうかぁ。前回の検査で苦しんだ私を覚えていたらしく、婦長さんが(強めの?)麻酔を施すよう指示したようだ。もう夕方。あっという間の検査。モニターも視られなかった。「病室に戻ってお休みください」麻酔が残っているのだろう。足下はふらふら。病室のベッドに横になる。ようやくほっとする。これでしばらくは大丈夫だ。

んな思いをしてまで定期的に検診を受けるのには理由がある。私の大腸ポリープ摘出手術の体験談を一緒に笑った同僚が、その僅か2年後に大腸癌で亡くなった。まだ若く、才能溢れる女性だった。辛かった。とても辛かった。あんな辛い思いを周囲に残したくなかった。まして妻には。「あなたがいなくなったら・・・」妻が呟く。うん、私がいなくなったら・・・。思わず泣きそうになる。「とっとと別の男を見つけるさ♪大丈夫!」・・・え!

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2009年5月10日 (日)

店を味わう、街を味わう「弁いち」「浜松まつり」

Photo Photo_2ゴールデンウィークの人出予想ランキングが毎年発表される。2009年度の1位は弘前「さくらまつり」と博多「どんたく」の220万人、3位は善光寺で7年に1度行われる「御開帳」の200万人。そしてランキングの常連「浜松まつり」は93万人の予想で8位。浜松まつりは5月3日から5日までの3日間に渡る街を挙げたお祭り。日中は初子の祝いで凧を揚げ、町対抗の凧合戦が行われ、夜は御殿屋台を引き回し、激練りと呼ばれる独特の練りがそれに続く。祭の期間中は中心部の交通が規制され、街に法被姿の人々が溢れ、夜遅くまでラッパの音が流れる。

Photo_3 Photo_4 そんな祭の夜、「おいちょ、おいちょ」という独特のかけ声を聞きながら、お気楽夫婦と妻の両親は幸福のカウンタに座っていた。割烹「弁いち」の調理場に続く4席だけのカウンタ個室だ。街の中心部にあるこの店の前には法被姿の練りの一団がひっきりなしにやって来る。御殿屋台や練りを見物しながら店に入った4人は、祭の高揚感と美味への期待でわくわくしている・・・はずなのだが、感情を表に現すことのない娘と父親はテンションが高くは見えない。美味しいお酒への期待も1人で抱える私だけが浮き足立つようなテンションではしゃいでいる。

Photo_5 135 「いらっしゃいませ」店主の穏やかな挨拶で口福の晩餐が始まる。私だけのガージェリービールと3人のお茶で乾杯すると、前菜がタイミング良く出てくる。蛤の酢味噌和え、ホタルイカの湯引き、コゴミの胡麻和え、たらの芽の天ぷらなど。どれも絶品。たらの芽をひと口齧ると、ふわぁんと香りが鼻腔に広がる。旨いっ!「流通量が限られるんですが、ウチではなるべく天然物の山菜をを使っています」なるほど。栽培ものとの差は、この香しさ。これは日本酒だ。「はい。今日もお任せの3種でよろしいですか」はい、4種のお任せだと妻のドクターストップがかかります。「では、3種でたっぷりと」・・・嬉しいやり取り。

Photo_7 Photo_9 最初の1杯は「十四代龍の落とし子」。口にふくむとフルーティな香りと酒の旨味が幸せを呼んでくる。大切に飲もうと思いながらも、つい進んでしまう酒。前菜も同様。ちびちびと味わい、その度に旨い!を繰り返し、いつの間にかなくなってしまう。次の皿はお刺身。厚く切った春の鯛が口の中でこりこりと、その存在感が嬉しい。鮫肌でおろした生わさびがまた絶妙。これだけでもつまみになる。そんな絶品料理に合わせる2杯目は「朝日山135號」。久保田の萬寿の原酒と言われるレアな酒。旨い。もう何も言うまい。ただ旨い。あ〜旨い。ひたすら旨い。

次の一品はタケノコのオイルサーディン・ソース掛け。え?オイルサーディン?「自家製です」口に入れた瞬間に135號が欲しくなる。タケノコを齧った瞬間にまた飲みたくなる。これは罪な料理だ。罪な酒だ。最後のひと口を飲み干す。3杯目は「宗玄 大吟醸」。新酒鑑評会で金賞を受賞した強者。うはっ♪旨い。はい。参りました。その後の料理を紹介するまでもなく、ここまでで充分。読んでいただいている方にも伝わるだろう。この店は、料理と酒の組合せを絶妙に提示してくれる。酒を選ぶのに迷う必要はない。店主に任せれば良いのだ。蘊蓄を語る必要はない。店主の知識を楽しく聞けば良いのだ。

Photo_10 「ごちそうさまでした。美味しかったです♪」口数の少ない娘と両親も満足の笑みを浮かべ店を出る。店主が店先まで見送ってくれる。つくづく良い店だ。通りに出ると街にはまだ「おいちょ、おいちょ」のかけ声が残り、街のあちこちで法被姿が乾杯をしている。法被姿の親子連れが家路を急ぐ。ほんわかとするのは酔っているせいだけではなさそうだ。つくづく良い街だ。良い店も、そして良い祭も、街の大事な文化。妻が子供に還ってリラックスする街。そんな街をまた訪ねよう。「あなたも楽しそうに酔っぱらって、子供のようになるしね」・・・あ、そうですか。

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2009年5月 9日 (土)

緑のボランティア「浜名湖ガーデンパーク」「私立公園」

Photo 風香る五月。爽やかな風が頬に心地良い。こんな季節に、それもすかっと晴れた週末にはふらっと外出したくなる。世田谷の外れに住むお気楽夫婦。街には緑も多く、少し足を伸ばせば屋敷林が点在する農地もあるし、野菜の無人販売スタンドも健在だ。そんな街の一画にこの季節に賑わう場所がある。個人の名前を冠したつつじ園。その個人の庭を開放した公園が実に見事なのだ。入園はもちろん無料。なのに丁寧にツツジの品種を写真入りで紹介する看板があったり、ベンチが置いてあったり、個人の管理する庭とは思えない水準だ。

Photo_2る週末、つつじ園を目指してのんびり散歩。新しいマンションができたね、ここは店が変わったね、などと通りを観察しながら。自分たちの住む街の定期的な巡回のようなものでもある。高層マンションのすぐ裏手にそのつつじ園はある。遠目にも燃えるようなつつじの赤がまぶしい。盛りを過ぎた花も多かったけれど、まだまだ見頃。鮮やかな色彩が気分を高揚させる。視界が全て赤く染まる。心も柔らかく和んでいくのが分かる。見物客も記念写真を撮り合っている。「すいませぇん。シャッター押してもらえますか」良いですよと快く撮影を引き受ける。なぜか私はどこにいても道を聞かれたり、撮影を頼まれることが多い。「人が良さそうには見えないんだけどねぇ」と妻。ふんっ。

Photo_6 日後、妻の故郷である浜松に向かった。花好きな妻の両親と一緒に出かけたのは、数年前に開催された「花博」というイベント跡地に造られた「浜名湖ガーデンパーク」という広大な公園。入口付近に広がる芝生広場だけでも5ヘクタール。電柱も、電線も、余計な造作物も全くない芝生の緑が続く風景が心地良い。眺めているだけで開放感が溢れてくる。私は花なんか見なくて良いから、ここで寝ころんでビールでも飲んでるよ!そんな気分になる。健やかで、のんびり度満点。気分爽快。

Photo_3Photo_4は言え、案内してくれる両親の手前、公園の奥に進む。フラワーハンギングで飾られた美しい橋を渡ると見事なイングリッシュガーデンが続く。小学生のクラスや地域団体のメンバーが丹精した花壇らしい。聞けばこの公園全体が多くのボランティアによって維持運営されているらしい。素晴らしい。花壇の見事さもさることながら、文字通りの「公」園だけではなく、「民」が参加し育てて行く公園。税金で「箱」を作って、運営は「天下り」の団体が高いコストをかけてやります!などという施設とは大違い。それを知れば花のひとつひとつを大事にしようと思う気持も増すというものだ。

Photo_9Photo_10園のさらに奥に進むと、花博に出展したイギリス、中国、タイなど各国のガーデン。そして一番奥にこの公園の目玉がある。クロード・モネがジヴェルニーの自宅に造った庭を模した庭園。モネが「睡蓮」を描いた庭。モネは浮世絵などの日本文化に影響を受け、庭に日本風の橋を架けたり、柳を植えたりした。その庭を模したということは日本文化の逆輸入でもある。ふぅむ。忠実に再現された庭は実に面白い。ここはどこ?という気分になる。ちなみにこの庭のメンテナンスも見事だ。

Photo_11 日、個人の運営するバラ園に向かった。無料の駐車場まで備えた本格的な施設。バラのアーケードをくぐると何十種類ものバラ。一本一本がきちんと手入れされた元気なバラだ。聞けば亡くなった奥様が丹精されていたバラをご主人が引き継ぎ育てているとのこと。工事現場で使用する足場のパイプを組合せ、富士山型や大阪城型の棚を造り、蔓バラを這わせている。まだ未完成ではあったけれど、観る人を楽しませようとする見事な意匠だ。自分の好きな、あるいは自分にとって大事な花を育て、自分で楽しむだけではなく多くの人に観てもらう私立の公園。趣味の世界だからと言ってしまうには、その労力を察するに余りある。緑のボランティアと呼んで良い程のエネルギー。感謝しながら園を後にする。

れにしても花、花、花の休日だ。ところで妻は花の好きな両親の元で育ったのに、花の名前を知らない。区別できるのは桜、ひまわり、チューリップ、それにせいぜい紫陽花ぐらいのものか。「ツツジも分かるよ♪あ、バラも!」・・・ハナミズキも、モクレンも、レンギョウも、コデマリも、ユキヤナギも、サルスベリも教えたはずなのだけれど。

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2009年5月 2日 (土)

店の味、人の味「用賀 本城」

Photo Photo_2の人の料理を食べるために、お気楽夫婦はその店に通っていた。正確にはその人、店長だった本城さんが全て作っていた訳ではもちろんない。けれど、たん熊北店二子玉川店の味は確かに本城さんの味だった。仕入れた食材、代々受け継いだ店の味、料理人の腕、店の造り、スタッフの接客、いろいろな要素で料理はできている。それらの全てに本城さんの「目」が行き届いていると感じる店だった。妻はその店で食事をすると幸せな気分になると言い、不満に思った料理はひと皿もなかったと微笑み、だからこそ大事な日に訪れたい大切な店だと呟いた。

Photo_6 Photo_7 の本城さんが独立し店を出した。場所は世田谷区用賀。お気楽夫婦が通うスカッシュコートのある街だ。これは友人を誘って早々に行かねば。「たん熊」は京都の割烹料理の老舗。京料理の伝統を活かしつつも、お好み料理をカウンタで出すことで名声を得て、多くの有名人にも愛された店だ。その伝統を受け継ぐ「用賀 本城」。予約はもちろんカウンタ席に決めた。お店は田園都市線用賀駅から用賀神社を目指して5分ほどの場所。駅前の喧噪から少しだけ離れた良い場所。店の前には祝いの花が溢れる。こぢんまりとして居心地の良さそうな店だ。

Photo_8 Photo_9 店おめでとうございます!良いお店ですね。そう挨拶すると、カウンタの中の本城さんが「おおきに。こんなんで、まだばたばたしてまして、今日はお任せでよろしいですか。あとは合間に適当にお好みをお出しします」そう言いながら手を休めることなく周囲に目を配る。聞けばたん熊から応援のスタッフも来ているという。そう言えば見覚えがある若いスタッフが。そしてお祝いの花は店内にもびっしり。蘭の栽培でもしているかのよう。中には各界の著名人、マスコミでお馴染みの名前も。それも本城さんの人柄、人徳。ところで料理はと言えば・・・。

Photo_10 Photo_11 節の食材を活かした優しい味付け、素材本来の味をぐっと引き出し、食べる人を幸せにする繊細な料理はたん熊と同様。茶碗蒸しの上にコノワタが合わせてあったり、若鮎と一緒に鴨のローストが盛りつけてあったり、斬新な組合せの料理が絶妙。そこに庶民的なマグロのモツ煮のような親しみやすいほんわかとする皿が加わる。「美味しいねぇ♪」「やっぱり幸せになる味だぁ♫」妻もお誘いした友人も恍惚の表情。確かにどれも笑みが零れる味だ。清潔感溢れるカウンタ、ゆったりとした椅子の座り心地も抜群。初めて訪れる店なのに、何年も通っている気分。

Photo Photo_2 んな幸せ気分を味わっていると、いつの間にか周囲に客の姿はなし。あらら、最後の客になってしまったか。「どうぞ気にせんと、ゆっくりしてってください」翌日の仕込みをしながら本城さんがようやく落ち着いた様子で話しかけてくれる。それにしても凄い数の花ですね。「ありがたいことです。花の出し入れだけでひと仕事ですわ」そう言いながらも盛況の内に開店を迎えられたことにほっとした様子の本城さん。奥さまの接客も明るく柔らかく、客を和ませる。良い店だ。きっとたん熊の味と、ご夫婦でのもてなしがこの店ならではの味を作っていくのだろう。楽しみだ。

ちそうさまでした。美味しかったです♪そう言って帰ろうとすると、ご夫婦揃ってお見送りしていただいた上に「良かったらおみやげに蘭を持ってってください」「えぇ〜良いんですかぁ♪」「遠慮せんと、どうぞどうぞぉ。関西ではお祝いの花を持って帰ってもらうのが縁起が良いんですよ」そんなやりとりが。きっとお支払いした食事代金よりも高価なものをいただいてしまった。お返しは、また店にお邪魔することで。「もっちろんだよぉ♪通っちゃうよ」妻はすっかりご機嫌。カウンタで食す季節の味、次は初夏の味を楽しみに。またお邪魔します。

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2009年4月26日 (日)

街を元気にするものは?「さぬきうどん」高松訪問

Photo Photo_2本全国に元気のない街が増えている。財政破綻した夕張のような特定の街だけではなく、ほぼ全ての地方都市の中心街に元気がなくなっている。かつて人通りの絶えなかった商店街はシャッターを下ろした店が目に付く。中心市街地活性化法など、いわゆる「まちづくり三法」の改正等によって地方都市の再生を図ろうとする試みが各地で取り組まれているが、全ての都市に効果のある特効薬は存在しない。20年程前、当時勤務していた会社で、新規ネットワークの開拓のため全国を飛び回った時期があった。北海道から台湾まで、年間100日以上出張の日々が続いた。中心街はまだ活気があり、地元の方から案内され出歩く夜の街も個性的で魅力的だった。

Photo_3 Photo_4 んな街のひとつ、高松を久々に訪ねた。1989年春、開通したばかりの瀬戸大橋を初めて渡ってからちょうど20年。2日間で岐阜、名古屋、岡山と各地で打合せを重ねるハードなスケジュール。その最後の訪問地として。元気のない商店街が再生を図る取り組みの中でも注目されている高松市丸亀町商店街を視察するのが目的。土地所有の概念を再構築し、長期的構想の基で商店街を経営し、街の再生を図ろうという新たな試みだ。まだ1期工事が終わったばかりで今後の展開に成否がかかる。わずか90分だけの滞在で関係者への取材も叶わなかったが、街の再生への確かな息づかいは感じることができた。

Photo_5 Photo_6 して、高松と言えば「さぬきうどん」である。90分の滞在だろうが、重い荷物を抱えて街を歩き続けようが、うどんを食べなきゃ高松訪問の意味は半減する。高松駅に到着したのが12:35。街を歩きながら写真を撮り、人の流れを把握し、うどん屋を探す。ひと通り街を歩き終えたところで時計を見ると既に13:30。帰りの電車は14:10。時間との勝負だ!時間がないこともあり、目指すのは地元民も通うセルフの店だ。名店と言われる店は郊外に多いが、そんな場所まで行く時間は当然ない。駅から中心街に向かう途中で行列ができていた「こんぴらや」に向かう。こんな時は迷わず1点(店)勝負。店内を覗くとピーク時間を過ぎていることもあり空いている。チャンスだ。

Photo_7人気 温玉ぶっかけ」という入口の看板をチェックしつつ、店内に入る。オーダーの仕方が良く分からない。様子眺め。でも真似すべき先客がいない。この店は麺を茹でるのは店のスタッフにお願いする方式のようだ。大、小とあるが、確か小はひと玉、大はふた玉のはず。小を見くびって大を頼んではいけない。温玉ぶっかけの「小」ください♪「1分ほどかかりますが」む、僅か1分?問題なし、と言うよりも他のメニューだったらもっと速いってことか。恐るべしセルフ店。茹で上がりを待っている間にサイドメニューを選ぶ。おっ!好物のサツマイモ天ぷら。うむ、半熟卵の天ぷらは珍しい。慌てて皿に載せる。うっ!卵が重なってしまった。気付いたが、時間がない。他のモノを選ぶ心理的余裕はない。「お待たせしましたぁ」頼んだ温玉ぶっかけができてしまった。「このダシを少しかけてください」むっ、素人と見破られたか、親切に教えてくれる。でも素直にありがとう。

Photo_8 Photo_9 ギ、天かす、刻み海苔、そして主役の卵とうどんを丼の中でかき混ぜる。ふわんと良い香り。もち肌のうどんに卵が絡んでぴかぴかと黄金色に輝く。うっ!旨そうだ。最初のひと口。旨ぁ〜い♪優しいダシの味がコシのあるうどんに良く合う。うぐっうぐっ。うどんを啜る。うぅ〜ん、旨い。きちんと粉の美味しさが判る味。こりゃ止まらない。うぐっ!慌ててお茶を持ってくるのを忘れていた。むせ返りそうになりつつサツマイモの天ぷらがのどを通るのを待つ。引き続きうどんを啜る。うんうん旨いっ。ふぅ〜、ごちそうさま。美味しかった。時計を見ると13:50。駅は歩いて10分程の距離。何とか間に合いそうだ。食器を返し店を出る。満足。う〜ん、やるなぁ、さぬきうどん。ふっと入った店でこの満足感。これはまたこの街に来る必要がありそうだ。休日1,000円の高速料金が導入されてから「うどん喰い」のために街を訪れる人が増えているらしい。

れから電車を乗り継ぐこと5時間。無事東京に戻り妻に迎えられる。「お帰りなさい。今回はたいへんなスケジュールだったね」うん、うどんが美味しかったぁ♪「ん?」・・・私の出張はいつも誤解に満ちている。

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2009年4月25日 (土)

職業に貴賤あり「おくりびと」「あの日にドライブ」

Photo_2が逝って2年近く。ある春の夜、予想外の瞬間に母の存在を感じることができた。母を見舞った2年前の春、病院の窓から眺めた故郷の山々があった。山麓近くまで雪を残す白き月の山。伸びやかな裾野を広げる出羽富士。月山と鳥海山。実に神々しく、穏やかで、美しかった。予感めいたものを感じ、家族揃って特別養護施設の母を訪ねた初夏の日も、庄内平野を見守るように月山が、鳥海山が遠く霞んでいた。そして、母を見送った暑い夏にも、忌中が明けた初秋にも、その美しい姿でお気楽夫婦を迎えてくれた。母が好きだった故郷の山々。それ以来、ふたつの山は母の気配を感じさせてくれる存在になった。そして、スクリーンの中でその山々と対面した。音楽の道を断たれ、故郷に戻った主人公(本木雅弘)。独り河原の土手でチェロを弾くモッくんの背景に現れる鳥海山。熱いものが溢れるのを止められなかった。・・・遅ればせながら「おくりびと」を観た。

Photo い映画だった。故郷の風景が現れる高揚感を差し引いても、しみじみと良い映画だった。本木雅弘はもちろん、山崎努、笹野高史をはじめとした出演者が素晴らしかった。それに期待していなかった広末涼子の演技も。ただ夢破れた夫に寄り添う明るく強い妻としてだけではなく、夫が新しく選んだ納棺師という職業に対する意識の変化が何よりも印象的だった。事実を知った時には「穢らわしい、触らないで」と叫んだ納棺師という職業に対する気持が、大切な人を見送る清々しい夫の姿を見守った後に変わり始め、幼い頃に別れた夫の父を見送ってもらおうとした彼女が「夫の職業は納棺師なんです」と誇らしげに言った台詞で涙が溢れた。幸せな涙だった。職業には貴賤がある。それは、世の中にあるのではなく、人の心の中にある。絶対的な職業に貴賤があるのではなく、人の仕事に対する姿勢によって生まれる。そんなことを思わせるシーンだった。

Photo_3 日後、偶然手に取った本があった。萩原浩『あの日にドライブ』。新刊(但し文庫本)が出ると中身を見ずに買うことにしている好きな作家の1人だ。物語は銀行に勤める中間管理職である主人公が一度だけ上司に反抗し、突発的に会社を辞め、なかなか再就職できないでいる間、ふと目に付いた求人広告の「週3日勤務」という条件に惹かれて応募したタクシー運転手として働く物語。ところが現実は厳しく、辛い。前編の展開は読むのを止めようかと思う程。エリートサラリーマンだった銀行時代の逸話も、タクシードライバーとして週3日だけ(ただし24時間勤務で)働く日々も、痛々しくせつない。そしてかつての自尊心を持ち続け、ふたつの職業の裏と表、光と陰との間で揺れ動く。今の自分を仮の姿と思い、過去の記憶に逃避する。

生のどの地点からやり直したいか。人生のいろんな岐路、そのいずれかを選んだためにある現在。あの日に戻って違う選択をしていたら・・・。後半のスピードアップした展開で救われ、最後はほのぼのと、すっきりとさせられる。この物語の中でも職業の貴賤について語られる。貴賤というよりは序列。それも職業というよりは会社かもしれない。しかし、職業に貴賤があると決めるのは世間ではなく、自分の心の中にある。そんなメッセージは「おくりびと」と同様。それも、そんなきれいごとだけではないよ、という味付けも込めて。自分の仕事に対して、人生に対して、生き方に対して、誇りを持っている人はどれだけいるのだろう。その価値観は、経済的なものだろうか。社会的な成功だろうか。それとも・・・。自身の価値観について改めて考えさせられるふたつの物語だった。

は過去に戻ってやり直したいことはないなぁ。今までもこれからも幸運な星の下で楽しい人生を送るのさっ♪」妻の価値観、人生観は判りやすく、お気楽で、羨ましい。

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2009年4月19日 (日)

食べ過ぎ注意、飲み過ぎも「はしぐち亭」

PhotoPhoto_2 る週末、ご近所の洋食屋「はしぐち亭」に向かった。お気楽夫婦がこの店で食べる時は、酒を飲むことを前提にメニューを選ぶ。例えばその日はオードブルに選んだ「真アジのカルパッチョ」から始まったように。そんな言い方をすれば、2人が選ぶのは全て前菜のようなもの。お酒と一緒に食べる軽いメニューだけをチョイス。その日も一緒に食事をする約束をしていたご近所の友人夫妻が店に現れる前にオーダーしたのは、「ダイコンサラダ」「サザエとツブ貝のオーブン焼き」など。料理に合わせて選んだのはチリの白ワインをボトルで。辛口のシャルドネ。お安く、お気軽に美味しい。この店で飲むワインとしてはぴったり。まして、お酒を全く飲まない妻と友人夫妻。頼んだワインは私だけが飲むことになる。

Photo_3くなりましたぁ♪」友人夫妻が現れ、ジンジャーエールをオーダー。いつもながら2人とも見た目は酒が強そうなのに残念。妻も同様だけれど。4人で乾杯。オーダーしてあった前菜がタイミング良く出てくる。「わぁっ!このカルパッチョ美味しいね♪」ジンジャーエールにアジのカルパッチョが合うというのは飲んべの私には理解できないけれど、新鮮なアジは確かに美味しい。シャキッとしたワインとも良く合う。「他に何か頼んでね。きっとグラタンとか食べたいんだろうなと思って予想してたんだ」と妻。友人(夫)は大のグラタン好き。この店のメニューには2種類のグラタンがある。迷った末に友人(夫)が選んだのはマカロニグラタン。「意外にもメニューにマカロニグラタンがある店って少ないんですよぉ。でもこれが大好きなんだ」カリカリのきつね色に焼き上げられた熱々のグラタンを頬張る彼は嬉しそう。

Photo_4ラタンとオムライス、どっちかは絶対選ぶだろうなって言ってたんだよね」と妻。すると友人(夫)は「へへへっ。オムライスも頼んじゃった♪」と照れ笑い・・・いつの間に。確かにこの店でオムライスを食べずに帰る訳にはいかない。ご自慢のデミグラスソースをたっぷり使った一番人気のメニュー。トロトロの卵、パラパラのサフランライスにソースが絶妙に絡む。旨っ!「おつぎしまぁす」バイトくんがワインを注いでくれる。お店で「切れちゃったんすよ」などとワカモノことばを使う度に注意し、指導していたけれど、最近は接客も板に付いて来た。その調子で頑張れワカモノ!「ワインもうそんなに飲んじゃったの!でも赤くもなってないし絶好調だね」妻が微笑む。美味しい料理、それもお腹に溜まるものが多いからか。お気楽夫婦だけだったら炭水化物モノをこんなに頼むことはない。満腹満足。

Photo_5 るとそこにシーフードパスタがでんっと登場。「えっ!」と友人(夫)を除く3人が思わずのけぞる。「これも頼んだの?」と友人(妻)があきれ顔で尋ねると友人(夫)が嬉しそうに頷く。「だって美味しそうだったんだもん♪」そこに「たっぷり盛付けときました♪」と橋口さん。洋食屋の面目躍如メニューの3連発をオーダーされた彼も嬉しそう。これは食べない訳にはいかない。「どうぞぉ♪」楽しそうに友人(夫)が取り分けてくれるけれど、正直お腹は満タン。ムール貝でもつまんでワインの友とするかぁ。酸味の利いたソースで味付けられたふっくらしたムール貝を口に運ぶ。うん、でも困ったことに美味しい。不思議なことにまだ食べられそうだ。「うぅ〜ん、美味しいっすねぇ♪」まぁ、友人(夫)のワカモノことばは見逃そう。そんな彼の食欲は未だワカモノ並み。

ちそうさまでしたぁ」「美味しかったです」ワイン、持ち帰って良いですか。さすがに独りでは飲みきれずにグラス1杯分程度がボトルに残っている。それにしても、この店では食べ過ぎに注意しなければ。「飲み過ぎもね」・・・はい。

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2009年4月18日 (土)

いつの日にか「賞味期限切れ」

Photo気楽夫婦の夕食はほぼ毎晩外食。多少時間がある日でもせいぜい惣菜を買って来て並べるだけの中食。食材を買って料理をする内食の機会はほとんどない。目指しているのは朝食から外食という香港や台北のような食生活・・・という訳ではない。子供もおらず2人とも働いているため、ついついそんな選択になる。ある日、“片付け”が大好きな妻が冷蔵庫や食品庫を探索。すると意外な程多くの種類の調味料が発見された。外食好きのお気楽夫婦とは言え、過去に遡って全く料理を作らなかった訳ではないから調味料はある。それもこの料理にはこの調味料というこだわりのものではなく、通常であれば日常的に使用するものがほとんど。そして、その賞味期限の表示を見ると・・・。

えば、写真中央の「ハウス特撰生わさび」の2007年10月10日などは可愛いもの。“まだ”1年半程度なら問題なし、継続使用と決定。とは言え、スーパーなどで買ってくる刺身などにはわさびの小袋入りが付いていることが多く、使う機会が少ない。同じ理由で醤油も小瓶で買っているにもかかわらず濃い口醤油になってしまう。続いて「マコーミック ゆずこしょう」2005年9月15日。これは熱々のうどんにぴったり。おでんを食べた時にも活躍してくれたなぁ。瓶を開けてみると表面が乾き、微妙な状態。残念ながら廃棄。同じく「マコーミック ケーパーズ」これはスモークド・サーモンを買って来た時に使ったきりだから、確か2年以上前。モノがモノだけに、中身を見ずに廃棄。おぉっ、沖縄料理に欠かせない「こーれーぐーすー」も瓶の底に白い澱が溜まっている。残念だけど、“もったいない”精神を発揮できる状態ではない。

Photo_2の他にも賞味期限切れ3年もののオリーブ、4年もののブルドッグのとんかつソースなど、賞味期限切れの強者調味料がぞくぞく登場。極めつけは「ふりかけタイプの片栗粉 とろみちゃん」という水にとかさず使える顆粒片栗粉。なんと製造年月日は2000年12月12日。惜しくも前世紀のものではなかったが堂々の第1位。賞味期限は製造日から1年という記載だから、それから既に8年以上の歳月が流れている。凄い。だいたい何に使ったかさえ記憶がない。調味料などは賞味期限が切れたらすぐに廃棄する人もいないだろうが、さすがにこれは躊躇わずに廃棄を決定。この先、10年ぐらいは使うあてもないし。それにしても、ほとんど料理をしていないんだなぁと実感。

Photo_3 は、お気楽夫婦宅では賞味期限?切れは家電にも及んでいた。エアコンは入居した時に購入したものだから13年間活躍したベテラン。年度末の値下げを狙って買い替えた。スィッチを入れると時間当たりの電力消費量と標準料金が「4円/h」というように表示される最新の省エネ家電。リビングとベッドルームの2台を購入した直後にエコ・アクション・ポイント導入が発表されたけど、仕方がない。エアコンのスィッチを入れる度にガーガーと嵐が吹き荒れるような騒々しさに我慢ができなかった。同様にしんとした深夜に独り声高に唸る冷蔵庫は、94年1月生まれの満15歳。人間で言えば80歳以上の高齢に当たるだろう。実は、妻が冷蔵庫の整理を始めたのも買い替えの検討をしていたため。どの程度の容量が必要なのかを調べようとしていた。それ以外にも、出始めた頃のフラットブラウン管のSONY製大型テレビは今見ると・・・巨大。彼は12歳。洗濯機ウォシュレットから始まった家電の買い替えの時期が一気に来ているのだ。

っそリフォームしようよ♪という私の提案に妻は首を横に振る。「まだ床も壁もきれーだよ。もったいないよ」確かにタバコも吸わず、料理もめったにしないお気楽夫婦の住まいの汚れは目立たない。「それより夏の香港の日程どうする?何泊?何食?」妻の興味は、相変わらず“なくなってしまう消費”に向いている。

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2009年4月12日 (日)

その如月の 望月の頃「台湾料理 麗郷」

Photo Photo_2気楽夫婦が井の頭線渋谷駅から東急文化村に向かうルートの途中にその店はある。シアターコクーンの開演時間に間に合うようにと急ぎながら、オーチャードホールで観終わったオペラの感想を妻と語りながら、視界の端の方で「台湾料理 麗郷」という赤い看板を確認する。うん、まだ頑張ってるなとほっとする。その路地沿いにあったパン屋「フレッシュマン ベーカリー」や、トンカツ屋「勝一」、いろんな店がなくなってしまったけれど、この台湾料理の老舗は健在。風俗系の店が増えたり、(規制のためなのか)時には減ったり、家電量販店ができたりと街の風景が移り変わる中、独り変わらず道玄坂小路の顔として佇んでいる。

Photo_3 の店に入ったほぼ100%の客がオーダーするのは「腸詰」だろう。1階のカウンタ前に縄のれんのようにずらっと吊り下げられ、赤く艶々とした肌で挑発している。これを食べて帰らぬ訳にはいかない。20年以上前、以前在籍していた情報誌系の企業の仲間たちと「麗郷行く?」と誘い合い、その度に大勢でやって来た。入口を入ってすぐの階段に並び、順番を待つ。並んでいる間、来日するアーティストの情報や、ロングランを続けるミュージカルの話題、仲間たちが小さな小屋で演る予定だという芝居の話などで盛り上がる。客が入れ替わり、席に座る順番が近づくと「俺、大根餅食いたい!」「やっぱり大蒜の芽だね」「しじみを忘れちゃいかんでしょ」「腸詰!」「あ、それは当然だから良いの」などとその日のオーダーが決まってしまう。そんな風に大勢で食べることが楽しく美味しい店だった。

Photo_4 る週末、久しぶりに麗郷を訪れた。今は店の選択肢が増え、この店を選ぶことも少なくなってしまったけれど、たまにこうして発作的に足を向けたくなる。それでも、食べることに妥協したくはないお気楽夫婦。郷愁だけで店を選ぶことなどしない。だから、今でもきちんと美味しいという評価なのだ。腸詰とネギ、香菜(シャンツァイ)と辛味噌を合わせて口に運ぶ。うん、やはり旨い。初めて食べた時に味わった感動的な美味しさはもちろんなく、経験を積んだ分だけ批評することはできる。しかし、これで良いのだ、という味。焼きビーフンがぱさぱさとしていたけれど、それもご愛嬌。豆苗炒めと一緒に食べればちょうど良いかと意に介すこともない。相変わらず店員の愛想も良いとは決して言えない。なのに、いつもは接客に評価が厳しい妻までも楽しそうに食べている。

Photo_6 Photo_5しぶりに訪れて気付いた。そうか、この店は台湾へのショートトリップができる店なんだ。店の入口の赤い看板は異界への目印。料理の値段も決して安いとは言えないけれど、台湾までの旅費を考えたら安いものだ。レンガ造りの昔ながらの佇まい。チェーン店では味わえない膨大な種類の中国語メニュー。マニュアル通りの接客ではない、この店ではそれもまた味になる変な日本語。たっぷりと台湾を味わい、店を出るとそこはやはり猥雑な渋谷の雑踏。小さな旅の終わり。気持がほかんと軽くなっている。時は春、如月の夜。花曇りの空ながら仄温かい陽気。のんびり夜桜見物でも行こうか。「良いね♪今日は歩いても平気な靴だし」・・・とある私鉄沿線の駅近く。のんびりと川に沿った桜並木を妻と一緒に並んで歩く。適度に酔った身体がふぅわりと心地良い。空を見上げれば望月の頃。西行の歌を思い出す。願わくは 花の下にて・・・。

日は美味しかったね♪次は何を食べに行こうか。台湾も良いけど、やっぱり香港に行きたいねぇ」と妻。・・・まだまだ西行を想うことはない。

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2009年4月11日 (土)

願わくは 桜の頃に「SILIN 火龍園」

Photo本人にとって「花」と言えば「桜」を指すようになったのはいつ頃からなのだろう。ただ「お花見」と言えば、梅でもなく、菜の花でもなく、もちろんチューリップやヒマワリなどではなく、誰が何も言わなくとも、桜である。西行の有名な歌に「願わくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ」がある。これも言うまでもなく、花とは桜を指している。西行法師が生きたのは平安末期の後白河院政時代から鎌倉幕府成立の頃。その頃から日本人に愛でられ続けた桜。春の訪れを告げ、卒業や入学、出会いと別れの季節でもあることから、人それぞれのいろんな記憶にも重なる。ここ数年、毎年のようにサクラにまつわるヒット曲が生まれる。それは偶然などではなく、マーケティング的にも正しいと言える。

Photo_2 Photo_3 気楽妻が忙しくなる春。ある週末、東京ミッドタウンにある「SILIN 火龍園」に向かった。この店の料理が大好きな妻のリクエストでもあり、毎晩残業続きでカロリーメイトなどを齧りながら過ごす夜とのバランスを取るためでもある。「せっかくだから桜が咲いてる頃に行こうよ」という妻の要望になんとか桜も持ち堪え、ちょうど訪れた日が満開。黄昏時、食事の前に檜町公園を散策すると、ライトアップされた桜が実に美しくも妖しい雰囲気。梶井基次郎ではなくても樹の下には何かが埋まってるような気がしてくる。ただ単純に美しいだけではなく、人格さえありそうな、狂おしい春爛漫の象徴。

Photo_4んばんは。今日は残念ながらお魚はこれだけになってしまったんですよ」席に付くとさっそく支配人が海鮮のプレートを持って登場。季節に関係なく明るく元気な“良い人”だ。「鴨のローストが最後にお二人分だけご用意できそうですが、押さえておきますか」はい、それは是非!ということで、前菜は焼鴨から。カリカリの皮とジューシーな肉、梅ジャムのソースとの組合せがきちんと美味しい。次は山椒塩をまぶした牡蛎のフリット。あつあつの衣で包まれた牡蛎をひと口齧る。ふわぁりと潮の香り、牡蛎独特のワイルドな香り、そして山椒の香りと共に、濃厚な牡蛎の味が一気に口の中に飛び込んで来る。あぢあぢ、うんまぁい♪「これは絶品だねぇ」この店ご自慢のXO醤をちびちびと舐めながら妻が呟く。これで酒は飲めないというのは惜しい。

Photo_5 いて白菜とピータン、塩卵の炒め物。塩卵の塩味が他の食材と絡み、これまた美味しい。そしてその日の白眉はサイマキ海老のガーリック蒸し。新鮮な海老を香ばしく、ジューシーに仕上げた逸品。「幸せな気分だぁ♪」残業続きでへたり気味だった妻も週末の元気モードに完全に切り替わる。小食ながらも中華好きの妻。美味しい中華料理さえ食べておけば、もともと体力に自信あり、この年度始めの仕事量も乗り切れる。「やっぱり中華は良いねぇ」そんな妻のことばを耳に挟んだのか、支配人登場。「2月に香港にまた行って来ました。3泊だったんですが、朝・朝・昼・昼・夜・夜と毎日6食で、4kg太って帰って来ました。まだ戻りません」と嬉しそうに笑う。ほんとに美味しいものを食べることが、中華料理が大好きで堪らないという風情。そんな支配人の下で作られる料理こそ、楽しく、嬉しく、美味しい。

わくは 花の下にて 春食まん その如月の 多忙のころ・・・妻の「食む」と言えば「中華」を指す。「あ、食むのは桜の頃だけじゃなくて良いよ。また来るよ♪」はいはい。

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2009年4月 5日 (日)

マイ・スィート・ホームタウン「ル・プティ・ポワソン」他

Photo_9 Photo_10日のスィートな日々で増えてしまった体重を落とすため、ショコラティエのミキちゃんとカラオケBOXで歌いまくる週末を過ごした。「ラ・ヴィエイユ・フランスに行かれたんですか」と、ミキちゃん。そうか、同じ街で店を開くパティシエ同士、お互いに知ってるんだね。「はい、木村シェフのところには先日ご挨拶に行って来ました」確かに、“旧き良きフランス”という名前の通り、そのままパリにありそうなお洒落な店構え。けれど、なぜこの街にあるのだろう、こんな駅から離れた住宅街になぜ?というロケーションでもある。「そうですねぇ。なぜでしょう。私はずっとこの街で生まれ育ったからですけど」そう言いながらも次の曲を物色するミキちゃん。予想以上のカラオケ好き。

Photo_11 Photo_12IGAさん〈プティ・ポワソン〉って店は知ってますか。この店の焼き菓子はもう絶品です。ほんと美味しいです♪これです!」と、ミキちゃんに可愛いラッピングの焼き菓子をおみやげにいただいた。初めて聞く名前。聞けばミキちゃんと同世代の女性パティシエが、この街でやはり1人でやっている小さな店だという。「焼き菓子専門店で、この1月にできたばかりなんです。とってもお薦めです。ぜひ行ってみてください」うぅむ。そこまでミキちゃんが絶賛する店ならば、行かねばなるまい。ということで、とある週末に散歩がてら妻と一緒にぶらぶらと南口の住宅街に向かう。ラ・ヴィエイユ・フランスの近く、青い看板と風見鶏が目印。なるほど、小さな可愛い店だ。

Photo_13 Photo_14 んにちは。ミキちゃんの紹介で伺いました。「ありがとうございます。小さな店ですけど、どうぞご覧になってください」コンパクトなショーケースと手書きのPOPが愛らしい。さっそく焼き菓子を何種類かとシュークリームを購入。季節は春、桜の季節。天気も良いし、お花見をしながら食べますかぁ♪「良いね、良いねぇ。じゃあ、ご近所でパンでも買ってお昼にしよう」ということで、近所のとっておきお花見スポットへ。満開の桜の樹の下、サンドウィッチを食べた後、デザートのシュークリームをぱくり。うぅ〜ん、これは旨い。“大人のシュークリーム”のネーミングの通り、ラム酒の香りがふうわり香る。「うん、美味しい♪」妻もバニラビーンズたっぷりのやんわりクリームと、かりかりとした厚手のシュー皮に満足そうにぱくつく。

Photo_15日はありがとうございましたぁ。カラオケ楽しかったです♪」お花見の帰りに立ち寄ったショコラティエ・ミキでミキちゃんと立ち話。「今日は友人のオーダーでミキちゃんのショコラを買いに来たんだ♪」妻はスカッシュ仲間の“元気の素”としてオランジュとボンボン・ショコラをたっぷり買い込む。「ありがとうございます。今日はこれ試食してみてください」ん?麻雀パイ?「蘭の花を入れた中国茶をブレンドしたんです」へぇ、どれどれ。うっわぁ〜!凄い。繊細な味と香り。美味しい〜!!ショコラの味に溶け込んだ蘭の花の香りが確かに分かる。「販売したら1ヶ4〜500円はかかっちゃいますから作れないんですけど」それは貴重な味をごちそうさま。ところで、プティ・ポワソンに行って来たよ。シュークリームが絶品だった。「そうですか。良かったです。シュークリームは食べてないから、今度食べてみよう♪」研究熱心な若きショコラティエンヌ。

えば、お気楽夫婦の住む街にもショコラティエ・ミキを筆頭にレベルの高いスィーツの店が増えた。嬉しい限りではある。但し、お店はいずれも駅からちょっと離れた住宅街。駅に近い場所は家賃が高く、若いパティシエたちが店を構えるのは難しい。けれど、どの店もそんなハンデに負けずに頑張っている。きちんとファンを増やしている。こんな若いエネルギーを街のパワーにできたら、もっと元気な街になれるのに。「急に仕事モードに入ってるね?」あらら、そうだね。でも、思うのだ。これらの若い才能を街が育てられれば、街のあり方も変わり、街の懐の深さも増す。ばあちゃんたちに優しい街でもあり、若い女の子(ama-danも)が遠くからでも訪れる街。そんな街に、なると良いね。

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2009年4月 4日 (土)

マイ・スィート・フレンズ「お弔い」甘党男子と甘い男

Photoる週末、ご近所の友人夫妻、NYC帰りの友人夫妻、そしてお気楽夫婦の3組、6人が集まった。「お弔い」のために。とは言っても誰か親しい方が亡くなられたわけではなく、ラック・システムという劇団の芝居を一緒に観にいくために。この劇団の公演は、NYC帰りの友人夫妻が渡米前から6人揃って観に行くのが恒例だった。「お祝い」「お弁当」「お見合い」と全ての公演タイトルに「お」が付く。10周年記念公演「お願い」や12回公演「おたのしみ」は2組だけで観劇。そして、6年ぶり、待望の3組での観劇が15周年記念公演「お弔い」という訳だ。劇団を主宰するわかぎゑふ(大阪出身)の脚本は相変わらず丁寧で、優しく、破天荒。戦後間もない昭和30年前後の大阪のお話。毎回、大阪弁にこだわった、けれど大阪以外の人にもきっちり伝わる、観終わった後に明るく元気になれる芝居。しょ〜もない登場人物にも、「しゃ〜ないなぁ」と笑える設定。

Photo_2 度も観ている劇団だから劇団員もすっかりお馴染み。特に、コング桑田という俳優(怪優?)は、6人揃って大のファン。コングさんは、わかぎゑふが主宰するもうひとつの劇団「リリパット・アーミーⅡ」所属。「レ・ミゼラブル」などにも出演する舞台俳優。妻とご近所の友人(妻)などは、お芝居だけではなく、ゴスペルが得意な彼のライブにも行ってしまうほど。ちなみに終演後のステージで「物販」のお知らせをするのも彼の役目。「パンフ買うて!」と彼が言うからか、「買い始めたら切りがないから」という理由で普段はパンフレットなど買う素振りも見せない妻なのに、彼の出演する芝居だけは毎回パンフレットを購入し、嬉々としてサインをもらう列に並ぶ。今では顔なじみとなり、短い会話を交わすこともある。東横線の車内で偶然会って挨拶した時にははにかんで応えてくれた。そんな豪快な見てくれと繊細さが同居するキャラクターが可愛い。

Photo_5 Photo_6しぶりだったけど、やっぱり面白かったぁ♪」「あの場面で、あの登場の仕方は卑怯だよねぇ、もう、おかしくって。飛び道具だよなぁ」「○ちゃんの笑い声、大きかったよね、今回は一番ツボにハマってたね」終演後の劇評とも言えない感想を言い合いながら食事をするのがもうひとつの楽しみ。そして最後はお気楽夫婦のリビング、BAR808でお酒を飲んだり、デザートを食べたり。その日のスィーツはご近所の名店「ラ・ヴィエイユ・フランス本店」のマカロン。この店はお台場のグラン・パシフィック・メリディアンにアイスクリーム専門の店があり、それもお台場の店が先にOPENしたのに、こちらが本店。整体の先生にいただいたこの店のチョコが美味しかったため、地元の店を知らないのはいかんっ!と芝居の前日に出かけて買って来たばかり。友人たちの反応はどうだろう。

Photo_7 Photo_8ぇ〜、オサレっ!美しいねぇ」「うん、美味しい♪」「ねぇ、お店ってどこにあるの」うむ、なかなか好評。お酒が飲めない上に甘いものが大好きなご近所の友人(夫)も、思わずニコニコ。彼は最近増殖しているという「甘党男子(あまとうだんし:ama-dan)」のハシリ。「美味しいっすね。今度買いに行ってこよぉ♪」彼はアパレル会社勤務という職業柄か、デパートに入っているスィーツショップにも詳しい。その日、NYC帰りの友人(夫)がバレンタインのお返しと持参して来たのは「ねんりん家」のバーム・クーヘン。その店の名前にも「あぁ、ここ美味しいっすよね♪」と素早い反応だった。さすが甘いもの好き。しかし、なのに、タバコを止めた反動肥満も解消し、すっかり以前の体重に戻った友人(夫)。甘いものが体重増加の原因とは限らない。

れに対し、バレンタイン前後から続くお気楽夫婦の甘い生活で、ジムに通い、節制もしているつもりながら、ややウェイト・オーバー気味の私。余分な脂肪とはオサラバしたい、弔いたい。けれど、友人たちが帰った後、「今日もポッキー食べちゃうもんねぇ♪」とのたまう妻。そして、つい釣られて酒を飲む私。いかん、いかん。甘い、甘い。甘党男子と自分に甘い男、どちらが身体に悪いのか・・・。

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2009年3月28日 (土)

早く起きた朝は「VIRON(ヴィロン)で朝食を」

Photo Photo_2気楽妻の朝は遅い。毎朝、早起きの私がのんびりと新聞を読み、かんたんな朝食の準備を整え、妻を起こす。私の朝が早いだけなのかもしれないけれど。特に休日の朝、妻の目覚めは遅い。朝食の準備どころか洗濯も終わってしまう場合もある。私よりも仕事が忙しいだけなのかもしれないけれど。ところが、ある週末の朝、そんな妻が平日よりも早い時間に(自主的に!)起き出した。理由はかんたん。大好きなパンを、それもかなりのお気に入り、VIRON(ヴィロン)のパンを朝からたっぷり食べるという目的のため。年度末の忙しい日々に突入した妻に元気を注入しようという計画だ。妻は前日からウキウキ遠足前の子供状態。余り感情を表に出さない彼女には珍しいことだけれど、それだけパンが好きだということでもある。

Photo_6Boulangerie Patisserie BRASSERIE VIRON渋谷店は2003年にOPENして以来、ずっと人気のブランジェリー:パン屋であり、パティスリー:ケーキ屋で、ブラスッリー:カジュアルなレストラン。1階はパリにそのままありそうなこぢゃれたショーケースが並び、店の2階で食事ができる。開店時間は9時。出遅れてしまうと並ぶことになる。「さぁ〜っ、行っくよぉ〜っ♪」ふだんと違い朝から妻のテンションは高い。はいはい。休日の早朝、空いている電車に駆け込む。なんとか開店直後に並ばずに席に付くことができた。それでも禁煙席には空きがなく、カウンタ席の端に並んで座る。VIRONの朝食メニューは2種類。妻はパンを何種類か選ぶことができる「ヴィロンの朝食」。私はサラダやゆで卵が付く「パリの朝食」。さすがに朝シャン(パン)のオーダーは自制し、紅茶を啜る。

Photo_5 Photo_4の店がこだわるレトロドールという小麦粉を使ったバゲット、雑穀を使ったセレアルが木の籠にたっぷり盛られて供される。妻の目が輝く。6種類のコンフィチュールやはちみつが瓶のままパンと一緒に登場する。これが実に美味しそうなのだ。迷いつつも何種類かをパン皿に乗せ、パンとコンフィチュールのそれぞれを味わう。カリカリのクラスト(皮)と、もっちりしたクラム(中身)のどちらにも合う上品でシンプルな味。パリそのままの美味しさ。妻が幸せそうに微笑む。「やっぱり美味しいねぇ♪ヴィロンは。この気泡がたっぷり入ったバゲットが好みなんだよねぇ」彼女はハード系のパンが大好き。「PAULやメゾンカイザーも好きだけど、やっぱりヴィロンが一番好きかなぁ。愛してるって言っても良いぐらい♪」そこまで何かを(それがパンだとしても)愛せるというのは幸せなことだ。

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ンが皿にあると残せないんだよねぇ」しかしどう頑張っても、あと2つ残っているヴィエノワズリーを食べるのは無理じゃないか。「えっ!そうなんだ」と妻が驚く。確かに彼女はごはんであれば小さな茶碗一杯も食べられないのに、水分含有率の少ない穀物系の食物を与えてしまったら最後、残らず食べ切ってしまう。チーズフォンデュ用に買って残りは朝食用と思っていたバゲットや、大きな袋入りのポップコーン、お徳用サイズのポッキー、非常用に備蓄してある乾パンの類いまで。「お客さま、よろしければこちらのパンはお持ち帰り用にお包みしましょうか」ナイスなタイミングでスタッフが声を掛けてくれる。ひゅう〜、助かりました。

食用となったパンを抱えて階下へ降りる。するとそこは席を待つ人の列。凄い。OPENから6年近く経つというのに、飽きやすい日本人にこれだけ支持されているのは、やはり美味しいという証拠。早く起きた朝は、ヴィロンで朝食を。お薦め。

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2009年3月22日 (日)

どちらが?どちらも!「石田衣良と奥田英朗」

Photo_4みはじめてしばらくは鼻に付いた。一人称で語る「ぼく」の語り口が気取り過ぎて、過去形で語り続ける物語の「今」が待ちきれなくて、じれったくて。けれど大好きな作家だから、きっと今に、もうすぐ、と思いつつ読み進めた。なぜこれ程「ぼく」に感情移入できないんだろう。その理由が分かった。美しく、賢く、育ちも性格も良く、端から見たら「ぼく」にはもったいない、せっかく付き合い始めた大学のクラスメイトを裏切り、人生をかけて愛してしまったのが、「ぼく」ですら“特別に目を引くほどかわいくもなかった。なによりも性格に問題があったのだ”と思い返している女の子、美丘だったからだ。それはまるで、せっかく藤原紀香と結婚できたのに、浮気が原因で離婚しそうな陣内智則のようなもの。そこで、自分の視点が「ぼく」のものではなく、ミーハーな大衆の視点だと気が付いた。

40 からこそ、そこから先を読み進めると、石田衣良の術中にはまる。お涙頂戴的な設定をなぜ石田衣良もが、とも思うのだけれど。それでも。袖にした女性とも上手な和解をしてくれる。この辺りですっかり『美丘』のファンになり、「ぼく」の未来を心配してしまう。さすがのストーリー・テーラー。脱帽だ。立て続けに読んだ『40 翼ふたたび』にしても同様だ。同じ作家と思えない程、こちらの物語は肩の力が抜けている。デビュー作であり、出世作でもある『IWGP』シリーズの中年男版とも言えるし、解説では実際にそう書かれてもいる。しかし、この“現代”を切り取り、実際の出来事を想起させるようなストーリーが出て来ても、きっちりと石田衣良の物語にしているのが凄い。マスコミに良く顔を出す彼の、してやったりの笑顔が見えてくる。ちっ、また負けてしまったぜ・・・って勝負じゃないし、勝とうとは思ってもいないのだけれど。ちょっと悔しい。

Photo_5 品ごとに肩に入る力が違っているのは奥田英朗も同様。もしかしたら、別の人間が書いているんじゃないかと思う程。『空中ブランコ』で直木賞を獲ったものの、精神科医の伊良部を主人公としたシリーズは破天荒。面白過ぎて、良いのこれで?という作品群。かと思うと、『最悪』『邪魔』などの重いテーマを丹念に書き上げた陰鬱な作品もあれば、『サウスバウンド』のような明るく爽快なストーリーも書き分ける。それにエッセイを書かせれば、下手じゃん!と突っ込んでしまいたくなる『港町食堂』やら『泳いで帰れ』とかのダレダレ系の作品もある。どこに奥田英朗の実体があるんだ!と思っていた処に『ガール』だ。参った。実に巧い。女性の視点から書いた、などというレベルではない。女性が書いたというディティール。文庫本が発売され、かなり売れているらしいが、良く分かる。

世代の女性からは「何贅沢なこと言ってるのよ!」と思われながら、ちょっと羨ましいとも思わせる設定でもある。いろんな意味で“ガール”心をくすぐるのだと思う。この本を読んでいる女性が「あるある!」と言っているのを、決して君にはないよ!と端から見たら突っ込みたくなる感じ。この辺り、松任谷由実や柴門ふみに通じるものがある。(なのに、書いているのは男性なのだ)きっと多くの女性が「奥田英朗の『ガール』って面白かったよぉ♪」とか、同僚(女性)に薦めたくなってしまう本なのだ。

ォーカルを聞いた瞬間に、「あ、桑田だ。サザンだ」とか、「あぁ相変わらず下手だなぁ、ユーミンだね」とか分かってこそビッグネーム。とすると、石田衣良は既にどんな作品を読んでも、「あぁ石田衣良だな」と分かってしまうビッグネームなのか。それとも、「あぁ、これも奥田英朗だったんだ、へぇ〜っ!」と思わせる奥田英朗が巧いのか。そう言えば、ポンちゃんと山田詠美のどちらの作風も山田詠美風味。とすると、作家個人の情報が多いと作品の底に通じるものを感じ取れるのか。とは言え、いずれも好きな作家たち。彼らの新刊はいつも待ち遠しく、読むのが楽しみだ。・・・そんなブログの記事を、毎週末、私は書きたい。

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2009年3月21日 (土)

みんなで踊ろう!歌おう?「マンマ・ミーア!」

Photo_2 のミュージカルは、合計5回観たことになる。汐留で3回、NYCで1回、そして六本木で1回。汐留は言わずもがなの劇団四季のステージ。電通四季劇場「海」のこけら落し公演。ミュージカルを観て、立ち上がって踊った初の体験。演出に文字通り踊らされたのかもしれないけれど、そこはABBA世代。ユーキャン ダァンス!ユーキャン ダァ〜ンス!と歌われればダァンスィング♪してしまう。仕方ない。2度目はご近所の友人夫妻を誘い、一緒に踊った。友人(夫)に「IGAさん、真っ先に踊ってましたねぇ」とか言われながら。そして、ロングラン公演も終わりだと聞いた頃、「マンマ・ミーア!」がすっかり気に入った彼らと一緒に再び汐留に向かった。名残惜しさを感じながら、3度目の公演でも立ち上がり、踊った。

Photo4度目はNYCの友人夫妻と一緒に。当時、友人(夫)は人気のチケットを取るために、「日本からVIPが急に来ることになった。取れないと大変なことになる!」と無理やり(半ば脅して?)チケットをゲットしてくれた。さすがの英語力とネゴシエーション力。そして、シャイな日本人があれだけノリノリなんだから、ブロードウェーであれば、さぞや!と思って期待しながら劇場に向かった。さすがに4度目だし、ストーリーはばっちり。歌はもちろん問題なし。そして、エンディングだぁ。ダンスィング・クィーン!イェイ!・・・え!誰も立たない。踊らない。アラバマやらアイダホ(想像)から来ていた爺ちゃん、婆ちゃんたちは踊らなかった。踊れなかった。きっとABBAは知らなかったのだと思う。不完全燃焼。・・・それから5年。「マンマ・ミーア!」が映画化されたとのニュース。行かねば!

・・・と、思いながら映画館になかなか行けない日々が続いた。芝居と違って前もってチケットを予約する習慣がないため、行きそびれていた。そこに故郷に住む弟からメール。「娘が急遽東京に行くことになったんだけど、会場までエスコートしてもらえない?」ん?何?「皆で一緒にマンマ・ミーア!を観ながら映画館で歌おう!というイベントがあって・・・」何!楽しそうじゃないか!ところでなぜ娘(19歳)がABBAなの?マンマ・ミーア!なの?聞けば、中学の修学旅行で四季の「マンマ・ミーア!」を観て、家に帰り報告すると父親(弟)が手ぐすね引いて待っていた、という訳らしい。なるほど。彼らはカラオケ・スナック(ボックスではなく)でデュエットしたり、震災直後の神戸でボランティアに参加した場所を共に再訪したり、実に仲の良い親娘。今回も後から娘に合流するという。お気楽夫婦はイベント当日は会えず、翌日ランチを一緒に取ることに。

Photo_3ビルで仲良し親娘と待合せ。ところで、イベントはどうだった?「みんなで歌おう!カラオケナイト!っていう英語歌詞字幕付きの上映があって、でも今回のイベントの主催者が行った時は誰も歌わなかったんだって。それで、これはいかん!ということでMixiのコミュで募集して賛同したメンバーが100人弱集まったという訳。娘が最年少参加者で、俺が最年長参加者だったんだ」なるほどねぇ。彼らと別れた翌日、さっそく六本木TOHOシネマズへ。そこは前々日に姪が歌った場所でもある。映画はステージと違って当然ロケが可能。ストーリーの広がりも、映像の広がりもステージとは段違い。もちろん出演者たちの顔もアップにもなる。だからこそ、ドナ役のメリル・ストリーブの皺が良い。その後のステージ衣装とのギャップが際立つ伏線になる。ステージでの“良い娘”過ぎる設定より、ソフィ役のアマンダ・セイフライドが良い。チャーミングなソフィの魅力が画面に溢れる。そして、何よりもABBAの楽曲が良い。思わず小さく口ずさむ。うん、確かに歌いたくなるね♪

ん、そう言えば「DVD出たら買うよ♪」と弟が言っていた。そしたらみんなで、歌おう!踊ろう♪ユーキャンダンス!YES!We Can!「え?私は良いよ」妻の答は予想通り。

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2009年3月20日 (金)

スィートな日々「春のショコラたち」

Photo Photo_2リスマスからバレンタインデー、ホワイトデーと続く冬から春にかけての数ヶ月はパティシエたちにとっては大繁忙期。特に保存期間の短い生チョコを扱うショコラティエたちは、1年12ヶ月の1/4ではなく、ほぼ年間の全精力をかける3ヶ月間に違いない。お気楽夫婦の定番チョコと言えば、「ショコラティエ・ミキ」。バレンタインに妻からもらったのも、ホワイトデーに妻に贈ったのもショコラティエ・ミキ。ホワイトデー用ボンボン・ショコラのパッケージは、ナチュラル、カプチーノ、ビターの定番に加えて春限定のベリーティーと、ハート形のキャラメル・ローズマリーをホワイトチョコに代えたもの。赤がテーマカラーのラッピングに白いハートが愛らしく、美しく映える。

Photo_3 松に住む妻の父からも、お馴染みゴディバのトリュフチョコが届いた。妻が贈ったバレンタイン・チョコのお返し。妻と同様に口数が極端に少ない義父は、お礼のメッセージ代わりのお返しスィートは忘れない。それも、ホワイトデー当日にきちんと届くのが几帳面な義父らしい。ちなみに、誰もが口数が多い我が親族は、何を贈っても反応が悪く、着いたとの連絡も、お礼のメッセージも、お返しもほとんどなし。どちらが良いとか、悪いとかではないけれど、口数の少ない親娘は互いに会話が長くは続かなくても通じ合っている、ようではある。かと言って、私の実家と通じ合っていない訳ではない・・・と思いたい。

Photo_4 外なところでは、ボクササイズ(兼整体)の先生からもお返しのチョコをいただいた。差し上げたのはルタオのロイヤルモンターニュ。いただいたのは、同じ地元の「ラ・ヴィエイユ・フランス 本店」のホワイトチョコとオランジュ。地産地消。最近評判のNEW OPEN店ということだが、残念ながら未訪問。どれどれ。ううむ、旨い。ホワイトチョコの甘さとドライフルーツやナッツのバランスが好き。妻も美味しそうに食べつつも、会社でお返しにもらったというヨックモックのシガールをぱくり。「私はこっちも好き♪」確かに、定番中の定番。サクサクとした歯触り、バターの香りが間違いなく美味しい。 納得。それ以外にも、モロゾフやら、どこぞやのクッキーやら、甘いものがたっぷりストックされている。バレンタインのお返しの余波。

Photo_6 週に訪れた妻の従妹を訪ねた際に持参したのもお気に入りスィート。自由が丘のチュベ・ド・ショコラ。お店を訪ね、お約束の400g入りの割れチョコを買った後、“限定品”と記載されていたため瞬間的に手に取ってしまった「ジュエル・ド・ショコラ」。チョコの宝石という名のパッケージを開けると、彦摩呂だったら「まるでチョコレートの宝石箱やぁ!」と言うに違いない美しい色とりどりの割れチョコのアソート。「えぇ〜!食べるの勿体ない〜♪」という従妹と一緒に何種類かをぱくつく。確かに旨い。しかし、こんな甘い生活をしていたらいかんっ!カロリーを消費しなきゃいかんっ!「IGAさぁん、やっと落ち着きましたぁ。カラオケ行きましょう!連れてってください♪」余裕のできたミキちゃんからのお誘い。行かねばなるまい。

末から続いた甘い日々。イチゴ、おはぎ、お団子、桜餅。これから春のスィーツも美味しくなる季節。ジムに通い、カラオケで消費し、カロリー・バランスを取った上で、食べてしまおう!甘いもの。・・・お気楽夫婦のスイートな日々はまだまだ続く。

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2009年3月15日 (日)

梅は咲いたか、桜はまだ・・・「水戸偕楽園公園」

Photo_10戸の春と言えば、偕楽園の梅。妻の従妹が嫁いだ茨城への旅、2日目は梅祭りで賑わう偕楽園へ。偕楽園は金沢の兼六園、岡山の後楽園と並び「日本三名園」と称される日本庭園。そう言えば、水戸は「三」ということばに関係が深い。紀州、尾張、水戸の徳川家は「御三家」。水戸黄門として知られる徳川光圀は水戸藩の第二代藩主。徳川家康の孫に当たるから、三代目。また、最近はそんな言い方はしないし、街には可愛い子も多いと思うのだけれど、仙台、名古屋と並び「日本三大○○産地」とも言われていた。不思議。そして、水戸の三大名物を上げろと言われれば、アンコウ、梅、納豆か。前夜にアンコウを制覇したお気楽夫婦。残念ながら納豆は致命的に苦手な私にとって、偕楽園の梅を制すれば水戸は攻略したも同然。ぜひ梅の名所を訪ねよう。

Photo は言え、朝7時のお迎えは早すぎない?「いやぁ、駐車場がすぐ満杯になっちゃうんですよ」と従妹のダンナ。なるほど。しかし、せめて8時にと懇願して早朝の観梅に向かう。偕楽園に隣接する千波湖(せんばこ)沿いの美しく整備された周回道路を走り、無料駐車場に到着。なんとか空きはありそうだが、確かに既に多くの車が駐まっている。皆さん朝が早い。のんびりと湖畔を歩きながら偕楽園へ。売店もまだ開店準備中。偕楽園を造園した第9代藩主徳川斉昭の別墅(べっしょ:別邸)だった好文亭にもまだ入れない。9時の開門まで偕楽園の梅林を散策。園内の梅の木は今が盛りと咲き誇り、実に見事。しかし古木が多く、痛々しくも健気に花を付ける樹も多い。白梅、紅梅、中には1本の樹に紅白の花が咲くものもある。「それは接ぎ木するんだって聞いたことがあります」ふぅ〜ん。地元出身の従妹のダンナのガイドが続く。

Photo_2 1842年に造園された偕楽園は、1999年に隣接する千波公園などと合わせて偕楽園公園とされた。面積は30ヘクタール。都市公園としてはNYCのセントラルパークに次ぎ、世界第二位の広さだという。好文亭の急な階段を上り、公園を見渡すとその規模を実感することができる。視界一杯に広がる梅林、千波湖、美しく手入れされた木々と芝生。実に気持の良い風景だ。「芝生の向こうまで行ってみましょう」団体客が増え始め、大勢の人で賑わう偕楽園と対照的に散策する人も少なく、広々とした穴場的な梅林。まだ若木が多く、花の付き方も豪勢だ。「団体客は時間がないからこっちまで来ないんですよ」さすがに地元民の情報は確かだ。それにしても開放的で心地良い空間だ。「すごいスケールだよね。羨ましい環境だなぁ」妻も感心しきり。「まだ造成中のところもあるし、奥の方は桜も見事ですよ」従妹のダンナも胸を張る。

Photo_3 園の隅々まで手が行き届き、きちんと管理されている。園の外れに咲いていた枝垂れ梅も見事な枝振りだ。千波湖の周回道路も歩行者用(ランナー用)の広い歩道と、車道にきちんと分かれている。湖を眺めながら走る周囲3kmのコースは気持良さそう。「ここだったら走ってみたいなぁ」と普段はジムでしか走らない妻。「周りは桜の樹なんです。桜の季節もきれいですよ」確かに湖の周囲は桜並木。満開の頃には素晴らしい風景になるのだろう。梅は〜咲いぃたぁか♪桜ぁはまだかいなぁ♪小声で端唄を口ずさんでみる。「桜の季節にもぜひ来てください!」まるで茨城県の観光大使のように従妹夫婦が声を揃える。地元を愛してるんだなぁ。良い街だ、良い夫婦だ。妻の妹夫婦のようなものだし、また来る機会もあるだろう。「その時は、“山コース”ドライブを考えておきます」はい。いつか、茨城弁ガイドによるほのぼの紀行、楽しみにしてます。

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2009年3月14日 (土)

鮟鱇の海を訪ねて「茨城ほのぼの紀行」

Photoる週末、茨城に住む妻の従妹を訪ねた。一人っ子の妻にとっては妹のような存在。「家を買ったから遊びに来てねぇ♪」と前々から言われてはいた。しかし、上野から特急で1時間、世田谷の西北端にあるお気楽夫婦の住まいからは都合2時間。日帰りで訪ねるには遠く、かと言って泊まりがけでわざわざ行くには“口実”が必要な距離。そこで、毎年恒例にしていた私の誕生日祝いのホテル宿泊を、都内近郊から水戸に変えた。口実(あるいは目的)は、鹿島灘や北茨城で獲れる冬の味覚、アンコウ。極めてシンプル。「うわぁ♪嬉しい。じゃあどこに行くか考えておくね・・・」妻が訪問を告げるメールを送ると、従妹からたっぷり絵文字入りのメールが返って来た。彼女も弟と2人だけの姉弟。姉の来訪を心待ちにする妹の姿が目に浮かぶような元気な文面だった。

Photo_2 Photo_7 寄り駅に迎えに来てくれた従妹夫婦の車で茨城観光ドライブ。「今日は“海コース”にしましょう!」行き先はお任せ。事前の予備知識がない分、車窓から眺める風景は新鮮。海岸線をひたすら北上する。いくつかの地元の名所を訪ねた後、さらに北に向かう。「ここは余り有名ではないんだけど、とっておきの場所なんだ♪」従妹がちょっと照れながら案内してくれた場所は、まさしく穴場スポット。遠くから冬の荒波が次々に押し寄せるが、海岸手前の岩場で波が消され、海岸線では穏やかな波がひたひたと寄せる不思議な入り江。いつまでも波を眺めていたくなる和みの風景。海辺の町で波の音を聞きながら育った私にとって、海岸で波の砕ける音は、心地の良い懐かしい音楽だ。「おぉ〜い。そろそろ行くよぉ!」妻に促されて車に戻る。

Photo_5 Photo_6もないとこなんですけどねぇ」帰路、地元出身の従妹のダンナがそう言いながら、懸命に道の途中の名所を解説してくれる。確かになんでもない風景なのに、彼の茨城弁と相まって、実にほのぼのと温かい風景に見えてくる。「ところで、茨城の人って冬はアンコウ鍋ばっかり食べてるの?って言われるんですけど、家でもめったに食べないし、僕なんかお店で食べたことないんです」あぁ、そうなんだ。「だから楽しみなんだぁ♪」従妹も唱和する。素朴な夫婦。そんな2人が案内してくれたのは地元の有名店「山翠」。到着すると店の前まで客が溢れている。「予約しなくても大丈夫ですよって電話で言われたんだけどなぁ」と従妹のダンナが心配する。ん、のんびり待とう。そんな気分でいられる旅だ。

Photo_8 Photo_9 つこと30分余り。満席の店内の奥、お座敷に案内され、まずは乾杯。運転するダンナと姉妹のような従妹同士2人はお茶で。あん肝の煮こごり、アンコウのから揚げを肴にビールをぐびり。イワシの天ぷら、軍鶏の山椒焼きも良いお味。うんまぁ〜い。そして待望のあんこう鍋。「うわぁ、美味しそう♪」この店は味噌にあんこうの肝をすりこんで炙った秘伝の“焼き味噌”が特徴。小さな団子状の焼き味噌をスープに半分程溶き、くつくつと煮立ったら“あんこうの七つ道具”と言われる正身、皮、肝などの具材を入れる。旨そうっ。どれどれ、熱々を頬張る。うっ、旨い。ちょっと入れただけで濃厚な味になる焼き味噌の味と、淡白なあんこうの身がバランス良く、素朴ながら滋味溢れる美味しさ。「美味しいですねぇ」と声を揃える従妹夫婦。彼らと過ごした冬の1日と同様に、温かく、ほのぼのとした料理だった。

ころで明日のお迎えは7時ぐらいで良いですか?」え”?それはちょっと早くない?

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2009年3月 8日 (日)

“ふつ〜”を味わう「夜の来訪者」

Photo田安則という名前を聞いてぴんと来る人は多くはない・・・のか。段田男(だんだだん)というインパクトのある芸名の演歌歌手もいたなぁ。番場蛮(ばんばばん)というのは、確か少年ジャンプに連載されアニメ番組にもなったマンガ「侍ジャイアンツ」の主人公だった。そう言えば今年のWBCの日本チームの愛称は「侍ジャパン」だったけど・・・音感だけの連想はオヤヂの始まりであるけれど、最近のお笑いでもそんなネタを持ったコンビもいたような、いないような。という訳で、段田安則だ。小劇場第三世代の代表的劇団「夢の遊眠社」に所属していた。と言っても段々通じなくなってしまうけれど、野田秀樹が東大在学中に結成した人気劇団。段田の他に、上杉祥三、羽場裕一、松澤一之などがいた。同時代の人気劇団に向上尚史が率いる「第三舞台」があった。そうか、もう20年も前の話か。

の段田安則が初演出の「夜の来訪者」を観た。会場は紀伊国屋ホール。観終わるといつも「お尻が痛い!」と妻が愚痴る昔ながらの小劇場。小劇団の憧れの劇場でもある。う〜ん、なかなか本題に入れない。つまらなかった訳ではない。渡辺えり、高橋克実、八嶋智人、岡本健一、坂井真紀らの贅沢なキャスティング。脚本も有名なサスペンス。小さな「事件」とも言えない1人の女性の自殺の報が、平穏だった実業家宅を訪れた警官によって伝えられ、その一族のひとりひとりに次々に波紋を呼び・・・。作られ過ぎた感じのストーリーが現実感をなくしてしまったのかもしれない。翻訳劇を日本で上演することの難しさもあるかもしれない。“上流階級”“成金”の存在を揶揄する視点が現在とギャップがあったのかもしれない。しかし、上演前に70年代のニュース映像を流すことで時代背景を柔らかく伝えたはずだ。現在にも通じさせるネタも加えられていた。

ぁ、そうだったんだ。大正時代の話かと思った」開演に間に合わず、冒頭の映像を見られなかった妻の感想。そうか、あんな台詞まわしは日常的ではなくなったばかりか、パロディでしかあり得なくなったんだ。「お父様ったら・・・」「君には期待しているんだがねぇ」というような家族の会話。親と子、兄弟の距離が良くも悪くも縮まり、家族の間で丁寧語や敬語が使われることがなくなってしまった。姉妹のような母娘、父を尊敬できない息子。そんな親子間のコミュニケーションに敬語はない。「早い話が面白くなかったってこと?」いえいえ、楽しいことしか記事にしないというコンセプト。取り上げること自体で肯定的。でも、ちょっと歯切れが悪くないか?確かにそうかもしれない。ここ数年、観終わった芝居のコメントを書くことが極端に少なくなったのは、「楽しい」の基準が上がってしまったのではと思い、書き始めたのがこの舞台の記事だった。

味しいものも日常的になってしまえば、普通の味になってしまう。「美味しい」「楽しい」の水準を一度上げてしまったら、下げることはできない。下げる必要もないのだけれど、自らの評価の最高水準のものと比較して否定してはいけない。それぞれを味わい、楽しむ姿勢が大切。舌や目が驕ってしまっては日々の「美味しい」「楽しい」を楽しめない。「なぁんだ、早い話が面白くなかったってことなんじゃない。野田とかと比べちゃうからいけないんじゃないの?私は“ふつ〜”に面白かったよ♪」いや、だから違うんだってば。・・・ん、でもその表現良いね。「夜の来訪者」ふつ〜に面白く、楽しい芝居でした。

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2009年3月 1日 (日)

人を繋ぐ味、人を繋ぐ店「たん熊北店」

Photo_65年以上NYCに駐在し昨秋に帰国したばかりの友人夫妻。2人は金融系の企業に入社後、オクスフォードに留学。その後に日本に帰国。お気楽夫婦はその頃に2人と知り合った。「ところで本城さん、さっき話に出ていた○○さんって、北海道出身じゃないですか」と友人(夫)。「確かそんなこと言うてました」「きっとその彼は僕の小学校時代の同級生だと思います」「あらぁ、そうでっかぁ。今は、半蔵門のホテルで料理長してますわ」ん?それは親父の緑綬褒章のお祝いに行ったお店かも。「え!グランドアークの〈門〉という店だったら良く行ってます」と妻も気付いたようだ。美味しいランチが破格のお値段で食べられる、私も大好きな店だ。「僕が児童会長で、彼が副会長だったんです」。ふぅ〜ん。そんな偶然があるんだねぇ。

Photo_8ころでIGAさん。私、今度店出すんですわぁ」え!たん熊ブランドで?それとも本城ブランドで?「本城ブランドですわ」え!独立ということですか!じゃあ、この店も大変ですね。「そうなんです。困ってるんです」話を聞いていた料理長の保坂さんが零す。「最近、若い者の目標となるような料理人の道みたいなもんが見えなくなって来て、だったら私がやってみようかなと」へぇ〜っそれは凄い。「連れてってくださいよ、って言ってるんですけどね」と半ば本気に聞こえる保坂さんのことばには本城さんは応えない。リスクもある、安定した道ではないことを充分理解しているからこその無言。浜松の「弁いち」のご主人といい、本城さんといい、もちろん私も(レベルは違うが)、ある年齢になった時、自分の仕事を見つめ直す時期が誰にもやって来るのだろう。

Photo_9 うですかぁ。残念だけど、楽しみですね。お店の場所はどちらですか。「用賀なんです。用賀神社のすぐ近くで・・・」あぁ、それは嬉しい。ぜひお伺いします。「今はまだスケルトンの状態で、これから造作なんです。できたらご連絡しますので、ぜひいらしてください」えぇ、もちろん。これは楽しみが増えた。そんな会話をしながらも、甘鯛の菜の花上用蒸しやキビナゴの刺身をいただく。どれも実に丁寧な仕事。繊細で優しい味。「思えば、IGAさんたちが私たちにとって初めて会った“大人”の夫婦だったんですよね。暮らし方のお手本になるような」「そうだねぇ。そう、2人でよくそんな話をしてるんです」と、突然友人夫妻の告白(?)。えぇ〜っ!酔ってるんじゃない?こんなお気楽な2人が?“楽しそう”ということなら、そうかもしれないし、嬉しいことだけれど。

Photo_10の店もきっと2人だけで初めて来たら、違う感じだったかもしれないと思うんだ。食べていてほんとに楽しいもの♪」なるほど。それは嬉しい。私はいつも思うのだ。料理店は無限と言っていい程あり、自分たちが行けるお店は限りがある。料理評論家ではないのだから、せっかく出会った店であれば、まして自分たちの味覚に合った店であればなおさら、☆などに関係なく、特別な店で良いのだと。料理人と親しくなることで料理への評価が甘くなるから嫌だ・・・というような人もいるけれど、私は逆。今日の料理は美味しかったと伝えられ、ちょっと今日はどうかなと(言わないけれど)思いながらも、許してしまう関係の方が好き。美味しい料理は“味”だけで楽しむのではなく、作る人、サービスする人、食事を共にする人と楽しい時間を過ごすもの。

Photo_11 ウンタにはたん熊名物のすっぽんの丸鍋。生姜の香りが鼻腔をくすぐり、絶妙の味のスープが口腔に幸せをもたらす。「○○さん、本城です。ちょっと待ってください」本城さんが自分の携帯電話を友人(夫)に渡す。「え!○○さんに繋がってるんですか?」「あのぉ、○○?僕です。××です。久しぶりぃ・・・」またまたサプライズ。あっという間に30年の時間を超えて会話する2人。同級生の彼の店にも一緒に行ってみなくちゃね。「あ、行く!行きたい!まずは平日にランチで!」と、またノリの良い友人(妻)。了解。こうして人は味で繋がり、舌で結ばれる。そこに「タケノコ握ってみました。どうぞ」と本城さん。昆布締めのヒラメと共にぱくり。「お腹いっぱいだと思っていたのに大丈夫。すっごい美味しいねぇ♪」

っぱり料理は日本だぁ。どれも美味しかったなぁ。楽しかったぁ♪」ダメ押しのデザートを食べながら友人(妻)が呟く。すっかりご機嫌の模様。また友人たちと一緒に来たいと思わせる、人を繋ぐ店。この料理を誰かに食べさせたいと思わせる、人を繋ぐ味。今日も楽しく満足の食事ができた。「この店では一度も何かが不足したことがないなぁ。いつもリラックスして楽しめるんだよねぇ」と妻。そう。自分にフィットした店こそが、その人にとって☆☆☆なのだ。次は、ご近所の友人夫妻も誘って、用賀の本城さんのお店で!

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2009年2月28日 (土)

日本の味、日本人の舌「たん熊の春」

Photo節が変わる度に行きたくなる店がある。立春も過ぎ、日が長くなり始めると春の味がその店で待っている。前回の訪問は10月。冬の味わいは逃してしまった。「たん熊にそろそろ行かないとね♪」妻が独り言のようなメッセージを発する。彼女は決して自分で企画をしない。「行かないとね」というのは、「行こうよ、何か企画してね」という意味。たん熊北店は、お気楽夫婦にとって特別な店。“ハレ”の店。日常的にはお邪魔できないけれど、たまに贅沢に食事をするにはぴったり。航空券で言えば、とても自力では搭乗できないファーストクラスではなく、ちょっと頑張ってアップグレードして搭乗するビジネスクラスの店。普段はエコノミー、それもディスカウントチケットで搭乗している感覚からしたら、店に行くきっかけが必要。

Photo_2 回のきっかけにさせていただいたのは、NYC帰りの友人夫妻。NYCにも美味しいレストラン、美味しい料理はたくさんあるけれど、「日本人にとって、食べ物は日本じゃなきゃダメってことが良く分かった。だって、アメリカ人の“美味しい”は、ストレートな味なんだよね」とのこと。言われてみれば、彼らの求めるものは分かりやすさ。繊細な味や、微妙なニュアンスなどは伝わり難い。薄味の日本料理などは味付けしてないんじゃない?と感じられてしまうこともある。婉曲的な物言いは、それはYESなのか、NOなのかと問われることもある。日本とアメリカの外交やビジネスで誤解が生まれるのは、そんな国民性から、もっと言えば“味の好み”から来ているのかもしれない。5年以上もそんな異国に暮らした彼らをお誘いしたところ、「行きたい!たん熊デビュー!」と良いノリ。実に気持の良い、はっきりとした意思表示。そんなところはアメリカ仕込み。行こう!行こう♪

Photo_3ん熊北店二子玉川店」は店長の本城さんの店。彼の目が店の隅々まで行き届き、彼が核となり繊細な味とおもてなしの良い空間を創っている。味は人、店は人、ということが良く分かる店。予約したのはカウンタの右端。いつもの場所だ。こんにちは♪ご無沙汰してます。「いらっしゃいませ。まいどおおきに。ありがとうございます」本城さんが珍しくカウンタの中で忙しく立ち働いてる。タイミングを計りながら友人夫妻を紹介する。本城さんはパリの日本大使館の料理長だったと彼らに紹介すると「いつ頃ですか。僕らも実はアメリカの前はイギリスにもいたんですよ」赴任していた時期を確認すると、友人夫妻が日本に帰国した頃に本城さんがパリに着任したらしい。それでも共通の大使館関係者の知人がいるようだ。ふぅん。「まずは前菜ご用意しましょか」と本城さん。はい♪お任せします。

Photo_4 ずは突き出し。ビン長マグロと茗荷、トロロの小鉢。たっぷりの山葵と一緒に軽く混ぜる。ワサビと茗荷の香りが爽やかな一品。「美味しいぃ〜っ♪」友人(妻)がすでに涙ぐみそうになっている。それともワサビのせいか。乾杯で飲んだビールがあっという間になくなる。やはり日本酒で行こうか。「うんっ!やっぱりこの料理には日本酒だね。今日は二人とも飲む気満々で電車で来たからね」頼もしいおことば。たん熊オリジナル「熊彦」純米吟醸をオーダー。旨い。続いて登場したのは前菜の盛り合せ。「うっ美しぃ〜♪」友人夫妻が絶賛する。大根の桂剥きで作った雪洞、オーダーしようと思っていた氷魚(鮎の稚魚)も入っている。嬉しい。「こんな繊細さはアメリカ人には通じないんだよねぇ」友人(妻)がしみじみと呟く。酒が進む。あれ。そんなにお酒飲めたっけ・・・。

Photo_5せだぁ。大人になって良かったぁ」友人(妻)が満面の笑みで、いかにも料理を楽しんでいる様子。酒盗と卵黄を泡立てた、なんとも言えない絶妙のふわふわ状のペーストをキュウリに付けてぱくり。あぁ、確かに幸せだ。蛤のぬた和えをひと口。うん、まさしく幸せな味だ。そして山菜の天ぷら。春の味。山菜の苦みと、甘みと、春の香りが口に広がる。「やっぱり日本人で良かった。大人で良かった」友人(妻)の笑みが続く。そうか。こんな店のカウンタで、板さんと会話しながら、落ち着いて食事ができる“大人”にいつの間にかなっていたんだ。彼女のことばで改めてそんな自分たちを自覚する。背伸びをせずに、この空間を楽しむことができる。日本の味を自覚し、日本人の舌を意識することができる。こんな風に齢をとるのも、大人になるのも悪くない。

ころで本城さん・・・」友人(夫)が店長に尋ねる。えっ!まさかっ!そんなことが!

・・・明日に続く。

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2009年2月22日 (日)

お気楽、ゼータク、ウチご飯「DEAN & DELUCA」

Photoノが売れない。雇用の危機が叫ばれている。100年に一度とも言われる不況である・・・というけれど、我が身に降り掛かる実感が少ない。もちろん“情報としての不況”は実感している。アナウンサーは他人事のように企業の倒産を伝え、コメンテーターは政府の無策を批判し続ける。しかし、多くの人は自らが痛い目に遭わないと不況という実感と向き合えない。例えば、ボーナスが出なかったり、早期退職を勧告されたり、自分の会社の経営陣がいつの間にか記者会見していたり、というように。日本人はブームに弱い。この不況を実体のないブームとは言わないけれど、必要以上に不況の実態を伝えない方が良いのではないか、と思うことがある。日常生活は満ち足りて、欲しいモノがない!という日本人が多い。そんな中、価格や機能や代替性などによって支持され、売れているモノ、売れている店があるのだから。明るく不況を乗り切ろう!という方が楽しいし。

Photo_2 えば、ユニクロ。例えば、マクドナルド。例えば任天堂。そして、この店「DEAN & DELUCA」も。2003年に日本第1号店が丸の内にできてから、あっという間に首都圏中心に10店舗。少ないじゃないかと言われるかもしれないが、本家のアメリカでも10数店舗。この店の扱う商品(デリカテッセン、パン、ワインなど)のハイエンドの価格帯から言ったら決して少なくない数。国内老舗高級スーパーの紀伊国屋が10店舗弱、レックス・ホールディングスに買収され多店舗展開を図る成城石井が約70店舗。1店舗当たりの規模が全く違うため単純な比較はできないが、今後の首都圏以外への展開を考えると高水準。それにも増して、街で見掛けるこの店のトートバッグを持ち歩く若い女性の多さを考えると、ブランドとしては既に充分浸透しており、今後のさらなる拡大を予感するものがある。

Ny 気楽夫婦が「DEAN & DELUCA」に初めて出会ったのは2003年の冬。前の年にNYCに赴任した友人夫妻を訪ねた時だった。彼らが住んでいたマンハッタンのミッドタウンイースト。アッパーな方々の住む街の高級デリ。ワインも、デリも、パンも、ディスプレーのどれもが美しい。けれど、お高い。日常的に買って夕食のテーブルに並べるにはちょっと贅沢。「DEAN & DELUCA」は、元々デリの店だったのが扱い商品を増やしてスーパーのような品揃えになった店。NYCに住んでいた頃の彼らはCitarella (シタレラ)という、やはりハイエンドなデリを使っていた。いずれもマンハッタンに住むニューヨーカー御用達。ちょうどクリスマスの頃ということもあり、ターキーやサラダ、チーズなどが実に美味しそうに、お洒落に並んでいた。あれから5年余り。デルーカもずいぶん身近になった。

Ny_2日も遅くなりそうだから外で食べる?」いつものように妻からメールが入る。今日は“東横のれん街”で何か買って帰るよ♪と返信。オフィスに戻る途中、目に付いたデルーカのロゴ。その日はデルーカのデリでウチご飯と無意識に刷り込まれていた。混んでいる店先で何とか選んだのはゴルゴンゾーラとベーコンのニョッキ、ドライトマトと温野菜のサラダなど3種。小さなハード系のパンを合わせても、2人で外食することを考えたら安上がり。うん、このパターンは良いかも。温めて皿に盛りつけるだけの夕食が出来上がり♪何と比較するかにもよるけれど、お気楽で、美味しくて、ちょっと贅沢なのにリーズナブル。こんな世相にぴったりの夕食。「さすがにデルーカは美味しいね。それに外でお酒飲まないと安上がりだしね」と妻。なるほど、ウチメシがお得な理由は、私の酒だったのか。

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2009年2月21日 (土)

芝居とドーナツ、妄想と現実「テーブルマナー」

Photoの中には一方的な知り合いがいる。それを普通は、知り“合い”とは言わないのだけれど、身近に感じてしまう余りに相手も自分を知っていると思ってしまう誤解、というか錯覚。例えば、芸能人を街角で見つけると「あら、さんまちゃぁ〜ん♪」とか言いながら肩を叩いてしまう症状。大阪方面のオバちゃんにその傾向が強い。テレビという視る側にとっては日常的存在に毎日のようにその人が現れ、結果、毎日のように(視ている本人にとっては)会っているが為に現れてしまう気持。感情移入してしまい、テレビに向かって相槌を打つという奇態が表出する。自覚もなしに。怖い。・・・ところが、身体の中に小さなオバちゃんが棲む私にも、そんな感情があった。松尾貴史が主宰する「AGAPE store」#13公演「テーブルマナー」を観ながら、そんな感情を抑えようとする自分がいた。

Photo_2 演は、松尾貴史、最近はすっかり舞台女優の島田歌穂、「猫のホテル」の市川しんぺー、佐藤真弓、D-BOYSの柳浩太郎、そして大和田美帆。さて、私の中の小さなオバちゃんが疼いた出演者とは・・・。毎朝、薬丸くんと一緒に「・・・オープンですっ!」とポーズを取る母、野沢直子の迷曲「大和田獏」で有名な?父を持つ、美帆ちゃん。(もう既にちゃん付け!)毎朝見かける母、岡江久美子に親近感を持つが余り、すっかり親戚のオジさん気分。彼女はもう新人ではないし、安定した演技だし、巧いのだけれど、どきどき。ドタバタ不倫劇の役柄に、はらはら。自分の姪っ子が舞台に出ていて、トチるんじゃないかと思ったり、ダメだぁっ!そんなことをしちゃぁ〜っ!姉(島田歌穂)の夫(松尾貴史)になんか騙されるなぁ・・・とか。身体の中のオバちゃんが叫びそうになる。

Photo_3 居を観終わり、そんな勝手な妄想の切れ端を抱えたまま、劇場を出る。そう、一種の妄想。しかし、そんな感情移入させる程の芝居だったという言い方もある。でも何かすっきりしない。「面白かったね♪」松尾貴史が主宰するAGAPE storeがお気に入りで、この舞台の演出を手がけるG2の大ファンである妻は満足そう。寒風の中、並んで歩くサザンテラス。季節外れにも思えるイルミネーションがまだ残っている。「あっ!並んでない!」妻が足を止める。確かに時間が遅いこともあり、いつも長蛇の列の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」店頭に人影はない。ある年、香港に出かけた際に、日本進出前のクリスピー・クリーム・ドーナツを食べ損なったことを悔やむ妻が決断した。「食べるっ!」晩メシにドーナツ?ビール飲めないし・・・躊躇する私を余所に、すたすたと店に向かう妻。

Photo_4

リスピーの箱を抱えている人を見かける度に「良いなぁ」と零していた妻。しかし、2人共並ぶのは嫌い。確かに今日はチャンスだ。でも、箱で買わなきゃいけないの?「そんなことはないでしょ」短い列であっという間に順番が来る。確かに1個づつ買える。勝手に思い込んでいた私。これも一種の都市伝説。または私の妄想。「ご試食どうぞぉ♪」揚げたてのオリジナル・グレーズドをいただく。これが噂のサービス。妻が支払う間を待ちきれずにひと口。うん、柔らかく、ほんのり温かくて美味しい♬2階のイートインで何種類かのドーナツを食す。甘〜い。2つめで降参。う〜む、これが並んでまで食べたい味か?箱買いは無理。「一度は食べたかったから、満足、満足♪」と妻。不味くはない。しかし、長い行列に見合う味を期待した私の(これも妄想)気持との落差は大きい。妄想と現実のギャップ。「これで香港まで行って食べなくても良くなったから、安上がりだね!」妻の人生は今日もお気楽だ。

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2009年2月15日 (日)

義理とは、本命とは「バレンタイン ショコラ」

Photo_4和の時代の子供にとっては、まだバレンタインデーにチョコレートというのは決して一般的ではなかった。それでも好きな男の子に、女の子から“チョコレート”といういわば「世間公認のメッセージ」によって告白できる日というピュアな空気があった。いわゆる「義理」チョコというような言い方で、ショッピングバッグに大量に買込んで・・・などという風景は存在しなかった。世の中挙げて話題にするようになったのは、平成の時代が始まるちょっと前ぐらいからだろうか。社会人になった頃の私にとっても、女性社員が圧倒的に多く、自社(百貨店)でチョコレートを販売しているということもあり、大量の可愛い小さなパッケージが毎年デスクに山積みされているバレンタインの風景は日常的になった。しかし、そんな季節の風物詩も企業の文化の違いで大きく様変わりすることも、何度かの転職で知った。

Photo 性にとって、「義理」という見えないラベルが貼ってあるチョコをいただくのも、かと言って全くいただけないのも心理的に微妙。そこに「本命」と呼ばれるスパイスが少なからず入っているのか、などと余計な妄想を膨らませることにもなる。だいたい、普段の生活で「義理」などがある関係ではない方から、これは「義理」ですからね!などと言わずもがなの(無言の)念押しをされていただくのも困ってしまう。だとしたら、この呼び方がいかんのではないだろうか。例えば、「親愛チョコ」。ちょっと堅いけど、いつもありがとう(愛しているではなく)好意を持っています、という気持は伝わるし、余計な詮索や言い訳の必要がない。日本語だと浸透しないだろうから、英語だと「Affection」とか「Goodwill」という感じ。あぁ〜、でもグッドウィルは人材派遣会社の名前として悪評が浸透してしまったし、流行らんだろうなぁ。

Photo_2んなぶつぶつと面倒なこと言ってなくても、ちゃんと伝わってるよ」と妻。そんな彼女は、職場の和を考えセクション内の男性たちに、毎週お世話になっている整体の先生に、そしてご近所の友人(夫)にチョコをプレゼント。・・・そうか、彼女の感覚からしたら、お歳暮やお中元代わりなのかもしれない。お歳暮やお中元のように堅苦しくない、お世話になっていますというメッセージ。「だとしたら、“本命”という言い方の方が変だよ。だったら、“対抗”や“穴”もあるのか!と私は言いたいっ」確かに、ごもっとも。とは言え、食品業界挙げて、日本国中で、バレンタイン!と浮かれている国も平和なものだ。100年に一度の大不況と言われる中、自分へのご褒美!と言いながら女性が大量に堂々と、それも高価なチョコを買う風景も悪くはない。彼女たちの旺盛な購買行動が日本を救う!かもしれない。

Photo_3 ころで、お気楽夫婦の今年のバレンタイン。妻からはショコラティエ・ミキの「グランクール(ビッグハート)」と、親愛チョコの余り物であるルタオの「ロイヤル・モンターニュ」をもらった。半分以上はチョコ好きの彼女が自分で食べるのだけど。そしてご近所の友人(妻)からは、ロイズの「クルマロチョコレート」。どれもうまうま。実は私は甘いモノも好きな酔っ払い。チョコをつまみに酒も飲める。実に不経済な男。その点、酒が飲めないご近所の友人(夫)は甘いもの一本。そして彼の最も好きなチョコは不二家のハートチョコ。実に経済的。そんな彼への愛情込めたチョコセットは、IGA企画・制作「不二家のハートチョコとミキちゃんのプティクール(スモールハート)詰め合わせ:桐箱入り」・・・そう、昨日の記事を読んだ方はお気づきのことと思うが、森名人のカステラの箱をリユース。どんなに高価なチョコよりも、手作り感覚(容器だけ)の、心を込めたメッセージ。今後もよろしくお願いします!

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2009年2月14日 (土)

おめでたの箱入り「森 幸四郎のカステラ」

Photoる日、いつものように夕食を外で済ませ、深夜に帰宅したお気楽夫婦。宅配ロッカーに荷物到着を知らせる部屋番号が表示されていた。指定のボックスを開けると細長い箱。何だ?和服の反物のような大きさ。荷物を抱えエレベータに乗る。送り主を見ると前職の会社の後輩にあたる友人。先日送った出産祝いのお返しらしい。「何だろうね」我慢できずに、すぐに包みを開けようとする妻。何とか押し止める私。お気楽夫婦が住むマンションのエレベータの中には防犯用のビデオカメラが設置されており、エントランスのモニターに常時映像が流されている。ここで開けたらプライベート丸出し。「食べ物っぽいよ♪」妻は妙に鼻が利く。

Photo_2 イニングテーブルの上に包みを置き、丁寧な包装を解く。おぉ〜っ!凄い。仰々しくも桐の箱。金塊かぁ。恐縮だなぁ。「そんな訳ないでしょ。銀座文明堂って書いてあるじゃない」妻にはシャレは通じない。その上、視力も抜群である。ふんふん、文明堂と言えば「♪カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂♪」というCMで有名な店。やはりカステラか。(ちなみに「電話は二番」というのは、電話交換手に銀座局の2番をお願いします!という時代からのコマーシャルだったということだろうなぁ。しみじみ・・・)箱を開けるとさらに白い包み。・・・今度は私が我慢できずに包みを開ける。

ぉ〜っ!やはり金塊だぁ♪中から現れたのは、美しく金色に輝く延棒。刻印も打ってある。(それは“焼印”でしょ!と妻)但し、「田中貴金属」とか「三菱マテリアル」とかではなく、「森幸四郎」とある。同封された栞の表紙には「銀座の職人 森幸四郎」、中面には「かすてら職人歴 半世紀・・・」と説明書きがある。その説明によると、製法の難しさによって“幻の味”となってしまった「五三カステラ」を文献や先人たちからの言い伝えによって復元したカステラらしい。凄っ!卵黄を3割増、和三盆糖、英国産ハニーなどの厳選した材料を使った究極の味の芸術品だという。八重洲の大丸でも人気らしい。ふぅ〜ん。「食べよう!食べよう♪」深夜でも甘いものを欠かさない妻が主張する。はいはい。金の延棒を取り出しナイフを入れる。良い香り。蜂蜜が染み出して来そうな生地。そして、すごい弾力。下の“こげ”の部分まできれいに残るように丁寧に切り分ける。

Photo_3に乗せ底を確認。うんうん。きれいに切れた。ザラメの和三盆糖も付いている。ぱくっとひとくち。上品な香りと共に、濃厚でジューシーな味が広がる。ザラメがかりっと良い音を弾く。しっとりとしたキメ細やかな生地が舌と歯に心地良い。うんまぁ〜いっ♪これは贅沢なカステラだ。ぱさぱさした感触が全くない。「美味しいねぇ。カステラなんて久しぶりに食べたけど」確かに私も久しぶり。子供の頃はお客さまの手土産の定番だった。端の部分をコソギ落として食べるのが好きだった。ちょっと苦みが甘みと混じり、絶妙の美味しさ。「うん、あったあった。それにしても箱入りのカステラなんて初めてだね」思えば、送り主の友人はいろんな曲折を経て結婚。結果的には“特大”の愛情と幸福を手に入れた。そんな友人待望の第一子。それも女の子。可愛くて仕方ないに違いない。あっ!なるほど、それで“箱入り”なんじゃない?「・・・」やはり、妻にはシャレが通じないらしい。

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2009年2月 8日 (日)

☆☆☆の日々「ひのきざか」リッツ・カールトン東京(後編)

Photo_11 ちらのお店は『ミシュラン』で☆獲られているんですか?今更ながらスタッフに尋ねるお気楽夫婦。今あなたが食べてる会席コースは“ミシュラン特別会席”でしょう(怒)!などとはおくびにも出さずに「はい。お陰さまで2年連続星をいただいております」とスタッフ。やっぱりそうですよね。ほんとに美味しいです。ちなみに、☆☆ですか?実に無礼な客。「ありがとうございます。“2年連続で”☆頂戴しました」と2年連続を強調して繰り返すスタッフ。「知らずにお邪魔したので・・・」と妻がフォロー。あ、と言う訳で覆面審査員ではありませんから、と無謀な発言の私。そんなギャグにももはや(当然)笑っていただけず、スルー。すっかり料理の美味しさに有頂天でした。はい、酔ってもいました。すかさずちょっと反省。どこかの国の首相のような不用意な発言を慎みつつ、さり気なく周囲を見回す。

Photo_12が付くと、窓に向かって並んで座れるカウンタ席には数組のカップル。どれもご出勤前の女性と、同伴の男性風。へぇ〜。不景気と言ってもこんな店で出勤前のお食事をご馳走できる方も多いんだなぁ。聞くともなく耳に入ってくる一組のカップルの会話。どうもまだ余り親しくないらしい。へぇ〜。郊外に自宅を建てたばかりなのか。なのに余裕だね。下世話ですいません。余計なお世話でした。とは言え、皆さん凄い。お気楽夫婦も国内外の旅行、ホテル滞在、外食など“無くなるもの”に金を使うことで(周囲に)知られてはいる。しかし、この店に気楽には来られないなぁ。「そうだね。もらったギフトカード(15,000円)がなかったら、ちょっと勇気がいるね」そうなのだ。人には何にいくら遣っても良いか、という水準がある。確かに美味しいけれど、2人はきっと(普段だったら)この店を選択しないし、できない。

Photo_13いたい、『ミシュラン』に載っていると知ってたら、この店に来なかったかもね」と妻。うん、同感。決して編集方針に疑問を持っているからとか、権威主義に対して反発しているとか、そんな大げさなことではなく、2人は『ミシュラン』にほとんど興味がない。却って自分たちが好きだった店が☆を獲ってしまったら、嬉しさ半分、嫌悪半分という感情を持つに違いない。味やサービスという人によって大きく評価が分かれるものに、絶対的な評価はないというのが持論。それに人によって食に期待するものは違う。まして、「価格」という物差しなしで万人に向かって、この店は☆だ!ここは☆☆☆だ!と言ってもらってもなぁという気持。現に、2人のお気に入り旅館「湯どの庵」「亀や」が経営する「阿部」という店が赤坂にあり、行ってみようかと思っていた矢先、☆を獲ってしまい行きそびれた経緯がある。

Photo_14もやっぱり、この店は美味しいね♪」と妻。うん、そうだね。美味しいし、サービスレベルも高い。コースも後半。炊合の筍や海老芋は柔らかで、繊細で、上品で、絶妙な味付け。生白魚を乗せた蒸しご飯など、涙が出そうなほど美味しかった。絶妙なタイミングでお酒のお代わりも勧められ、押し付けがましくない程度に料理や酒の説明を受けた。実に良い感じ。そして最後にダメ押し。紅茶と共にソーサーに載って来た“Happy Birthday IGA”のホワイトチョコレート。「予約した時に何かのお祝いですかって訊かれたんだ。なるほどね、こういう訳だったのね」舌も、気持も、すっかり満足。美味しい食事に調子に乗って飲み過ぎたけれど、妻の財布も納得。浮かれ気分でイルミネーションの残るミッドタウンを散歩。すると前職の会社の後輩からメールが届いた。「たいへん遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます!益々カッコ良いオヤジになってくださいませ!・・・」

りがと。カッコ良いかどうかは別にしても、こんなオヤジ生活も悪くない。たまの“ハレ”の日に、こんな店に来られたら幸せだね。「うん、今日も楽しかったね♪」妻も最後まで辛口コメントは封印。ほんとにハッピーな誕生日。マイ・バースデーに☆みっつ!

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2009年2月 7日 (土)

ハッピー・マイ・バースディ♪「ひのきざか」リッツ・カールトン東京

Photo Photo_2Happy Birthday IGAさん、お誕生日おめでとうございます・・・」ある朝早く、NYC帰りの友人夫妻からメールが届いた。誕生日を覚えてくれてたんだなぁ♪なんだか朝から元気になり、笑みが零れる。昼休み、ご近所の友人(妻)と、妻から立て続けにメール。「お誕生日♪おめでとうございます・・・」「“ひのきざか”眺めの良い席で予約しました・・・」ありがとう。いくつになっても、祝ってもらえる誕生日は幸福です。それぞれに返信。すると妻から返信。「良かったね。今夜の食事、楽しみだね」珍しく素直にメールで感情表現する妻。それもまた嬉しい。無理やり業務を終え、慌ただしくタクシーに飛び乗りミッドタウンに向かう。平日ということもあり、どの通りも空いている。オフィスからわずか10分。予約の時間ぴったりに席に付く。電車でやって来た妻もほぼ同時刻に到着。新宿の高層ビル群、神宮外苑を望む窓際の席。夜景が美しい。

Photo_5 Photo_6 が予約してくれた「ひのきざか」はリッツ・カールトン東京の45階。明るく上品な内装の日本料理店。決して華美ではなく、圧するような雰囲気も感じさせない良い空間。そして何より柔らかな接客が心地良い。決して慇懃ではなく、過剰ではなく、かと言ってカジュアル過ぎない。簡単なようだけれど、これが実に難しい。しかし、そんな接客を何より望むお気楽夫婦。滑り出しは順調だ。テーブル席のメニューは会席料理が基本。13,000円より。普段だったら「え”!」と思ってしまう価格帯。しかし、その日のお気楽夫婦には心強い味方が付いていた。昨夏にいただいた「リッツ・カールトン東京ギフト券」15,000円也。ぐっと気持に余裕が生まれる。二人で別々のコースをオーダーし、互いに味見をすることに。好奇心溢れる2人のいつものパターンだ。

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ずは食前酒の梅酒で乾杯。ひと口程度なら妻も大丈夫。先附「蟹、菜花、湯葉のばら子和え 胡麻クリーム掛け」をひと口。うん、旨い。胡麻の香りが食欲をそそり、それぞれの食材がバランス良く、きちんと美味しい。妻は「京人参、蟹身(以下略)白和え」を食べ、「美味しぃ〜っ!」と微笑んでいる。かなりのものらしい。どれどれ。小鉢を交換。うん、確かにこれも繊細で美味しい。この店、かなり良い感じかも。次はお椀。焼餅や針野菜が入った沢煮仕立ての椀。和食には珍しく粒胡椒が効いている。私好み。妻はと言うと自分の椀を眺めながらにこにこ。見れば、真っ赤な黒皮大根に飾り包丁を入れた鬼の顔が、酒粕仕立ての椀に浮かんでいる。前日は立春。料理人の遊び心が楽しい。やはり交換して食す。うっ!旨い♪粕汁の中に脂の乗った寒鰤。他の具材とも合う合う。う〜ん、これは参った。

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Photo_10 いてお造り。クラッシュアイスの上に乗った鯛、甘海老、サヨリ・・・どれもきちんと美味しい。酒が進む。さらには焼物。寒鰤の照り焼き。ふんふんっ、これも好物。おろし大根を乗せ頬張る。旬の寒鰤の脂がじわじわと舌に染みる。さらに酒が進む。妻は殻付き帆立の上にアスパラ、椎茸、人参などを乗せて焼いたグラタン風の一品。見た目は違和感があったけれど食べてびっくり。きちんと日本料理。しっかり美味しい。やるなぁ。「ところで、この店って、もしかして『ミシュラン』で★獲ったのかなぁ」と妻。実は、私の選んだのはは「ミシュラン特別会席」というコース。たぶん、そうなんだろうね。スタッフに訊いてみようか。そんな名前のコースを頼んでおきながら、そして食事も後半に差し掛かった辺りで、今更のようにそんなことが気になるお気楽夫婦。オスマシ系の似た者同士ではある。

・・・ということで、その結果は明日の記事で明かされる。

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2009年2月 1日 (日)

猫背のカレー、マダムなステーキ「自由が丘ランチ事情」

Photoメージ通りだった・・・訳ではない。どうしても食べたくて食べられなかった「猫背」のカレー。自由が丘の路地に佇む小さなカフェ。その店のランチはカレー1本勝負!と潔い。正確には、野菜カレーとキーマカレーの2種類。私が食したのはキーマカレー。さらりと、上品に、でもしっかり辛く、これはこれで美味しい。しかし、あの日私が食べたかったのは、(カフェでも良かったのだけれど)喫茶店のカレー。缶詰を開けて温めただけのような、どろりとした、味の濃い、福神漬けとらっきょうが合うカレー。そんなカレーとはちょっと違う。それにしても、この店の名前が気になる。ハッピーアワーと普通言うところを、“猫背アワー”と無理やり言って、17:30〜19:00はドリンクが全て300円。ちょっと行ってみたい。妙にそそられる。

Photo_2 り際、我慢できずに女性スタッフに聞いてみた。なんで“猫背”なんですか。「さぁ、余り理由なんてないみたいですよ♪」肩すかし。その脱力系も良い。そもそも自由が丘という街は懐が深い。こぢゃれたカフェや、可愛い雑貨の店だけではなく、駅近くの「自由が丘デパート」や「ひかり街」にはディープな雰囲気の店が軒を連ねる。ランチの選択肢も広い。以前勤務した会社の後輩が始めた弁当屋さん「稲毛屋自由が丘Kitchen」「ベジキチ」も人気。昼過ぎには売り切れの弁当もある。ちょっとおしゃれで、チープな感じがしないのに、安い。これは自由が丘で売れるでしょ、という感じ。有機野菜を使っていたり、元々アーティスト向けにロケ弁やケータリングをやっているというのも“くすぐり”どころ。その他にも、コメ屋さんがやっている種類も豊富な“おにぎりや”さん「玉川屋」など、テイクアウトものも豊富。

Photo_3 洒落な中にも、おやぢのエッセンスが入った店もある。カレーカフェ、「ジジ・セラーノ」。内装もとてもこぢゃれた、味も本格的に美味しく、カレーの種類も豊富なカフェ。サイドディッシュとしてヤーコンのサラダ。これも美味しかった。なのに、店頭には「この冬、ホットなカレーでほっとしよ」・・・の幟なのだ。かなり好き。この感じ。しかし、初心者には入り難いかな。夜には止まり木で常連さんがカラオケ歌ってそうな匂いがする入口だし。そして何と言っても、平日のランチタイムは自由が丘マダムたちの世界。子供連れの若いママさんたちは、マクラーレンのベビーカーなどを押しながら「プラチノ自由が丘テラス」などに集結する。広いテラス席は子供が走り回っても大丈夫。冬でもパラソルヒーターと膝掛けで暖かい。

Photo_4ダムランチと言えば、「状元楼 自由が丘店」。11:30の開店前からオバさま達が列をなし、1時過ぎまで満席状態が続く。3種類の1000円ランチを皆でシェアして、のんびりと豪華な内装の店内でお茶を飲む午後は、お手頃でかつ優雅そのもの。何より美味しいし、C/Pは高い。さすがに皆さま良くご存知という感じ。そして、マダムランチの象徴的な店とも言えるのが、「創作鉄板焼き クリス・キャンデラ」。自由が丘には珍しく高層階にあるため眺めが良く、明るく上質で上品な内装。ランチメニューのサイコロステーキは2200円。海老フライやサラダ、スープ、食後のデザート、ドリンク付き。お得ではあるし、美味しいし、眺めも良く気分も良い。けれど、良いお値段。早い時間だったので客のいない上階を見学させていただくと、全席予約済み。私が座ったカウンタ席よりさらに素晴らしい眺望。ふぅ〜。オバさまたちはこんな店に来ていらっしゃるのね。「・・・って、結局あなたも全部の店に行ってる訳でしょ。良い生活だなぁ・・・」と妻。自由が丘ランチ、まだまだ探訪の余地あり。

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2009年1月31日 (土)

Bunkamuraの20年「パイパー」野田地図

Photo卒で入社したのは、「不思議、大好き。」とか、「おいしい生活。」とか、「じぶん、新発見。」などの糸井重里のキャッチコピーでお馴染みだった百貨店。今やコンビニの売上に負けてしまったけれど、当時の百貨店はまだまだ元気だった。男女雇用機会均等法が施行される前、女子大生の就職先として人気のその百貨店も実に元気だった。“総合生活産業”を標榜し、単なる流通グループではなく、文化を売る企業グループだと、今は作家生活を送っている当時のT会長は言っていた。グループ内に美術館、劇場、映画館、カルチャーセンターなどの“文化施設”を抱え、文化事業部というセクションもあった。とは言え、実態は流通。流通志望で入社した訳でははなかった私が在籍したのは数年程度だった。そしてそのグループは陽炎のように消えようとしている。

職したのは情報誌を発行しているベンチャー企業。私がアテネフランセに通っていた頃、教室の窓から小さな看板が見えた。その会社がいつの間にか大きくなり、新たに始めたのが日本初のコンピュータ・チケッティング。私が在籍した百貨店と一緒に事業をスタートするはずだったのに、直前に裏切られ・・・という話を聞いたのは入社してからだった。数年後、その百貨店とライバル関係にあった東急百貨店が本拠地渋谷に大プロジェクトをスタートさせた。複数の劇場、映画館、美術館などの複合文化施設を本店の隣に創るというものだった。当時はまだ珍しかった“オフィシャル・サプライヤー”というサポート企業を集め、運営するというスタイル。地下からの吹き抜けを、アート系の書籍を多く集めるブックショップ、「カフェ・ドゥ・マゴ」、シアターコクーン、オーチャードホールなどが取り囲む実に良い空間が完成した。“文化”は、ビジネスにはなり難い。しかし、東急は明確なコンセプトの基、その“村”を20年運営して来た。決して経営は楽ではなかった(と勤務する友人にも聞いている)とは思うが、その功績に拍手を贈りたい。

Photo_2 急文化村は、当初からフランチャイズ・システムを採り、オンシアター自由劇場(現在は任期満了)や東京フィルなどがフランチャイズ契約を結んだ。また、劇場ごとに専任プロデューサーを置き、独自の企画・運営を行って来た。そこから中島みゆき「夜会」、「渋谷・コクーン歌舞伎」、「東急ジルベスターコンサート」、蜷川プロデュースの舞台などの名物公演が生まれた。お気楽夫婦が最も足を運んだ劇場でもある。そして、野田秀樹が主催する「NODA MAP」も第1回公演からずっとシアターコクーンを中心に芝居を行ってきた。人気であるが故に全公演のチケットはゲットできなかったのが残念だけれど、「キル」「ローリング・ストーン」「半神」「パンドラの鐘」「贋作 罪と罰」「カノン」「ロープ」など、多くの舞台を観て来た。ということで、野田地図(NODAMAP)第14回公演「パイパー」を観た。

台は1000年後の火星。これまでは過去の歴史を野田流に紡ぎ直すことが多かった野田芝居。今回も実際に起る未来の歴史を紡ぎ出すような独特の野田の世界は変わらない。パイパーと呼ばれる生命体と、火星に降り立った最初の移民たちの群舞が凄い。ぞくぞくモノ。振付のコンドルズ 近藤良平が凄い。鳥肌モノのパイパーダンス。そして、何よりも松たか子と宮沢りえが凄い。圧巻は、永遠に続くのではと思う程の2人の掛け合い台詞セッション。廃墟となった火星を彷徨う2人が目にしたものを、短く、鋭く、時に長台詞で語るシーン。2人の台詞で、そこにどろどろの海が現れ、傷ついた人が現れ、熱い風が現れ、赤土の大地が現れる。2人の才能の組合せはどんな芝居になるのだろうと思ったけれど、期待以上。舞台の上で世界が熱く燃え溶けるような化学反応が起きた。こんな贅沢な配役で、脚本が書けるのも野田秀樹なればこそ。こんな舞台が観られることに感謝。20年を経ても、まだまだ元気なBunkamura。これからも頑張って♪

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2009年1月25日 (日)

さよならバニー『PLAYBOY』終刊

Playboy誌文化が大きな転換期を迎えている。情報誌も、女性誌も、マンガ誌も、総合誌も、それぞれがたいへんな局面。老舗雑誌の休刊が相次いでいる昨今。主な休刊だけで、『読売ウィークリー』『月刊現代』『ロードショー』『主婦の友』『広告批評』『論座』『GRACE』『Lmagazine』などなど。その背景のひとつとして活字離れが叫ばれるけれど、ネットやケータイも広義の活字文化ではある。同様に日本語の乱れを指摘する声もあるけれど、ことばは時代と共に変わるもの。当然メディアの形態も変わって行く。けれど、この雑誌の終刊(一般的には“休刊”ということが多く、復刊することを示唆するのだけれど、彼らは終刊と明記している)は、大げさに言えばひとつの時代の終わりを感じてしまう。

メリカ文化に対する“憧れ”の時代の終わり。ベトナム戦争が終結した年に創刊された日本版PLAYBOY。アメリカはまだまだ遠い国だった。政治、経済、文化、スポーツ、あらゆる面で圧倒的なリーダーだった。日本ではもちろんヘアー解禁など想像もできない時代、プレイメイト(PLAYBOYにグラビアが掲載される女性たちをそう呼ぶ)たちは、遠い異境の女性にしか見えなかった。アメリカは憧れの国だった。そのアメリカは、日本版創刊から33年経った今、身近な国になった。アメリカがくしゃみをすれば、日本が風邪をひくと揶揄されるように、(日本からすれば)深い結びつきになった。しかし、アメリカの世界における相対的地位は低下した。そしてオバマ新政権の下、世界のリーダーとしての役割を“もう一度”果たそうともがいている。

Playboy_2 るいは、大人の雑誌文化の終わり。PLAYBOYには、硬派と軟派と、性と生と、カルチャーとサブカルチャーと、文学とノンフィクションと、そんな単なる対立項ではない雑誌文化が矛盾なく、実に魅力的に誌面に溢れていた。グラビア、ジャーナリズム、紀行、ロングインタビュー、対談、そしてパーティジョーク。パソコンやインターネットなど想像もできなかった時代、雑誌の情報は隅々まで読み尽くすものだった。(ちょうど『ぴあ』の“はみだしYouとPia”が人気だったりしたように)斬新な誌面レイアウトとデザイン、クオリティの高い写真、タイポグラフィ。切り抜かれた誌面を開くと隠されたビジュアルが現れる、思わずにやっとさせられる仕掛けなど。それらは、動画や音声など雑誌が実現できなかった表現形態を伴にして、サイトの世界に引き継がれた。

久保存版」と記された白い表紙の終刊号。思わず手に取り迷わず購入。30周年記念号の企画以来、久々で最後の購入。そう言えば、日本版創刊からしばらくは、このバニーマークだけが表紙を飾った。白地、黒地、金、ブルーなどの表紙にバニーが誇らしく記されていた。PLAYBOYが休刊することを妻に零すと「あれ?でも、これ最終じゃないみたいよ。“終刊前号”って表紙に書いてあるよ」やられた!確かに、永久保存版の下にも小さく「前編」とある。最後までやられっぱなしだった。そして、もちろん騙された(訳でもないけれど)ことすら嬉しく思いつつ、翌月の「終刊号」も迷わず買った。2冊とも実に読み応えのある内容だった。時代を振り返るアルバムのような、33年間のPLAYBOY文化のダイジェスト版だった。さよなら!PLAYBOY!さよなら!バニー!

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2009年1月24日 (土)

風邪にご用心『その日のまえに』重松清

Photo西高東低の気圧配置。冬の空気は乾燥している。そんな時に気をつけるべきは、火事と風邪。年末からの晴天続きですっかり乾燥しきった年始に火事が多かった。ちょっとした不注意からあっという間に火が回る。ある朝、起き出して窓の外を眺めると黒煙が上がっていた。火事のようだ。慌てて妻を起こす。幸いにも火はすぐに消し止められたらしく、高層マンションを包むように立ち昇った恐ろしいほどの煙はあっという間に収まった。やれやれ。先日も近くで大きな火事で亡くなった方が出たばかり。火の元の注意は細心に。外出しようと鍵を閉めた後に「あれ?電気ストーブ消したっけ?」と部屋に戻る妻を温かく見守る日々。

うひとつ気を付けるべき風邪。今年は風邪を引かないなぁと油断していた頃に喉が痛み出した。私の風邪は喉から来る“銀のベンザ”タイプ。加えて今年の症状は鼻水ずるずる。そんな症状の中、出勤前に病院に行き、処方された薬をもらい、通勤の途中で重松清『その日のまえに』を読み始めた。悪寒。指先が冷たい。けれど手袋をしたままでは上手くページがめくれない。仕方なく手袋を外し、かじかむ手をこすりながらページをめくる。4つの独立した短編、3つに分かれた短編「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」という7つのショートストーリー。それぞれに共通するのは、“その日”。言い換えると、最期の日。それぞれの物語に登場する、幼かった頃の決して仲は良くなかった友人が、かつての教え子が、働き盛りの主人公が、母と息子のふたりの暮らしを守る大黒柱の母が、そして最愛の妻が、“その日”を迎える。

Photo_2 み始めてすぐに、しまった!と思った。風邪で弱った身体。ヤワになっている気持。そして何より登場する主人公たちが、同じ年代であること。物語に感情移入してしまう環境は充分に整っていた。元々、重松清自身が自分と近い世代ということもあり、彼の描く物語には身につまされるものが多かった。しかし、多くは子供のいじめの問題、親と子の関係など、子供がおらず親の面倒を弟に託す困った長男としては、さっと身をかわすことができるものだった。しかし、今回は不意打ちだった。思ったよりずっと早くやって来てしまった“病”によって“その日”を迎えてしまう登場人物たちが、私と同年代なのだ。働き盛りの主人公が告知を受けた日に向かう小学生時代に住んだ街。そこで出会ったかつての友人・・・そんな話まではまだごまかせた。私は風邪を引いているだけなのですという風を装って鼻をかんだ。目もちょっと赤いのは、熱もあるせいで・・・。

ころが、「その日のまえに」の連作を読み始め、偽装は諦めざるを得ない状態になった。止まらないのだ。堪えても、堪えても。これはいかん。良い大人が電車の中で嗚咽を漏らしてしまっては。すぐに読むのを止め、自宅まで封印。そして風邪でぼぉ〜っとした状態で、その日の業務を終え、帰宅。一気に読もうとした。しかし、読んでいる途中で止まらない。涙。もう風邪のせいなのか、涙のせいなのか、訳の分からない鼻水がずるずる。告知を受けた妻、夫婦でその日を迎えるまでの日々。そして、その日。さらにはその後を綴る身近な日々と心情。ティッシュでは追いつかなくなり、洗面所で顔を洗う。ふぅ〜っ。数年来、私自身も“その日”に向かう準備をしていた。母の病と死を経験し、父の老いを実感し、“勤め人”としての終わりを意識した時に、何を優先すべきかを意識し始めた。自分が不慮の事故などで突然“その日”を迎えてしまっても大丈夫かと自問する。よし、これだったら大丈夫と確認する。そのための、いろいろな準備。でも、逆に妻がとは考えもしなかった。だからこそ、そんな私にこの物語は辛かった。

も、“その日”が分かった方が幸せかもね」そうだね。残された時間が分かった方ができることは多いかもね。この本、読んでみる?「うぅ〜ん、良いや。乾いてなさそうだし。それに、風邪治ったら印象変わるかもよ」むむ、確かに。あざといとは言わないまでも、“泣かせ”はある。しかし、読後感はすっきりと爽やか。物語には救いがあり、登場人物たちは明るく、前に進もうとする力がある。もし妻が先に逝くようなことがあったら、この物語を読み返してみよう。「大丈夫!ぜったいないから」・・・まぁ、その方が幸せ。

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2009年1月18日 (日)

部屋とメザシと私「ザ・さかなや」

Photoの街に引っ越してきてまだ数年だというのに、ご近所の友人(妻)はその店の常連。初対面でも打ち解けることができる特技を持つ彼女。その上この店は実家と同業。商品を見る目は厳しい。そんな目利きの彼女が良いモノを売っていると太鼓判を押す店なのだから、店のおぢさんたちと仲良くならない訳がない。それに対し、家で料理をしないお気楽夫婦。この街に住んで20年以上になるのに、この店の存在は知っていたものの、余り馴染みがない。ショーケースに並ぶモノが良いのは知ってはいたけれど。その店の名前は・・・あ、分からない。そう言えば友人夫妻は、ただ「さかなや」と呼んでいた。※写真を改めてチェックすると、どうも「魚卯」という名前らしい。

Photo_2 Photo_3 の上、妻は大のパン好き。朝食は必ずパンだし、家でご飯を炊くことはほとんどない。自宅で魚を焼いて食べることなど、とても合意してもらえない。まして焼くと煙が出て匂いが残るという理由で“干物は外で食べるべし”という家訓があるぐらいだ。私もパンは好き。そして干物も大好き。たまには美味しい干物と炊きたてご飯を食べたくなったりもする。ある週末、妻は朝から休日出勤。チャンス到来とばかりにウキウキと独り「さかなや」に向かった。店頭に並ぶ美味しそうな干物。うわぁ、サバの灰干しが美味しそう!サンマの開きも魅力的。大好きな干物を食べる楽しみと、こっそりとタブーを犯す快感に胸が踊る。

Photo_4 った揚句、選んだのはサバ。ふふふ、かりかりに焼いて、熱々をがしがしと食べてやる。ところが「このメザシも美味しいよ。一緒にどうだい」と店のおぢさん。勧め上手。うむむ、確かにこの銀色に輝く肌が気になっていた。しかし魚を食べるチャンスは一度だけ。メザシはいつ食べたら良いんだろう。でも、美味しそう。それもください♪結局誘惑に負け、灰干しサバとメザシをお買い上げ。その日の独りランチはサバ焼き。日干しとは違う熟成された旨味。抜群の塩加減。脂の乗った腹身の部分など、涙が出そうなほど旨い。期待通りの味に満足。あ〜っ、美味しかった。さすが“ザ・さかなや”だ。ん?ところで、この匂い。食べていた時には気が付かなかった部屋中に充満する焼き魚独特の匂い。まずいっ、妻にばれてしまう。慌てて南の島土産のお香を焚く。・・・気のせいかもっと複雑で酷い匂いになった気がする。

Photo_5れ?魚焼いたの」帰宅した妻が、ただいまを言う前に鋭いひとこと。あぁ、やっぱり匂うか。「匂うに決まってるじゃない」あれれ。メザシもあるんだけど。ほら、美味しそうでしょう♪「何焼いたの」サバの灰干し。さかなやで買ったんだけど、これが美味しくってね。で、勧め上手のおぢさんにメザシも買わされた。「積極的に買ったんでしょ」え、なんで知ってるの。「自分で食べなさいね」はい、もちろん。・・・翌日。艶やかに光るメザシの群れ。かりかりに焼いた焦げが旨そう。うん、旨い。ちょっと食べてみない?パンを食べる妻にひと口。「うぅ〜ん、確かに美味しいね。さすがに“さかなや”はどれもモノが良いよね」良かった。妻は積極的に魚が嫌いな訳ではない。部屋に付く匂いが大嫌いなだけ。

と私の食べ物の嗜好はほぼ一緒。辛いもの好きの妻に、暑がりの私が付いて行けなかったり、酒飲みの私に妻が呆れたりということを除いては。これは幸せなことだと思う。日本中の街に生鮮3品(肉・魚・野菜)の店が少なくなった現在、こんな“さかなや”が元気に営業を続ける街に住むことも、また幸せなことだ。

「しっかしまだ匂いが取れないね。やっぱり魚は外で食べよう」♫お願いがあるのよぉ♪・・・部屋と焼魚と私。

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2009年1月17日 (土)

酔人綺譚「カレンダーの謎、振袖の夢」

Photo_2 る寒い日の朝、トイレに入ってすぐに異変に気が付いた。まだ1月の半ば、正月気分も抜けきっていないというのに、目の前だけが2月になっていた。壁に貼られた全日空のカレンダー。1月の富士山が、なぜか2月の知床半島に。「昨日寝るまでは1月のままだったんだよ」と、妻の証言。確かに、洗面所の同じカレンダーは、1月の富士山のままだ。わが家だけがタイムスリップした訳でもなさそうだ。「夜中に起きて破いたのかなぁ・・・」妻は、“誰が”とは言わなかったが、明らかに非難めいた口調で、私に向かって呟く。そう言えば、記憶の端っこの方に“ある音”が残っていた。その、びりびりという音を聞いた気がするのは、トイレの中だったのか。「なぜまだ1月のままなんだ」と怒ったように呟いたのは誰だったのか。

Photo_3日、スカッシュのスクールメンバーと一緒に酒をたっぷり飲んだのは覚えていた。プロコーチや日本上位ランカーなども参加したスカッシュ男女混合団体戦の帰り。途中から合流したコーチと一緒に、沖縄料理屋で泡盛を飲んだことも。店でひと眠りしてしまい、目覚めて飲み直そうとしたら、もう一滴も受け付けない程、満タンだったことも。うぅ〜ん、その後はどうしたんだったか。あっ、もしかしてこれは“部分記憶喪失”と呼ばれる症状ではないか。「じゃあ先に出るよ!」妻は記憶喪失に罹った私を、無情にも置き去りにして出社してしまった。それにしても頭が痛い。喉が異常に渇く。これも記憶喪失の症状のひとつか。あぁ、辛い。このまま記憶が戻ってこなかったらどうしようか。失った記憶はどんなものなのか・・・。

Photo_4ぁ〜、IGAIGA(私のこと)この前は楽しかったねぇ♪」数日後、団体戦の後に一緒に飲んだ友人(♀)にスポーツクラブで声を掛けられた。「あの日はみんなすごい飲んでたよね。私も翌日まで気持悪くて・・・」確かに。「帰りの電車の中で、振袖姿の成人式の女の子に、きれいですね、きれいですねぇって何度も言ってたよ。すいません、この人酔っ払いでって謝っておいたけどね」え!それも失われた記憶のひとつ。思わず、私はジローラモだったのか!と自分に突っ込む。「なんか、可愛いくて、とても良い娘でさ、ありがとうございますって言って笑ってたけどね」断片的に振袖の鮮やかな柄と色合いが蘇る。あぁ、あれは夢じゃなかったのか。けれど、顔は全く浮かんでこない。別の意味で残念。

う言えば、店で寝ながら拍手してたしね」え、私が?まさか。まるで酔っ払い丸出しじゃないか。「電車の中でも拍手してたよ」2人の会話に妻も入って来た。複数の証言がある以上、事実なのだろう。なるほど。右手が使えないため選手としてはほとんど参加できず“監督”として臨んだ団体戦。妻をはじめとした選手たちのプレーに拍手し、酔って眠った夢の中でもグッショット!とか言いながら拍手し続けていたのだろう。我ながら良いヤツ。その時、私の記憶が蘇った。トイレに座り、几帳面にも画鋲を外して、1月のカレンダーを破り、2月のカレンダーを眺めながらにんまりしたのは紛れもない私だ。現実と夢の端境で、夢の中の出来事とは思わず、現実の行動を無意識に起こしてしまう。思わず笑ってしまう出来事。

これだから酔っ払いはやめられない。すると「ただの酔っ払いでいられるのも、私が連れて帰るからでしょ」と妻。まぁ、おっしゃる通りです。

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2009年1月11日 (日)

正しい日本のお正月「江ノ島、横浜中華街」

Photo本の正しいお正月が楽しみです・・・」5年以上駐在したNYCから帰って来た友人夫妻から年賀状が届いた。日本における正しい年末年始の過ごし方とは何だろう。こたつミカンでだらだらとTVを視ながら年末を過ごし、年越し蕎麦を食べ、初日の出を拝み、お年玉をもらい、お雑煮を食べ、お節をつまみながら朝から酒を飲みつつ箱根駅伝を見る。皆揃って初詣に行き、時間を持て余す人はそのままスーパー銭湯やパチンコ屋に向かう。日本にいたら至極当たり前の(一部は特殊な例かな)時には退屈なお正月だけれど、NYCでは望んでも叶わない過ごし方だったに違いない。じゃあ、皆で正しい日本の正月を過ごそう!ということで友人夫妻のお宅へ泊まりがけで押し掛けた。

Photo_6 人夫妻の住まう横浜というロケーションを活かし、まずは箱根駅伝の生観戦。復路9区の激走を皆で応援しよう!と最寄り駅近くの沿道で観戦。通過予定時間のはるか前から観客で溢れかえる国道一号線。駅前では応援旗を無料で配布。各大学の旗竿も並ぶ。寒風の中おしゃべりをしながらランナーを待つ。あぁ、このY売新聞社の旗を一度振ってみたかった。大会運営車がやってきて、その後を学生アスリートたちがあっという間に走り去る。凄いスピード。我々がスポーツクラブで走っている速度の倍以上。鍛えられたしなやかな身体が皆印象的。ライブで見るスポーツはやはり素晴らしい。実に正しい日本の正月風景。

Photo_7 伝観戦の後は初詣。NYC帰りの友人夫妻が新婚当時に住んでいたという縁の江ノ島へ。年末からずっと眺め続けて来た富士山がここでも奇麗に見える。これまた正しい日本のお正月。普段眺める富士よりも一段と神々しく見える。のんびりと海を、富士を、烏帽子岩を眺めながら神社に向かう。しかし余りの人の多さに参道の途中、鳥居の前で初詣は挫折。そこで遥拝。沈む夕陽を眺めながら片瀬江ノ島駅へ。竜宮城を模したこの駅。正月に眺めると妙に縁起が良さそうに思えるから不思議だ。向かったのは中華街。中国で国を挙げて盛大に祝うのは春節(旧正月)。獅子舞や竜踊りが街を練り歩いたり、爆竹を鳴らしたり、厳かな日本の正月とは大きく趣も違う。とは言え、日本のお正月にも大勢の人々で賑わう中華街大通りを歩けば、ますます正月気分は盛り上がる。

Photo_8 Photo_9 約してあった状元樓は上海料理の店。確実に美味しい安心の店でもある。さっそく「蒸し焼きスープ入り饅頭」「カニと干貝柱の卵白仕立て」「芝エビのロンジン茶炒め」などをオーダー。「美味しいっ♫」「優しい味付けだねぇ」「やっぱり食べ物は日本だよねぇ」「料理やサービスが繊細だし。NYCと全然違う。帰って来てホントに良かったぁ」思わず友人夫妻も唸る。確かに当たり前のように美味しく食べている中華料理もNYCでは微妙に違う。味付けの好みの違いもあるが、明らかに違うのはサービス。中華料理店で、これほど丁寧な接客は日本以外にはそうそうないだろうなぁ。ということで、大勢で美味しい料理をわいわいと食べる。これもまた正しい日本のお正月。

味しかったし、楽しかったぁ。やっぱり日本は良いねぇ♪」その夜、ドミノゲームなどに興じつつ友人(妻)が呟いた。9.11から数年後に赴任し、リーマン破綻直前に帰国した2人。大変な時期だっただろうし、5年は長かった。こうして久しぶりに日本で過ごす正月の感慨も深そう。「次は何を理由に集まろうか!」「いつか香港に皆で一緒に行きたいねぇ」友人たちと一緒に過ごし、更けて行く夜は、NYCでも日本でも変わらない。

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2009年1月10日 (土)

極める仕事、収める商売「割烹 弁いち」

Photo2008年も押し迫ったある日、楽しみにしていたスカッシュ仲間との忘年会を欠席し、お気楽夫婦は浜松へ向かった。年内最後のレッスンを終え、仲間たちと年末のご挨拶。スポーツクラブからそのまま新横浜に向かうという慌ただしいスケジュール。それと言うのも、その日はある店の年内最終営業日。どうしても年内にもう一度その店に行きたかった。浜松に住む妻の両親と一緒に、その店の料理を味わいたかった。妻の生まれ故郷で過ごすことが恒例となった年末年始。以前から気になっていた「割烹 弁いち」を初めて訪れて味わった昨春の、あの喜びの味を再び!なかなか伺うことができない東京に住む身としては、少ないチャンスを活かしたい。そんな意気込みだ。

Photo_4 松に到着した新幹線から降り、迎えに来ていた両親と共にまっすぐ店に向かう。予約したのは店を入ってすぐの場所にある、個室風のカウンタ席。親子4人にお誂え向きの、4席だけの居心地の良いこぢんまりとしたスペース。脚の具合が良くない義母のために椅子席を選んだということもあるが、厨房が近いこともあり、お店のご主人とコミュニケーションもしやすい絶好の場所でもある。新幹線の車内でビールを既に飲み適度に酔った私は準備万端。さっそくご主人お薦めの日本酒をお願いする。この店の楽しみは料理とお酒(特に日本酒)の絶妙な組合せ。絶品の料理を作り、酒や食材に関しても研究熱心なご主人に、この皿にはこの酒と選んでいただける。不味かろうはずもない。

Photo_3 の日も、全て肴になるために生まれて来たとしか思えない前菜、珍味盛り合せをいただきつつ、一杯目は「山形正宗」。キレの良い酒だ。酒の肴も実に美味しい・・・おっ!旨い♪これはカラスミですか。ご主人に尋ねると自家製のカラスミだという。正直に言えば、今まで食べたカラスミは、値段の割にはそれほど美味しいものとは感じられなかった。が、このカラスミは明らかに違う。ほんの少し齧っただけで上品な香りが口中に広がり、生臭さがまったくなく、味が濃いのではなく、旨味が濃い。旨ぁ〜いっ♪「ありがとうございます。良いモノを仕入れると驚くようなお値段です」さり気なくご主人はおっしゃるけれど、嫌みにならない。良いモノだということに納得するしかない味。「これも食べてぇ」美味しいを連発する私に、義母が自分の皿からカラスミを勧めてくれる。酒がさらに進む。

Photo_4 の後も、「十四代」、「究極の花垣」などの逸品を薦めていただく。どれも実に旨い。そして、どれも絶品の料理がご主人と共にやって来る。どうしてもこちらに伺いたく予定を変更して来店したこと、春以来2度目の訪問であることを告げる。「それは、ありがとうございます。前のご来店の際にネットでお書き頂きましたか。確か、快楽主義・・・」あぁ、良くお分かりですね。実は両親も気に入ったようで、今年のお節は弁いちさんにお願いしたんですよ。「ありがとうございます。今ちょうどお節の仕込みの真っ最中なんです。先程お召し上がりいただいたカラスミも入っています」おぉ〜っ♪それは正月の楽しみが増えた。「良かったねぇ」妻が嬉しそうに微笑む。なんだか大好きなものを買い与えられて喜ぶ子供(私)を皆が温かく見守る風景になっている。カラスミを食べた私は、そんなに嬉しそうに見えたのか・・・。

して〆は、私の「最後の晩餐」のメニューとして決めている大好物の穴子、そのお茶漬けだ。幸せの味。最後まで丁寧な仕事。厳選された食材。旬の食材の味を最大限に引き出す技。弁いちの料理は、ダイナミックさを表に出さず、奇を衒わず、極めてきた結果が独りよがりな方向には向かわない。斬新な組合せでも(良い意味で)安定した味になっている。未完成の味は皿には乗ってこない。決してハズレのない味。だからこそ、普段は口数の少ない妻の両親が弁いちの味を積極的に誉め、お節に弁いちを選んだのだろう。食事を終え、ご主人に店先までお見送りいただき帰路に付く。一年の締めくくりとして、実に満足の味、満足の時間だった。

ころで、ご主人は自店サイトの「板前日記」で、含蓄のある端正な文章を書いている。そこで「発展的に店をスリムにし、仕事の内容を充実させる」あるいは「商売は縮小、仕事は追求が今後の理想」とも書いているのを見つけた。なるほど。自ら書かれているように、“店を大きくせず、多店舗展開もせず、料理のクォリティを高める”仕事をしてきた職人が目指す方向として、とても理解できる。私の仕事も経済性を優先するのではなく、専門性、地域や社会への貢献を優先するという方向に舵を切った。そんな時期にこの店に出会えたのも何かのご縁。ご主人の仕事と味がどのように変化するのか、訪れるたびに楽しみにしたい。「次は連休かなぁ♪浜松まつりの間は営業しているかなぁ・・・」故郷の両親の元に帰ると、すっかり子供になる妻が嬉しそうに呟いた。

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2009年1月 5日 (月)

日本人のDNA「富士を眺める旅」

Photoらを日本人であると強く実感する瞬間がある。日本人的情緒にすっぽりと包まれ、それを心地良いと感じることがある。例えば、初日の出。海外でも同様の風習があるかどうかは知らないけれど、少なくとも日本人のようにほぼ無条件で有難がることは少ないように思う。それも、ほとんどの日本人は、明確に信仰と結びつけている訳でもなく、年神様を迎える云々を知識として持っている訳でもなく、(元旦に限らず)昇る朝日を見るだけでなんとなく神々しい気分になる。太陽信仰、日出処の国の由来、などと説明されることよりも、日の出を聖なるものとする気持が、遠い昔から日本人のDNAに刻まれてきたという方が実感がある。

Photo_2 うひとつの例に、富士山がある。これもまた日本人を実感するキーワード。富士信仰、山岳信仰などという知識以前に、無条件にその美しい姿を見るとありがたく、嬉しい気持になる。最近はミシュランに掲載されたこともあり、富士山観光が海外からの観光客にも人気らしいが、やはり日本人の美意識に訴えるものがこの山にはある。遠くからでもそれと分かる美しい姿。“富士”と言えば、誰もがその姿形を思い浮かべることができ、幼い子供でも誰もが絵に描けるはず。また、意外な場所からその姿を眺められた時の嬉しさは何とも言えない高揚感がある。

Photo_6 、特に空気の澄んだ年末年始は富士の姿を望むには絶好の季節だ。妻の生まれ故郷(静岡)を旅し、何度もその高揚感を味わった。海に浮かぶ富士の姿は日本人ではなくとも多くの人を魅了するし、東京湾越しに千葉から見える富士、江ノ島辺りから相模湾に浮かぶ富士も美しく、伊豆から眺める富士も雄大で秀麗だけれど、初めて見た御前崎から駿河湾に浮かぶ富士の姿に見惚れた。まさに息をのむような美しさ。さらに、日本平から清水港越しに眺めた富士も絶品。江戸の時代から愛された構図であり、浮世絵や銭湯の壁絵などでもお馴染みの富士山のビュー・ポイント。

Photo_8

して、同じ方向からの富士の姿なのに趣が違う日本平からの眺望。富士の手前の風景が違うだけで印象は大きく違い、かつそれぞれが実に美しい。美しい女性が何を着ても似合うのと同じ。衣装は選ばない。思わぬ方向から現れる富士の姿に喜び、衣装の組合せに驚き、そんな富士を車窓の伴として走り続けた旅だった。

Photo_9 ころで、富士の見える場所それぞれに“My富士”自慢があり、富士の見える場所に“富士見”という地名がある。富士山ビューは不動産価値を高めるとも言われるが、義母は富士を望める家に住みたいと現在のマンションに移り住んだらしい。以前の一軒家では望めなかった富士が、毎日のように眺められる現在の住まいは満足の物件のようだ。

路、新幹線の車窓から富士を眺めることができた。実に良いタイミングで夕焼けに染まりつつある富士の姿を望むことができたことを吉祥としたい。ということで、皆さま今年もよろしくお願いいたします。

 

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2008年12月31日 (水)

2008年を振り返る「極私的10大ニュース」

Photo_7 Photo_8 年(2007年)の今頃、トヨタやSONYなどの世界的企業は空前の売上、利益を発表していた。世界的大不況の今、遥か遠い過去のようにさえ感じられるけれど、1年という時間は世界を変えてしまえるということを実感する。ところで、お気楽夫婦の周辺も大きく変わった。年末恒例の振り返り企画。今年はプライベート感剥き出しの10大ニュースをまとめてみた。

第1位は、私の転職。前の会社には3年在籍したけれど、もはや遠い過去のような気がする。経済的な損得勘定で言えば大きくマイナスだけど、得たものの方が大きい。地域の活動にも軸足を移しつつ、小さな会社で一体感ある仕事をやっている現在の充実感は贅沢な程だと思う。多くの人との出会いから今に至ること、こんな環境にいられることを素直に感謝したい。

PhotoPhoto_7 第2位は、初のニュージーランド旅行。憧れの地で、ワールド・マスターズ・スカッシュに参加。腱鞘炎が完治しないままの試合は辛かったけれど、豊かな暮らし、豊かな人生とは何かを考えさせられ、今後の日々の過ごし方に大きなインパクトがあった旅だった。そして、白ワインがひたすら美味しかった。

第3位は、妻の勤める(元は私も在籍した)企業のピンチ。妻は再生に向けたプロジェクトの事務局として奔走した。情報に対する価値観が変わり、雑誌という媒体の存在感が薄れた時代に、新たなビジネスモデルを構築することができないでいる。今でもシンパシーを持っているOBとして、再生を期待している。

第4位は、右腕の腱鞘炎。懸命の鍼治療のおかげで症状は良化しているけれど、まだ痛みは残っている。サウスポーに転向できるぐらいに左手でのスカッシュも上達したけれど、思い通りのプレーができない歯がゆさが続く。完治の日はやってくるのだろうか。

第5位は、新たな人的ネットワークの広がり。地元の「まちづくり」の団体に参加し、副会長に就任。今まで全く触れるこチャンスがなかった地域の人々との交流が始まった。同時にクライアントでもある自由が丘の人々とも同様。いずれも地元を愛するダンナ衆。活動している内容の多くは無報酬。ダンナ衆が街の文化を作り、残していくんだということを実感。その輪の中で自分の役割があることが何よりも嬉しい。

Photo_2 Photo_5 第6位は、新たなご贔屓店の誕生。ご近所洋食「はしぐち亭」の開店、ご近所スィーツ「ショコラティエ・ミキ」のヘビー・ローテーション化は、お気楽夫婦の生活に新たな彩りをもたらした。オーナー・シェフたちとの交流も含め、貴重で幸せな関係が続いている。加えて、「SILIN火龍園」「ラーン・チン・チン・タイ」「弁いち」なども来店頻度はまだ高くないけれど赤丸急上昇中。これからが楽しみだ。

第7位は、ボクササイズ!これが実に楽しい。始めた時に記事にしたけれど、実はそれ以来毎週休むことなく続けている。単にスポーツで汗を流すだけではなく、予防医療でもあり、何より生活の整体(?)を行うことができる。妻も、ご近所の友人(妻)も、すっかりハマり、お気楽夫婦になくてはならない習慣となった。

第8位は、大人買いコンサート。「ポリス」「ビリー・ジョエル」「小田和正」と、今年だけで3本の東京ドーム公演を観に行った。芝居中心のエンタメ生活のお気楽夫婦としては画期的。観劇本数は逆に激減。わずか13本に止まった。

Photo_3 第9位は、マック導入。画像やフォントが実に美しく、使いやすい。その勢いでホームページもリニューアル予定だったけれど、残念ながら公開は越年。近々公開!したい。新年早々に最終調整の予定だが、果たして・・・。

第10位は、家族との新たな関係。妻の両親といつか同居しよう!と宣言したり、母の1周忌もあり、弟たちとの交流頻度が高まったり、父の緑綬褒章を一緒に祝ったり。年齢を重ねることで良い関係になれることもあると実感。

そしてトップ10圏外だけれど、このブログを地道に続けていること。2005年5月にスタートし、この記事が439本目。アクセス数もおかげさまで13万を超えた。これも大切な習慣となった。読んでいただいている方々の楽しい習慣にもなっていると嬉しいのだけれど。ということで、来年もよろしくお願いいたします。

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2008年12月28日 (日)

札幌と東京のX'Mas「魁人(かいと)/はしぐち亭」

Photo_12 Photo_13 リスマスの直前、急な出張が入った。行き先は札幌。到着後すぐにホワイト・イルミネーションを見学し、サッポロビールで乾杯の後、美味しい縞ホッケ(煮付けではなく)と旬のイカ刺しを食べ、夜のススキノで歌い、翌日はイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園の冬景色を見学。帰りには新千歳空港で花畑牧場の塩キャラメルを購入するというミッション。・・・そんな出張があったら嬉しいのだけれど。現実は・・・、到着後すぐにホテルから打合せ場所に向かい、雪が舞い散る大通り公園を無理やり歩いてイルミネーションを見学。打合せ終了後に、ラストオーダー寸前のビアホール「ビッグジョッキ」に飛び込み、サッポロビールとホッケのミッションは実行。翌日も大事な打合せだからと早々に帰る同僚の手前、コンビニで買ったニッカウィスキーをポケットに独りホテルに戻る・・・という淋しい夜。

Photo_14 Photo_15 こで、出張からの帰途、妻と待ち合わせて恵比寿(サッポロビール繋がり)の居酒屋で食事。お店の名前は「魁人(かいと)」。北海道直送の海産物が店のウリ。札幌で食べられなかった「イカ刺し」や「海鮮サラダ」「男爵芋のバター焼き」「たらこの甘辛煮」などをオーダー。北海道から帰って来た足で、北海道の味を恵比寿で味わう。微妙なシチュエーションだけど、美味しいね、この店♪「確かに、この刺身も新鮮だね。良かったねぇ。時間差があるけど北海道を味わえて」満足のクリスマス・ディナー札幌/恵比寿版。ちなみに、新千歳空港で待つことができず塩キャラメルも買えなかった。代わりの土産はロイズの生チョコと、LeTAOのチーズケーキ「ドゥーブル・フロマージュ」。これはこれで絶品の味。

Photo_3 Photo_4 日はご近所の友人夫妻と「はしぐち亭」でのクリスマスディナー。「初めてのクリスマスはちょっと心配なんですよ」と言っていた橋口さんをサポート(?)するために予約の少ないだろうと予測した日程で訪問。ところがお店は満席。良かったですねぇ。「おかげさまで。でも、今日が一番混んでますねぇ。休日はご自宅でパーティという方が多かったようです」なるほど。予測は外れたけれど、ちょっと安心。さっそく橋口さんが悩み抜いたクリスマス特別メニューをオーダー。まず最初は「北海道産雲丹のフラン プリン仕立て」が登場。滑らかな舌触りと繊細なソース。実にバランスが良い味。美味しい♪お次の「田舎風パテ」は、しっかりとした歯応えが残る鴨、豚、鶏のミンチと周囲に巻いたベーコン、ジュレが口の中で絶妙に混ざり合う。絶品♪「パンくださいっ!」お酒を飲まない友人(夫)が早々とナパス・ブレッドのパンをお代わり。そうだね、バゲットと良く合うね。

Photo_6Photo_5 いて「アサリとマッシュルームのスープ」は、具だくさんで旨々。ここまでの味のリズムは良い感じ。そしてメインは「舌平目のポーピエット ムース詰め」か「骨付子羊背肉のロースト」「牛フィレ肉のステーキ 赤ワインソース」のチョイス。舌平目と海老、ホタテが2種類のクリームソースと抜群のハーモニーを奏でる。あ、ちょっと待った!ラムに齧りつこうとしていた妻を止める。味の順番から言って、この繊細な一皿を食べた後の方が良いかも。「なるほど。じゃあ先にラムを食べて」ジューシーなラムも子羊の骨から取ったというソースとのバランスが良い。橋口さんの作るソースはホントに美味しいね。「牛も美味しいですよ♪どうぞ!」友人(夫)が選んだステーキを切って味見させてもらう。うん、確かに。

ぅ〜。美味しかった」「満足だねぇ」そこで一息付いた橋口さんがお店に出て来る。「いかがでしたか」美味しかったです。良いバランスのメニューだし、お得だよね。「ありがとうございます。確かにお得だと思います」ふふ。作った本人が言うのだから間違いない。これに「タルト・タタン(林檎のタルト)バニラアイス添え」とコーヒーが付いて5,000円。誠実でひとつも手抜きのない内容。この味がご近所で味わえることが嬉しくなる店。ごちそうさまでした♪今年のクリスマス・シーズンの最後を飾るに相応しい温かく、幸せな食事をすることができた。「はしぐち亭は“頑張れご近所の名店サポート作戦”も必要ないぐらいだね」妻が名付けた、ご近所の店をヘビー・ローテーションで廻るという外食戦略も一段落。とは言え、来年も戦略に変更なし。来年も引き続きお気楽で行こう!

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2008年12月27日 (土)

北欧と香港のX'Mas「ノルウェー大使館/SILIN火龍園」

Photo Photo_2リスマスも間近のある週末、慌ただしくも楽しい夜を過ごした。同じ日に、仕事系パーティと友人たちとの食事会のハシゴ。ひとつめのパーティ会場はノルウェー大使館。ノルウェーに本社がある日本法人のイヤーズエンド・パーティを兼ねた懇親会。毎年取引先を招いて開催するこぢんまりした会。なのに今年は会場を大使館にしたためか、参加者が倍増。分かりやすい参加者たち。クリスマスと言えばサンタクロース。サンタと言えばフィンランド。フィンランドと言えば北欧。ノルウェーも同じ北欧ということで、なんとなく本格的なクリ スマス気分満載。玄関ホールにはクリスマスツリーと共に国王夫妻の肖像画。会場入口付近にはこぢゃれたプール。受付を済ますと螺旋階段を降り、パーティ会場へ。

Photo_3 Photo_4 ェルカム・ドリンクはグロッグと呼ばれるナッツやスパイスを入れたホットワイン。冷えた身体に温かいワインが嬉しく美味しい。司会の日本人副社長がいつになく緊張しながら進行。駐日大使の挨拶の後、たどたどしく日本語でプレゼンテーションを行う(スカッシュ仲間でもある)ノルウェー人社長。けれど、それぞれが微笑ましく、リラックスした、ホスピタリティ溢れる良いパーティだ。ここに集まっているのは、単なる仕事上での取引だけではなく、何らか地球環境改善に関わっているという意識を持ったメンバーたち。お互いに紹介し合い、新たな交流が生まれていく場でもある。ところで、会場には本場ノルウェー・サーモンのスモーク。実に旨そうだが食べる訳にはいかない。後ろ髪を引かれつつ、あたふたと友人たちが待つ店へ。

Photo_6 Photo_7 場は東京ミッドタウンにある「SILIN火龍園」。すぐにでも再訪したかった絶品中華の店。なのに妻と2人で初めて訪れてから数ヶ月が経ってしまった。また2人での訪問ではなく、どうしても仲間たちとこの店の美味しさを共有したかった。大勢でいろんなメニューを味わいたかった。ということで、満を持しての来訪。店はスターライトガーデンを見下ろす絶好のロケーション。大きなガラス窓越しに鮮やかなイルミネーション。否が応でもクリスマス気分は盛り上がる。長年一緒のスカッシュ・スクール・メンバーの忘年会でもあり、新婚のメンバーが待望の2世を授かったお祝いでもある。まずは乾杯!ん?妊婦が飲んでも良いのか?「こんな時にビール1杯ぐらいは大丈夫♫」だったらせめて小さなグラスで・・・。「そんなのは私のプライドが許さない」同じ酔っ払い仲間として実に納得できる発言。早く元気な子供を産んで、また一緒にたっぷり飲もうぜ!「うんっ!」

Photo_8 Photo_9 ころで、この店の売りは新鮮な魚介類。今回も前回同様に、両手に生鮮食材を抱えた支配人の説明を聞きながらオーダー。まずは、スジアラを姿蒸しで、ホタテは黄ニラと一緒に・・・。「ところで、前回はありがとうございました。ブログでも書いていただきまして・・・」え?なぜ?「世田谷の支配人からは、もうあんなプレッシャーかけるのは止めてくださいと言われましたけど」そうかぁ。2日続けて六本木と世田谷の店に訪れるような酔狂な客を覚えていただき、さらには私の前回訪問の記事がネット検索にひっかかったらしい。たん熊の本城さんと同様に、自分の店はネットでチェックしているんだなぁ。なるほど。けれど、嬉しいサプライズ。「今日は、煲仔飯はいかがですか」妻と私の好物。いっただきましょう♪前回よりたっぷりのメニューをオーダー。これでこそ大勢で食べに来た甲斐があるというものだ。

焼きの前菜盛り合せ、白菜塩卵炒めなどの後に、メインのスジアラの姿蒸しが登場。うん、やっぱり美味しいねぇ。「とても幸せぇ♪」糖尿病の気配があると診断された夫と一緒に、毎食カロリー計算をしながら食事をしているという妊婦も「今日は気にしないで食べちゃおうっ!」うん、うん。そうじゃなくちゃ。美味しい料理を食べ、楽しいクリスマスを過ごすには、良い仲間たちが必須。こうして皆で過ごせることが何よりのクリスマス・プレゼント。今年も良いクリスマス・シーズンだ。「やっぱり美味しい中華を食べるには大勢で、だね」と妻。・・・まぁ、そんな率直な言い方もあるね。

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2008年12月23日 (火)

料理はレジャー「夫婦でキッチン」

Photoる日、お気楽夫婦宅のキッチンで500g入りの米が発見された。仏事のお返しでいただいた小袋。賞味期限は2005年。ということで、炊飯器は存在するが、少なくとも3年以上使用していないことが発覚。共働きの2人は、ほぼ毎晩外食であるのに加え、デパ地下などで総菜を買って自宅で夕食を取る時もパン食がほとんど。ご飯を食べるのは、せいぜいがレトルトカレーを食べる際の「サトウのごはん」程度。炊きたてのご飯を自宅で食べる機会は余りない。と、ここまでの記載ではブログを読んでいただいている方々に料理下手と思われても仕方ない。しかし、何でも楽しむことをモットーとするお気楽夫婦、やる時はやるのだった。

Photo_2る週末、ご近所の友人夫妻と、ご近所のショコラティエンヌ:ミキちゃん夫妻をお招きし、自宅での忘年会を企画。パリのメゾン・ド・ショコラでの話を聞くのも楽しみ。何日か前からメニューを検討し、前日に食材を買出し。朝から2人でキッチンに立ち、料理の仕込みを開始。選んだメニューは、ラタトゥイユ、ブイヤベース、牛肉のたたき、トマトのマリネ、など。久しぶりに料理を始めてみると、これが実に面白い。妻もにんじんの面取りに集中しながら「なんか楽しいねぇ♫」などとのたまう。2人の役割も明確。下ごしらえや調理の段取り、指示は妻。実際の調理や味付け、盛付けは私。休日のお気楽パーティ料理。レジャー気分で取り組む。

Photo_4 人夫妻たちを迎え、さっそく乾杯。料理の味はどうだろう。「どれもすごく美味しいですねぇ♪」「盛付けが美しい〜!」「牛肉のたたきも作ったの?美味しいね」あ、それは肉屋で買って来た。でも、お褒めに預かり光栄。プロのシェフに手料理を出す素人の暴挙もご愛嬌。仕事のため遅れて到着したご近所の友人(夫)のために、メイン料理のブイヤベースを皆の目の前で調理。素人料理の醍醐味はライブ感。たっぷりの海鮮素材がサフラン色に染まっていく。「うん、このブイヤベース旨ぁいっ。たっぷりのムール貝が良いですね」ストレートに誉めていただくと素直に嬉しい。おみやげのワインやナパスブレッドのパンと良く合う。

Photo_3

っかり満腹になった後は、お待ちかね別腹スィート。ミキちゃんがケーキを作って来てくれた。実はプロのショコラティエンヌにデザートをお願いしていた贅沢な私。その結果は大正解。スパイシーな紅茶をベースにした大人のチョコレートケーキ。「これ皆で飲みましょう♫」さらにミキちゃんが持参してきたのは「大紅袍」という中国でもめったに本物は手に入らないという幻のウーロン茶。「何煎めでも美味しいんですけど、3煎めぐらいからの味は最高ですよ」絶品ケーキと一緒に幻のお茶をいただく。「美味しいっ」「すごく良い香りだねぇ」お湯を注ぐ度に味と香りが微妙に変わり、その度ごとに新しい美味に出会える不思議なお茶だ。

Photo うして3組の夫婦が集まった忘年会は、しっかり満足の贅沢ディナーになった。たまにはこうしてオウチごはん、オウチパーティも悪くない。時間を気にせず、ご近所同士でのんびり過ごす夜。時間がありさえすれば自宅で料理を作るというスタイルも実践可能。世界的な大不況のこの冬、遠出をせずに“巣ごもり”する家族が多いらしいが、それもまた良し。ポジティブに自宅での食事を楽しむことは悪くない。「まぁ、引退したらそれも良いかもね」妻は相変わらずのスタンス。日常的な料理はレジャーにはならない。夫婦でキッチンに立ち、自宅で日々の料理を楽しむのはまだまだ先。「引退するだけだったら、すぐでも良いけどね」・・・うぅむ。

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2008年12月14日 (日)

ご近所B級的香港食堂「香港ロジ」

Photo_2の店に入ったのは偶然だった。友人たちが毎年開催する映像作品の発表会。前衛的で、斬新で、観念的で、早い話が難解な短編を発表する。上映会場は青山だったり、下北沢だったり。いつもどこで見つけてきたのかと不思議に思うような、分かりにくい場所にある小さな会場。今年は北参道にほど近い住宅街。案内状の地図も芸術的で分かりにくい。最寄駅から歩くこと10分余り。のんびり散歩気分で会場に到着。周囲は小さな商店街。くんくん。匂う。匂うぞ。こんな場所にこそ隠れたご近所の美味しい店が潜んでいるに違いない。興味は既に上映会後の食事に向かっている。が、逸る気持を抑えて会場へ。

Photo_4年通り難解で、意味やストーリーを問うてはいけない映像を観た後、友人と立ち話。映像関係の仕事をしている友人の夫は、近々NYCに赴任する予定だという。「住むのはボストンが良いかなと思ってるんですよ」良いねぇ、良いよ、ボストン。無責任に推薦。持つべきものは海外に拠点を持つ友人。彼らが赴任中に、その街を訪ねるという楽しみがある。ただの旅行者として訪ねる街と、住む人と一緒に滞在する街の印象は大きく違う。ぜひ彼らにはボストンに住んでもらい、彼の地で難解な映像表現に磨きをかけていただきたい。その間にサミュエル・アダムズを飲みに訪ねたいものだ。そんな身勝手な会話をしながら会場の近くの商店街で夕飯の場所を探るお気楽夫婦。

Photo_3ると目に付いたオレンジの看板。「香港ロジ」とある。ん、匂う。香港風のメニュー写真入り看板。「香港的士飯(香港タクシー飯)」の文字もある。ここだっ!「ん、良い感じ。ここにしよう!」妻の直感も同様に反応したらしい。店に入ると意外に小奇麗な内装。看板同様のオレンジのベンチシートが良い感じ。店の奥には明るくこぢんまりとした厨房が見える。スタッフは全員中国人らしい。店内はベビーカーを店内に持ち込む若い夫婦、3世代で食べに来ている家族連れなどで賑わっている。香港的情景。「港式椒塩排骨(香港式スペアリブのスパイス揚)」「海鮮粥」など豊富なメニューも嬉しい。価格もリーズナブル。

Photo_5 島ビールと点心を中心とした料理をオーダー。ほどなくして運ばれて来たカリカリのニラ饅頭が美味しそう。「豆板醤をいただけますか」辛いもの好きの妻がフロアスタッフに尋ねる。すると、「豆板醤だとしょっぱくなるから、XO醤をお持ちしましょう」と流暢な日本語で対応してくれる。塩卵の粥はないんですかと尋ねると「塩卵の輸入が厳しくなったんで、日本で作ってるんですよ。何日か経ったら出来ますから食べに来てください」とのこと。気配りは香港的ではなく、丁寧な日本スタイル。これまた良い感じ。続いて運ばれて来たトロトロの東坡肉も美味しい。「ここは良い店だね♬」妻の評価が俄然高くなる。うん、確かに気持の良い店だね。また食べに来たいね。ご近所にあったらかなり嬉しいねぇ。店名の通り、香港の路地裏にありそうな、お気軽で美味しい満足店。

気楽夫婦は決して美食家などではない。どこかのガイドブックの☆の数には全く興味がない。他人の評価を参考にすることはあっても、妄信することはない。そこそこの対価を支払えば美味しいものは手に入る。しかし、味だけで満足できる訳ではない。客が店主に気を使いながら食べるなどという店は選びたくはない。自分たちの好きな味が、料理やサービスに相応しい適切な価格で、心地良いサービスと共に提供されれば満足。そこがお気に入りの店になる。「香港ロジ」もそんな店のひとつになりそうだ。B級的香港を味わいたくなったら、また妻と一緒に訪ねよう。

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2008年12月13日 (土)

ご近所、街の洋食屋「はしぐち亭」

Photo_6る週末、たん熊北店二子玉川を訪れた。お気楽夫婦にとっては、季節ごとにその季節を味わうために、わざわざ訪れる大切な“ハレの店”。いつもの席に座ると、「そうそう、嫁と一緒に行ってみたんですわ。場所が分からなくて探してしまいました」と店長の本城さん。え?どちらに?奥さんと2人で?聞けば、私の書いたブログの記事を読み、ご近所の洋食屋「はしぐち亭」を訪れてくれたという。はしぐち亭は、2人にとって「たん熊」とは対極にある、普段使いの大切な“ケ”の店。何も良いことがなくても、何か良いことがあっても、気軽に訪ねたい店。どちらが美味しいとか、良い店とかという比較は無意味な、どちらも2人のお気に入り。そのハレの店の本城さんがケの店の橋口さんと遭遇するというのは、実に不思議でくすぐったい場面。偶然その場にいたかったような、いなくて良かったような。

Photo_7日、はしぐち亭を訪れた際にそれを伝えると、橋口さんは恐縮しきり。「あぁ、そうだったんですね。嬉しいですねぇ。ありがたいです。ランチの時にいらした方かなぁ・・・」お2人とも研究熱心で、何よりも食べることが好きで、食べてもらうことが好き。それが彼らの料理に表れる。そんな料理をいただくことができるお気楽夫婦はつくづく幸せ。その日はニュージーランド訪問以来、2人のブームになっているムール貝をオーダー。白ワインに合わせてサンマの薫製とオリーブのオイル漬けも。きりっと冷えた白ワインを飲み、フレッシュでスモーキーなサンマを齧る。うん、旨い。続いてお気楽夫婦の好物、鴨のロースト。橋口さんの料理はソースが実に良い。やはり美味しいご近所の味。こんな店が歩いて1分のところにあることが、とても嬉しくありがたい。

Photo_8しいメニュー構成はどう?「そうですねぇ。まだ試行錯誤の日々ですね」オープンしてから何度目かのメニューのリニューアル。洋食の基本的なメニューを中心にその日のお薦めメニューは絞り、料理を出すスピードをアップしようという試み。この店のご自慢のソースとドレッシングを前面に出すということでもある。「週末の夜とランチは比較的お客さまにいらしていただけるんですけど、平日の夜はもうちょっと頑張らないとですね」確かに、こんな会話ができるのも他のお客さまがいないから。「そろそろ初めてのクリスマスなんですけど、まだメニューを迷ってるんですよ」ん〜、いつもの橋口さんの“暖かいメニュー”で良いんじゃない。悪い意味ではなく、みんなこの店に美食を求めている訳ではないしね。

うなんです。求められても困りますね。私の目指すのは街の洋食屋なんです。修業時代にお世話になったタイガー食堂という店が銀座にあるんです。美味しくて、ボリュームたっぷりで、ご夫婦がとっても良い人たちで、迷っている時に訪ねると、最近どうだ?とか声を掛けてくれたりですね、食べ終わってからお金がないと気付いたりですね・・・」ふぅん、そうなんだ。なんだか行ってみたいね。「あぁ、ぜひ行ってみてください。ほんとに良いお店です。目指したいんですけど、まだまだです」名前ばかり有名な老舗で、観光で来るようなお客さん向けにC/Pの悪い料理を出している洋食屋が多いもんねぇ。「はい。感心しない店も多いですよね」ところで、クリスマスは一番空いていそうな日に予約しますね。「ありがとうございます。メニューが決まったらお伝えします」年末に向けて楽しみが増えた。わが街の食堂として、これからもずっと店を続けて欲しいものだ。

・・・日鐔。さっそく行ってみようかとネット検索した「タイガー食堂」。そこでヒットしたのは「タイガー食堂、閉店」のニュース。2008年11月14日をもって、昭和39年から続いた街の食堂が閉店とあった。その日は偶然ながら、はしぐち亭を訪ね話を聞いた翌日だった。残念。お気楽夫婦にとっては幻になってしまったタイガー食堂。けれど、きっと橋口さんの店を訪ねれば、その味やサービスは、いつか体験できるに違いない。

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2008年12月 7日 (日)

水のある風景、川のある街「リバーサイドタウン、盛岡紀行」

Photo_14 Photo_15Photo_24 30歳の誕生日を、出張先のその街で迎えた。厳寒の2月。地元の取引先の女性たちに連れて行ってもらった1軒目で、三陸産の海産物を肴にたらふく美味しい酒を飲み、2軒目のバーではママさん(ただし男性)の歌をたっぷり聴かされた。カウンタだけの小さな店。店の照明を落として、自分にだけ(スポットライトのように)ダウンライトを当てて歌う『リバーサイドホテル』。思わず聞き惚れる歌唱力。負けじと歌ったのは何の歌だったのか。店を出て、酔っぱらいながら川沿いの道を、カチンと寒い街を彷徨った。あぁ、こうして自分は「30歳」というとんでもない年齢になってしまったんだと、しっかりと、それでも半ば夢のように記憶に刻んだ。可能性は無限ではないと気付き始めていた頃の、遠い遠い記憶。

Photo_16 Photo_17 んな記憶を再現するために(という訳ではないが)、ある秋の週末、妻と共に盛岡に向かった。迎えてくれたのは、その遠い日の案内人の1人だった友人。彼女の出演する東京公演を妻と一緒に観たり、3人で食事をしたりと、細いけれど長い縁が続いていた。「予定通りの店で良いですか」事前に何通かメールのやり取りをしたこともあって、前回会った時からの時間はさほど気にならない。街の小さな居酒屋のカウンタで、鉄板で焼いた絶品の牡蛎、地のキノコの天ぷらなど、地元の味を堪能する。地元の文化事業団に勤務する友人とは、もっぱら芝居談義。改めて共通の知人を発見したり、懐かしい人の消息を聞いたり。酒が進み、酔いも進む。良い酒だ。旨い酒だ。

い街だよね」2軒目のバー(ママではなく、お洒落なマスターのいる)を出ると妻が言った。「でも、もう帰るよ。かなり酔っぱらってるでしょ」こんな時は、一滴も飲まない冷静な妻に従うに限る。友人と再会を誓い、夜の街で別れる。

Photo_18 Photo_19 Photo_23 朝、友人の勧めもあり、前から訪ねてみたかった「神子田の朝市」に向かう。お目当ては「ひっつみ」。早朝の空気で冷えきった身体を暖め、妻の笑顔を呼ぶ優しい味。冬でも毎日(月曜休)開催されている奇跡的な朝市。決して観光客向けではなく、地元の生産者が地元の住民に向けて農産物などを販売している、この街の貴重な財産。貴重と言えば、盛岡は街のあちこちに古い建物が残され、景観に溶け込んでいる。民家の軒先に飾ってあるオブジェも、古い商店街の歩道を整備した際に設置された宮沢賢治の像も、不来方の街に馴染んでいる。ぶらぶらと建物を眺めながら散策するには実に良い大きさの街だ。中津川沿いの道を歩く。産卵し終えて傷だらけの鮭が懸命に泳いでいるのが見える。冷たい風が心地良い。銀杏の金色を敷き詰めた小径を経て、不来方の城に向かう。

Photo_20 Photo_21 Photo_22 来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心・・・だったかな。盛岡城址公園に石川啄木の歌碑があるというと、妻が不思議な顔をする。「啄木って函館でカニと戯れてた人じゃなかったの」妻は歴代のアメリカ大統領の名前や、ニール・サイモンの戯曲を知っていても、日本の文学者に興味はない。うん、確かに。函館で蟹とね・・・。歌碑を眺める振りをしつつ、こっそり間違えていなかったかと確認する私。よしっ!正解。次は冷麺だ。元祖平壌冷麺を名乗る「食道園」を訪ねる。ここも友人に勧められた店。文句のない王道の味。きっちり美味しい。食後は宮沢賢治の「注文の多い料理店」を出版したことで知られる光原社の珈琲館でお茶。これまた盛岡観光の王道。北上川沿いにあるこの店の中庭の白壁には宮沢賢治の詩。鳥の声に空を見上げると、北に向かう白鳥の群れ。不思議な時間が流れる空間だ。

い街だったね。また来たいって思わせる魅力があるね」水のある風景、川のある街はなぜか心地良い。ボストン、NYC、博多。いずれも妻のお気に入り。そして、古い顔を残しつつ、新しいものを取り込み、街の色として溶け込ませる。そんな街。妻に気に入ってもらえる確信があり、連れてきたかった街。またきっと来ようぜ!『リバーサイドホテル』を歌ったママも健在らしい。怖いもの見たさで次はぜひ!「えぇ〜っ。それはいらない」ま、そうだろうけど。

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2008年12月 6日 (土)

良い夫婦×3=「お祝いの風景」

Photo_3 Photo_5家に嫁いだ弟(正確には農家に種苗などを販売するお店を経営する家に婿養子に行った末弟)が、家と店舗を建て替えた。お客さまに夜も明けない時間から起こされ続けながら(農家の爺婆は朝が尋常ではなく早い)懸命に商いをした結果。これは是非ともお祝いをしなければ。という訳で東京駅から北に向かう新幹線に乗り、弟の住む街に向かった。新幹線とは言っても、正式に新幹線と言えるのは雪を被った吾妻連峰を望む福島まで。そこから先は、踏切のある在来線を通る特急列車。急勾配をのんびり走る峠の風景はすっかり雪景色。シャキーン♪シャリン♬紅葉前線も訪れていない都内からの観光客が、車窓の風景に盛んに携帯カメラのシャッターを押す。季節のメリハリのある日本の風景、日本の気候を実感する時間。

Photo Photo_7 まで迎えに来てくれた施主(末弟)の車で新居に向かう。かつて苗床が並ぶビニールハウスの建っていた場所に、白亜の邸宅が威風堂々と建っている。我家のベッドルームぐらいの大きさの玄関を入ると、蔵王連峰を望む明るく広いリンビングルーム。キッチンから続く暖房付きバスルームもビッグサイズ。圧巻は老夫婦の寝室のすぐ隣に設置した引戸式トイレ。これまた巨大。子像でも用が足せるぐらいの大きさ。さらに、全ての廊下は車椅子でも楽に通れる幅を確保。もちろん廊下にも階段にも手摺を設置。全室の壁と床には温かい空気が流れる暖房設備。いずれも年老いた義妹の両親のための設備。そして、寒冷地であるが故、もしもの場合のリスクを考えた配慮。

Photo_8 Photo_9寄りばかりの家になってしまうからね」義妹が小さく呟いた。子供のいない弟夫婦。新居では老いた両親と4人暮らし。今は両親のための設備でも