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2009年2月の記事

2009年2月28日 (土)

日本の味、日本人の舌「たん熊の春」

Photo節が変わる度に行きたくなる店がある。立春も過ぎ、日が長くなり始めると春の味がその店で待っている。前回の訪問は10月。冬の味わいは逃してしまった。「たん熊にそろそろ行かないとね♪」妻が独り言のようなメッセージを発する。彼女は決して自分で企画をしない。「行かないとね」というのは、「行こうよ、何か企画してね」という意味。たん熊北店は、お気楽夫婦にとって特別な店。“ハレ”の店。日常的にはお邪魔できないけれど、たまに贅沢に食事をするにはぴったり。航空券で言えば、とても自力では搭乗できないファーストクラスではなく、ちょっと頑張ってアップグレードして搭乗するビジネスクラスの店。普段はエコノミー、それもディスカウントチケットで搭乗している感覚からしたら、店に行くきっかけが必要。

Photo_2 回のきっかけにさせていただいたのは、NYC帰りの友人夫妻。NYCにも美味しいレストラン、美味しい料理はたくさんあるけれど、「日本人にとって、食べ物は日本じゃなきゃダメってことが良く分かった。だって、アメリカ人の“美味しい”は、ストレートな味なんだよね」とのこと。言われてみれば、彼らの求めるものは分かりやすさ。繊細な味や、微妙なニュアンスなどは伝わり難い。薄味の日本料理などは味付けしてないんじゃない?と感じられてしまうこともある。婉曲的な物言いは、それはYESなのか、NOなのかと問われることもある。日本とアメリカの外交やビジネスで誤解が生まれるのは、そんな国民性から、もっと言えば“味の好み”から来ているのかもしれない。5年以上もそんな異国に暮らした彼らをお誘いしたところ、「行きたい!たん熊デビュー!」と良いノリ。実に気持の良い、はっきりとした意思表示。そんなところはアメリカ仕込み。行こう!行こう♪

Photo_3ん熊北店二子玉川店」は店長の本城さんの店。彼の目が店の隅々まで行き届き、彼が核となり繊細な味とおもてなしの良い空間を創っている。味は人、店は人、ということが良く分かる店。予約したのはカウンタの右端。いつもの場所だ。こんにちは♪ご無沙汰してます。「いらっしゃいませ。まいどおおきに。ありがとうございます」本城さんが珍しくカウンタの中で忙しく立ち働いてる。タイミングを計りながら友人夫妻を紹介する。本城さんはパリの日本大使館の料理長だったと彼らに紹介すると「いつ頃ですか。僕らも実はアメリカの前はイギリスにもいたんですよ」赴任していた時期を確認すると、友人夫妻が日本に帰国した頃に本城さんがパリに着任したらしい。それでも共通の大使館関係者の知人がいるようだ。ふぅん。「まずは前菜ご用意しましょか」と本城さん。はい♪お任せします。

Photo_4 ずは突き出し。ビン長マグロと茗荷、トロロの小鉢。たっぷりの山葵と一緒に軽く混ぜる。ワサビと茗荷の香りが爽やかな一品。「美味しいぃ〜っ♪」友人(妻)がすでに涙ぐみそうになっている。それともワサビのせいか。乾杯で飲んだビールがあっという間になくなる。やはり日本酒で行こうか。「うんっ!やっぱりこの料理には日本酒だね。今日は二人とも飲む気満々で電車で来たからね」頼もしいおことば。たん熊オリジナル「熊彦」純米吟醸をオーダー。旨い。続いて登場したのは前菜の盛り合せ。「うっ美しぃ〜♪」友人夫妻が絶賛する。大根の桂剥きで作った雪洞、オーダーしようと思っていた氷魚(鮎の稚魚)も入っている。嬉しい。「こんな繊細さはアメリカ人には通じないんだよねぇ」友人(妻)がしみじみと呟く。酒が進む。あれ。そんなにお酒飲めたっけ・・・。

Photo_5せだぁ。大人になって良かったぁ」友人(妻)が満面の笑みで、いかにも料理を楽しんでいる様子。酒盗と卵黄を泡立てた、なんとも言えない絶妙のふわふわ状のペーストをキュウリに付けてぱくり。あぁ、確かに幸せだ。蛤のぬた和えをひと口。うん、まさしく幸せな味だ。そして山菜の天ぷら。春の味。山菜の苦みと、甘みと、春の香りが口に広がる。「やっぱり日本人で良かった。大人で良かった」友人(妻)の笑みが続く。そうか。こんな店のカウンタで、板さんと会話しながら、落ち着いて食事ができる“大人”にいつの間にかなっていたんだ。彼女のことばで改めてそんな自分たちを自覚する。背伸びをせずに、この空間を楽しむことができる。日本の味を自覚し、日本人の舌を意識することができる。こんな風に齢をとるのも、大人になるのも悪くない。

ころで本城さん・・・」友人(夫)が店長に尋ねる。えっ!まさかっ!そんなことが!

・・・明日に続く。

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2009年2月22日 (日)

お気楽、ゼータク、ウチご飯「DEAN & DELUCA」

Photoノが売れない。雇用の危機が叫ばれている。100年に一度とも言われる不況である・・・というけれど、我が身に降り掛かる実感が少ない。もちろん“情報としての不況”は実感している。アナウンサーは他人事のように企業の倒産を伝え、コメンテーターは政府の無策を批判し続ける。しかし、多くの人は自らが痛い目に遭わないと不況という実感と向き合えない。例えば、ボーナスが出なかったり、早期退職を勧告されたり、自分の会社の経営陣がいつの間にか記者会見していたり、というように。日本人はブームに弱い。この不況を実体のないブームとは言わないけれど、必要以上に不況の実態を伝えない方が良いのではないか、と思うことがある。日常生活は満ち足りて、欲しいモノがない!という日本人が多い。そんな中、価格や機能や代替性などによって支持され、売れているモノ、売れている店があるのだから。明るく不況を乗り切ろう!という方が楽しいし。

Photo_2 えば、ユニクロ。例えば、マクドナルド。例えば任天堂。そして、この店「DEAN & DELUCA」も。2003年に日本第1号店が丸の内にできてから、あっという間に首都圏中心に10店舗。少ないじゃないかと言われるかもしれないが、本家のアメリカでも10数店舗。この店の扱う商品(デリカテッセン、パン、ワインなど)のハイエンドの価格帯から言ったら決して少なくない数。国内老舗高級スーパーの紀伊国屋が10店舗弱、レックス・ホールディングスに買収され多店舗展開を図る成城石井が約70店舗。1店舗当たりの規模が全く違うため単純な比較はできないが、今後の首都圏以外への展開を考えると高水準。それにも増して、街で見掛けるこの店のトートバッグを持ち歩く若い女性の多さを考えると、ブランドとしては既に充分浸透しており、今後のさらなる拡大を予感するものがある。

Ny 気楽夫婦が「DEAN & DELUCA」に初めて出会ったのは2003年の冬。前の年にNYCに赴任した友人夫妻を訪ねた時だった。彼らが住んでいたマンハッタンのミッドタウンイースト。アッパーな方々の住む街の高級デリ。ワインも、デリも、パンも、ディスプレーのどれもが美しい。けれど、お高い。日常的に買って夕食のテーブルに並べるにはちょっと贅沢。「DEAN & DELUCA」は、元々デリの店だったのが扱い商品を増やしてスーパーのような品揃えになった店。NYCに住んでいた頃の彼らはCitarella (シタレラ)という、やはりハイエンドなデリを使っていた。いずれもマンハッタンに住むニューヨーカー御用達。ちょうどクリスマスの頃ということもあり、ターキーやサラダ、チーズなどが実に美味しそうに、お洒落に並んでいた。あれから5年余り。デルーカもずいぶん身近になった。

Ny_2日も遅くなりそうだから外で食べる?」いつものように妻からメールが入る。今日は“東横のれん街”で何か買って帰るよ♪と返信。オフィスに戻る途中、目に付いたデルーカのロゴ。その日はデルーカのデリでウチご飯と無意識に刷り込まれていた。混んでいる店先で何とか選んだのはゴルゴンゾーラとベーコンのニョッキ、ドライトマトと温野菜のサラダなど3種。小さなハード系のパンを合わせても、2人で外食することを考えたら安上がり。うん、このパターンは良いかも。温めて皿に盛りつけるだけの夕食が出来上がり♪何と比較するかにもよるけれど、お気楽で、美味しくて、ちょっと贅沢なのにリーズナブル。こんな世相にぴったりの夕食。「さすがにデルーカは美味しいね。それに外でお酒飲まないと安上がりだしね」と妻。なるほど、ウチメシがお得な理由は、私の酒だったのか。

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2009年2月21日 (土)

芝居とドーナツ、妄想と現実「テーブルマナー」

Photoの中には一方的な知り合いがいる。それを普通は、知り“合い”とは言わないのだけれど、身近に感じてしまう余りに相手も自分を知っていると思ってしまう誤解、というか錯覚。例えば、芸能人を街角で見つけると「あら、さんまちゃぁ〜ん♪」とか言いながら肩を叩いてしまう症状。大阪方面のオバちゃんにその傾向が強い。テレビという視る側にとっては日常的存在に毎日のようにその人が現れ、結果、毎日のように(視ている本人にとっては)会っているが為に現れてしまう気持。感情移入してしまい、テレビに向かって相槌を打つという奇態が表出する。自覚もなしに。怖い。・・・ところが、身体の中に小さなオバちゃんが棲む私にも、そんな感情があった。松尾貴史が主宰する「AGAPE store」#13公演「テーブルマナー」を観ながら、そんな感情を抑えようとする自分がいた。

Photo_2 演は、松尾貴史、最近はすっかり舞台女優の島田歌穂、「猫のホテル」の市川しんぺー、佐藤真弓、D-BOYSの柳浩太郎、そして大和田美帆。さて、私の中の小さなオバちゃんが疼いた出演者とは・・・。毎朝、薬丸くんと一緒に「・・・オープンですっ!」とポーズを取る母、野沢直子の迷曲「大和田獏」で有名な?父を持つ、美帆ちゃん。(もう既にちゃん付け!)毎朝見かける母、岡江久美子に親近感を持つが余り、すっかり親戚のオジさん気分。彼女はもう新人ではないし、安定した演技だし、巧いのだけれど、どきどき。ドタバタ不倫劇の役柄に、はらはら。自分の姪っ子が舞台に出ていて、トチるんじゃないかと思ったり、ダメだぁっ!そんなことをしちゃぁ〜っ!姉(島田歌穂)の夫(松尾貴史)になんか騙されるなぁ・・・とか。身体の中のオバちゃんが叫びそうになる。

Photo_3 居を観終わり、そんな勝手な妄想の切れ端を抱えたまま、劇場を出る。そう、一種の妄想。しかし、そんな感情移入させる程の芝居だったという言い方もある。でも何かすっきりしない。「面白かったね♪」松尾貴史が主宰するAGAPE storeがお気に入りで、この舞台の演出を手がけるG2の大ファンである妻は満足そう。寒風の中、並んで歩くサザンテラス。季節外れにも思えるイルミネーションがまだ残っている。「あっ!並んでない!」妻が足を止める。確かに時間が遅いこともあり、いつも長蛇の列の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」店頭に人影はない。ある年、香港に出かけた際に、日本進出前のクリスピー・クリーム・ドーナツを食べ損なったことを悔やむ妻が決断した。「食べるっ!」晩メシにドーナツ?ビール飲めないし・・・躊躇する私を余所に、すたすたと店に向かう妻。

Photo_4

リスピーの箱を抱えている人を見かける度に「良いなぁ」と零していた妻。しかし、2人共並ぶのは嫌い。確かに今日はチャンスだ。でも、箱で買わなきゃいけないの?「そんなことはないでしょ」短い列であっという間に順番が来る。確かに1個づつ買える。勝手に思い込んでいた私。これも一種の都市伝説。または私の妄想。「ご試食どうぞぉ♪」揚げたてのオリジナル・グレーズドをいただく。これが噂のサービス。妻が支払う間を待ちきれずにひと口。うん、柔らかく、ほんのり温かくて美味しい♬2階のイートインで何種類かのドーナツを食す。甘〜い。2つめで降参。う〜む、これが並んでまで食べたい味か?箱買いは無理。「一度は食べたかったから、満足、満足♪」と妻。不味くはない。しかし、長い行列に見合う味を期待した私の(これも妄想)気持との落差は大きい。妄想と現実のギャップ。「これで香港まで行って食べなくても良くなったから、安上がりだね!」妻の人生は今日もお気楽だ。

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2009年2月15日 (日)

義理とは、本命とは「バレンタイン ショコラ」

Photo_4和の時代の子供にとっては、まだバレンタインデーにチョコレートというのは決して一般的ではなかった。それでも好きな男の子に、女の子から“チョコレート”といういわば「世間公認のメッセージ」によって告白できる日というピュアな空気があった。いわゆる「義理」チョコというような言い方で、ショッピングバッグに大量に買込んで・・・などという風景は存在しなかった。世の中挙げて話題にするようになったのは、平成の時代が始まるちょっと前ぐらいからだろうか。社会人になった頃の私にとっても、女性社員が圧倒的に多く、自社(百貨店)でチョコレートを販売しているということもあり、大量の可愛い小さなパッケージが毎年デスクに山積みされているバレンタインの風景は日常的になった。しかし、そんな季節の風物詩も企業の文化の違いで大きく様変わりすることも、何度かの転職で知った。

Photo 性にとって、「義理」という見えないラベルが貼ってあるチョコをいただくのも、かと言って全くいただけないのも心理的に微妙。そこに「本命」と呼ばれるスパイスが少なからず入っているのか、などと余計な妄想を膨らませることにもなる。だいたい、普段の生活で「義理」などがある関係ではない方から、これは「義理」ですからね!などと言わずもがなの(無言の)念押しをされていただくのも困ってしまう。だとしたら、この呼び方がいかんのではないだろうか。例えば、「親愛チョコ」。ちょっと堅いけど、いつもありがとう(愛しているではなく)好意を持っています、という気持は伝わるし、余計な詮索や言い訳の必要がない。日本語だと浸透しないだろうから、英語だと「Affection」とか「Goodwill」という感じ。あぁ〜、でもグッドウィルは人材派遣会社の名前として悪評が浸透してしまったし、流行らんだろうなぁ。

Photo_2んなぶつぶつと面倒なこと言ってなくても、ちゃんと伝わってるよ」と妻。そんな彼女は、職場の和を考えセクション内の男性たちに、毎週お世話になっている整体の先生に、そしてご近所の友人(夫)にチョコをプレゼント。・・・そうか、彼女の感覚からしたら、お歳暮やお中元代わりなのかもしれない。お歳暮やお中元のように堅苦しくない、お世話になっていますというメッセージ。「だとしたら、“本命”という言い方の方が変だよ。だったら、“対抗”や“穴”もあるのか!と私は言いたいっ」確かに、ごもっとも。とは言え、食品業界挙げて、日本国中で、バレンタイン!と浮かれている国も平和なものだ。100年に一度の大不況と言われる中、自分へのご褒美!と言いながら女性が大量に堂々と、それも高価なチョコを買う風景も悪くはない。彼女たちの旺盛な購買行動が日本を救う!かもしれない。

Photo_3 ころで、お気楽夫婦の今年のバレンタイン。妻からはショコラティエ・ミキの「グランクール(ビッグハート)」と、親愛チョコの余り物であるルタオの「ロイヤル・モンターニュ」をもらった。半分以上はチョコ好きの彼女が自分で食べるのだけど。そしてご近所の友人(妻)からは、ロイズの「クルマロチョコレート」。どれもうまうま。実は私は甘いモノも好きな酔っ払い。チョコをつまみに酒も飲める。実に不経済な男。その点、酒が飲めないご近所の友人(夫)は甘いもの一本。そして彼の最も好きなチョコは不二家のハートチョコ。実に経済的。そんな彼への愛情込めたチョコセットは、IGA企画・制作「不二家のハートチョコとミキちゃんのプティクール(スモールハート)詰め合わせ:桐箱入り」・・・そう、昨日の記事を読んだ方はお気づきのことと思うが、森名人のカステラの箱をリユース。どんなに高価なチョコよりも、手作り感覚(容器だけ)の、心を込めたメッセージ。今後もよろしくお願いします!

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2009年2月14日 (土)

おめでたの箱入り「森 幸四郎のカステラ」

Photoる日、いつものように夕食を外で済ませ、深夜に帰宅したお気楽夫婦。宅配ロッカーに荷物到着を知らせる部屋番号が表示されていた。指定のボックスを開けると細長い箱。何だ?和服の反物のような大きさ。荷物を抱えエレベータに乗る。送り主を見ると前職の会社の後輩にあたる友人。先日送った出産祝いのお返しらしい。「何だろうね」我慢できずに、すぐに包みを開けようとする妻。何とか押し止める私。お気楽夫婦が住むマンションのエレベータの中には防犯用のビデオカメラが設置されており、エントランスのモニターに常時映像が流されている。ここで開けたらプライベート丸出し。「食べ物っぽいよ♪」妻は妙に鼻が利く。

Photo_2 イニングテーブルの上に包みを置き、丁寧な包装を解く。おぉ〜っ!凄い。仰々しくも桐の箱。金塊かぁ。恐縮だなぁ。「そんな訳ないでしょ。銀座文明堂って書いてあるじゃない」妻にはシャレは通じない。その上、視力も抜群である。ふんふん、文明堂と言えば「♪カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂♪」というCMで有名な店。やはりカステラか。(ちなみに「電話は二番」というのは、電話交換手に銀座局の2番をお願いします!という時代からのコマーシャルだったということだろうなぁ。しみじみ・・・)箱を開けるとさらに白い包み。・・・今度は私が我慢できずに包みを開ける。

ぉ〜っ!やはり金塊だぁ♪中から現れたのは、美しく金色に輝く延棒。刻印も打ってある。(それは“焼印”でしょ!と妻)但し、「田中貴金属」とか「三菱マテリアル」とかではなく、「森幸四郎」とある。同封された栞の表紙には「銀座の職人 森幸四郎」、中面には「かすてら職人歴 半世紀・・・」と説明書きがある。その説明によると、製法の難しさによって“幻の味”となってしまった「五三カステラ」を文献や先人たちからの言い伝えによって復元したカステラらしい。凄っ!卵黄を3割増、和三盆糖、英国産ハニーなどの厳選した材料を使った究極の味の芸術品だという。八重洲の大丸でも人気らしい。ふぅ〜ん。「食べよう!食べよう♪」深夜でも甘いものを欠かさない妻が主張する。はいはい。金の延棒を取り出しナイフを入れる。良い香り。蜂蜜が染み出して来そうな生地。そして、すごい弾力。下の“こげ”の部分まできれいに残るように丁寧に切り分ける。

Photo_3に乗せ底を確認。うんうん。きれいに切れた。ザラメの和三盆糖も付いている。ぱくっとひとくち。上品な香りと共に、濃厚でジューシーな味が広がる。ザラメがかりっと良い音を弾く。しっとりとしたキメ細やかな生地が舌と歯に心地良い。うんまぁ〜いっ♪これは贅沢なカステラだ。ぱさぱさした感触が全くない。「美味しいねぇ。カステラなんて久しぶりに食べたけど」確かに私も久しぶり。子供の頃はお客さまの手土産の定番だった。端の部分をコソギ落として食べるのが好きだった。ちょっと苦みが甘みと混じり、絶妙の美味しさ。「うん、あったあった。それにしても箱入りのカステラなんて初めてだね」思えば、送り主の友人はいろんな曲折を経て結婚。結果的には“特大”の愛情と幸福を手に入れた。そんな友人待望の第一子。それも女の子。可愛くて仕方ないに違いない。あっ!なるほど、それで“箱入り”なんじゃない?「・・・」やはり、妻にはシャレが通じないらしい。

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2009年2月 8日 (日)

☆☆☆の日々「ひのきざか」リッツ・カールトン東京(後編)

Photo_11 ちらのお店は『ミシュラン』で☆獲られているんですか?今更ながらスタッフに尋ねるお気楽夫婦。今あなたが食べてる会席コースは“ミシュラン特別会席”でしょう(怒)!などとはおくびにも出さずに「はい。お陰さまで2年連続星をいただいております」とスタッフ。やっぱりそうですよね。ほんとに美味しいです。ちなみに、☆☆ですか?実に無礼な客。「ありがとうございます。“2年連続で”☆頂戴しました」と2年連続を強調して繰り返すスタッフ。「知らずにお邪魔したので・・・」と妻がフォロー。あ、と言う訳で覆面審査員ではありませんから、と無謀な発言の私。そんなギャグにももはや(当然)笑っていただけず、スルー。すっかり料理の美味しさに有頂天でした。はい、酔ってもいました。すかさずちょっと反省。どこかの国の首相のような不用意な発言を慎みつつ、さり気なく周囲を見回す。

Photo_12が付くと、窓に向かって並んで座れるカウンタ席には数組のカップル。どれもご出勤前の女性と、同伴の男性風。へぇ〜。不景気と言ってもこんな店で出勤前のお食事をご馳走できる方も多いんだなぁ。聞くともなく耳に入ってくる一組のカップルの会話。どうもまだ余り親しくないらしい。へぇ〜。郊外に自宅を建てたばかりなのか。なのに余裕だね。下世話ですいません。余計なお世話でした。とは言え、皆さん凄い。お気楽夫婦も国内外の旅行、ホテル滞在、外食など“無くなるもの”に金を使うことで(周囲に)知られてはいる。しかし、この店に気楽には来られないなぁ。「そうだね。もらったギフトカード(15,000円)がなかったら、ちょっと勇気がいるね」そうなのだ。人には何にいくら遣っても良いか、という水準がある。確かに美味しいけれど、2人はきっと(普段だったら)この店を選択しないし、できない。

Photo_13いたい、『ミシュラン』に載っていると知ってたら、この店に来なかったかもね」と妻。うん、同感。決して編集方針に疑問を持っているからとか、権威主義に対して反発しているとか、そんな大げさなことではなく、2人は『ミシュラン』にほとんど興味がない。却って自分たちが好きだった店が☆を獲ってしまったら、嬉しさ半分、嫌悪半分という感情を持つに違いない。味やサービスという人によって大きく評価が分かれるものに、絶対的な評価はないというのが持論。それに人によって食に期待するものは違う。まして、「価格」という物差しなしで万人に向かって、この店は☆だ!ここは☆☆☆だ!と言ってもらってもなぁという気持。現に、2人のお気に入り旅館「湯どの庵」「亀や」が経営する「阿部」という店が赤坂にあり、行ってみようかと思っていた矢先、☆を獲ってしまい行きそびれた経緯がある。

Photo_14もやっぱり、この店は美味しいね♪」と妻。うん、そうだね。美味しいし、サービスレベルも高い。コースも後半。炊合の筍や海老芋は柔らかで、繊細で、上品で、絶妙な味付け。生白魚を乗せた蒸しご飯など、涙が出そうなほど美味しかった。絶妙なタイミングでお酒のお代わりも勧められ、押し付けがましくない程度に料理や酒の説明を受けた。実に良い感じ。そして最後にダメ押し。紅茶と共にソーサーに載って来た“Happy Birthday IGA”のホワイトチョコレート。「予約した時に何かのお祝いですかって訊かれたんだ。なるほどね、こういう訳だったのね」舌も、気持も、すっかり満足。美味しい食事に調子に乗って飲み過ぎたけれど、妻の財布も納得。浮かれ気分でイルミネーションの残るミッドタウンを散歩。すると前職の会社の後輩からメールが届いた。「たいへん遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます!益々カッコ良いオヤジになってくださいませ!・・・」

りがと。カッコ良いかどうかは別にしても、こんなオヤジ生活も悪くない。たまの“ハレ”の日に、こんな店に来られたら幸せだね。「うん、今日も楽しかったね♪」妻も最後まで辛口コメントは封印。ほんとにハッピーな誕生日。マイ・バースデーに☆みっつ!

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2009年2月 7日 (土)

ハッピー・マイ・バースディ♪「ひのきざか」リッツ・カールトン東京

Photo Photo_2Happy Birthday IGAさん、お誕生日おめでとうございます・・・」ある朝早く、NYC帰りの友人夫妻からメールが届いた。誕生日を覚えてくれてたんだなぁ♪なんだか朝から元気になり、笑みが零れる。昼休み、ご近所の友人(妻)と、妻から立て続けにメール。「お誕生日♪おめでとうございます・・・」「“ひのきざか”眺めの良い席で予約しました・・・」ありがとう。いくつになっても、祝ってもらえる誕生日は幸福です。それぞれに返信。すると妻から返信。「良かったね。今夜の食事、楽しみだね」珍しく素直にメールで感情表現する妻。それもまた嬉しい。無理やり業務を終え、慌ただしくタクシーに飛び乗りミッドタウンに向かう。平日ということもあり、どの通りも空いている。オフィスからわずか10分。予約の時間ぴったりに席に付く。電車でやって来た妻もほぼ同時刻に到着。新宿の高層ビル群、神宮外苑を望む窓際の席。夜景が美しい。

Photo_5 Photo_6 が予約してくれた「ひのきざか」はリッツ・カールトン東京の45階。明るく上品な内装の日本料理店。決して華美ではなく、圧するような雰囲気も感じさせない良い空間。そして何より柔らかな接客が心地良い。決して慇懃ではなく、過剰ではなく、かと言ってカジュアル過ぎない。簡単なようだけれど、これが実に難しい。しかし、そんな接客を何より望むお気楽夫婦。滑り出しは順調だ。テーブル席のメニューは会席料理が基本。13,000円より。普段だったら「え”!」と思ってしまう価格帯。しかし、その日のお気楽夫婦には心強い味方が付いていた。昨夏にいただいた「リッツ・カールトン東京ギフト券」15,000円也。ぐっと気持に余裕が生まれる。二人で別々のコースをオーダーし、互いに味見をすることに。好奇心溢れる2人のいつものパターンだ。

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ずは食前酒の梅酒で乾杯。ひと口程度なら妻も大丈夫。先附「蟹、菜花、湯葉のばら子和え 胡麻クリーム掛け」をひと口。うん、旨い。胡麻の香りが食欲をそそり、それぞれの食材がバランス良く、きちんと美味しい。妻は「京人参、蟹身(以下略)白和え」を食べ、「美味しぃ〜っ!」と微笑んでいる。かなりのものらしい。どれどれ。小鉢を交換。うん、確かにこれも繊細で美味しい。この店、かなり良い感じかも。次はお椀。焼餅や針野菜が入った沢煮仕立ての椀。和食には珍しく粒胡椒が効いている。私好み。妻はと言うと自分の椀を眺めながらにこにこ。見れば、真っ赤な黒皮大根に飾り包丁を入れた鬼の顔が、酒粕仕立ての椀に浮かんでいる。前日は立春。料理人の遊び心が楽しい。やはり交換して食す。うっ!旨い♪粕汁の中に脂の乗った寒鰤。他の具材とも合う合う。う〜ん、これは参った。

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Photo_10 いてお造り。クラッシュアイスの上に乗った鯛、甘海老、サヨリ・・・どれもきちんと美味しい。酒が進む。さらには焼物。寒鰤の照り焼き。ふんふんっ、これも好物。おろし大根を乗せ頬張る。旬の寒鰤の脂がじわじわと舌に染みる。さらに酒が進む。妻は殻付き帆立の上にアスパラ、椎茸、人参などを乗せて焼いたグラタン風の一品。見た目は違和感があったけれど食べてびっくり。きちんと日本料理。しっかり美味しい。やるなぁ。「ところで、この店って、もしかして『ミシュラン』で★獲ったのかなぁ」と妻。実は、私の選んだのはは「ミシュラン特別会席」というコース。たぶん、そうなんだろうね。スタッフに訊いてみようか。そんな名前のコースを頼んでおきながら、そして食事も後半に差し掛かった辺りで、今更のようにそんなことが気になるお気楽夫婦。オスマシ系の似た者同士ではある。

・・・ということで、その結果は明日の記事で明かされる。

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2009年2月 1日 (日)

猫背のカレー、マダムなステーキ「自由が丘ランチ事情」

Photoメージ通りだった・・・訳ではない。どうしても食べたくて食べられなかった「猫背」のカレー。自由が丘の路地に佇む小さなカフェ。その店のランチはカレー1本勝負!と潔い。正確には、野菜カレーとキーマカレーの2種類。私が食したのはキーマカレー。さらりと、上品に、でもしっかり辛く、これはこれで美味しい。しかし、あの日私が食べたかったのは、(カフェでも良かったのだけれど)喫茶店のカレー。缶詰を開けて温めただけのような、どろりとした、味の濃い、福神漬けとらっきょうが合うカレー。そんなカレーとはちょっと違う。それにしても、この店の名前が気になる。ハッピーアワーと普通言うところを、“猫背アワー”と無理やり言って、17:30〜19:00はドリンクが全て300円。ちょっと行ってみたい。妙にそそられる。

Photo_2 り際、我慢できずに女性スタッフに聞いてみた。なんで“猫背”なんですか。「さぁ、余り理由なんてないみたいですよ♪」肩すかし。その脱力系も良い。そもそも自由が丘という街は懐が深い。こぢゃれたカフェや、可愛い雑貨の店だけではなく、駅近くの「自由が丘デパート」や「ひかり街」にはディープな雰囲気の店が軒を連ねる。ランチの選択肢も広い。以前勤務した会社の後輩が始めた弁当屋さん「稲毛屋自由が丘Kitchen」「ベジキチ」も人気。昼過ぎには売り切れの弁当もある。ちょっとおしゃれで、チープな感じがしないのに、安い。これは自由が丘で売れるでしょ、という感じ。有機野菜を使っていたり、元々アーティスト向けにロケ弁やケータリングをやっているというのも“くすぐり”どころ。その他にも、コメ屋さんがやっている種類も豊富な“おにぎりや”さん「玉川屋」など、テイクアウトものも豊富。

Photo_3 洒落な中にも、おやぢのエッセンスが入った店もある。カレーカフェ、「ジジ・セラーノ」。内装もとてもこぢゃれた、味も本格的に美味しく、カレーの種類も豊富なカフェ。サイドディッシュとしてヤーコンのサラダ。これも美味しかった。なのに、店頭には「この冬、ホットなカレーでほっとしよ」・・・の幟なのだ。かなり好き。この感じ。しかし、初心者には入り難いかな。夜には止まり木で常連さんがカラオケ歌ってそうな匂いがする入口だし。そして何と言っても、平日のランチタイムは自由が丘マダムたちの世界。子供連れの若いママさんたちは、マクラーレンのベビーカーなどを押しながら「プラチノ自由が丘テラス」などに集結する。広いテラス席は子供が走り回っても大丈夫。冬でもパラソルヒーターと膝掛けで暖かい。

Photo_4ダムランチと言えば、「状元楼 自由が丘店」。11:30の開店前からオバさま達が列をなし、1時過ぎまで満席状態が続く。3種類の1000円ランチを皆でシェアして、のんびりと豪華な内装の店内でお茶を飲む午後は、お手頃でかつ優雅そのもの。何より美味しいし、C/Pは高い。さすがに皆さま良くご存知という感じ。そして、マダムランチの象徴的な店とも言えるのが、「創作鉄板焼き クリス・キャンデラ」。自由が丘には珍しく高層階にあるため眺めが良く、明るく上質で上品な内装。ランチメニューのサイコロステーキは2200円。海老フライやサラダ、スープ、食後のデザート、ドリンク付き。お得ではあるし、美味しいし、眺めも良く気分も良い。けれど、良いお値段。早い時間だったので客のいない上階を見学させていただくと、全席予約済み。私が座ったカウンタ席よりさらに素晴らしい眺望。ふぅ〜。オバさまたちはこんな店に来ていらっしゃるのね。「・・・って、結局あなたも全部の店に行ってる訳でしょ。良い生活だなぁ・・・」と妻。自由が丘ランチ、まだまだ探訪の余地あり。

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