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2008年12月の記事

2008年12月31日 (水)

2008年を振り返る「極私的10大ニュース」

Photo_7 Photo_8 年(2007年)の今頃、トヨタやSONYなどの世界的企業は空前の売上、利益を発表していた。世界的大不況の今、遥か遠い過去のようにさえ感じられるけれど、1年という時間は世界を変えてしまえるということを実感する。ところで、お気楽夫婦の周辺も大きく変わった。年末恒例の振り返り企画。今年はプライベート感剥き出しの10大ニュースをまとめてみた。

第1位は、私の転職。前の会社には3年在籍したけれど、もはや遠い過去のような気がする。経済的な損得勘定で言えば大きくマイナスだけど、得たものの方が大きい。地域の活動にも軸足を移しつつ、小さな会社で一体感ある仕事をやっている現在の充実感は贅沢な程だと思う。多くの人との出会いから今に至ること、こんな環境にいられることを素直に感謝したい。

PhotoPhoto_7 第2位は、初のニュージーランド旅行。憧れの地で、ワールド・マスターズ・スカッシュに参加。腱鞘炎が完治しないままの試合は辛かったけれど、豊かな暮らし、豊かな人生とは何かを考えさせられ、今後の日々の過ごし方に大きなインパクトがあった旅だった。そして、白ワインがひたすら美味しかった。

第3位は、妻の勤める(元は私も在籍した)企業のピンチ。妻は再生に向けたプロジェクトの事務局として奔走した。情報に対する価値観が変わり、雑誌という媒体の存在感が薄れた時代に、新たなビジネスモデルを構築することができないでいる。今でもシンパシーを持っているOBとして、再生を期待している。

第4位は、右腕の腱鞘炎。懸命の鍼治療のおかげで症状は良化しているけれど、まだ痛みは残っている。サウスポーに転向できるぐらいに左手でのスカッシュも上達したけれど、思い通りのプレーができない歯がゆさが続く。完治の日はやってくるのだろうか。

第5位は、新たな人的ネットワークの広がり。地元の「まちづくり」の団体に参加し、副会長に就任。今まで全く触れるこチャンスがなかった地域の人々との交流が始まった。同時にクライアントでもある自由が丘の人々とも同様。いずれも地元を愛するダンナ衆。活動している内容の多くは無報酬。ダンナ衆が街の文化を作り、残していくんだということを実感。その輪の中で自分の役割があることが何よりも嬉しい。

Photo_2 Photo_5 第6位は、新たなご贔屓店の誕生。ご近所洋食「はしぐち亭」の開店、ご近所スィーツ「ショコラティエ・ミキ」のヘビー・ローテーション化は、お気楽夫婦の生活に新たな彩りをもたらした。オーナー・シェフたちとの交流も含め、貴重で幸せな関係が続いている。加えて、「SILIN火龍園」「ラーン・チン・チン・タイ」「弁いち」なども来店頻度はまだ高くないけれど赤丸急上昇中。これからが楽しみだ。

第7位は、ボクササイズ!これが実に楽しい。始めた時に記事にしたけれど、実はそれ以来毎週休むことなく続けている。単にスポーツで汗を流すだけではなく、予防医療でもあり、何より生活の整体(?)を行うことができる。妻も、ご近所の友人(妻)も、すっかりハマり、お気楽夫婦になくてはならない習慣となった。

第8位は、大人買いコンサート。「ポリス」「ビリー・ジョエル」「小田和正」と、今年だけで3本の東京ドーム公演を観に行った。芝居中心のエンタメ生活のお気楽夫婦としては画期的。観劇本数は逆に激減。わずか13本に止まった。

Photo_3 第9位は、マック導入。画像やフォントが実に美しく、使いやすい。その勢いでホームページもリニューアル予定だったけれど、残念ながら公開は越年。近々公開!したい。新年早々に最終調整の予定だが、果たして・・・。

第10位は、家族との新たな関係。妻の両親といつか同居しよう!と宣言したり、母の1周忌もあり、弟たちとの交流頻度が高まったり、父の緑綬褒章を一緒に祝ったり。年齢を重ねることで良い関係になれることもあると実感。

そしてトップ10圏外だけれど、このブログを地道に続けていること。2005年5月にスタートし、この記事が439本目。アクセス数もおかげさまで13万を超えた。これも大切な習慣となった。読んでいただいている方々の楽しい習慣にもなっていると嬉しいのだけれど。ということで、来年もよろしくお願いいたします。

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2008年12月28日 (日)

札幌と東京のX'Mas「魁人(かいと)/はしぐち亭」

Photo_12 Photo_13 リスマスの直前、急な出張が入った。行き先は札幌。到着後すぐにホワイト・イルミネーションを見学し、サッポロビールで乾杯の後、美味しい縞ホッケ(煮付けではなく)と旬のイカ刺しを食べ、夜のススキノで歌い、翌日はイサム・ノグチ設計のモエレ沼公園の冬景色を見学。帰りには新千歳空港で花畑牧場の塩キャラメルを購入するというミッション。・・・そんな出張があったら嬉しいのだけれど。現実は・・・、到着後すぐにホテルから打合せ場所に向かい、雪が舞い散る大通り公園を無理やり歩いてイルミネーションを見学。打合せ終了後に、ラストオーダー寸前のビアホール「ビッグジョッキ」に飛び込み、サッポロビールとホッケのミッションは実行。翌日も大事な打合せだからと早々に帰る同僚の手前、コンビニで買ったニッカウィスキーをポケットに独りホテルに戻る・・・という淋しい夜。

Photo_14 Photo_15 こで、出張からの帰途、妻と待ち合わせて恵比寿(サッポロビール繋がり)の居酒屋で食事。お店の名前は「魁人(かいと)」。北海道直送の海産物が店のウリ。札幌で食べられなかった「イカ刺し」や「海鮮サラダ」「男爵芋のバター焼き」「たらこの甘辛煮」などをオーダー。北海道から帰って来た足で、北海道の味を恵比寿で味わう。微妙なシチュエーションだけど、美味しいね、この店♪「確かに、この刺身も新鮮だね。良かったねぇ。時間差があるけど北海道を味わえて」満足のクリスマス・ディナー札幌/恵比寿版。ちなみに、新千歳空港で待つことができず塩キャラメルも買えなかった。代わりの土産はロイズの生チョコと、LeTAOのチーズケーキ「ドゥーブル・フロマージュ」。これはこれで絶品の味。

Photo_3 Photo_4 日はご近所の友人夫妻と「はしぐち亭」でのクリスマスディナー。「初めてのクリスマスはちょっと心配なんですよ」と言っていた橋口さんをサポート(?)するために予約の少ないだろうと予測した日程で訪問。ところがお店は満席。良かったですねぇ。「おかげさまで。でも、今日が一番混んでますねぇ。休日はご自宅でパーティという方が多かったようです」なるほど。予測は外れたけれど、ちょっと安心。さっそく橋口さんが悩み抜いたクリスマス特別メニューをオーダー。まず最初は「北海道産雲丹のフラン プリン仕立て」が登場。滑らかな舌触りと繊細なソース。実にバランスが良い味。美味しい♪お次の「田舎風パテ」は、しっかりとした歯応えが残る鴨、豚、鶏のミンチと周囲に巻いたベーコン、ジュレが口の中で絶妙に混ざり合う。絶品♪「パンくださいっ!」お酒を飲まない友人(夫)が早々とナパス・ブレッドのパンをお代わり。そうだね、バゲットと良く合うね。

Photo_6Photo_5 いて「アサリとマッシュルームのスープ」は、具だくさんで旨々。ここまでの味のリズムは良い感じ。そしてメインは「舌平目のポーピエット ムース詰め」か「骨付子羊背肉のロースト」「牛フィレ肉のステーキ 赤ワインソース」のチョイス。舌平目と海老、ホタテが2種類のクリームソースと抜群のハーモニーを奏でる。あ、ちょっと待った!ラムに齧りつこうとしていた妻を止める。味の順番から言って、この繊細な一皿を食べた後の方が良いかも。「なるほど。じゃあ先にラムを食べて」ジューシーなラムも子羊の骨から取ったというソースとのバランスが良い。橋口さんの作るソースはホントに美味しいね。「牛も美味しいですよ♪どうぞ!」友人(夫)が選んだステーキを切って味見させてもらう。うん、確かに。

ぅ〜。美味しかった」「満足だねぇ」そこで一息付いた橋口さんがお店に出て来る。「いかがでしたか」美味しかったです。良いバランスのメニューだし、お得だよね。「ありがとうございます。確かにお得だと思います」ふふ。作った本人が言うのだから間違いない。これに「タルト・タタン(林檎のタルト)バニラアイス添え」とコーヒーが付いて5,000円。誠実でひとつも手抜きのない内容。この味がご近所で味わえることが嬉しくなる店。ごちそうさまでした♪今年のクリスマス・シーズンの最後を飾るに相応しい温かく、幸せな食事をすることができた。「はしぐち亭は“頑張れご近所の名店サポート作戦”も必要ないぐらいだね」妻が名付けた、ご近所の店をヘビー・ローテーションで廻るという外食戦略も一段落。とは言え、来年も戦略に変更なし。来年も引き続きお気楽で行こう!

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2008年12月27日 (土)

北欧と香港のX'Mas「ノルウェー大使館/SILIN火龍園」

Photo Photo_2リスマスも間近のある週末、慌ただしくも楽しい夜を過ごした。同じ日に、仕事系パーティと友人たちとの食事会のハシゴ。ひとつめのパーティ会場はノルウェー大使館。ノルウェーに本社がある日本法人のイヤーズエンド・パーティを兼ねた懇親会。毎年取引先を招いて開催するこぢんまりした会。なのに今年は会場を大使館にしたためか、参加者が倍増。分かりやすい参加者たち。クリスマスと言えばサンタクロース。サンタと言えばフィンランド。フィンランドと言えば北欧。ノルウェーも同じ北欧ということで、なんとなく本格的なクリ スマス気分満載。玄関ホールにはクリスマスツリーと共に国王夫妻の肖像画。会場入口付近にはこぢゃれたプール。受付を済ますと螺旋階段を降り、パーティ会場へ。

Photo_3 Photo_4 ェルカム・ドリンクはグロッグと呼ばれるナッツやスパイスを入れたホットワイン。冷えた身体に温かいワインが嬉しく美味しい。司会の日本人副社長がいつになく緊張しながら進行。駐日大使の挨拶の後、たどたどしく日本語でプレゼンテーションを行う(スカッシュ仲間でもある)ノルウェー人社長。けれど、それぞれが微笑ましく、リラックスした、ホスピタリティ溢れる良いパーティだ。ここに集まっているのは、単なる仕事上での取引だけではなく、何らか地球環境改善に関わっているという意識を持ったメンバーたち。お互いに紹介し合い、新たな交流が生まれていく場でもある。ところで、会場には本場ノルウェー・サーモンのスモーク。実に旨そうだが食べる訳にはいかない。後ろ髪を引かれつつ、あたふたと友人たちが待つ店へ。

Photo_6 Photo_7 場は東京ミッドタウンにある「SILIN火龍園」。すぐにでも再訪したかった絶品中華の店。なのに妻と2人で初めて訪れてから数ヶ月が経ってしまった。また2人での訪問ではなく、どうしても仲間たちとこの店の美味しさを共有したかった。大勢でいろんなメニューを味わいたかった。ということで、満を持しての来訪。店はスターライトガーデンを見下ろす絶好のロケーション。大きなガラス窓越しに鮮やかなイルミネーション。否が応でもクリスマス気分は盛り上がる。長年一緒のスカッシュ・スクール・メンバーの忘年会でもあり、新婚のメンバーが待望の2世を授かったお祝いでもある。まずは乾杯!ん?妊婦が飲んでも良いのか?「こんな時にビール1杯ぐらいは大丈夫♫」だったらせめて小さなグラスで・・・。「そんなのは私のプライドが許さない」同じ酔っ払い仲間として実に納得できる発言。早く元気な子供を産んで、また一緒にたっぷり飲もうぜ!「うんっ!」

Photo_8 Photo_9 ころで、この店の売りは新鮮な魚介類。今回も前回同様に、両手に生鮮食材を抱えた支配人の説明を聞きながらオーダー。まずは、スジアラを姿蒸しで、ホタテは黄ニラと一緒に・・・。「ところで、前回はありがとうございました。ブログでも書いていただきまして・・・」え?なぜ?「世田谷の支配人からは、もうあんなプレッシャーかけるのは止めてくださいと言われましたけど」そうかぁ。2日続けて六本木と世田谷の店に訪れるような酔狂な客を覚えていただき、さらには私の前回訪問の記事がネット検索にひっかかったらしい。たん熊の本城さんと同様に、自分の店はネットでチェックしているんだなぁ。なるほど。けれど、嬉しいサプライズ。「今日は、煲仔飯はいかがですか」妻と私の好物。いっただきましょう♪前回よりたっぷりのメニューをオーダー。これでこそ大勢で食べに来た甲斐があるというものだ。

焼きの前菜盛り合せ、白菜塩卵炒めなどの後に、メインのスジアラの姿蒸しが登場。うん、やっぱり美味しいねぇ。「とても幸せぇ♪」糖尿病の気配があると診断された夫と一緒に、毎食カロリー計算をしながら食事をしているという妊婦も「今日は気にしないで食べちゃおうっ!」うん、うん。そうじゃなくちゃ。美味しい料理を食べ、楽しいクリスマスを過ごすには、良い仲間たちが必須。こうして皆で過ごせることが何よりのクリスマス・プレゼント。今年も良いクリスマス・シーズンだ。「やっぱり美味しい中華を食べるには大勢で、だね」と妻。・・・まぁ、そんな率直な言い方もあるね。

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2008年12月23日 (火)

料理はレジャー「夫婦でキッチン」

Photoる日、お気楽夫婦宅のキッチンで500g入りの米が発見された。仏事のお返しでいただいた小袋。賞味期限は2005年。ということで、炊飯器は存在するが、少なくとも3年以上使用していないことが発覚。共働きの2人は、ほぼ毎晩外食であるのに加え、デパ地下などで総菜を買って自宅で夕食を取る時もパン食がほとんど。ご飯を食べるのは、せいぜいがレトルトカレーを食べる際の「サトウのごはん」程度。炊きたてのご飯を自宅で食べる機会は余りない。と、ここまでの記載ではブログを読んでいただいている方々に料理下手と思われても仕方ない。しかし、何でも楽しむことをモットーとするお気楽夫婦、やる時はやるのだった。

Photo_2る週末、ご近所の友人夫妻と、ご近所のショコラティエンヌ:ミキちゃん夫妻をお招きし、自宅での忘年会を企画。パリのメゾン・ド・ショコラでの話を聞くのも楽しみ。何日か前からメニューを検討し、前日に食材を買出し。朝から2人でキッチンに立ち、料理の仕込みを開始。選んだメニューは、ラタトゥイユ、ブイヤベース、牛肉のたたき、トマトのマリネ、など。久しぶりに料理を始めてみると、これが実に面白い。妻もにんじんの面取りに集中しながら「なんか楽しいねぇ♫」などとのたまう。2人の役割も明確。下ごしらえや調理の段取り、指示は妻。実際の調理や味付け、盛付けは私。休日のお気楽パーティ料理。レジャー気分で取り組む。

Photo_4 人夫妻たちを迎え、さっそく乾杯。料理の味はどうだろう。「どれもすごく美味しいですねぇ♪」「盛付けが美しい〜!」「牛肉のたたきも作ったの?美味しいね」あ、それは肉屋で買って来た。でも、お褒めに預かり光栄。プロのシェフに手料理を出す素人の暴挙もご愛嬌。仕事のため遅れて到着したご近所の友人(夫)のために、メイン料理のブイヤベースを皆の目の前で調理。素人料理の醍醐味はライブ感。たっぷりの海鮮素材がサフラン色に染まっていく。「うん、このブイヤベース旨ぁいっ。たっぷりのムール貝が良いですね」ストレートに誉めていただくと素直に嬉しい。おみやげのワインやナパスブレッドのパンと良く合う。

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っかり満腹になった後は、お待ちかね別腹スィート。ミキちゃんがケーキを作って来てくれた。実はプロのショコラティエンヌにデザートをお願いしていた贅沢な私。その結果は大正解。スパイシーな紅茶をベースにした大人のチョコレートケーキ。「これ皆で飲みましょう♫」さらにミキちゃんが持参してきたのは「大紅袍」という中国でもめったに本物は手に入らないという幻のウーロン茶。「何煎めでも美味しいんですけど、3煎めぐらいからの味は最高ですよ」絶品ケーキと一緒に幻のお茶をいただく。「美味しいっ」「すごく良い香りだねぇ」お湯を注ぐ度に味と香りが微妙に変わり、その度ごとに新しい美味に出会える不思議なお茶だ。

Photo うして3組の夫婦が集まった忘年会は、しっかり満足の贅沢ディナーになった。たまにはこうしてオウチごはん、オウチパーティも悪くない。時間を気にせず、ご近所同士でのんびり過ごす夜。時間がありさえすれば自宅で料理を作るというスタイルも実践可能。世界的な大不況のこの冬、遠出をせずに“巣ごもり”する家族が多いらしいが、それもまた良し。ポジティブに自宅での食事を楽しむことは悪くない。「まぁ、引退したらそれも良いかもね」妻は相変わらずのスタンス。日常的な料理はレジャーにはならない。夫婦でキッチンに立ち、自宅で日々の料理を楽しむのはまだまだ先。「引退するだけだったら、すぐでも良いけどね」・・・うぅむ。

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2008年12月14日 (日)

ご近所B級的香港食堂「香港ロジ」

Photo_2の店に入ったのは偶然だった。友人たちが毎年開催する映像作品の発表会。前衛的で、斬新で、観念的で、早い話が難解な短編を発表する。上映会場は青山だったり、下北沢だったり。いつもどこで見つけてきたのかと不思議に思うような、分かりにくい場所にある小さな会場。今年は北参道にほど近い住宅街。案内状の地図も芸術的で分かりにくい。最寄駅から歩くこと10分余り。のんびり散歩気分で会場に到着。周囲は小さな商店街。くんくん。匂う。匂うぞ。こんな場所にこそ隠れたご近所の美味しい店が潜んでいるに違いない。興味は既に上映会後の食事に向かっている。が、逸る気持を抑えて会場へ。

Photo_4年通り難解で、意味やストーリーを問うてはいけない映像を観た後、友人と立ち話。映像関係の仕事をしている友人の夫は、近々NYCに赴任する予定だという。「住むのはボストンが良いかなと思ってるんですよ」良いねぇ、良いよ、ボストン。無責任に推薦。持つべきものは海外に拠点を持つ友人。彼らが赴任中に、その街を訪ねるという楽しみがある。ただの旅行者として訪ねる街と、住む人と一緒に滞在する街の印象は大きく違う。ぜひ彼らにはボストンに住んでもらい、彼の地で難解な映像表現に磨きをかけていただきたい。その間にサミュエル・アダムズを飲みに訪ねたいものだ。そんな身勝手な会話をしながら会場の近くの商店街で夕飯の場所を探るお気楽夫婦。

Photo_3ると目に付いたオレンジの看板。「香港ロジ」とある。ん、匂う。香港風のメニュー写真入り看板。「香港的士飯(香港タクシー飯)」の文字もある。ここだっ!「ん、良い感じ。ここにしよう!」妻の直感も同様に反応したらしい。店に入ると意外に小奇麗な内装。看板同様のオレンジのベンチシートが良い感じ。店の奥には明るくこぢんまりとした厨房が見える。スタッフは全員中国人らしい。店内はベビーカーを店内に持ち込む若い夫婦、3世代で食べに来ている家族連れなどで賑わっている。香港的情景。「港式椒塩排骨(香港式スペアリブのスパイス揚)」「海鮮粥」など豊富なメニューも嬉しい。価格もリーズナブル。

Photo_5 島ビールと点心を中心とした料理をオーダー。ほどなくして運ばれて来たカリカリのニラ饅頭が美味しそう。「豆板醤をいただけますか」辛いもの好きの妻がフロアスタッフに尋ねる。すると、「豆板醤だとしょっぱくなるから、XO醤をお持ちしましょう」と流暢な日本語で対応してくれる。塩卵の粥はないんですかと尋ねると「塩卵の輸入が厳しくなったんで、日本で作ってるんですよ。何日か経ったら出来ますから食べに来てください」とのこと。気配りは香港的ではなく、丁寧な日本スタイル。これまた良い感じ。続いて運ばれて来たトロトロの東坡肉も美味しい。「ここは良い店だね♬」妻の評価が俄然高くなる。うん、確かに気持の良い店だね。また食べに来たいね。ご近所にあったらかなり嬉しいねぇ。店名の通り、香港の路地裏にありそうな、お気軽で美味しい満足店。

気楽夫婦は決して美食家などではない。どこかのガイドブックの☆の数には全く興味がない。他人の評価を参考にすることはあっても、妄信することはない。そこそこの対価を支払えば美味しいものは手に入る。しかし、味だけで満足できる訳ではない。客が店主に気を使いながら食べるなどという店は選びたくはない。自分たちの好きな味が、料理やサービスに相応しい適切な価格で、心地良いサービスと共に提供されれば満足。そこがお気に入りの店になる。「香港ロジ」もそんな店のひとつになりそうだ。B級的香港を味わいたくなったら、また妻と一緒に訪ねよう。

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2008年12月13日 (土)

ご近所、街の洋食屋「はしぐち亭」

Photo_6る週末、たん熊北店二子玉川を訪れた。お気楽夫婦にとっては、季節ごとにその季節を味わうために、わざわざ訪れる大切な“ハレの店”。いつもの席に座ると、「そうそう、嫁と一緒に行ってみたんですわ。場所が分からなくて探してしまいました」と店長の本城さん。え?どちらに?奥さんと2人で?聞けば、私の書いたブログの記事を読み、ご近所の洋食屋「はしぐち亭」を訪れてくれたという。はしぐち亭は、2人にとって「たん熊」とは対極にある、普段使いの大切な“ケ”の店。何も良いことがなくても、何か良いことがあっても、気軽に訪ねたい店。どちらが美味しいとか、良い店とかという比較は無意味な、どちらも2人のお気に入り。そのハレの店の本城さんがケの店の橋口さんと遭遇するというのは、実に不思議でくすぐったい場面。偶然その場にいたかったような、いなくて良かったような。

Photo_7日、はしぐち亭を訪れた際にそれを伝えると、橋口さんは恐縮しきり。「あぁ、そうだったんですね。嬉しいですねぇ。ありがたいです。ランチの時にいらした方かなぁ・・・」お2人とも研究熱心で、何よりも食べることが好きで、食べてもらうことが好き。それが彼らの料理に表れる。そんな料理をいただくことができるお気楽夫婦はつくづく幸せ。その日はニュージーランド訪問以来、2人のブームになっているムール貝をオーダー。白ワインに合わせてサンマの薫製とオリーブのオイル漬けも。きりっと冷えた白ワインを飲み、フレッシュでスモーキーなサンマを齧る。うん、旨い。続いてお気楽夫婦の好物、鴨のロースト。橋口さんの料理はソースが実に良い。やはり美味しいご近所の味。こんな店が歩いて1分のところにあることが、とても嬉しくありがたい。

Photo_8しいメニュー構成はどう?「そうですねぇ。まだ試行錯誤の日々ですね」オープンしてから何度目かのメニューのリニューアル。洋食の基本的なメニューを中心にその日のお薦めメニューは絞り、料理を出すスピードをアップしようという試み。この店のご自慢のソースとドレッシングを前面に出すということでもある。「週末の夜とランチは比較的お客さまにいらしていただけるんですけど、平日の夜はもうちょっと頑張らないとですね」確かに、こんな会話ができるのも他のお客さまがいないから。「そろそろ初めてのクリスマスなんですけど、まだメニューを迷ってるんですよ」ん〜、いつもの橋口さんの“暖かいメニュー”で良いんじゃない。悪い意味ではなく、みんなこの店に美食を求めている訳ではないしね。

うなんです。求められても困りますね。私の目指すのは街の洋食屋なんです。修業時代にお世話になったタイガー食堂という店が銀座にあるんです。美味しくて、ボリュームたっぷりで、ご夫婦がとっても良い人たちで、迷っている時に訪ねると、最近どうだ?とか声を掛けてくれたりですね、食べ終わってからお金がないと気付いたりですね・・・」ふぅん、そうなんだ。なんだか行ってみたいね。「あぁ、ぜひ行ってみてください。ほんとに良いお店です。目指したいんですけど、まだまだです」名前ばかり有名な老舗で、観光で来るようなお客さん向けにC/Pの悪い料理を出している洋食屋が多いもんねぇ。「はい。感心しない店も多いですよね」ところで、クリスマスは一番空いていそうな日に予約しますね。「ありがとうございます。メニューが決まったらお伝えします」年末に向けて楽しみが増えた。わが街の食堂として、これからもずっと店を続けて欲しいものだ。

・・・日鐔。さっそく行ってみようかとネット検索した「タイガー食堂」。そこでヒットしたのは「タイガー食堂、閉店」のニュース。2008年11月14日をもって、昭和39年から続いた街の食堂が閉店とあった。その日は偶然ながら、はしぐち亭を訪ね話を聞いた翌日だった。残念。お気楽夫婦にとっては幻になってしまったタイガー食堂。けれど、きっと橋口さんの店を訪ねれば、その味やサービスは、いつか体験できるに違いない。

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2008年12月 7日 (日)

水のある風景、川のある街「リバーサイドタウン、盛岡紀行」

Photo_14 Photo_15Photo_24 30歳の誕生日を、出張先のその街で迎えた。厳寒の2月。地元の取引先の女性たちに連れて行ってもらった1軒目で、三陸産の海産物を肴にたらふく美味しい酒を飲み、2軒目のバーではママさん(ただし男性)の歌をたっぷり聴かされた。カウンタだけの小さな店。店の照明を落として、自分にだけ(スポットライトのように)ダウンライトを当てて歌う『リバーサイドホテル』。思わず聞き惚れる歌唱力。負けじと歌ったのは何の歌だったのか。店を出て、酔っぱらいながら川沿いの道を、カチンと寒い街を彷徨った。あぁ、こうして自分は「30歳」というとんでもない年齢になってしまったんだと、しっかりと、それでも半ば夢のように記憶に刻んだ。可能性は無限ではないと気付き始めていた頃の、遠い遠い記憶。

Photo_16 Photo_17 んな記憶を再現するために(という訳ではないが)、ある秋の週末、妻と共に盛岡に向かった。迎えてくれたのは、その遠い日の案内人の1人だった友人。彼女の出演する東京公演を妻と一緒に観たり、3人で食事をしたりと、細いけれど長い縁が続いていた。「予定通りの店で良いですか」事前に何通かメールのやり取りをしたこともあって、前回会った時からの時間はさほど気にならない。街の小さな居酒屋のカウンタで、鉄板で焼いた絶品の牡蛎、地のキノコの天ぷらなど、地元の味を堪能する。地元の文化事業団に勤務する友人とは、もっぱら芝居談義。改めて共通の知人を発見したり、懐かしい人の消息を聞いたり。酒が進み、酔いも進む。良い酒だ。旨い酒だ。

い街だよね」2軒目のバー(ママではなく、お洒落なマスターのいる)を出ると妻が言った。「でも、もう帰るよ。かなり酔っぱらってるでしょ」こんな時は、一滴も飲まない冷静な妻に従うに限る。友人と再会を誓い、夜の街で別れる。

Photo_18 Photo_19 Photo_23 朝、友人の勧めもあり、前から訪ねてみたかった「神子田の朝市」に向かう。お目当ては「ひっつみ」。早朝の空気で冷えきった身体を暖め、妻の笑顔を呼ぶ優しい味。冬でも毎日(月曜休)開催されている奇跡的な朝市。決して観光客向けではなく、地元の生産者が地元の住民に向けて農産物などを販売している、この街の貴重な財産。貴重と言えば、盛岡は街のあちこちに古い建物が残され、景観に溶け込んでいる。民家の軒先に飾ってあるオブジェも、古い商店街の歩道を整備した際に設置された宮沢賢治の像も、不来方の街に馴染んでいる。ぶらぶらと建物を眺めながら散策するには実に良い大きさの街だ。中津川沿いの道を歩く。産卵し終えて傷だらけの鮭が懸命に泳いでいるのが見える。冷たい風が心地良い。銀杏の金色を敷き詰めた小径を経て、不来方の城に向かう。

Photo_20 Photo_21 Photo_22 来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心・・・だったかな。盛岡城址公園に石川啄木の歌碑があるというと、妻が不思議な顔をする。「啄木って函館でカニと戯れてた人じゃなかったの」妻は歴代のアメリカ大統領の名前や、ニール・サイモンの戯曲を知っていても、日本の文学者に興味はない。うん、確かに。函館で蟹とね・・・。歌碑を眺める振りをしつつ、こっそり間違えていなかったかと確認する私。よしっ!正解。次は冷麺だ。元祖平壌冷麺を名乗る「食道園」を訪ねる。ここも友人に勧められた店。文句のない王道の味。きっちり美味しい。食後は宮沢賢治の「注文の多い料理店」を出版したことで知られる光原社の珈琲館でお茶。これまた盛岡観光の王道。北上川沿いにあるこの店の中庭の白壁には宮沢賢治の詩。鳥の声に空を見上げると、北に向かう白鳥の群れ。不思議な時間が流れる空間だ。

い街だったね。また来たいって思わせる魅力があるね」水のある風景、川のある街はなぜか心地良い。ボストン、NYC、博多。いずれも妻のお気に入り。そして、古い顔を残しつつ、新しいものを取り込み、街の色として溶け込ませる。そんな街。妻に気に入ってもらえる確信があり、連れてきたかった街。またきっと来ようぜ!『リバーサイドホテル』を歌ったママも健在らしい。怖いもの見たさで次はぜひ!「えぇ〜っ。それはいらない」ま、そうだろうけど。

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2008年12月 6日 (土)

良い夫婦×3=「お祝いの風景」

Photo_3 Photo_5家に嫁いだ弟(正確には農家に種苗などを販売するお店を経営する家に婿養子に行った末弟)が、家と店舗を建て替えた。お客さまに夜も明けない時間から起こされ続けながら(農家の爺婆は朝が尋常ではなく早い)懸命に商いをした結果。これは是非ともお祝いをしなければ。という訳で東京駅から北に向かう新幹線に乗り、弟の住む街に向かった。新幹線とは言っても、正式に新幹線と言えるのは雪を被った吾妻連峰を望む福島まで。そこから先は、踏切のある在来線を通る特急列車。急勾配をのんびり走る峠の風景はすっかり雪景色。シャキーン♪シャリン♬紅葉前線も訪れていない都内からの観光客が、車窓の風景に盛んに携帯カメラのシャッターを押す。季節のメリハリのある日本の風景、日本の気候を実感する時間。

Photo Photo_7 まで迎えに来てくれた施主(末弟)の車で新居に向かう。かつて苗床が並ぶビニールハウスの建っていた場所に、白亜の邸宅が威風堂々と建っている。我家のベッドルームぐらいの大きさの玄関を入ると、蔵王連峰を望む明るく広いリンビングルーム。キッチンから続く暖房付きバスルームもビッグサイズ。圧巻は老夫婦の寝室のすぐ隣に設置した引戸式トイレ。これまた巨大。子像でも用が足せるぐらいの大きさ。さらに、全ての廊下は車椅子でも楽に通れる幅を確保。もちろん廊下にも階段にも手摺を設置。全室の壁と床には温かい空気が流れる暖房設備。いずれも年老いた義妹の両親のための設備。そして、寒冷地であるが故、もしもの場合のリスクを考えた配慮。

Photo_8 Photo_9寄りばかりの家になってしまうからね」義妹が小さく呟いた。子供のいない弟夫婦。新居では老いた両親と4人暮らし。今は両親のための設備でも、遠くない将来には自分たちにも必要になる。家の周囲には種苗用の畑やビニールハウス。店は住居の目の前。職住接近の、定年のない仕事とは言え、定休日も(事実上)ないたいへんな仕事。そんな家族には「家」という器の存在は大きい。「明るくて、暖かくて、良い家ができて、ありがたいよ」と笑う義妹の母。「元気でこうやって仕事ができるのが一番だ。そして帰ってくれば旨い酒がある」義妹の父が嬉しそうに語る。挨拶もそこそこに老夫妻は家の隣の畑仕事に出かけて行く。働くことが、働けることが老夫婦にとって何より幸福。そんな両親を見守りながら共に暮らせることが、若夫婦にとって何より安心。

Photo_10 Photo_11 んな弟家族のお祝いにと持参したのが「真寿泉」という富山の銘酒。行きつけの居酒屋「なかむらや」の店主に相談したところ、それならと代わりに仕入れてくれた逸品。めでたい名前と、お祝いに相応しい馥郁たる酒。くきっとした歯触りが堪らない食用菊、赤ネギなど地の野菜がたっぷり入った「芋の子汁」など、珍しくも美味しい弟の手料理に舌鼓を打ちながら昼酒。贈り先の家長たちが飲む前に、味見をしてしまう私は不届き者。しかし、幸せそうな弟の家族を眺めながら飲む酒はしみじみ旨い。遅れて到着した長弟夫婦も合流。兄弟夫婦が揃った。当日は11月22日。兄弟夫婦のそれぞれの組合せが、それぞれ良い夫婦なのだろうと顔を見回す。「なんだか不思議な光景だなぁ」1人娘の妻が呟く。母の死や、お互いの年齢、いろんなことを経て、自然に集えるようになった3組の夫婦。短い滞在時間ながら、温かく、嬉しい祝いの席だった。

・・・「さぁ、次の街へ行くよ!」こんな時の妻の行動は機敏だ。

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