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2008年9月の記事

2008年9月28日 (日)

お気楽夫婦は南を目指す?「アオテア・ランギ」

Photoボストン、ウチナー、ニュージーランド。お気楽夫婦が老後に住みたいと思っている街。しかし、改めてこうして並べてみると、この組み合せは、変だ。博多とボストンは2人で訪れた上で具体的に“住む”ということをイメージしているのに対し、ウチナー(沖縄)は対象エリアが広く、街というには漠然とし過ぎ。ましてやニュージランドは、街ではなく国だし。そして致命的なことに、2人ともまだ訪れたことがない。それなのに、なぜニュージーランドなのか。南半球のちょうど北海道と本州のような形をした国。住民よりも羊の数が多い国。ヨットとスカッシュが盛んな旧イギリス連邦。オールブラックス。ジュール・ベルヌ作『二年間の休暇』で15人の少年を乗せたヨットが漂流する前に停泊していたのはニュージーランドのどこかの街の港だった。・・・その程度の情報。

Photo_4 比寿に美味しいニュージーランド料理の店があると聞いた。中でもお薦めはムール貝だという。ムール貝には目のない私としては、行かねばなるまい。ということで、ある週末、スカッシュ仲間と一緒に出かけた。店の名前は「アオテア・ランギ」。マオリ(ニュージーランドの先住民)のことばで、ニュージーランドの大空という意味らしい。全部で20席余りの小さな店。入口横のテラスには4人がけのテーブル席が2つ。秋風が爽やかなこの季節はテラス席でしょう、ということで皆でテーブルを囲む。まずはニュージーランドのビール、スタイン・ラガー。スカッシュの後では、こんな小さな瓶は蒸発してしまうように喉に吸い込まれる。ぷは。いくつかのオードブルの後に、待望のムール貝をオーダー。4種類あるソースのうち、にんにく香草バターソース、アメリケーヌソースの2種類を選ぶ。

Photo_3 つことしばし。ムール貝が入った寸胴がどかんと登場。日本のものと違い、深緑色の“グリーン・マッスル”と呼ばれる小振りの貝。「おぉ〜っ!美味しそう♪」「良い香り♫」「うわっ!旨っ♬」にんにくと香草の香り、貝の旨味が解け合ったソースが素晴らしい。「フランスパンに合うねぇ」ひとつ食べた後は、貝殻でソースをすくい、くぷっと飲む。く〜っつ。たまらん。この店自慢のニュージーランド産ワイン、ソーヴィニヨンブランのとある銘柄(忘れた)をオーナーがグラスに注いでくれる。くぴっとひとくち。爽やかな香りが鼻孔に抜けて行く。「うわ〜っ、美味しい!」飲んべのスカッシュコーチが目を丸くする。「なぜ白ワインなのに、こんな口の広いグラスなんだろうと思っていたんですよ」広口のグラスで冷えた白ワインを含むと確かに香りの抜けが良い。最高のマリアージュ。ニュージーランドのグリーン・マッスルとソーヴィニヨンブラン、素晴らしい組み合せだ。

Photo_4 らに「NZ産 子羊骨付きロース炭火焼」が登場。「これには、美味しい赤ワインだ♪」既に何種類かの白ワインを飲み比べしていた(飲めない妻を除いた)メンバーは、迷わず赤ワインをオーダー。「うん、この赤(これも銘柄は忘れた)も美味しい〜っ!」NZワインに惚れ込んだオーナーが開いたこの店のニュージーランドワインを飲みにくるだけでも、訪れる価値がある。「私、羊大好きなんだ♪」ジンジャーエールを飲みながら妻もご満悦。他にもマオリの香草で味付けされた牡蛎やサーモンなどのシーフードも旨い。ふ〜む、良いね。ニュージーランド。南半球の季節は、春。「気候的にもいい時期ですよね」オーナーが現地のワインの美味しい店やワイナリーを教えてくれた。(あくまで酔っぱらっていなかった妻からの伝聞)よぉっし、皆で行ってみるか!ニュージーランド!

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2008年9月27日 (土)

先生は男前な女性鍼灸師「オアシス」

Photo痛が治らない。桜の頃にテニスをやって痛めた、腱鞘炎。数ヶ月も放っておいたが、自然治癒の気配は全くない。さすがにこれはいかんと治療を始めることにした。しかし、どんな治療が良いか。整体やボクササイズは長期的な効果はあるが、患部の治療というよりは、むしろ予防。整形外科ではせいぜい湿布や電気治療。短期的に効果があるとは思えない。どうしようか。そんな時、「あら、私も肘の治療してるんだ。IGAさんも行く?」と、スカッシュ仲間Kに勧められ、彼女が通うスポーツクラブの中にある「Sports Massage Room オアシス」という治療室に通うことになった。担当の先生はすらっと背が高く、ハスキーヴォイスの、さっぱりとした性格の酒豪。宝塚の男役出身の(と言ったら誰もが信じる)男前な女性。やはりスカッシュ仲間と一緒の酒の席と、披露宴でご一緒だった。

療初日。ただの飲み友だちだった美しい女性が白衣で目の前に現れ、先生と患者の関係になる。ちょっと緊張。「では、上半身裸になってください」え!ま、そうでしょうけど。緊張が高まる。最近ちょっと脇腹のたるみが気になっていたのに。(そっちかい!)「IGAさんは、痛みに強いですか」いいえ(涙)。痛いのか?やっぱり。さらに緊張が高まる。「はい、分かりました。では肘の状態を診させていただきますね」肘の周辺から、手首、肩、腕と張りの状態を確かめる。「じゃあ、まずは仰向けに寝てください。鍼を打って行きます」怖くて目を開けていることができず、ましてや患部を見ることなどできない。鍼を打たれることに集中しないようにと意識すると、逆に患部に意識が集中してしまう。ぷち。ふぅ。それほど痛くはない。ぷち。ぐわっ!痛い。打たれた場所から指先まで熱い痛みが瞬間的に走る。「あ、ごめんなさいね」と言いながら、ぷち。セーフ。ぷち。あつっ!ぷち・・・。永遠かと思われる緊張の時間が続く。

Photo_2い。では次に電気通して行きまぁす♪」ん?今、ちょっと声が楽しそうだったか。「まず肘の横です」ぴくん。「次は上です」どくん、どくん。「脇の下です」ぐぇっ!「最後はここです」どくん。おぉっ!カエルの電気実験のように、勝手に指が動く。肘から腕を通って指先までが波打つ痛み。数分間の実験が終わる。思わずふぅ〜っと深いため息が漏れる。「はい、次はお灸です。熱かったら言ってください」既に熱いんですけど、とは言えない。どこまでが我慢すべき熱さなのか、基準が分からない。「はい、頑張りましたねぇ。次は腕全体をマッサージします」や、やっぱり私は頑張ったのか。熱かった。と思う間もなく、ウィーン名物シュニッツェル(子牛のカツレツ)を作る時に使いそうなイボイボ付きの金属のローラーが腕の上を走る。うげっ!痛気持ち良い。「Kちゃんもこれは好きみたいで、これ自分で買ったんですよ。でも、彼女にはもっと深いとこまで鍼を打って、ぐりぐり動かすんですよ。タオルを口にくわえて痛みを堪えてます。頑張ってますよ」それは凄い。「IGAさんにはちょっと無理そうですね」もちろんです。「はぁい、今日はこれでお終いです。お疲れ様でした」はい、いろんな意味で疲れました。

れから数週間。何度かそんな治療を続け、痛みも軽くなって来た。「あぁ、ずいぶん柔らかくなってきましたね」はい。耐えて来た甲斐があります。「では今日は俯せで♪」ん?また声がちょっと楽しそうじゃないか。「はい、腕を上げてください。失礼します」おっ!脇の下をマッサージ?うげげっ!痛い!他人に脇の下を委ねることも怖い。まして相手は美しき男前女性。「はい、力抜いてください」と言われても。うじじじっ!痛みで腰が浮いてしまう。「1、2、3、はいもう少しです」ふぅ。「1、2、3・・・」いでっ!これは効きますね。いででっ!身を捩る痛みが全身を貫く。男性は痛みに弱いというが、私はトップクラスに違いない。とても子供を産めそうもない。「Kちゃんは子供産んだ時より痛いって言ってますよ」そうなのか、Kちゃん。お互いにこの痛みを耐えて、再びスカッシュができるよう完治を目指す、同志のような気持になってきた。じゃあ、今度Kちゃんに会った時には、お互いに脇の下のツボを押し合ってみます。「ははは。ぜひやってみてください♪」・・・そんな時でも爽やかで、男前な先生なのだった。

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2008年9月23日 (火)

街のランチ事情「神保町・青山・自由が丘」

060330 と約束していることがある。年齢的には既に堂々たる“オヤヂ”なのだけれど、“格好悪いオヤヂ”にならないこと。身だしなみはもちろん、自分のスタイル、自分のスタンスをきちんと持つこと。年齢を重ねることは嫌なことでも、避けたいことでもない。むしろ、人生に、生活に余裕を持って接することができるということを肯定したい。自分の身の丈を知り、できることとできないことを知り、でも諦めないことが自分の中で矛盾しない人生を目指したい。とは言え、体力は衰えはじめ、無理が利かなくなってくるのは事実。しかし、好奇心やお洒落心を衰えさせてはいけない。新しいもの、新しい味、新しい道に興味を持ち続けたい。ランチについても同様。たかがランチと言うなかれ。新しい店を発見する。いつもと違うメニューを頼んでみる。新しい発想が生まれる、かもしれない。

Photo_2

前勤めた通信系企業では、「ランチに何を食べるか」について積極的な空気はなかった。経済的に堅実で、社内の食堂で済ます人がほとんど。であればと、“ランチ隊”と称して、中途同期入社の女性社員を誘って神保町の街で食べ歩いた。独りでも出かけて行った。カレーの激戦区でもある神保町は、別皿の茹でたじゃがいも付きで有名な「ボンディ」など、洋風、本格インド系、お母さん系など、いろいろ楽しめた。そして、「ラドリオ」「ミロンガ」などの老舗喫茶店で食べるランチもお気に入りだった。蕎麦と言えば「たかせ」「そば切り源四郎」、うどんだったら「野らぼー」、ごはんが美味しい「嘉門」は名店だった。京料理の「孤兎」、親子丼の「蘭奢待」「焼き鳥屋」なども好きだった。学生の街でもあり、古書店街やスポーツショップなどが軒を連ねる神保町。独特の文化を持つ、ランチのバリエーションの豊富さの点でも去るには惜しい街だった。

Photo_4 たな勤務先のある渋谷、青山も期待が持てる。青山通りから1歩入った路地に、美味しそうな面構えの店が多い。渋谷駅から表参道方面に向かう通勤ルートを毎日変え、ランチ向きの店、夜に訪れたい店を物色している。ただし、まだ店に入るチャンスが少ない。週の半分はクライアントのオフィスがある自由が丘にいることが多く、なかなか青山ランチを実践できない。また少数精鋭のスタッフは皆忙しく、ランチはご近所のお弁当を買い、デスクで食べることが多い。う〜む、じゃあ独りで極力時間を作って、青山・自由が丘ランチだ!ということで、ふたつの街でランチ探検を始めた。これが実に楽しい。人の嗜好や財布を気にすることなく、お店を選ぶことができる。ちょっと足を伸ばして気になる店まで出かける。何よりも、妻と一緒の夕食のために、店の下見を兼ねて。

Photo_5 由が丘のランチは、なかなかの充実ぶり。ヴェトナム料理の「クァン アン タム」、お馴染み「モンスーンカフェ」、自由が丘マダム御用達の豪華な中華料理「状元樓」、とんかつ「とんき」、三鮮麺が美味しいB級中華の「梅華」、自由が丘デパートの「自由が丘餃子センター」などバラエティたっぷり。そして何よりもカフェの存在がありがたい。「ルピシア」「パームスカフェ」、友人の知人が経営する「SODAカフェ」、老舗人気店「茶の子」などなど、打合せの合間に、ほっと一息付いて、メモをまとめたり、資料を読んだり。「なぁんか、良い生活だねぇ」お気楽妻が書きかけの記事を覗き込む。街を知るのも仕事。街を知り、街を歩き、新しい店、新しい味にも(ついでに)出会う。近々スタートする新ホームページでは、そんな街や店を紹介するコーナーも検討中。お楽しみに♪

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2008年9月20日 (土)

ニューヨーク!ニューヨーク!「ハンバーガーは世田谷で」

PhotoNYCの友人夫妻の帰国が近づいている。萬来軒で帰国祝いのパーティだ!ご近所の友人夫妻宅でじっくり飲まなきゃ、うぅ〜ん、仲間たちと一緒に温泉にも行きたいよなぁ・・・今からとても楽しみだ。そんなある日、文化村に勤める友人からコンサートのご招待をいただいた。「Symphonic NEW YORK 《ウェスト・サイド・ストーリー》《ラプソディ・イン・ブルー》」というタイトルの、オーケストラといろいろなジャンルのアーティストの競演。東京フィルと、オペラの錦織健、若干19歳でアポロシアターのステージに立ったヴォーカリスト清水翔太、ジャズピアニストの山下洋輔らが、NYCを愛したバーンスタインとガーシュウィンの楽曲を演奏、そして歌うというコラボレーション企画。NYCの街の雰囲気を感じることができる良いコンサートだった。

Photo_2NYCの友人夫妻を訪ねたのは、5年前のクリスマス。NYCで、ワシントンD.C.で、たくさんのクリスマス・ツリーを訪ねた旅でもあった。一緒にミュージカルを観て、リバーカフェやチャイナタウンで食事をして・・・。そんな彼らとの楽しい記憶が思い出される。「すっかりお腹空いたねぇ。今日は何食べて帰る?」コンサート終了後、お気楽夫婦のいつもの会話。食事もエンタテインメント。うぅ〜ん、「ヴィロン」はパリだし、「麗郷」は台湾、シモキタの「Aサイン」は沖縄かぁ・・・。「シモキタって言えば、ハンバーガーの美味しい店ができたって最近誰かから聞いたんだよねぇ」おっ!それだ。アメリカン、NYC気分だ!店の名前は「ヴィレッジ・ヴァンガード ダイナー下北沢」そう、面白本屋のヴィレヴァンが経営するカフェ。店の面構えは、いかにもアメリカン。できたばかりの店のはずなのに、何年も前からそこにあったような佇まい。いわゆる“汚し”で、時間の経過を演出している。

Photo_4内に入ると、古材を利用した落ち着いた内装。ほほぉ。なかなかアメリカンな雰囲気。まずはビールから。その名も「ブルックリン・ラガー」をオーダー。ひとくち飲めば、気分はすでにニュヨーカー。他にもボストンのサミュエル・アダムス、ベルギーのシメイ、ドイツのベックスなど、アメリカをはじめとして世界のビールがたっぷり。こりゃ嬉しい。妻はハワイのライオン・コーヒー。これまたアメリカン。「いらっしゃいませ。ハンバーガーお召し上がりでしたら、お薦めはこちらの4種類です」ふぅん、美味しそう。じゃあ、そのメルティなんたらハンバーガーと、フライドポテトと・・・「お客さま、ハンバーガーにもポテトは付いていますので、よろしければ他のメニューはいかがですか」おぉ!なんて良いヤツ。じゃあ、シーザーサラダください。「ありがとうございます」

Photo_3 ぅん、良い感じだね。「うん、確かに。サービスはアメリカンじゃないんだね」アメリカの(特にNYCの)サービス(接客)水準は、お世辞にも良いとは言えない。NYCの友人夫妻も零していた。日本だったらクレームもんだ!という接客に最初は驚いてもいた。そして、ハンバーガー登場。うん、溶けたチーズがと大粒のペッパーが抜群に美味しい。パテも、バンズも手作りの本格的な味だね。「うん。でも、本格的って言っても、アメリカよりきっと美味しいよね」確かに。アメリカで生まれたハンバーガーとは言っても、この繊細な日本人向きの味や作りは日本の方が確実に美味しい。三軒茶屋の「ベーカー・バウンス」といい、この「ヴィレッジ・ヴァンガード ダイナー」といい、サンマは目黒に限るように、ハンバーガーは世田谷に限る、のかもしれない。・・・お後がよろしいようで。

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2008年9月14日 (日)

名残の夏、名残の鮎「たん熊北店 二子玉川店」

Photo度か妻と2人で乾杯をした。友人たちや元同僚たちにお祝いもしてもらった。それは、転職祝いだったり、送別会だったり、場合によっては暑気払いという名目で。いずれも楽しい酒だった。たっぷりと飲んで、美味しく食べた。けれど、妻と2人でお祝いの〆を(なんだそれは!)するには、やはりこの店。「たん熊北店 二子玉川店」は、パークハイアット東京の「ニューヨークバー」と並ぶ、お気楽夫婦にとって特別な店。同じお祝いでも、2人で夜景を眺めながらしっとりと飲み語るなら「NYバー」だし、美味しいものを食べ、幸せな気分になりたいなら「たん熊北店」だ。いつものカウンタ席に座り、板場を眺めるだけで笑みが零れてしまう。幸せの味を目で先取りだ。そして、ビールとお茶で乾杯の後、一品目の「ずわい蟹と菊花のあちゃら和え」にさっそく舌鼓。ふふふ、旨い。舌の幸福もやってきた。

Photo_2に鮎や鱧を食べに来たかったんですけど、来そこねちゃって・・・」妻が店長の本城さんに声をかける。他では店のスタッフとコミュニケーションを取ることのない妻も、この店ではリラックスして会話ができる。「あぁ、ちょっとお待ちください」本城さんが板場の奥のスタッフに声を掛ける。「ありましたわぁ。2尾だけ。名残の鮎ですね。取っておきます」「嬉しい♪もう食べられないと思ってた」2人が大好きな夏の味、鮎の塩焼きを今年は食べそこねていた。「名残の鱧もありますよ。もうこれも最後ですね」と、板場の保坂さん。おっ、じゃあ鱧もお願いします。「湯引きにしますか。それとも炙って召し上がりますか」うぅ〜ん、どちらも美味しそうだ。「分かりました。半分づつお造りしましょ」嬉しい。ごりっごりっと、目の前で鱧の骨切り。去って行ってしまう夏の音だ。

Photo_3

ころで本城さんとは妙なご縁になった。お気楽夫婦が通うスポーツジムで偶然お会いしてスカッシュをご一緒したり、京都の店で修行中にお世話になったという魚問屋のお嬢さんが妻と同じ(元は私も)会社にいるとか。「いやぁ、いつもIGAさんのブログは参考にさせてもらってるんです」それは光栄です。「はしぐち亭にも、嫁と一緒に行ったんですよ」うぁ〜っ!それは嬉しいけどびっくり。橋口さんに伝えたら喜ぶだろうなぁ。「サービスの面とか、自分のスタイルができるまで、今がきっと頑張りどころでしょうね」はい、お伝えしておきます。それはそうと、今度奥様も一緒にウチの近所の四川料理の店に行きましょう!「ぜひお願いします!」その間にも、「フォアグラと大根蒸し」をいただき、すっかり妻の目はハート。「ここは、ほんっとに幸せな味だよねぇ」

Photo_4 っと料理の素材やら、技やら、店の格式や伝統を語れば「名店」は山ほどある。しかし、山ほど店があるから、行き尽くせないから、出会った味が大切だと思っている。出会った人に感謝しなければいけないと思っている。食べることは大好きだけど、決してグルメ(美食家)などではないお気楽夫婦。2人が好きな味は、器の上に乗っている料理の味だけではなく、お店が、人が創り出すもの。美味しく、楽しく、心地良く食べて酔える店。まさに、ここがそんな店のひとつだ。「うわぁ、今年最後の鮎だ♪」香ばしく、ほろ苦く、そして何より去って行く夏の味だ。「今度はチーム・アラフォーのメンバーと一緒に来なきゃね」そう、2人にとっての名店は、親しい人と共有したい味、でもある。「ねぇ、いつ来る?予約してく?」この店は妻を幸せに、そして貪欲にする。

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2008年9月13日 (土)

街の魅力、小路の引力「自由が丘のプリン専門店 ケミュ」

Photo務先を変えて2週間が経った。新たなオフィスは青山、クライアントは自由が丘。その2つの街で過ごすことが多くなった。その2つの街には共通点が多い。ひとつは高層ビルが少ないこと。表参道や自由が丘の駅前周辺は低層のビルが立ち並び、ビルとビルの間には小さな道がひょっこりと現れる。大きな通りをちょっと外れるだけで、街が穏やかな表情で人を迎えてくれる。住宅地の中にこぢゃれた雑貨屋がちょこんとあったり、小さなカフェがあったり。歩いているだけで楽しくなる小路の魅力、人を惹きつける街の引力がある。大規模開発により機能や施設の充実を目指すのも良いけれど、この2つの街のように、それぞれに表情がある個性的な“まちづくり”があっても良いと思う。

Photo_2 ころで、最近の自由が丘は“スィーツの聖地”とまで言われ、甘いもの好きの女性が街に点在する有名店を訪ね歩いている。確かに、老舗の「モンブラン」、「亀屋万年堂」、「蜂の家」をはじめ、カリスマ・パティシエ辻口氏の「モンサンクレール」「自由が丘ロール屋」、スィーツの殿堂「スイーツ・フォレスト」、新進の「黒船」、「パティスリー スクウ」、海外ブランド「ダロワイヨ」、「ゴディバ」、「レダラッハ」など、自由が丘にあるスィーツショップは枚挙に暇がない。甘辛OKの私としては、街を理解するため、仕事のためだからと自分に言い訳をして、全店制覇を目論んでいる。まずは、その手始めに、ご近所の友人夫妻へのおみやげにしようと「ケミュ自由が丘本店」に向かった。

Photo_3由が丘駅前のロータリーから、メープル通りをひたすら歩くこと10分余り。マンションの1階にある小さな店。住所は世田谷区奥沢。実は、自由が丘という住所は目黒区だけれど、世田谷区と境を接し、商店街は両区にまたがっている。自由が丘駅の南口のほとんどは世田谷区奥沢。だから世田谷区奥沢でも“自由が丘”という訳だ。赤い扉を開けると小さなショーケース。何種類かのプリンだけが並んでいる。店の奥には小さな工房。シンプルで、潔いほどのプリン専門店。聞けば添加物を一切使っていないから冷蔵庫に保管して早めに食べなければいけないデリケートなプリン。どれも美味しそう♪迷ってしまうぜ。

Photo_4 ぅむ、迷うときは大人買いだ!ケミュプリンを4個、焼きプリンを4個、チョコレートプリンを2個、栗とマンゴを1個づつお願いします♪「ありがとうございます」うぁ、さすがに重い。合計12個のプリンと小さな達成感を抱えて、のんびりと閑静な通りを歩く。そこまで行って買った、そこに行かなければ買えない、このプリンには街の付加価値も付いている。早々に持ち帰ったプリンは一気に味見。「これは優しい味だね。美味しいねぇ♪」妻も満足。決して派手さはないが、きちんと美味しい。流行のなめらか系ではなく、吟味した素材を活かすこだわり系。プリン好きの友人(夫)からもお礼のメールが入った。彼らのためにも、自由が丘スイーツ巡りを続けよう!「それに、夜の食べ歩き、飲みも、でしょ?」いつもながら妻は鋭い。

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2008年9月 7日 (日)

2冊の白い文庫本『かもめ食堂』『ネバーランド』

P1000820画を観るのが先か、原作を読むのが先か。そう問われたら、間違いなく原作を読むのが先!と答える。私は文庫本の解説を先に読むやつ(妻もそう!)が信じられない。何の先入観もなく作品を読み、作者の創造した世界を自分の中で再構築するのが読書の愉しみだと思っている。でも、この作品については知らなかったのだ。原作があることなんて。文庫本が本屋の店頭に並んだ時も、映画のノベライズか?と思ったほどに。それぐらい映画作品としての「かもめ食堂」は独自のほわんとした世界を描き、完結していた。涼しげな空気が流れるこぢんまりとした世界。それに対し、群ようこの作品はほとんど読んだことがなかった。かつて椎名誠の事務所で働いていて、「無印良女」の作者で、それを「むじるしりょうひん」と読ませるセンスが好きじゃないなぁ・・・ぐらいの印象。(失礼)

から、驚いた。面白かった。映画と同じくらい、あるいはそれ以上に。映画の世界観そのままに(考えたら、原作だから、まぁ当たり前なのだけれど)淡々と、軽やかに時間が流れ、現実のような、現実のちょっと外にあるような不思議な物語が綴られていく。映画では説明していなかった背景も丁寧に書かれ(これも当然か)あぁ、そうだったんだと腑に落ちる。映画と小説という表現の違いや、どちらが先かということは気にならず、どちらも独立した作品として、えこ贔屓や偏見なく、「好き」と言える。私にとってはとても珍しい現象。どちらかに肩入れすることなく、両者のメディアの特性をそれぞれ評価して、補い合ってプラスになる受け止め方ができる。ただし、仕方ないのだけれど、登場人物の顔や姿が映画のキャスティング通りになってしまう。本を読んで広がるはずのイメージが限定される。だから私は原作が先!なのだけれど、今回の場合はそれもまた楽しかった。観て欲しい、そして読んで欲しい、お薦めの組み合せだ。

P1000821 田陸は、当たり外れが激しい。誤解のないように言っておけば、私にとって。食事(料理)や読書(小説)は嗜好性の高いものだから、評価はあくまでも個人的なもの。当たり外れは、作者や作品に対しての評価ではなく、自分自身に対して向けられることば。言い換えれば、恩田陸には大好きな作品と、途中で投げ出してしまう作品があるということ。だから「夜のピクニック」以来、久しぶりに、とても嬉しかった。途中までどきどきしながら、ストーリーにだけではなく、途中で投げ出さないかと自分自身に対して、読んでいた。スポーツジムのトレッド・ミル(ランニング・マシンのことです)で走っていても感じるのだけれど、走り始めてしばらくはペースを掴むのが大変だけど、一度その日のリズムに乗ったらどこまでも走れそうな日がある。「ネバーランド」は、そんな絶好調の体調のまま、どこまでも読んでいたい気持ちにさせる。“大あたり”の1冊だ。

じ高校生を主人公にした物語でも、主人公たちの背景にある物語は「夜ピク」に比べて重く、辛く、痛々しく、信じがたく、ちょっと「お話」っぽい。しかし、「ネバーランド」に登場する高校生たち4人は、それぞれぎゅっと抱きしめたくなるほど魅力的だ。そして、なんとも絶妙の組み合せだ。その4人のバランスの中に、自分を登場させたい、彼らと会話がしてみたい、こんな仲間が欲しかった、・・・こんなことばを書き綴ると照れてしまうのだけれど、眩しく、妬ましく、読んでいて嬉しくなる4人の男の子。こんな高校生いねぇよっ!こんな学校なんてねぇよっ!などと言わず、読んでみて欲しい。どこまでも、どこまでも、読み続けられる気がしていたのに、もうすぐ終わってしまうと気づく最後の数ページに、切なくすらなってしまう。ずっと高校生のままの彼らを読み続けていたい、ネバーランドの生活を共有したい・・・そんなことを思わせる作品だ。

すっきりと白い装丁の文庫本、初秋のお薦めの2冊。

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2008年9月 6日 (土)

帰国決定!「浦島太郎、NYCから帰る?」

Photo る週末。朝から晴れていたのに、書斎の窓から差し込む日射しがにわかに弱々しくなり、不審に思い窓を開けると、不吉な湿気を帯びた風が吹き込んだ。すると遠くに湧いた黒い雲がみるみる近づいて来る。浦島太郎が玉手箱を開けて沸き立った煙のように、雲の根元からは次々と黒い悪意の塊が供給され続ける。ちょうど妻とご近所の友人(妻)が連れ立ってボクササイズに出かけたばかり。風邪気味の私は予定を変更して整体治療を受けることにしたため、友人に無理を言って妻と一緒にレッスンしてもらうことにした。2人は大丈夫かなぁと思う間もなく、叩き付けるような雨が降って来る。あちゃ〜。しばらくするとずぶ濡れの2人が帰って来た。「だめぇ。傘なんて役に立たない」「着替えて借りて良い?出直すことにするよ」運が悪かったのではなく、一緒だったから我が家に一時避難できたことはラッキーだったと思うぐらいしか慰めようがない。こんな不穏な天気が続く東京。地球的規模で何かが起こっている。

Photo_2 の日は、ご近所の友人夫妻と一緒に、これまたご近所の四川料理の名店「萬来軒」で食事することになっていた。「全く今日はついてなかったね」「あそこまで酷い雨は、あの時間だけだったよね」そんな日は美味しいものを食べるに限る。さっそく手羽先の薫製揚げをオーダー。おぉ、旨い。かりかりしたクリスピーな皮とスモーキーな香りが食欲をそそる。ビールもそそる。「やっぱりこの店は美味しいよねぇ♪」「幸せだぁ♫」ようやくNYCの友人夫妻の帰国が決定したという話題になる。「長かったよねぇ」NYC支社の駐在期間記録を作ったらしい。美味しいものはNYCにもたくさんあるが、萬来軒はない。職人技の料理の切れ味を柔らかく温かく包む、幸せになる一皿は貴重だ。彼らが帰って来たら、この店で仲間を集めて帰国祝いのパーティだ!

Photo_3にやってきたのは川海老の塩炒め。おじちゃんの塩使いはいつもながら絶妙。優しい味付けと巧みな香辛料の組み合せで、素材の味が引き立つ。文句なく旨い。NYCの友人夫妻も私のブログ読者。何気ない表現が彼らの「里心」を刺激して、早く帰りたぁ〜いっ!と何度も思わせたらしい。作戦通り。この店で友人たちとわいわい食べる食事ほど美味しいものはない。「早くNYCの友人夫妻も一緒に食べられると良いね」遠く離れているのに、離れているからこそ、共有したい時間、空間、そして何よりもこのおじちゃんの作る一皿の味。彼らが帰ってくる日が待ち遠しい。

Photo_5日は鶏そばを絶対食べたいんですよ♫」何年付き合っても相変わらず丁寧な言葉遣いが残るご近所の友人(夫)が主張する。彼がオーダーする時には炭水化物モノが多くなる。さっきも海鮮おこげを食べたのに・・・。「えぇ〜っ!私もうお腹いっぱいだよぉ」友人(妻)が遠慮なくこぼす。こんな相変わらずのやり取りが楽しい。早くこの場にNYCの友人夫妻がいて欲しい。ところで、NYCの友人夫妻は5年も彼の地に滞在したこともあり、日本のIT状況に疎いらしい。「日本の携帯はインターネットが使えるのは当たり前なんですってね。ところで携帯電話って、月々どれぐらい使うの?どこと契約すれば良いの?ワンセグって録画もできるの?噂ではいろいろ聞くんだけど・・・」ふぅむ、面白い。日本の技術はガラパゴス。独自の進化を遂げて世界基準になっていない。だからこそ面白いとも言える。世界的なスタンダードにならなくたって良いじゃん!とは言え、NYCから帰って来る彼らが見た日本、不思議な国に違いない。楽しみ、楽しみ!

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